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レノボ IdeaPad Slim 170 14型 (AMD)の実機レビュー
APU | Ryzen 3 7320U Ryzen 5 7520U |
---|---|
メモリ | 8GB |
ストレージ | 256GB PCIe SSD |
液晶サイズ | 14インチ |
液晶種類 | FHD 非光沢 |
質量 | 約1.38kg |
バッテリー | 約12時間 |
価格[税込] | 5万円台~ |
IdeaPad Slim 170は、価格が5万円台と非常に安い点が特徴のノートパソコンです。
安くても、処理性能は悪くなく、そこまで重いアプリでなければ、十分快適に使えるでしょう。
また、ディスプレイがTNパネルからIPSパネルへ変更になりました。視野角が良くなり見やすくなりました。
ただし、メモリ8GB固定です。アプリをいくつも起動する方や、メモリを多く消費するアプリを使用する方には適しません。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 5 7520U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD
セール情報
以下のページで、レノボのパソコンのセールを実施中です。
目次
お忙しい方は、「IdeaPad Slim 170 の特徴」のみお読みください。
IdeaPad Slim 170の特徴
5万円台(税込)から購入することができる
IdeaPad Slim 170は、5万円台(税込)から購入することができる非常に安いノートPCです。
メモリ容量が8GBとそこまで多くないにせよ、CPUのスペックは悪くはないので、軽めの作業であればストレスなく使えると思います。
「使うのはブラウザのみ」という方や「Wordで文書を作るだけ」という方など、PCにあまり負荷をかけない使い方をする方であれば、本製品の性能でも問題ないでしょう。
視野角が広くなった
本製品のディスプレイは、発売当初はTNパネルを搭載していましたが、途中からIPSパネルへ変更になり、視野角が良くなりました。視野角が良くなったことで、画面の端の色合いがおかしかったり、角度が悪く画面全体が白っぽくなったりすることがなくなり、見やすくなりました。この価格で、IPSパネルというのは非常にコスパが高いと思います。
気になる点
気になる点としては、先ほど記載した通り、メモリが8GBのみとなっている点です。しかもオンボードなので換装することができません。メモリ消費の多いアプリを起動したり、ブラウザのタブをたくさん開いたりなど、使い方によってはメモリ不足となり、動作が重く感じるかもしれません。
また、USB-CがPower DeliveryやDisplayPortに対応していない点、顔認証・指紋認証が搭載されていない点、キーボードバックライトがない点、HDMIが1.4bである点なども、人によっては欠点になると思います。この辺りも問題ないか確認しておきましょう。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
○ | 処理性能の面では問題ありません。ただ、メモリが8GBなので、ブラウザのタブをたくさん開いたり、Word、Excel、PowerPointとたくさんアプリを起動したりすると、メモリ不足になるかもしれません。 |
---|---|---|
オンライン会議 | ○ | 問題なくできます。 |
動画鑑賞 | ◎ | CPUなどの処理性能は問題ありません。ディスプレイもIPSになり見やすくなりました。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | ディスプレイの色域が狭く、またメモリが8GBしかないため、この用途には適していません。 |
動画編集 | △ | 処理性能、ディスプレイともに、この用途には適していません。 |
ゲーム | △ | 内蔵グラフィックスの性能があまり高くないため、ゲーム向きではありません。 |
ディスプレイのチェック
IdeaPad Slim 170のディスプレイのチェックです。
IPSパネルの特性は次の通りです。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
IdeaPad Slim 170のキーボードのチェックです。
実測値で、キーピッチは縦:約19mm、横:約18.5mm、キーストロークは約1.3mmです。実際にタイピングしてみましたが、特に打ちにくいことはなく、普通のキーボードだと思います。
ただ、タッチパッドのクリックボタンがやや固い(押すときに力が必要)です。
パフォーマンスのチェック
IdeaPad Slim 170 14型のパフォーマンスのチェックです。
Lenovo Vantageの電源スマート設定で、動作モードを変更することができるので、CINEBENCHと3Dmarkに関しては、デフォルトの「インテリジェント・クーリング」と、高いパフォーマンスが出る「エクストリーム・パフォーマンス」で計測しています。
CPU
今回は、Ryzen 5 7520Uを搭載しています。最新のRyzen 7000シリーズのプロセッサーではありますが、Zen 2 世代であるため、ベンチマークスコアはそこまで高くありません。特に、シングルコアのスコアが低いです。
ただ、マルチスコアは2世代前のCore i7-1165G7と同じくらいのスコアになっており、負荷の高くないアプリであれば、ストレスなく使うことができるでしょう。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリはLPDDR5-5500のデュアルチャネルですが、実測した帯域はそこまで広くありません。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア
なお、2GBのメモリが、内蔵グラフィックスに割り当てられていました。メインメモリが8GBしかないのに、2GBも内蔵グラフィックスに割り当てられていると、メモリ不足になりやすいので、ここは512MBへ変更してもいいでしょう。なお、UEFIから変更することができます。
グラフィックス
