Office付きで安いおすすめのノートパソコン
パソコンで使用する頻度が高いソフトは何ですか?文書作成や、表計算などに使用する、Officeソフトという方も少なくないでしょう。
Officeソフトで最もメジャーなのが、WordやExcelなどを含む、Microsoft Officeです。無料、または格安で使用できるタイプのOfficeソフトもありますが、世界標準といっても過言ではない、Microsoft Officeがいいという方は多いです。作成したデータをやり取りする場合は特にそうです。PCを購入するときに、Microsoft Officeが付いているPCを購入する方も多いのではないかと思います。
そこで、ここでは、快適に使える性能を備え、Microsoft Office付きでありながら、安く購入できる、おすすめ機種を紹介します。ほとんどが10万円以下(税込)で購入できる機種ですが、一部、際立った特徴がある場合は、10万円(税込)を超える機種も紹介しています。
おすすめ構成の紹介
Microsoft Officeの種類
Microsoft Officeには、いくつかの種類があります。
ここでは、月や年で契約するサブスプリクションタイプのMicrosoft 365や、パソコンとは別に購入する永続版のMicrosoft Officeではなく、PC購入時に一緒に購入するバンドル版について紹介します。
バンドル版のMicrosoft Officeには、含まれるソフトが異なる「Office Personal」、「Office Home & Business」、「Office Professional」という3つの種類があります。
WordやExcelを使用することができればいい方は、「Office Personal」を選ぶといいです。Word、Excelに加えて、PowerPointも使用したい方は、「Office Home & Business」を、この3つに加えて、Accessや、Publisherも必要な方は、「Office Professional」を選ぶようにしてください。
なお、バンドル版の最新バージョンは、Office 2021です。メインストリームサポートの終了日は、2026年10月13日となっています。
CPUはCore i3 / Ryzen 3以上をおすすめ
Microsoft Office付きでも、5万円台ぐらいから購入できる機種はありますが、その場合スペックがかなり低めになり、快適とは言い難いレベルになります。
それで、Officeソフトを含めパソコンを快適に使用するために、ある程度のスペックを備えたノートPCがおすすめです。下のグラフでは、CPUの目安を示しています。ざっくり言うと、第12世代Core i3-1215U、もしくは「Zen 2」世代のRyzen 3(Ryzen 3 5300U / Ryzen 3 7320U)以上を搭載した機種を目安にするといいと思います。
~ CINEBENCH R23 マルチコア ~
メモリは8GB以上がおすすめ
Officeソフトのシステム要件では、基本的に4GB以上のメモリが必要となっています。
ただ、快適に使用することを考えると、メモリ容量は8GBかそれ以上をおすすめします。
ストレージはSSD
最近は、ストレージにHDDを搭載した機種はあまり見ることがなくなってきましたが、念のため確認しておきましょう。HDDは読み書き速度が遅く、PCの起動も遅いので、ストレージにはSSDをおすすめします。
Officeソフトや、Officeのファイルはそれほど容量が大きいわけではありません。それで、一般的な使い方であれば、256GBあればいいでしょう。メインPCとして使用する方や、写真なども保存したい場合は、512GBかそれ以上の容量を確保しましょう。
液晶のサイズと性能
液晶のサイズは、用途や重視するポイントによって、おすすめが異なります。
モバイルPCとして持ち運びやすさを重視するなら、13.3型がいいでしょう。ただし、13.3型のモバイルノートPCは、安く購入することができる機種が少ないです。その場合は、持ち運びもできて、作業もしやすい、14型がおすすめです。宅内で使用して、ほとんど持ち出すことがないのであれば15.6型、作業しやすさを重視する方は16型を選ぶといいと思います。
次に、画面比や、解像度もチェックしましょう。
通常は、画面比16:9、FHD解像度(1920x1080)という標準的な液晶で十分です。安い機種では、HD解像度の液晶を搭載する機種もあるので、ご注意ください。
また、最近は、画面比16:10、FHD+(またはWUXGA)解像度(1920x1200)の液晶も増えてきました。下の画像で比較しても分かるように、縦方向の表示面積が少し増えるので、WordやExcelを使用するときに1度に表示できる情報が少し多くなり、使いやすくなります。おすすめ機種の紹介の部分でも、画面比16:10と書いているので、作業のしやすさを求める方は、こちらを選ぶといいと思います。
