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ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionの購入レビュー
CPU | Core Ultra 7 258V |
---|---|
メモリ | 32GB |
ストレージ | 1TB SSD |
画面サイズ | 14.0型 |
画面種類 | 2.8K 有機EL |
質量 | 約986g |
バッテリー | 57Wh |
価格[税込] | 28万円台~ |
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionは、品質が優れたモバイルノートPCです。
最も嬉しかったのは、重さが1kgを切った点で、さらに持ち運びやすくなりました。
また、インテル Core Ultra シリーズ2を搭載することで、CPU、GPU、NPU性能がアップ。加えて、省電力CPUによりバッテリー駆動時間も長くなっています。
天板にはカーボンを採用することで堅牢性にも優れ、高級感もあります。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core Ultra 7 258V、32GBメモリ、1TB SSD
セール情報
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目次
お忙しい方は、「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionの特徴」のみお読みください。
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionの特徴
ついに1kgを切ったX1 Carbon
ThinkPad X1 Carbonが、ついに1kgを切りました。
筆者は、個人のモバイル用のノートPCとして、ThinkPad X1 Carbonを日頃使っていますが、それと比べると体感でも違いが分かるくらい軽くなっています。日々持ち歩く方には大きなメリットでしょう。
兄弟機種のThinkPad X1 Nanoは1kgを切っており、筆者も軽さに惹かれ、一時期使ったことがありますが、13型の画面だと小さく感じて、結局14型のX1 Carbonにした経緯があります。14型の画面で、1kgを切るというのは、非常に魅力的です。
インテル Core Ultra シリーズ2搭載
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionは、最新のインテル Core Ultra シリーズ2を搭載しています。シングルコア性能が高く、内蔵GPU性能も高く、NPU性能もCopilot+ PCの要件を超える47 TOPSとなっています。今はまだNPUを使用するソフトは少ないですが、今後、ソフト側がAI処理をするときにもう少しNPUを利用するようになれば、便利になるかもしれません。
また、やや負荷をかけても消費電力が低いCPUを搭載しているため、バッテリー駆動時間も長いです。同じCore Ultra 7 258Vを搭載したノートPCと比べると同等程度ですが、シリーズ1のCore Ultraを搭載したノートPCより長くなっています。
PCIe Gen 5のSSDを搭載
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionは、PCIe Gen 5の高速SSDを搭載しているのも特徴です。CrystalDiskMarkの結果は非常に速いですし、動画や画像編集後の書き出しなどもやや速いです。
SSDの温度は、アイドル時なら約30℃、ゲーム時で約40℃、動画書き出し時で約45℃くらいでした。何カ月、何年と使った場合はどうなるか分かりませんが、今回試した限りでは特に問題ない温度だと思います。
2.8Kの有機ELディスプレイ
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionは、2.8Kの有機ELディスプレイを搭載しており、画像や映像が非常に色鮮やかです。反射が抑えられているので、仕事にも使いやすいです。
ただ、気にならない方も多いと思いますが、若干ギラつきを感じます。また、フリッカーもあります。画面を長時間見ると眼が疲れやすい方は、体に合わないケースがあるかもしれません。
トラックポイントで操作しやすい
本製品は、ThinkPadの特徴とも言えるトラックポイントを搭載しています。手をホームポジションに置いたままマウスカーソルを操作することができるので便利です。
キーボードも比較的打ちやすいので、外出先で作業がしやすいノートPCです。
やや残念な点
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionのデメリットですが、WWAN対応のモデルがありません。ThinkPad X1 Carbonシリーズは、代々、LTE/5Gを選択することができたので残念です。
また、SDカードスロットもありません。価格も高めです。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 処理性能が高く、高解像度ディスプレイを搭載し、Web閲覧やOffice作業は快適です。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | ディスプレイが色鮮やかで、スピーカー音も良く、動画も視聴しやすいです。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | 100% DCI-P3のディスプレイに、性能の高いプロセッサー、高速SSDを搭載し、画像編集用途なども比較的快適です。ただ、ソフト側がCore Ultra シリーズ2の内蔵GPUを使わないケースもありました。 |
動画編集 | ○ | CPUの内蔵GPU性能が高く、ディスプレイの色域も広く、SSDも高速で、動画編集も比較的快適です。 |
ゲーム | △~○ | 原神クラスの軽いゲームなら問題なくできます。FF14クラスの中程度の重さのゲームは、グラフィック設定を下げることでプレイ可能です。モンハンワイルズクラスの重いゲームは無理です。 |
ディスプレイのチェック
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionのディスプレイは、映像や画像は綺麗に表示することができます。ただし、前述した通り、ギラつきがややあるのと、フリッカーがあります。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
色域は比較的広いです。当サイトの計測では下表のようになりました。Adobe RGBもほぼ100%カバーする広い色域です。最大輝度は、当サイトの計測では390cd/m2とやや高めでした。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 100% |
Adobe RGBカバー率 | 98% |
キーボードおよびタッチパッドのチェック
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionのキーボードは、比較的打ちやすいです。
十分なキーピッチがあり、キートップが湾曲しているので指のフィット感がよく、誤って隣のキーを押してしまうことが少ないです。また、小さいことが多い「半角/全角」や「Backspace」キーが標準的な大きさなのもいいです。ただし、「@」などの一部のキーは小さいです。
なお、キーストロークは、約1.5mmです。
トラックポイントが付いているのも、従来からのThinkPadユーザーには嬉しいポイントです。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionのパフォーマンスのチェックです。
CPU
CPUには、Core Ultra 7 258Vを搭載しており、CINEBENCHのスコアは以下の通りです。
マルチコア性能はそれほど高くありませんが、シングルコア性能は高いです。
~ CPU性能の評価 ~
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリはCPUに統合されており高速です。
グラフィックス
グラフィックス性能も、CPU内蔵のものとしては非常に高いです。
