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ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Editionの実機レビュー - 意外に高コスパ

CPU | Core Ultra 7 vPro 268V Core Ultra 7 258V Core Ultra 5 vPro 238V Core Ultra 5 228V Core Ultra 5 226V |
---|---|
GPU | CPU内蔵 |
メモリ | 16GB / 32GB |
SSD | 256GB ~ 2TB |
画面サイズ | 14型 16:10 |
画面種類 | 1920x1200 OLED 2880x1800 OLED タッチ |
質量 | 約 1.21kg~ |
バッテリー | 55Wh |
価格 | 17万円台~ |
ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Editionは、インテル Core Ultra 200Vの省電力プロセッサーを搭載しながら、「17万円台~」と安いモバイルノートPCです。
バッテリー駆動時間が長いので、外出先で長時間使うような方におすすめです。
トラックポイントが無いThinkPadとしても話題で、既存のThinkPadユーザーには不満があると思いますが、他社PCでタッチパッドを使い慣れた方が乗り換えるノートPCとしては、いいのではないかと思います。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core Ultra 5 226V、16GBメモリ、256GB SSD
セール情報
以下のページで、レノボのパソコンのセールを実施中です。
目次
お忙しい方は、「ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Editionの特徴」のみお読みください。
ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Editionの特徴
トラックポイントが無いThinkPad
ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Editionは、ThinkPadの代名詞とも言える「赤いポッチ」のトラックポイントが無いノートPCです。
従来からのThinkPadユーザーは「こんなのThinkPadじゃない」と感じると思います。
ただ、他メーカーのPCを使っているタッチパッドに慣れたユーザーであれば、こちらの製品のほうが使いやすいでしょう。面積が大きく取られているので、タッチパッドだけに関しては、従来のThinkPadよりこちらのほうが使いやすいです。

長いバッテリー駆動時間
本製品は、インテル Core Ultra 200Vのプロセッサーを搭載しています。省電力であるため、バッテリー駆動時間が長く、持ち運びに適したモバイルノートPCに適したプロセッサーです。

Core Ultra 200V搭載モバイルノートとしては安い
Core Ultra 200Vのプロセッサーを搭載したノートPCは20万円を超える製品がほとんどですが、本製品は17万円台からと安いです。
バッテリー駆動時間が長く、できるだけ安いノートPCが欲しい方におすすめです。

有機ELディスプレイを選択可能
本製品は、有機ELディスプレイを搭載しており、色が鮮やかで、黒の表現力も高く、画像や映像がとても綺麗です。
解像度は1920x1200と2880x1800の2種類あります。個人的にはペンタイル配列の有機ELで1920x1200程度の解像度だと、小さい文字が見にくく感じるので、2880x1800のディスプレイのほうがおすすめです。
ただ、2880x1800のディスプレイにすると、価格が2万円ほど上がるので、予算が無ければ1920x1200でもいいと思います。

ThinkPad X1 Carbon Gen 13との比較
この機種を検討している方は、同じ14型のThinkPadである「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」との違いも気になると思うので、紹介します。
大きく異なる部分を下の表に書き出しましたが、ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionは、トラックポイントを搭載し、質量が200g以上軽くなっているのが特徴です。
また、どちらもUSB-C(USB4)ポートはありますが、USB-AポートはThinkPad X1 Carbonにしかありません。
タイピングのしやすさは、X1 Carbonの方が、Deleteキーと、矢印キーとファンクションキーが押しやすいと思いますが、それ以外は同じくらいの打ちやすさです。
価格は、ThinkPad X9のほうが安くなっています。
ThinkPad X9 14 | ThinkPad X1 Carbon Gen 13 | |
画像 | ![]() |
![]() |
トラックポイント | 無し | 有り |
質量 | 約 1.21kg~ | 約986g |
USB-A | 無し | 2ポート |
価格 ※ | 17万円台~ | 23万円台~ |
レビュー | ー | レビュー |
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 快適です。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | ディスプレイの表示が綺麗で、スピーカー音もいいので、快適に動画視聴ができます。 |
RAW現像 画像編集 |
◎ | 色域が広く、内蔵GPU性能も高いので、快適です。 |
動画編集 | ○ | FHD動画の簡易的な動画編集ならできます。ただ、本格的に動画編集をするなら、GeForce RTXシリーズの独立GPUを搭載した機種がいいと思います。 |
ゲーム | △~○ | 原神クラスの軽いゲームであればプレイ可能です。重いゲームをするなら、ゲーミングノートPCのほうがいいです。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイは、1920x1200と2880x1800の2種類あります。どちらも有機ELです。今回は、1920x1200のディスプレイをチェックしています。
色はとても綺麗です。ただ、前述しましたが、ペンタイル配列なので、1920x1200ドットの解像度だと、私は文字がやや見にくく感じます(詳細)。ただ、気にならない人も多いようです。2880x1800ドットのディスプレイで、文字の大きさを少し拡大すると、私もほぼ気になりません。
その他については、以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域・輝度
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
当サイトで色域を計測した結果は下の通りで、とても広いです。また、最大輝度は、当サイトの計測では376cd/m2とやや高めでした。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 100% |
Adobe RGBカバー率 | 97% |