さらに、FHDよりも解像度が高い、2.2Kや、2.5K解像度の液晶などもあります。解像度が高いと、きれいな表示ができるだけでなく、下の画像のように、ウィンドウを2つ並べて作業しやすくなります。Officeソフトと、ブラウザを並べて表示すると、資料や調べた情報を見ながら、レポートを作成するといった作業がはかどります。作業効率を重視する方は、FHDよりも少し解像度が高い液晶を選ぶと、いいかもしれません。ただし、解像度が高めの液晶を搭載した機種で10万円台未満の機種はほとんどないので、少し予算をアップする必要があります。
Office付きで安いおすすめノートPC
ここでは、上のおすすめ構成を考慮に入れながら、Office付きで安い筆者おすすめのノートパソコンを紹介します。
なお、価格は現時点(2024年9月2日)のものです。時期によって変動すると思いますが、ご了承ください。
CPU | Ryzen 5 7430U |
---|---|
メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
液晶サイズ | 14.0型 |
液晶種類 | FHD IPS 非光沢 |
質量 | 約1.43kg |
バッテリー | 38Wh |
価格[税込] | 86,867円~ |
Ryzen 3 7330U、8GBメモリ、256GB SSDの構成に、Office Personal 2021を付けて、63,888円(税込)と非常に安い機種です。ここで紹介している機種の中でも最安の価格で購入することができます。
使用頻度がそれほど高くなければ、上記の最安構成でもいいと思います。日常的に使用する場合は、表に載せている構成がおすすめです。十分快適に動作するスペックに、Office Personal 2021を付けて86,867円(税込)、または、Office Home & Business 2021を付けて89,782円(税込)で購入することができます。
FHD液晶は、非光沢で、フリッカーもなかったので、普通に見やすいです。
当サイトの計測では、1.323kgとそれほど重くなかったので、時々外に持ち出して使うこともできます。USB-Cポートが、本機器への給電と、映像出力に対応しているのも嬉しいです。
ただし、樹脂製のボディや、バックライトなしのキーボードなど、省かれている部分もあるので、詳細は下記のリンクからレビューをご確認ください。
CPU | Ryzen 5 8540U |
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メモリ | 8GB |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
液晶サイズ | 14.0型 16:10 |
液晶種類 | 1920x1200 非光沢 |
質量 | 約1.54kg~ |
バッテリー | 54Wh |
価格[税込] | 99,913円 |
コスパが高く、人気のある14型ノートPCの最新モデルです。
マルチコア、シングルコアの性能が向上した、最新の「Zen 4」世代Ryzenを搭載しており、快適に動作します。また、画面比16:10の液晶は見やすく、長時間の作業にも適しています。
表に掲載している構成に、Office Home & Business 2021を付けて、9万円台(税込)で購入することができます。タイミング次第では、もう少し安くなるかもしれません。メモリは8GBですが、空きのメモリスロットがあるので、後からメモリを増設することができます(自己責任です)。
ただし、プラスチック製のボディ、バックライトなしキーボードなど、やや省かれている部分もあります。この辺りが気になる方はご注意ください。
なお、同じような構成のインテルモデルである、Inspiron 14 (5440)もあります。こちらは、第13世代Core i5-1334U、8GBメモリ、512GB SSDに、Office Home & Business 2021を付けて、9万円台(税込)です。インテルCPUがいい方は、こちらもおすすめです。
なお、Officeソフトは、希望するモデルをカートに入れた後で、「ソフトウェア・アクセサリー」の部分で追加します。
CPU | Ryzen 5 7530U |
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メモリ | 8GB |
ストレージ | 512GB PCIe SSD |
液晶サイズ | 14.0型 |
液晶種類 | FHD IPS 非光沢 |
質量 | 約1.17kg |
バッテリー | 約17時間 (47Wh) |
価格[税込] | 109,230円 |
