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Core Ultra 7 258Vのベンチマーク
ここでは、Lunar Lakeこと、インテル Core Ultra シリーズ2の「Core Ultra 7 258V」の各種ベンチマークスコアを掲載します。
従来のCPUと比べて、インテル Core Ultra シリーズ2は、省電力で、さらにGPU性能、NPU性能も順当にアップしています。持ち運びやすい軽量ノートPCで、やや負荷のかかる作業をしたい方や、高めの負荷がかかる作業をバッテリー駆動状態で作業をしたい方などにおすすめです。
プロセッサーの仕様
インテル Core Ultra シリーズ2は、メモリがチップに統合されており、下表の通り、32GBメモリの場合は、末尾のVの前が「8」、16GBの場合は「6」となっています。ここ以外のCPU名が一緒なら、メモリ以外の仕様は同じです。
32GBメモリ | 16GBメモリ | |
Core Ultra 9 | Core Ultra 9 288V | ー |
Core Ultra 7 | Core Ultra 7 268V Core Ultra 7 258V |
Core Ultra 7 266V Core Ultra 7 256V |
Core Ultra 5 | Core Ultra 5 238V Core Ultra 5 228V |
Core Ultra 5 236V Core Ultra 5 226V |
32GBメモリを搭載したCPUを下にまとめると、下表のようになります。
なお、従来あったLPコアは廃止され、PコアとLP Eコアのみとなりました。ただし、LP Eコアは高クロック化し、コア数も4つに増えたため、Pコアが動くことが減り、それによって消費電力が抑えられています。その代わり、従来のCore Ultra シリーズ1のPコアは6つであったのに対し、Core Ultra シリーズ2のPコアは4つに減っています。また、ハイパースレッディングは廃止されました。
PBP(Processor Base Power)は、Core Ultra 9以外は、17Wとなっています。Core Ultra 7 155Hは28Wだったので、PBPは低くなっています。
以上のことから、ワットパフォーマンスは高そうですが、最大パフォーマンスは、PBPの高いCPUと比べるとそこまで高くならないと思われます。
なお、今回、ベンチマークを計測するCore Ultra 7 258Vは、Core Ultra シリーズ2の中では中間に位置する性能で、Core Ultra 5とは違い、Intel Smart Cacheは12MBあり、GPUもIntel Arc 140V GPUを搭載しているので、Core Ultraシリーズ2の中では人気のCPUとなりそうです。
Core Ultra 9 288V |
Core Ultra 7 268V |
Core Ultra 7 258V |
Core Ultra 5 238V |
Core Ultra 5 228V |
|
P / LP Eコア | 4 / 4 | ||||
Pコア最大クロック | 5.1GHz | 5.0GHz | 4.8GHz | 4.7GHz | 4.5GHz |
LP Eコア最大クロック | 3.7GHz | 3.5GHz | |||
キャッシュ | 12MB Intel Smart Cache |
8MB Intel Smart Cache |
|||
PBP ※1 | 30W | 17W | |||
MTP ※2 | 37W | ||||
GPU名 | Intel Arc 140V GPU | Intel Arc 130V GPU | |||
GPU Xe コア | 8 | 7 | |||
GPU最大クロック | 2.05GHz | 2.0GHz | 1.95GHz | 1.85GHz | |
GPU ピークTOPS | 67 TOPS | 66 TOPS | 64 TOPS | 53 TOPS | |
NPU名 | Intel AI Boost | ||||
NPU ピークTOPS | 48 TOPS | 47 TOPS | 40 TOPS |
※1 PBP:Processor Base Power
※2 MTP:Maximum Turbo Power
ベンチマークの計測に利用したノートPC
今回、テストに使用したノートPCは次の機種です。
このノートPCに、Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力の推移は、次の図の通りです。なお、最もパフォーマンスが出るモードへ変更してテストしています。
安定動作時のCPU電力は、約28Wでした。PBPが17Wであることを考えると、CPU電力は割と出ていたと思います。
なお、他のノートPCでは、もっと高いCPU電力が出ることもあれば、もっと低いCPU電力しか出ないこともあります。機種によって異なるので、以下に掲載するベンチマークスコアは、他のPCではやや異なることはご了承下さい。
ちなみに、下の図は、インテルが発表したトータルパッケージ電力に対応するパフォーマンスです。水色の線が、Core Ultra 9 288Vを示します。
例えば、Core Ultra 9 288VのCPU電力が15Wで動く場合は、従来のCore Ultra 7 165Uよりも高いパフォーマンスです。一方、28Wくらいで動く場合は、Core Ultra 7 165Uのパフォーマンスを下回ります。
