※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
レノボ Lenovo V14 Gen 4 AMDの実機レビュー
APU | Athlon Silver 7120U Ryzen 3 7320U Ryzen 5 7520U |
---|---|
メモリ | 8GB LPDDR5-5500 |
ストレージ | 256GB / 512GB SSD |
液晶サイズ | 14インチ |
液晶種類 | FHD IPS 非光沢 |
質量 | 約1.43kg |
バッテリー | 38Wh |
価格[税込] | 5万円台~ |
Lenovo V14 Gen 4 AMDは、IPS液晶を搭載しながら、5万円台と安いノートパソコンです。
プロセッサーの性能はそこまで高くありませんが、それほど高い負荷をかけないユーザーには、十分な性能でしょう。
また、当サイトの計測では1.323kg(仕様では1.43kg)と、それほど重くないので、外出先へ持ち出す用途にも使えると思います。
8GBメモリのモデルしかない点、キーボードバックライトが無い点、指紋や顔認証に対応していない点など、コストカットされている部分もありますが、そのあたりが問題なければ、低価格PCとしておすすめです。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 5 7520U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD
セール情報
以下のページで、レノボのパソコンのセールを実施中です。
目次
お忙しい方は、「Lenovo V14 Gen 4 AMD の特徴」のみお読みください。
Lenovo V14 Gen 4 AMDの特徴
IPS液晶を搭載して5万円台~
Lenovo V14 Gen 4 AMDは、IPS液晶を搭載しつつ、5万円台からと価格が安い点が特徴です。時期によっては4万円台で販売されていることもあります。
このくらい安いPCだと、TN液晶を搭載していることがありますが、TN液晶だと少し画面の角度が悪いと、白っぽく見えたり、黒っぽく見えたりします。IPS液晶は、そんなことがなく、視野角が広いので、画面の角度が少し悪くても、色が変わりにくくなっています。
できるだけ価格を抑えつつも、使い勝手に支障のない機種が欲しい方におすすめです。
割と軽いので移動に便利
Lenovo V14 Gen 4 AMDの質量は、約1.43kgとなっています。実際に計測してみると、さらに軽く、1.323kgしかありませんでした。持ち運び用に設計されたThinkPad X1シリーズなどのモバイルノートPCほど軽くはありませんが、外へ持ち運べるくらいの軽さです。
「Zen 2」世代のRyzen 7000プロセッサー
Lenovo V14 Gen 4 AMDでは、最新のRyzen 7000シリーズのプロセッサーを搭載しています。ただ、CPUの世代はZen2となっており、そこまで高い処理性能ではありません。
CPU世代 | 開発コードネーム | 製造プロセス | 末尾 | デフォルトTDP | |
Ryzen 7045シリーズ | Zen 4 | Dragon Range | 5nm | HX | 55W |
Ryzen 7040シリーズ | Zen 4 | Phoenix | 4nm | HS | 35-54W |
Ryzen 7035シリーズ | Zen 3+ | Rembrandt-R | 6nm | HS/U | 35-54W/28W |
Ryzen 7030シリーズ | Zen 3 | Barcelo-R | 7nm | U | 15W |
Ryzen 7020シリーズ | Zen 2 | Mendocino | 6nm | U | 15W |
CINEBENCH R23のベンチマークスコアは次の通りで、本製品に搭載されていたRyzen 5 7520Uは、Zen3世代のRyzen 3 5425Uよりも低いスコアでした。
ただ、Celeronなどのように極端に低いスコアではないので、ウェブページの閲覧や、メールの作成などの負荷の軽い作業であれば、特にストレスなくこなせると思います。
また、本製品はRyzen 3 7320Uのモデルもありますが、このCPUとベンチマークスコアはほぼ変わりませんでした。このくらいの差なら、Ryzen 3 7320Uでもいいかなと思います。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
USB-Cポートは映像出力・本機への給電にも対応
安いノートパソコンは、USB-Cポートが無い、もしくはデータ転送のみという場合が多いですが、本製品は、Thunderboltには対応していないものの、Power Deliveryと、DisplayPortに対応しています。持ち運びもできる機種なので、Power Deliveryに対応しているのは嬉しいです。