約1.17kg~と軽いので、頻繁に外に持ち出して使用したい方におすすめの機種です。しかも、100%sRGBのFHD液晶を搭載しており、オリジナルに近い色鮮やかな表示で画像や動画を見ることができます。
表に載せているスペック構成に、Office Home & Business 2021を追加して、10万円台(税込)で購入することができるので、コスパが高いです。欲を言えば、16GBメモリに変更して、114,730円(税込)で購入することができる構成が一番おすすめです。
SDカードリーダーや、Power DeliveryとDisplayPortに対応したUSB-Cポート、バックライト付きキーボードなど、機能が揃っていますし、ボディには一部メタル素材を使用し、堅牢性も高いです。
CPU | Core i5-12450H |
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メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB PCIe SSD |
液晶サイズ | 14.0型 |
液晶種類 | 1920x1200 IPS 非光沢 |
質量 | 約1.46kg |
バッテリー | 約14時間 (56.6Wh) |
価格[税込] | 102,850円 |
インテルCPUを搭載した、コスパの高い機種です。
HシリーズのCore i5-12450H、16GBメモリ、512GB SSDという余裕のあるスペック構成に、Office Home & Business 2021が付属して、約10万円で購入することができます。
画面比16:10のWUXGA液晶を搭載しており、作業がしやすいです。また、アルミボディは質感や見た目もいいです。
インテルCPUがよく、高めの性能で快適に作業を行いたい方におすすめです。
CPU | Ryzen 5 7520U |
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メモリ | 8GB |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
液晶サイズ | 15.6型 |
液晶種類 | FHD IPS 非光沢 |
質量 | 約1.58kg |
バッテリー | 約16.0時間 (42Wh) |
価格[税込] | 79,860円 |
Ryzen 5 7520U、8GBメモリ、512GB SSDという構成に、Office Home & Business 2021が付いて、7万円台で購入することができます。「Zen 2」世代のRyzenなので、処理性能はそこまで高くありませんが、複雑な関数やマクロを多用するのでなければ、WordやExcelを使って普通に作業をすることができます。
以前は、視野角の狭いTN液晶でしたが、現時点で販売されているモデルは、視野角の広いIPS液晶を搭載しており、画面も見やすいです。
樹脂製ボディや、バックライトなしのキーボードなど、抑えられている部分が気にならなければ、作業しやすい機種だと思います。
なお、14型の兄弟機種、IdeaPad Slim 170 14型 (AMD)もあります。こちらも、Ryzen 5 7520U、8GBメモリ、512GB SSD、FHD IPS液晶の構成に、Office Home & Business 2021が付いて、7万円台で購入することができるモデルがありました。
CPU | Ryzen 5 7530U |
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メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
液晶サイズ | 15.6型 |
液晶種類 | FHD IPS 非光沢 |
質量 | 約1.62kg |
バッテリー | 約14.0時間 (47Wh) |
価格[税込] | 91,850円 |
「Zen 3」世代のRyzen 5 7530U + 16GBメモリ、512GB SSDとゆとりのある構成に、Office Home & Business 2021が付いて、9万円台で購入することができます。
上で紹介した「IdeaPad Slim 170 15.6型 (AMD)」よりも、処理性能が高く、Officeソフトでの作業においても、サクサク快適に動作するでしょう。また、FHD画質のWebカメラ、本機器への給電と映像出力に対応したUSB-Cポート、バックライト付きキーボード、指紋センサーなどを備えており、機能も比較的揃っています。
IPS液晶を搭載し、映り込みが少なく、フリッカーも発生していないので、画面が見やすいです。
樹脂ボディなので高級感はありませんが、そこが気にならなければ、処理性能、機能、価格のバランスがいい機種として、おすすめです。