インテル Core Ultraシリーズ2は、PBPの17WくらいのCPU電力で動かす場合は、ワットパフォーマンスが高いですが、28Wくらいの高めのCPU電力で動くとそこまで高いパフォーマンスではありません。消費電力がかかってもいいので、高い処理性能が必要な高性能ゲーミングノートPCなどには適しません。薄型・軽量モバイルノートPCで、やや負荷のかかる作業をしたい方に適したCPUです。
CPU関連のベンチマークスコア
以下、Core Ultra 7 258Vの各種ベンチマークスコアを掲載します。
グラフでは、Core Ultra 7 258Vを緑色のバーにしています。また、他のCPUとも比較していますが、特に比較したい、旧世代のCore Ultra 7 155H、AMDのRyzen AI 9 HX 370、QualcommのSnapdragon X Elite X1E-78-100、AppleのM2の4つはオレンジ色のバーにしています。なお、ベンチマークによっては、この4つのCPUは計測していないものもあるのでご了承下さい。
CINEBENCH 2024
まずは、レンダリングを行いCPUやGPUの性能を評価するベンチマークソフト、CINEBENCH 2024のスコアを掲載します。ここではCPUのベンチマークのみ実行しています。
上で説明した通り、CINEBENCH R23のマルチコアスコアはそれほど高くありませんでした。Core Ultra 7 258Vは、Core Ultra 7 155HやRyzen AI 9 HX 370よりも、低いスコアでした。Core Ultra 7 155HやRyzen AI 9 HX 370は、PBP(デフォルトTDP)が28Wと高めで、さらに実際にはこのCPU電力よりも高い数値で動くことが多いので、最大パフォーマンスは、Core Ultra 7 258Vよりも高くなってしまいます。
ただ、薄型・軽量モバイルノートPCに採用されることが多い、Core Ultra 5 125Uよりは高い性能でした。
また、シングルコアのスコアは、Apple M3よりは劣るものの、他のCPUと比べると高いスコアでした。
CINEBENCH R23
続いて、CINEBENCH R23のスコアを掲載します。
なお、Snapdragon X Eliteは、CINEBENCH R23ではネイティブ動作しないので、CINEBENCH 2024よりもかなりスコアが落ちています。
こちらも、Core Ultra 7 258Vのマルチコア性能は低めです。
シングルコアのスコアはCINEBENCH 2024ほど良くはありませんでしが、まずまずのスコアです。
~ CPU性能の評価 ~
Geekbench 6
続いて、拡張現実や機械学習などの最先端の処理を取り入れているクロスプラットフォームのベンチマークソフト、Geekbench 6のスコアを掲載します。CINEBENCHは、処理を開始してから10分経過後にスコアを計測するのに対し、Geekbenchはすぐにスコアを計測し始めるので、Boost時のCPU電力が高めのプロセッサーのほうがスコアが出やすくなっています。
こちらのベンチのCore Ultra 7 258Vは、マルチコア、シングルコアともそこまで高くはありませんでした。それでも、Core Ultra 5 125Uくらいのスコアはありました。
PassMark Performance Test 11
続いて、圧縮、暗号化、物理シミュレーションなどを含む数学的計算を行うPassMark Performance Test 11.0のスコアを掲載します。
Passmarkのスコアは、そこまで高くはありません。ただ、一般的な作業であれば、十分こなせる性能です。
グラフィックス関連のベンチマークスコア
次はグラフィックス関連のベンチマークスコアを掲載します。
なお、グラフィックスはメインメモリの帯域にも影響されます。Core Ultra 7 258Vには、メモリがチップに統合されており、LPDDR5X-8533が搭載されています。非常に帯域の広いメモリです。
3DMark Night Raid
3DMark Night Raidのスコアは以下の通りです。「グラフィックスのスコア」の部分が、グラフィック性能を評価する指標となります。
Core Ultra 7 258Vのグラフィックススコアは、CPU内蔵のものとしてはかなり高いです。GeForce GTX 1650の独立グラフィックスとほぼ変わらないスコアです。
~ グラフィックス性能の評価 ~
3DMark Steel Nomad Light
続いて、軽量ゲーミングノートPCの最新ベンチとなる、3DMark Steel Nomad Light の結果です。「Graphics test」のスコアをグラフに掲載しています。
Core Ultra 7 258Vは、従来のCore Ultra 7 155Hよりも低いスコアでした。
~ グラフィックス性能の評価 ~
3DMark Wild Life Extreme
続いて、主にApple M3と比較するために、マルチプラットフォーム対応の3DMark Wild Life Extremeのスコアを掲載します。こちらはCore Ultra 7 155Hよりも高く、Apple M3よりはやや低いスコアでした。それでも、
ゲーミング性能
以下、ゲームをしたときのフレームレートを掲載します。独立グラフィックスを搭載していないPCで、重いゲームはしないと思うので、比較的軽めのゲームを選んで検証しています。