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色もほぼ補正されておらず、自然な発色になっていることが分かります。

視野角は広いです。

有機ELディスプレイとしては珍しく非光沢液晶であるため、画面への映り込みは低減されています。ただ、ギラつきをやや感じ、個人的には若干気になりますが、ほぼ気にならない人が多いでしょう。

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)があります。体質によっては眼が疲れやすいかもしれません。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードは比較的打ちやすいと思います。
実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mmで、キーストロークは約1.5mmです。
キートップはやや湾曲しており、backspaceキーや半角/全角キーなど良く使うキーが大きくなっています。
ただし、enterの左隣の一部のキーはやや小さいです。また、deleteキーが端にないのもやや気になります。また、他のThinkPadシリーズのように、矢印キーが下がった位置にありません。
backspaceキーの上に電源ボタンがありますが、強めにかつ少し長めに押さないと反応しないので、タイピング中に誤って触れてしまっても、反応することはありません。
タッチパッドは、ハプティックタッチパッドで、面積が大きく使いやすいです。Macbookに似た使用感です。

※画像をクリックすると拡大できます

キーボードバックライトも搭載しています。

パフォーマンスのチェック
ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Editionのパフォーマンスのチェックです。CPUは、インテル Core Ultra 200Vのプロセッサーを搭載しています。
CPU
今回、Core Ultra 5 226Vを搭載しています。マルチコア性能は普通で、シングルコア性能は高めです。一般的な用途で使うなら十分な性能でしょう。

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
~ CPU性能の評価 ~

なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
グラフィックス
グラフィックスの性能は、CPU内蔵のものとしては高いです。原神、鳴潮、ドラクエなどの軽いゲームならできる性能です。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
NPU
NPU性能は最大 40 TOPSと高めです。
~ NPU性能の評価 ~
:レビュー機のTOPS
ストレージ
ストレージは、書き込みがやや遅かったです。他の容量のSSDならもう少し速いのではないかと思われます。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
micro SDカードスロットはありません。
質量のチェック
質量は、仕様では「約 1.21kg~」となっており、当サイトでの実測値は以下の通りです。
非常に軽いわけではありませんが、比較的軽いので持ち運びに便利です。
ACアダプターも比較的軽いです。
質量 | |
PC本体 | 1.228kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 214g |
バッテリー駆動時間のチェック
ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Editionのバッテリー容量は約55Whと、やや大きめです。

バッテリー駆動時間は以下の通りで、省電力のCore Ultra 200Vを搭載していることもあり、長いバッテリー駆動時間です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 約19.7時間 |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 約13.5時間 |
(3) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 10時間46分 |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。なお、搭載しているCPUのプロセッサー・ベース・パワー(PBP)は17Wです。
CPU電力は、デフォルトの「バランス」モードだと、PBPとほぼ同じ17Wで推移しています。「最適なパフォーマンスモード」にすると20~35WのCPU電力が出ており、パフォーマンスがアップしているのが分かります。ただ、定期的にCPU電力が落ちて安定していません。
CPU温度は、デフォルトの「バランス」モードだと、70℃台で推移しており問題ありません。「最適なパフォーマンスモード」にすると90℃以上になっており高い温度です。基本的には、「バランス」モードで使うといいでしょう。


