iOS版セキュリティアプリの比較

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ここでは、iOS向け(iPhone、iPadなど)のセキュリティアプリについて紹介します。

iOSは、Android OSやWindows OSに比べると、仕様上、ウイルスに感染しにくく比較的安全なOSです。

それでも、フィッシングサイトや詐欺サイトなどの詐欺被害の危険は、他のデバイスと同様に注意が必要です。iOSデバイスの場合、この不正なWebサイトのブロック機能が最重要なセキュリティアプリの機能となるので、この部分がしっかりしているセキュリティアプリを選ぶことをおすすめします。

また、ウイルスが存在しないわけではなく、2016年に流行った「ペガサス」というiOSに感染するウイルスは有名で、iOSも100%安全であるというわけではありません。そのため、iOSのバージョンを最新の状態にするなど、注意が必要です。

その他、不適切なサイトのブロックや、ネットの利用時間を制限してくれるペアレンタルコントロール機能などを備えたアプリもあります。子どもも使う場合は、子どもに合った機能を備えたアプリを選ぶことをおすすめします。

マルチデバイス版のライセンスで、お持ちのパソコンなども含めてお得に保護することができる場合もあるので、気に入ったiOS版のセキュリティアプリに合わせて、パソコンやMac用のセキュリティをまるごと入れ替えるのもアリだと思います。

 

目次

 

iOS版セキュリティアプリの比較表

下記に、iOS版セキュリティアプリの機能の比較表を掲載します。

iOSのバージョンによってもアプリの機能が異なる場合がありますので、ご了承ください。

会社名 Lookout カスペルスキー シマンテック トレンドマイクロ マカフィー ソースネクスト
iOS版
セキュリティアプリ名
Lookout モバイルセキュリティ カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOS ノートン 360 モバイルセキュリティ ウイルスバスターモバイル マカフィー モバイル セキュリティ セキュリティ Mobile
マルチデバイス版
セキュリティソフト名
  カスペルスキー セキュリティ ノートン 360 ウイルスバスター クラウド マカフィー リブセーフ ZERO ウイルスセキュリティ
製品画像




不正サイトブロック
Webサイト安全評価        
VPN機能   ○※1  



端末場所の検索 ○※1      
端末カメラで撮影            
警告音 ○※1      


システムチェック ○※1  
パスワード管理ツール   別アプリ 別アプリ 別アプリ 別アプリ  
IDチェック ○※1    
保護者機能 別アプリ 別アプリ 別アプリ  
SNSの設定チェック        
SMSセキュリティ        
広告ブロック     別アプリ    
バックアップ          
Wi-Fiセキュリティ  
ダウンロード先 メーカーサイト メーカーサイト メーカーサイト メーカーサイト メーカーサイト メーカーサイト

備考

  • ※1無料版でも使用可能
  • ※2メーカーサイトや実際にインストールしたソフトを確認し、機能があると確認できたものを「○」にしています。ただし、見落としがある可能性もあります。 もし、機能があるのに「○」がついていない箇所がありましたら、こちらまでご連絡下さい。メーカー様からのご指摘もお待ちしております。
  • なお、△は機能があるものの、筆者の環境では期待した動作をしなかったことを表しています。

 

各セキュリティソフトの詳細

各セキュリティソフトについて、長所、短所は次のようになっています。

Lookout モバイルセキュリティ
無料版だと機能がかなり限定的

Lookout モバイルセキュリティには、無料版で使える標準版と、有料のプレミアム版があります。

プレミアム版であれば、悪質なサイトをブロックしてくれるセーフブラウジングという機能などがありますが、無料版では使用できる機能がかなり限られています。

無料版で使用できるのは、セキュリティ、IDスキャン、端末検索という3つの機能です。

ただし、セキュリティ機能は、iOSの更新のチェックと、パスコード保護の有無をチェックする機能なので、定期的にiOSのアップデートをし、パスコードを設定して使用していれば、特に必要ないと思います。端末検索機能に関しても、iOSの「探す」機能で事足りそうです。カスタムメッセージを紛失した端末に表示する機能もありますが、iPhoneであれば、普通に電話をかければいいような気がします。

新しい機能として、IDスキャン機能が追加されています。メールアドレスを入力することで、アドレスやパスワードの流出チェックを行うことができます。ただし、この機能も、こちらで紹介されているような、流出したアドレスやパスワードを検索できるサイトで代用できはします。