また、今回、テストに用いたPCの画面比が16:10だったので、解像度は1920x1080ではなく1920x1200(一部のタイトルは2880x1800のネイティブ解像度でも)で計測しています。さらに、CPU内蔵グラフィックスでゲームをする場合、数分経つとフレームレートが大きく落ちるケースがあります。そのため、5~10分くらい普通にゲームをしたりベンチを回したりした後、実際にフレームレートを計測しています。
ファイナルファンタジー 14 黄金のレガシー
Core Ultra 7 258Vの「ファイナルファンタジー 14 黄金のレガシー」のベンチマークのスコアはこちらです。平均60 fpsを超えるフレームレートが出ています。また、Core Ultra 7 155HやRyzen AI 9 HX 370よりも高いスコアが出ていました。出張先で使うサブ機としてなら、十分プレイ可能だと思います。
ファイナルファンタジー 14 黄金のレガシー
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解像度 | 品質 | Core Ultra 7 258V |
1920x1200 | 標準(ノート) | 65 fps / 9535 |
PSO2 ニュージェネシス
続いて、PSO2 ニュージェネシスのベンチマークスコアです。1920x1200であれば、最低設定なら121 fpsも出ており、中設定にしても60 fpsを超えてきました。2880x1800のネイティブ解像度にしても、60 fpsを超えており、快適にゲームができると思います。
PSO2 ニュージェネシス
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解像度 | 品質 | Core Ultra 7 258V |
1920x1200 | 最低 | 121 fps |
中 | 73 fps |
原神
原神は、1920x1200の解像度なら、デフォルトの中設定でも、ほぼ60 fpsが出ていました。2880x1800にしても、最低設定なら高いフレームレートが出ていました。原神も、快適にプレイ可能だと思います。
原神
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解像度 | グラフィック品質 | Core Ultra 7 258V |
1920x1200 | 最低 | 60 fps(上限) |
中 | 59 fps | |
高 | 53 fps | |
2880x1800 | 最低 | 57 fps |
中 | 35 fps |
ARK: Survival Evolved
ARK: Survival Evolvedは、低設定だと画質がかなり悪いのですが、大分画質がマシになる中設定でも、60 fps近い平均フレームレートが出ていました。割といけると思います。
ARK: Survival Evolved
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解像度 | 品質 | Core Ultra 7 258V |
1920x1200 | 低設定 | 97 fps |
中設定 | 55 fps |
フォートナイト
フォートナイトについては、レンダリングモードを「DirectX 12」にしたときと「パフォーマンス - 低グラフィック忠実度」にしたときとを計測しました。
どちらのレンダリングモードでも、設定を下げれば 60 fpsを超えてきました。ただ、このPCの場合、「パフォーマンス - 低グラフィック忠実度」にすると、fpsドロップが激しくてプレイしにくかったです。むしろ平均フレームレートは低いですが、「DirectX 12」にしたほうが、フレームレートが安定していてやりやすかったです。
ただ、どちらのモードも、建築をシュンシュンするような方は、本製品でゲームをするのはちょっと難しいと思います。
フォートナイト [チャプター5 シーズン4]
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解像度 | 品質 | Core Ultra 7 258V |
1920x1200 | 低設定 | 71 fps |
※テンポラルスーパー解像度:推奨
※バトルロワイヤル ソロで計測
解像度 | その他設定 | 平均 fps |
1920x1200 | 3D解像度:70% 描画距離:中 |
66 fps |
3D解像度:100% 描画距離:最高 |
40 fps |
VALORANT
VALORANTは軽いゲームなので、高い平均フレームレートが出ていました。カジュアルにゲームをするなら、十分なフレームレートではなかと思います。
VALORANT
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解像度 | 品質 | Core Ultra 7 258V |
1920x1200 | 低設定 | 289 fps |
高設定 | 139 fps |
ドラゴンクエストX
ドラゴンクエストXも軽いので、問題なく出来ると思います。
ドラゴンクエストX
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解像度 | 品質 | Core Ultra 7 258V |
1920x1080 | 最高品質 | 19289 (すごく快適) |