静音性のチェック
ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Editionの動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。それ以外の状態のときも、比較的静かです。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
約20dB | 約20dB | 約29dB |
高負荷時1 [エンコード] |
高負荷時2 [ゲーム] |
|
約37dB | 約42dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時1:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
高負荷時2:FF14のゲームのベンチマーク実行時(高品質、1920x1080、ウィンドウ)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
負荷が高くないときは、それほど温度は上がらないので快適に使うことができます。ただ、ゲームのような高い負荷をかけると、右手がやや熱く感じてきます。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
全体的に低めのCPU電力です。CPUのみに負荷のかかるエンコードも低めです。ただ、GPUにも負荷のかかるゲーム時はそれなりに消費電力は上がります。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
約4W | 約10W | 約17W |
高負荷時1 [エンコード] |
高負荷時2 [ゲーム] |
|
約26W | 約62W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
外観のチェックです。
ボディはアルミニウム製で、質感は良いです。サンダーグレーのカラーなので、ブラックのカラーのThinkPadよりも指紋などが目立ちません。

天板には「ThinkPad」のロゴがあります。

ボディは比較的薄いです。


スピーカーは側面にあります。音質は比較的良く、ノートPC基準で、10点満点で採点すると6~7点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

電源ボタンと統合された指紋認証装置もあります。

Webカメラは1080pで、画質は普通です。IRカメラも内蔵しているので、顔認証によるログインが可能です。


※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
ポート類は、エンジンハブと呼ばれる出っ張りに搭載されています。USB-C、HDMIポートなどがありますが、USB-Aポートはありません。


ヒンジは約180度開きます。

底面はご覧の通りです。エンジンハブの部分は、下から見ると、結構出っ張りを感じます。


次に、底面カバーをはずしてみます。ネジを緩めると、底面カバーが浮いてくるので、外しやすいです。

冷却ファンは2つありますが、大きさは小さいです。メモリはCPUに統合されています。

SSDはType 2242です。

ACアダプターは、65Wです。

Lenovo 14インチ オリガミ スリーブケース
続いて、ThinkPad X9用の「Lenovo 14インチ オリガミ スリーブケース」もお借りしたので、写真を掲載します。本製品がピッタリ入るサイズです。ただ、PCを入れるときは正面側から入れましょう。



下図の部分は、折り紙のように変形させることができ、PCスタンドとしても活用することができます。



吸気ファンに若干重なっているのは気になりますが、底面に大きなスペースができるので問題ないでしょう。

まとめ
以上が、ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Editionのレビューでした。
トラックポイントの無いThinkPadということで、既存のThinkPadユーザーは「そんなのThinkPadじゃない!」と思う方も多いと思いますし、普段、ThinkPad X1 Carbonを使っている私もそう思います。
ただ、トラックポイントが苦手という方も一定数いますし、今までThinkPadを使ったことがないユーザーには、タッチパッドが大きい本製品のほうが使いやすく感じるかもしれません。
トラックポイントは無いものの、タイピングは比較的しやすいですし、堅牢性も高く、ThinkPadらしさもあります。
また、省電力のインテル Core Ultra 200Vを搭載しつつ20万円以下で購入できるのも魅力です。このCPUを搭載しているおかげで、バッテリー駆動時間が長いです。ThinkPad X1 Carbon Gen 13は高すぎるという方にもいいと思います。
個人的に気になるのは、底面のエンジンハブの出っ張りです。ここはちょっとダサく見えます。
Core Ultra 200VのThindPadが17万円台
ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition

特徴
- トラックポイントの無いThinkPad
- Core Ultra 200Vを搭載しつつ安い
- 2.8K有機ELディスプレイ搭載可能
こんなあなたに
- 安いThinkPadモバイルノートが欲しい方
- バッテリー駆動時間の長いノートPCが欲しい方
- 価格17万円台~
- キャンペーンページお得なセール情報

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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