CPU | Ryzen 5 7530U |
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メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
液晶サイズ | 15.6型 |
液晶種類 | FHD 広視野角 非光沢 |
質量 | 約1.63kg~ |
バッテリー | 41Wh |
価格[税込] | 94,180円 |
上で紹介した、Inspiron 14 (5435)の兄弟機種です。
画面比16:10の16型液晶を搭載しており、大きめの画面で作業をしたい方におすすめです。
Ryzen 5 7530U、16GBメモリ、512GB SSDを搭載し、Officeソフトでの作業において、快適に動作するでしょう。この構成に、Office Personal 2021を追加して、9万円台(税込)で購入することができます。
液晶は、視野角が広い、FHD液晶です。スタンダードな解像度ですが、当サイトのチェックではフリッカーが発生していました。そのため、1日中作業を行うなど、長時間使用する場合は、目が疲れやすくなるなど体への影響を感じるかもしれません。また、価格を下げるために、全体的に抑えられている部分があるので、このあたりが気にならないかレビューをご確認ください。
CPU | Ryzen 3 7320U |
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メモリ | 8GB |
ストレージ | 256GB NVMe SSD |
液晶サイズ | 15.6型 |
液晶種類 | FHD IPS 非光沢 |
質量 | 約1.63kg |
バッテリー | 最大約10時間 (約41Wh) |
価格[税込] | 91,200円 |
格安ノートPCですが、しっかりと使える機種です。15.6型のIPS液晶はフリッカーが発生しておらず、長い時間の作業にも使用しやすいです。
Ryzen 3モデルであれば、Microsoft Office Home & Business 2021を付けて、9万円台で購入できます。Ryzen 5、16GBメモリ、512GB SSDのモデルでも、Officeソフトを付けて10万円台なので、仕事などに使いたい方は、こちらのモデルの方がおすすめです。
Officeソフトはカスタマイズ画面で追加します。
なお、14型の兄弟機種であるHP 14-emもあり、こちらも同価格帯で購入することができます。
ただし、価格のために抑えられている部分もあるので、レビュー記事をご確認ください。
CPU | Ryzen 5 7430U |
---|---|
メモリ | 8GB |
ストレージ | 256GB PCIe SSD |
液晶サイズ | 16.0型 |
液晶種類 | 1920x1200 IPS 非光沢 |
質量 | 約1.77kg~ |
バッテリー | 47Wh |
価格[税込] | 97,460円 |
打ちやすさに定評があるテンキー付きキーボードを搭載した機種です。Wordでの文章作成や、Excelでの数字入力にも使いやすいです。
画面比16:10の16型液晶は大きめで、見やすく、作業がしやすいです。WQXGA(2560x1600)液晶を選択すると、マルチウィンドウでの作業もしやすくなります。
人気の高いThinkPadシリーズですが、Ryzen 5 7430U、8GBメモリ、256GB SSDという快適スペックに、Office Home & Business 2021を付けて、9万円台で購入することができます。メモリ・ストレージの容量は大きくありませんが、上記の構成であれば空きのメモリスロットと、M.2スロットがあるので、セルフカスタマイズが可能な方であれば、メモリ・ストレージの増設をしてもいいと思います(自己責任です)。
なお、この機種では選べませんが、新モデルのThinkPad E16 Gen 2 AMDであれば、WQXGA液晶を選ぶこともできます。 Office付きだと10万円を超えてしまいますが、作業効率を重視する方は最新モデルを検討してもいいでしょう。
パソコンやガジェット好きが高じて、パソコンメーカーや家電量販店などのパソコン訪問サポートを行うようになる。最近では、飼っているハムスターやカナヘビに癒されたり、ベランダで作っているトマトやヘチマの成長を見て喜んだりしている。子どもとマイクラをすると、画面酔いするようになり、年を感じる今日この頃。
2018年頃から、the比較の記事執筆に参加。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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