Core Ultra 7 258Vでのゲームについては、後日、別途記事や動画にまとめる予定です。
クリエイターソフトの処理時間
次に、クリエイター向けソフトで計測した各種処理時間を掲載します。
まだCore Ultra 7 258Vに最適化されていないソフトもありますが、まずまずのパフォーマンスだったと思われます。
Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間
Adobe Lightroom Classicを使い、100枚のRAW画像について、露光量、シャドウなどのパラメーターを変更し、書き出した時の時間は下表の通りです。
Core Ultra 7 258Vは、1世代前のCore Ultra 7 155Hや、Ryzen AI 9 HX 370よりもやや遅かったです。ただ、大きくは変わりませんし、これでも十分速いです。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Premiere Proによる書き出し時間
Adobe Premiere Proで、FHD/30pの動画を簡単に編集して書き出した時の時間は下表の通りです。
こちらは、Core Ultra 7 155Hとほぼ同等の処理時間でした。FHDの簡単な編集であれば、快適にできます。
Adobe Photoshopの処理時間
Photoshopの中では重い処理であるニューラルフィルターを実行しました。
ニューラルフィルターの「スーパーズーム(x2)」は、通常、GPUも使って処理しますが、今回、まだソフトが最適化されていないのか、Core Ultra 7 258VではGPUが使われていませんでした。そのため、かなり遅い処理時間でした。
「JPEGのノイズを削除」も、Core Ultra 7 155Hなどと比べると大分遅かったです。
そのうち、ソフト側が対応してくると思うので、機会があれば再計測してみます。
DaVinci Resolve Studio 19.0.2による書き出し時間
DaVinci Resolve Studioは、3つのCPUでしか確認していませんが、ご覧のようになりました。Core Ultra 7 155Hや、Apple M3よりも速かったですが、そこまで大きな差ではありませんでした。
DaVinci Resolove Studioによる書き出し時間です。こちらも高速でした。
TMPGEnc によるエンコード時間
TMPGEnc Video Mastering Works 7によるソフトウェアエンコードにかかった時間は次の通りです。なお、この処理は、CPUのみで行います。
Core Ultra 7 258Vは、Core Ultra 7 155Hよりも遅い結果となりました。
(ソフトウェアエンコード)
次に、ハードウェアエンコードの処理時間です。Core Ultra 7 155Hよりはやや遅いものの、十分高速でした。
(ハードウェアエンコード)
消費電力
消費電力を、他のノートPCと比べてみます。
ただ、ノートPCは、機種によって画面サイズも解像度も異なるので、純粋な比較はできません。参考程度にご覧下さい。Apple M3搭載のMacBook Airは画面サイズが小さいので有利ではあるものの、最も消費電力は低いです。Core Ultra 7 258V搭載のASUS Zenbook S 14は、それに次ぐ低い消費電力だと思います。
アイドル時 | YouTube再生 | Premiere Pro 動画編集 |
|
ASUS Zenbook S 14 Core Ultra 7 258V、 14型2.8K |
5W | 11W | 14W |
---|---|---|---|
Acer Swift Go Core Ultra 7 155H、 14型2.2K |
6W | 13W | 15W |
ASUS Zenbook S 16 Ryzen AI 9 HX 370、 16型2.8K |
7W | 16W | 27W |
ASUS Zenbook S 15 Snapdragon X Elite、 15.6型2.8K |
7W | 12W | 34W |
MacBook Air Apple M3、 13.6型2.5K |
4W | 5W | 8W |
バッテリー駆動時間
次に、バッテリー駆動時間をチェックします
こちらは、JEITA3.0の計測法によるバッテリー駆動時間を比較しています。なお、同じJEITA3.0計測法でも、メーカーによってややバラツキがあるように感じるので、ここではASUS製品に絞って掲載します。こちらも、画面サイズやバッテリー容量が異なるので、正確な比較はできません。参考程度にご覧下さい。
従来のCore Ultra 7 155Hを搭載したASUS Zenbook 14 OLEDと比較すると、Core Ultra 7 258V搭載のASUS Zenbook S 14は、アイドル時はほぼ同じ駆動時間であるものの、動画再生時は長いバッテリー駆動時間でした。バッテリー容量はASUS Zenbook 14 OLEDのほうが多いので、それもふまえると、ASUS Zenbook S 14は長いバッテリー駆動時間だと思います。
ただ、Snapdragon X Eliteを搭載したASUS Zenbook S 15よりは、動画再生時のバッテリー駆動時間は短かったです。
JEITA3.0 アイドル時 |
JEITA3.0 動画再生時 |
|
ASUS Zenbook S 14 Core Ultra 7 258V、14型2.8K、72Wh |