無料なので、入れておいてもいいかなとは思いますが、その場合でも、フィッシングサイトなどの不正なWebサイトをブロックしてくれるようなアプリやブラウザと併用した方がいいと思います。

なお、有料のプレミアム版は、通常3,200円/年、550円/月となっており、機能の割にはやや高めに感じます。

メイン画面・IDスキャン・端末検索
カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOS
iOS版は別ライセンスが必要

カスペルスキーにも、iOS版のセキュリティアプリが登場しました。有名メーカーでは、iOS版のセキュリティソフトは後発となり、機能もそれほど多くはありません。

また、マルチデバイス版のライセンスを所持していれば、iOS版も使用できるセキュリティアプリが多いですが、カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOSは、有料版の機能を使用するためには、別途App Storeでサブスプリクション契約をする必要があります。

カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOSの主な機能は、危険サイト対策、Wi-Fi安全性診断、Wi-Fi利用時の通信暗号化、アカウントの不正流出チェック、ジェイルブレイクの検知です。

フィッシングサイトなどをブロックする、危険サイト対策機能は、ノートン 360 モバイルセキュリティや、トレンドマイクロ ウイルスバスター モバイルと同じ、ローカルVPNを使用しているので、iOS標準のSafari以外のブラウザを使用しても、危険サイトをブロックしてくれます。なお、試用した感触では、新規のフィッシングサイトは普通に表示されてしまうことが意外と多いように感じました。

アカウントの不正流出をチェックする機能では、メールアドレスを入力しておけば自動的にチェックしてくれます。

なお、VPNを使用したWi-Fi利用時の通信暗号化機能は、無料版でも300MB/日まで使用できるようです。駅やコンビニなどでフリーWi-Fiをショートに使用する、といった用途にはいいかもしれません。

ただ、他の主要メーカーのセキュリティアプリと違って、マルチデバイス版のライセンスが使用できないのが、一番残念な部分です。

メニュー画面・危険サイトブロック・アカウントチェック
ノートン 360 モバイルセキュリティ
Web保護機能重視のアプリ

ノートン 360 モバイルセキュリティは、iOSデバイスのセキュリティアプリで一番重要なWeb保護機能(フィッシングサイトや詐欺サイトなどのブロック)を重視したアプリです。

ノートン モバイルセキュリティは他社に先駆けてローカルVPNを採用し、ブラウザに関係なくWeb保護機能を使用できるようになりました。そのため、使い慣れたブラウザをそのまま使用しながら、危険なサイトをブロックしてくれます。

このWeb保護機能は、Safari、Chrome、Firefoxといったブラウザだけでなく、LINEなどのSNSアプリのブラウザ機能や、リンクを長押ししてプレビューを表示するときにも動作します。

また、新機能として、フィッシング攻撃など、悪意のある可能性があるメッセージをフィルタリングしてくれる、SMSセキュリティ機能が追加されました。

その他には、危険なWi-Fiを警告してくれる「Wi-Fiセキュリティ」、iOSのバージョンが最新版かをチェックしてくれる「デバイスセキュリティ」といった機能もあります。

さらに、別アプリですがペアレンタルコントロール機能を提供する「ノートンファミリー」の性能も優秀で、子どもにiPhoneを使わせる場合にも安心です。

ノートン モバイルセキュリティ単体の購入も可能ですが、マルチプラットフォームに対応したノートン セキュリティがお得でおすすめです。

Web保護・Wi-Fiセキュリティ・デバイスセキュリティ
トレンドマイクロ ウイルスバスター モバイル
日本PTA全国協議会推薦のセキュリティアプリ

ウイルスバスターモバイルは、日本でのシェア率が非常に高いトレンドマイクロが提供するセキュリティアプリです。多機能で、サポートもしっかりしているので、安心感があります。

さらに、日本PTA全国協議会からの推薦や、全国子ども会連合会推奨を得ており、子どもが使うデバイスに導入するアプリとしても評価されているようです。

Web脅威対策機能を使用すると、不正なWebサイトをブロックすることができます。また、Web脅威対策には、ペアレンタルコントロール機能も含まれており、設定しておけば、子供がアダルトページなどの有害なWebサイトへアクセスしたときにブロックしてくれます。このWeb脅威対策には、ノートン 360 モバイルセキュリティと同じく、ローカルVPNを使用しており、ブラウザの種類を問わず動作するため、使い慣れたブラウザやLINEなどのアプリのブラウザ機能でも動作します。