内蔵グラフィックスのベンチマークスコアは、以下の通りです。最新のノートパソコンにしては、そこまで高いスコアではありません。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe SSDを搭載していますが、そこまで速くはありません。ただ、一般的な作業であれば、実用上は十分な速度でしょう。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
フルサイズのSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は普通です。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートの動作チェック結果は、下表の通りです。
Power DeliveryやDisplayPortには対応していません。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | × | × | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | × | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | × | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | × | × | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
4KモニターへHDMIで接続したところ、4K、8ビット、60Hzでの表示は出来ていましたが、色の形式がYCbCr420でした。色差成分が間引かれているので、色がおかしくなったり、文字が読みにくくなったりすることがあります。
質量のチェック
IdeaPad Slim 170 14型の質量は、メーカーサイトでは、「約1.38kg(ページによっては約1.4kg)」となっています。当サイトによる計測値は次の通りです。このくらいの質量であれば、外へ持ち運ぶ用途にも使えると思います。
ACアダプターについては普通の重さです。
質量 | |
PC本体 | 1.376kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 337g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
まず、バッテリー容量は42Whとなっており、最近のノートパソコンとしては、そこまで大きい容量ではありません。
バッテリー駆動時間は下の通りで、やや短いです。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 最大 約11.2時間 (ページによっては約12.0時間) |
(2) 動画再生時 | 12時間56分 |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
1時間あたりの充電容量を計測してみたところ、次のようになりました。充電率はまずまずですが、バッテリー容量が少ないため、充電された電力量は普通かなと思います。
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラにはプライバシーシャッターが付いています。IRカメラは搭載していません。画質は普通です。
スピーカー
底面の手前側に、1.5W x2のステレオスピーカーが搭載されています。音質は普通で、ノートPC基準で10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。ただ、手前側にあるので、タイピングしていると、腕でスピーカーを塞いでしまい、音がこもります。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
まず、パフォーマンスを左右するCPU電力ですが、「インテリジェント・クーリング」モードでは約17W、「エクストリーム・パフォーマンス」モードでは約21Wでした。TDP:15Wのプロセッサーなので、CPU電力(=パフォーマンス)は高めだと思います。
CPU温度については、どちらも問題ない範囲の温度です。
静音性のチェック
IdeaPad Slim 170の動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。高負荷時は、同等構成の他のノートパソコンと、同じくらいの騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
表面温度は低めです。不快感が少なく、作業ができるでしょう。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
TDP:15Wのプロセッサー搭載なので、低めの消費電力です。
外観のチェック
IdeaPad Slim 170 の外観のチェックです。
ボディカラーは「クラウドグレー」と「サンド」がありますが、今回は前者のカラーです。無難な色だと思います。樹脂製ボディなので、高級感はありません。
天板です。Lenovoの小さいロゴは、基本的にはシルバーですが、見る角度によって、下のように色が変わります。
液晶を閉じた状態の画像です。厚さは約17.9mmと薄いです。
側面には、 USB-A 3.2 Gen1、USB-A 2.0、USB-C 3.2 Gen1、HDMI1.4b、SDカードリーダー、ヘッドホン/マイク端子などがあります。
底面は、ややチープな感じがします。
標準で付属しているACアダプターは65Wです。
まとめ
以上が、IdeaPad Slim 170 14型 (AMD)のレビューです。
5万円台から購入することができる非常に安いノートパソコンです。
CPUなどのスペックも、決して悪くはないので、負荷が軽めのアプリであれば、快適に使うことができるでしょう。
また、ディスプレイがTNパネルからIPSパネルへ変更となりました。画面も見やすくなっています。
ただし、HDMIは4K、8ビット、60Hz、RGBでの出力に対応しておらず、USB-Cポートも映像出力に対応していないので、外部モニターに接続するときは注意が必要です。
また、メモリが8GBとなっています。ブラウザのタブを多く開いたり、複数のアプリを同時にいくつも開くような方はメモリが不足するかもしれません。オンボードメモリなので、メモリの増設もできません。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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