~ グラフィックス性能の評価 ~
NPU
NPU性能は最大 47 TOPSと高いです。ただし、GeForce RTX 4050 Laptopのような独立GPUと比較すると、AI TOPSは低いです。
~ NPU性能の評価 ~
ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しており高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~
SDカードスロット
SDカードスロットはありません。
クリエイターソフトの処理時間
次に、クリエイターソフトを使って、重い処理を実行したときにかかった時間を掲載します。
Lightroomの書き出しは、独立グラフィックスを搭載していないPCとしては速いです。
※1 書き出しにGPUを使用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
「スーパーズーム」は、本来GPUも使って処理しますが、Core Ultra シリーズ2にはまだ対応していないのか、内蔵GPUが使われず遅かったです。
「JPEGのノイズを削除」の処理はまずまずの速さです。
約10分のFHD動画の書き出しは2分程度で終わるので速いです。FHDの解像度なら、凝った編集をしなければ十分できると思います。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
約10分の4K動画の書き出しは、7分くらいかかり、やや遅いです。4K動画の編集をするなら、独立GPUを搭載した機種のほうがおすすめです。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートは、Thunderbolt4に対応しており、多くの機器を使うことができます。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
100W Anker PowerPort III | ○ | ― | ― |
65W Lenovo GaN充電器 | ○ | ― | ― | |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 (4Kモニター) |
○ | ○ | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
4KモニターへHDMIで接続したときの詳細です。4K/60Hz/RGBで出力可能でした。
質量のチェック
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionの質量のチェックです。
メーカーサイトには「約986g」とあり比較的軽いです。当サイトの計測値は下表の通りで、仕様値とほぼ同じです。
付属のACアダプターは普通の重さです。
質量 | |
PC本体 | 975g |
ACアダプター+電源ケーブル | 249g |
バッテリー駆動時間のチェック
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionのバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は57Whで、やや多めです。
バッテリー駆動時間は下の通りです。Lunar Lakeのプロセッサーを搭載していることで、長いバッテリー駆動時間です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 約14.5時間 |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 約11.6時間 |
(3) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 9時間18分 |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
WebカメラはFHD画質で、映りも綺麗です。プライバシーシャッターおよびIRカメラも付いています。
スピーカー
スピーカーは、下図の赤い丸辺りに搭載されています。音質は比較的良く、ノートPC基準で10点満点で7点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。
CPU電力は、「バランス」モードの場合は、初動を除いて17Wで2分くらい動いた後、14Wあたりまで下がっています。プロセッサーのベースパワーが17Wなので、やや低めです。一方、「最適なパフォーマンス」モードにすると、20W以上の高いCPU電力で動きます。
CPU温度は、「バランス」モードの場合は、初動を除くと、60℃台の低い数値で推移しています。「最適なパフォーマンス」モードの場合は、75℃~90℃で推移しており、問題ない範囲の温度です。
静音性のチェック
動作音は比較的静かです。動作音が気になって集中できないということはないでしょう。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
約20dB | 約20dB | 約28dB | 約37dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
負荷をかけても、そこまで高い温度にはなりません。不快感なく作業ができるでしょう。ただし、高い温度ではないと言っても、負荷が高いと40℃前後までは上がるので、膝置きで使用する場合は、低温火傷に気を付けましょう。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
インテル Core Ultraシリーズ2を搭載しているだけあり、低めの消費電力です。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
5W | 8W | 12W | 23W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionの外観のチェックです。
天板はカーボン、底面はマグネシウムを採用しており、高級感のある見た目です。
天板には、「ThinkPad X1」のロゴがあります。
上部の少し出っ張った部分は、Webカメラやマイクを搭載した「コミュニケーションバー」となっています。
高さは14.37mmと薄いです。
側面のポート類はご覧の通りです。
ヒンジは約180度開きます。
底面はシンプルなデザインです。
内部はご覧のようになっています。冷却ファンは2つです。
SSDは換装できそうです。
ACアダプターは65Wです。
まとめ
以上が、ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionのレビューでした。
重さが1kgを切った点が大きな特徴です。筆者は、個人的にX1 Carbonの旧モデルを使っていますが、実際に持ってみると、今回の新しいX1 Carbonのほうが、体感で分かるくらい軽くなっています。
インテル Core Ultraシリーズ 2を搭載することで、CPU、GPU、NPU性能が上がり、PCIe Gen 5のSSDを搭載することでストレージ性能も高くなっています。
省電力のCore Ultraシリーズ 2のおかげで、バッテリー駆動時間も延びています。
さらに、ディスプレイには低反射の有機ELを搭載し、キーボードも打ちやすく、モバイルノートPCとして完成度が高い製品です。
ただし、LTE/5Gモジュールを選択できないのは残念です。WWAN対応モデルも追加して欲しいところです。
また、ほとんどの方は気にならないと思いますが、ややギラつきがあるのと、フリッカーがあります。眼が疲れやすい方はご注意下さい。
1kgを切った大人気モバイルノート
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition
特徴
- 1kgを切る軽さ
- インテル Core Ultra シリーズ2搭載
- 有機ELディスプレイ搭載
こんなあなたに
- 品質の高いモバイルノートが欲しい方
- やや負荷のかかる作業もしたい方
- 価格28万円台~
動画レビュー
製品の概要をまとめた動画も作成しました。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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