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Core Ultra 5 226Vのベンチマーク
ここでは、インテル Core Ultra シリーズ2の「Core Ultra 5 226V」の各種ベンチマークスコアを掲載します。
プロセッサーの仕様
下表は、インテル Core Ultra シリーズ2の一覧です。Core Ultra 5 226Vは、この中では、最も性能の低いプロセッサーとなります。
32GBメモリ | 16GBメモリ | |
Core Ultra 9 | Core Ultra 9 288V | ー |
Core Ultra 7 | Core Ultra 7 268V Core Ultra 7 258V |
Core Ultra 7 266V Core Ultra 7 256V |
Core Ultra 5 | Core Ultra 5 238V Core Ultra 5 228V |
Core Ultra 5 236V Core Ultra 5 226V |
よく搭載されているCore Ultra 7 258Vと仕様を比較すると、Processor Base Power(PBP)は17Wと同じであるものの、クロック数やキャッシュ、GPU性能などは全体的にやや劣っています。
NPU性能については、40 TOPSとCopilot+ PCの要件を満たす性能ではありますが、Core Ultra 7 258Vよりはやや落ちる性能です。
Core Ultra 7 258V | Core Ultra 5 226V | |
P / LP Eコア | 4 / 4 | |
Pコア最大クロック | 4.8GHz | 4.5GHz |
LP Eコア最大クロック | 3.7GHz | 3.5GHz |
Intel Smart Cache | 12MB | 8MB |
Processor Base Power | 17W | |
Maximum Turbo Power | 37W | |
GPU名 | Intel Arc 140V GPU | Intel Arc 130V GPU |
GPU Xe コア | 8 | 7 |
GPU最大クロック | 1.95GHz | 1.85GHz |
GPU ピークTOPS | 64 TOPS | 53 TOPS |
NPU名 | Intel AI Boost | |
NPU ピークTOPS | 47 TOPS | 40 TOPS |
ベンチマークの計測に利用したノートPC
今回、ベンチマーク計測に使用したノートPCは次の機種です。
Core Ultra シリーズ2を搭載し、1kgを切る軽さで、しかもLTEモジュールを追加することができるモバイルノートPC。
このノートPCに、全コアのCPU使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力の推移が、下の図の通りです。
動作直後の最大電力が約26W、動作安定時のCPU電力は約17Wから徐々に下がり、10W前半で推移しています。
MTPが37W、PBPが17Wのプロセッサーであることを考えると、CPU電力は低めです。
そのため、以下にベンチマークスコアを掲載しますが、他のPCでは、もっと高いパフォーマンスになることも多いと思いますのでご了承下さい。
CPU関連のベンチマークスコア
以下、Core Ultra 5 226Vの各種ベンチマークスコアを掲載します。
グラフでは、Core Ultra 5 226Vを緑色のバーにし、特に比較したい上位のCore Ultra 7 258Vをオレンジ色のバーにしています。
CINEBENCH 2024
まずは、レンダリングを行いCPUやGPUの性能を評価するベンチマークソフト、CINEBENCH 2024のスコアを掲載します。ここではCPUのベンチマークのみ実行しています。
マルチコアのスコアはあまり高くありませんが、シングルコアのスコアは高いです。
動画のエンコードのようなCPUをフルで使う処理は苦手ですが、一般用途なら快適に動作するでしょう。
CINEBENCH R23
続いて、CINEBENCH R23のスコアを掲載します。
こちらも、マルチコアのスコアは低いです。シングルコアのスコアはまずまずです。
今回、CPU電力があまり高くなかったせいもあり、Core Ultra 7 258Vとは、性能にやや差があるかなと思います。
~ CPU性能の評価 ~
PassMark Performance Test 11
続いて、圧縮、暗号化、物理シミュレーションなどを含む数学的計算を行うPassMark Performance Test 11.0のスコアを掲載します。
Passmarkのスコアも、そこまで高くはありません。ただ、一般的な作業であれば、十分こなせる性能です。
グラフィックス関連のベンチマークスコア
次はグラフィックス関連のベンチマークスコアを掲載します。
3DMark Night Raid
3DMark Night Raidのスコアは以下の通りです。「グラフィックスのスコア」を見ると、Core Ultra 7 258Vはもとより、1世代前のCore Ultra 5 125Hよりも低いスコアでした。
ただし、一般的なCPUよりは高いグラフィック性能です。
~ グラフィックス性能の評価 ~
3DMark Steel Nomad Light
続いて、軽量ゲーミングノートPCの最新ベンチとなる、3DMark Steel Nomad Light の結果です。
「グラフィックステスト」のスコアを見ると、こちらはCore Ultra 7 258Vと同じくらいのスコアが出ていました。
~ グラフィックス性能の評価 ~
ゲーミング性能
以下、ゲームをしたときのフレームレートを掲載します。独立グラフィックスを搭載したPCではないので、比較的軽めのゲームを選んでテストしています。
また、今回、テストに用いたPCの画面比が16:10だったので、解像度は1920x1080ではなく1920x1200で計測しています。
ファイナルファンタジー 14 黄金のレガシー
Core Ultra 7 258Vの「ファイナルファンタジー 14 黄金のレガシー」のベンチマークのスコアは下表の通りです。
Core Ultra 7 258Vほどの平均フレームレートは出ていませんでしたが、Ryzen AI 9 HX 370よりは高かったです。
ただ、FF14をするには、もう少しフレームレートが欲しかったです。