約19.7時間 | 約13.1時間 |
---|---|---|
ASUS Zenbook 14 OLED Core Ultra 7 155H、14型2.8K、75Wh |
約20.0時間 | 約11.4時間 |
ASUS Zenbook S 16 Ryzen AI 9 HX 370、16型2.8K、78Wh |
約15.0時間 | 約10.7時間 |
ASUS Zenbook S 15 Snapdragon X Elite、15.6型2.8K、70Wh |
約15.3時間 | 約13.9時間 |
続いて、当サイトで計測した、Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたときのバッテリー駆動時間を掲載します。やや負荷のかかる作業で、よくタイピングしたり、やや重いソフトを使ったりする場合、このくらいのバッテリー駆動時間になると思います。こちらは、当サイトによる計測なので、ASUS製品だけに限定せず、他のメーカーの機種の結果も掲載しています。
Core Ultra 7 258Vを搭載したASUS Zenbook S 14は、この中で最も長いバッテリー駆動時間でした。
負荷がかかったときのバッテリー駆動時間は長いです。
Premiere Pro プレビュー再生 |
|
ASUS Zenbook S 14 Core Ultra 7 258V、14型2.8K、72Wh |
9時間42分 |
---|---|
レノボ IdeaPad Pro 5i Gen 9 Core Ultra 7 155H、14型2.8K、84Wh |
7時間54分 |
Acer Swift Go Core Ultra 7 155H、14型2.2K、65Wh |
6時間29分 |
ASUS Zenbook 14 OLED Core Ultra 7 155H、14型2.8K、75Wh |
6時間14分 |
ASUS Zenbook S 16 Ryzen AI 9 HX 370、16型2.8K、78Wh |
6時間44分 |
MacBook Air Apple M3、13.6型2.5K、52.6Wh |
8時間58分 ※1 |
※1 計測ミスがあったので再計測しました。お詫びして訂正します
NPUの性能について
NPUの性能を確認するにあたっては、こちらで公開されているOpenVINO AI Pluginsを使い、GIMPでのStable DiffusionによるAI画像生成を試しました。
ここでは、「SD1.5 Squre Int8」のモデルで、以下のような設定で画像を生成しました。
なお、Power Modeは、デフォルト設定のままだと、Core Ultra シリーズ1の場合、NPUが全く使われないので、"Balanced"にしています。
また、Number of Inference stepsは"32”へ変更しています。
結果は下のとおりです。さすが47 TOPSのNPUを搭載しているだけあって、Core Ultra 7 258Vは、Core Ultra 7 155Hよりも速かったです。
ただ、現状では、NPUを使って処理をするソフトがほとんど無いので、早く対応してくれるのを期待します。
Text Device: CPU
unet Device: NPU
unet-neg Device: NPU
VAE Device: GPU
※2 各プロセスにおいて使用されたデバイスは以下の通り
Text Device: CPU
unet Device: GPU
unet-neg Device: NPU
VAE Device: GPU
※3 各プロセスにおいて使用されたデバイスは以下の通り
Text Device: CPU
unet Device: GPU
unet-neg Device: GPU
VAE Device: GPU
まとめ
今回、Core Ultra 7 258Vのベンチマークスコアを計測しました。
CPU性能については、シングルコア性能は高めでしたが、マルチコア性能は高い電力で動くCPUと比べると、やや低めの性能でした。
GPU性能は比較的高く、ゲームも、軽めのものであれば、60 fpsの平均フレームレートを超えるものが多かったです。仕事の息抜きにゲームをする程度なら(ゲームタイトル次第ですが)十分使えると思います。
クリエイティブ性能は、すごく高いわけではありませんが、まずまずの性能です。サブ機としてなら十分使えるでしょう。
NPU性能は、従来のCore Ultra シリーズ1よりも大きく上がっています。ただ、対応しているソフトが少なく、GPUほどAI性能が高いわけでもなく、微妙な位置づけです。NPU性能は重視しなくてもいいと思います。
Core Ultra 7 258Vのメリットは、そこそこ高めの負荷の作業を、省電力で動かせる点だと思います。ある程度負荷のかかる作業でも、長い時間、バッテリー駆動状態で動かすことができます。持ち運び用のモバイルノートPCに搭載し、外などで、"やや"負荷のかかるクリエイティブワークなどをする方に適したCPUだと思います。
ただし、"重い"ゲームや、"非常に高い"負荷がかかるクリエイティブワークなどの用途にはあまり適しません。そういった用途ならPBP:45Wのプロセッサーのほうがいいでしょう。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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