実際にWeb脅威対策を使用してみた感じでは、新規のフィッシングサイトに関して、他のセキュリティアプリよりもブロック率が高いように感じました。AI技術を採用しているので、新規の詐欺サイトにも強いのかもしれません。また、保護レベルを高・中・低から選択できたり、Webサイトのご判定を報告できたりと、融通がききます。

さらに、詐欺メッセージ対策機能も追加されています。詐欺サイトなどへのリンクが含まれていないか、SMSもチェックしてくれます。迷惑メッセージをトレンドマイクロに報告することもできます。

その他、SNSの設定チェック、Webサイトの閲覧追跡防止、広告ブロック、Wi-Fi接続の安全性チェックなど、ネットを安心して使用するための様々な機能が揃っています。

マルチデバイス版のライセンスで使用することができるのも嬉しいです。このアプリ一つでiOSデバイスをより安全に使えるようになるので、おすすめのセキュリティアプリです。

メイン画面・Web脅威対策・詐欺メッセージ対策
マカフィー モバイル セキュリティ
家族内台数無制限で使用できるアプリ

マカフィー モバイル セキュリティでは、これまで搭載していた、メディア保管庫、連絡先のバックアップ、盗難防止機能が削除されました。代わりに、セーフ ブラウジング、セキュアVPN、アイデンティティ保護といった機能を搭載し、主要なセキュリティアプリと同じ流れへと大きく方向転換しています。

詐欺サイトなどの危険なWebサイトでは警告を表示する、セーフブラウジング機能には、主要なメーカーと同じような、ローカルVPNを採用しており、使用するブラウザに依存していません。

ただ、実際に使用してみましたが、フィッシングサイトでも警告画面はほとんど出ませんでした。新規のフィッシングサイトに対する検出率は、今のとろこあまり高くないように感じます。新しく搭載するようになった機能なので、これからの改善に期待したいです。

親切な説明画面もあり、アイデンティティ保護や、セキュアVPNの機能も分かりやすいので、使いやすいのはメリットだと思います。

なお、アプリからApp Store経由で契約することもできますが、マルチデバイス版のマカフィー リブセーフであれば、パソコンや、Android端末も含めて、家族内台数無制限で使用することができるので、お得です。すでにライセンスをお持ちの方は、早速、iPhoneにも導入して使ってみるといいでしょう。ライセンスをまだ持っていない方は、こちらのクーポンを使用することで、少しお得に購入できます。

サービス画面・アイデンティティ保護・セーフブラウジング
ソースネクスト セキュリティ MOBILE
更新料0円で使えるセキュリティアプリ

ソースネクストの販売しているウイルスセキュリティ MOBILEは、更新料0円で長く使えるアプリです。

ホーム画面はシンプルですが、Web保護機能、連絡先のバックアップ、SNSの設定チェックなど、意外と多機能です。

不正なWebサイトをブロックしてくれるWeb保護機能を使用するには、ウイルスセキュリティ MOBILEのセーフ・ブラウザを使用しなければなりません。

このブラウザは、タブブラウザではなく、Safariなどの使い勝手に慣れていると、シンプル過ぎで物足りなく感じます。また、実際に試用してみましたが、新規のフィッシング詐欺サイトのブロック率は高くなかったです。

以前は盗難対策のデバイスの位置情報の取得がうまくいかなかったりと、全体的にもう一歩、と感じることが多かったですが、今回のチェックでは正常に動作しており、改善が見られました。

ただ、機能は多くても、そのうちのいくつかは、実際に使うのかな?と思うような機能なのも正直な感想です。 個人的には、セキュリティアプリとしては、機能、信頼性はあまり高くないと思います。

注意点:App Store経由の購入では1年ごとに料金がかかります。マルチデバイス版のZERO ウイルスセキュリティを購入することで、更新料0円で使用することができるので、間違えないようにしてください。

メイン画面・SNSプライバシーチェック・連絡先のバックアップ

 

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iOS版だけで使えるアプリを購入するより、Windows、Mac、Androidでも使用できるマルチデバイス版を購入したほうがお得なケースが多いです。パソコンを所持している方や、スマホを複数台所持している方は下のセキュリティソフトもご検討下さい。