ファイナルファンタジー 14 黄金のレガシー
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解像度 | 品質 | Core Ultra 5 226V |
1920x1200 | 標準(ノート) | 51 fps / 7360 |
PSO2 ニュージェネシス
続いて、PSO2 ニュージェネシスのベンチマークスコアです。こちらは、低めのスコアでした。ただ、平均60 fps以上は出ていたので、なんとかゲームはできる範囲だと思います。
PSO2 ニュージェネシス
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解像度 | 品質 | Core Ultra 5 226V |
1920x1200 | 最低 | 64 fps |
原神
原神は、最低設定であれば、十分なフレームレートが出ていました。中設定だと平均47 fpsと低く、ややカクつくときもあります。
原神
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解像度 | グラフィック品質 | Core Ultra 5 226V |
1920x1200 | 最低 | 60 fps(上限) |
中 | 47 fps |
ドラゴンクエストX
ドラゴンクエストXは軽いゲームなので、高いスコアが出ていました。
ドラゴンクエストX
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解像度 | 品質 | Core Ultra 5 226V |
1920x1080 | 最高品質 | 111 fps / 11853 (すごく快適) |
クリエイターソフトの処理時間
次に、Adobeソフトで計測した各種処理時間を掲載します。
Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間
Adobe Lightroom Classicによる100枚のRAWデータの書き出し時間は下のグラフの通りです。
あまり速くはありませんでした。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Premiere Proによる書き出し時間
Adobe Premiere ProによるFHD動画の書き出しも、それほど速くありませんでした。
消費電力
消費電力を、他のノートPCと比べてみます。
ただ、ディスプレイも構成も異なるノートPCで計測しているので、正確な比較にはなっていません。参考程度にご覧下さい。今回、ディスプレイ解像度がそこまで高くないこともあり、低めの消費電力でした。
アイドル時 | YouTube再生 | Premiere Pro 動画編集 |
|
MousePro G4 Core Ultra 5 226V、 14型FHD+ |
4W | 5W | 11W |
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Acer Swift Go Core Ultra 7 155H、 14型2.2K |
6W | 13W | 15W |
ASUS Zenbook S 16 Ryzen AI 9 HX 370、 16型2.8K |
7W | 16W | 27W |
ASUS Zenbook S 15 Snapdragon X Elite、 15.6型2.8K |
7W | 12W | 34W |
MacBook Air Apple M3、 13.6型2.5K |
4W | 5W | 8W |
バッテリー駆動時間
次に、当サイトで計測した、Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたときのバッテリー駆動時間を掲載します。なお、画面輝度は120cd/m2にし、明るさの自動調整はOFFにしています。
こちらも、上と同じ理由で、参考程度にご覧下さい。
やや負荷のかかる作業ですが、Core Ultra 5 226V搭載PCは、非常に長いバッテリー駆動時間でした。
バッテリー駆動時間重視なら、Core Ultra 5 226Vはおすすめです。
Premiere Pro プレビュー再生 |
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MousePro G4 Core Ultra 5 226V、14型FHD+、54Wh |
9時間31分 |
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MacBook Air Apple M3、13.6型2.5K、52.6Wh |
8時間58分 |
レノボ IdeaPad Pro 5i Gen 9 Core Ultra 7 155H、14型2.8K、84Wh |
7時間54分 |
Acer Swift Go Core Ultra 7 155H、14型2.2K、65Wh |
6時間29分 |
ASUS Zenbook 14 OLED Core Ultra 7 155H、14型2.8K、75Wh |
6時間14分 |
ASUS Zenbook S 16 Ryzen AI 9 HX 370、16型2.8K、78Wh |
6時間44分 |
※1 計測ミスがあったので再計測しました。お詫びして訂正します
まとめ
今回、Core Ultra 5 226Vのベンチマークスコアを計測しました。
CPU性能については、マルチコア性能は低めでしたが、シングルコア性能はまずまずでした。
GPU性能は、まずまずの性能です。
Core Ultra 7 258Vと比較すると、CPU性能、GPU性能、NPU性能のいずれも劣りますが、一般的な作業をする分には十分な性能です。ただし、クリエイティブワークをしたり、ゲームをしたりするなら、Core Ultra 7 258Vのほうがおすすめです。
省電力性能は高いので、バッテリー駆動時間重視の方にもおすすめです。
なお、今回は、CPU電力が低めに推移するノートPCで計測したため、スコアも低めになっています。別のノートPCで計測した場合は、もう少し高いスコアになる可能性があります。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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