やや残念な部分
Lenovo V14 Gen 4 AMDのやや残念な部分としては、メモリが8GBのみであるという点です。しかもオンボードなので後から換装することができません。アプリをたくさん開くような方には適していません。この点からも、あまり負荷のかかる作業はできないので、CPUはRyzen 3で十分だと思います。
また、樹脂製のボディであるため、高級感はあまりありません。それなりのデザインです。
さらに、キーボードバックライトが無い点、顔認証や指紋認証にも対応していない点も、デメリットとして挙げられます。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | IPS液晶を搭載して、Ryzen 3やRyzen 5であれば、処理性能もまずまずなので、普通に使えると思います。ただし、メモリが8GBと少ないので、ブラウザのタブをたくさん開いたり、WordやExcel、PowerPointなどの複数のアプリを同時に起動したりすると、メモリ不足になる可能性があります。 |
---|---|---|
オンライン会議 | ○ | 普通の性能ではありますが、ウェブカメラ、マイク、スピーカーを備えており、すぐにオンライン会議が出来ます。 |
動画鑑賞 | ○ | ディスプレイが色鮮やかではありませんが、問題なく動画を再生できるスペックです。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | ディスプレイの色域が狭い点や、メモリが8GBしかない点から、この用途にはあまり適していません。 |
動画編集 | △ | 上と同じ理由で、動画編集にはあまり適していません。 |
ゲーム | △ | 3Dゲームをするにはスペック不足です。ブラウザゲームくらいならできます。 |
ディスプレイのチェック
Lenovo V14 Gen 4 AMDのディスプレイのチェックです。
画面比16:9のFHD液晶です。IPSパネルを搭載し視野角は広いですが、色域は狭いです。最大輝度は、当サイトの計測では357cd/m2とやや高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Lenovo V14 Gen 4 AMDのキーボードのチェックです。
実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18mm、キーストロークは約1.4mmです。キートップは若干湾曲しています。普通の打ちやすさだと思います。安い機種だからと言って、変な部分はありません。
タッチパッドの使いやすさも普通です。
パフォーマンスのチェック
Lenovo V14 Gen 4 AMDのパフォーマンスのチェックです。
本製品は、Lenovo Vantageの「電源およびパフォーマンス」で、動作モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「インテリジェント・クーリング」と、高いパフォーマンスが出る「エクストリーム・パフォーマンス」で計測したベンチマークスコアを掲載します。
CPU
「Zen 2」世代のRyzen 7000シリーズを搭載しています。今回、Ryzen 5 7520Uを搭載していますが、スコアは低めです。特にシングルコアのスコアが低いです。ただ、マルチコアのスコアは、Core i7-1165G7よりも高くなっており、極端に低い性能ではありません。負荷の軽い作業であれば、特にストレスなくできると思います。
また、兄弟機種のLenovo V15 Gen 4で計測したRyzen 5 7520Uのスコアは、Ryzen 3 7320Uのスコアとあまり違いがありませんでした。この差なら、個人的にはRyzen 3 7320Uのほうがコスパが高くいいと思います。
Athlon Silver 7120Uも選択することができますが、使ったことがないので、ベンチマークスコアは分かりません。ただ、Ryzen 3 7320Uの半分のコア数(2コア)しかなく、高い性能ではありません。価格もRyzen 3 7320U搭載モデルと5,000円ほどしか変わらないので、Ryzen 3 7320Uのほうが無難だと思います。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリはLPDDR5-5500のデュアルチャネルですが、帯域はそこまで広くありません。普通です。
なお、オンボードメモリなので、メモリの増設・換装はできません。また、8GBしかないので、メモリを多めに消費するアプリを立ち上げたり、複数のアプリを同時に起動したり、ブラウザのタブをたくさん開いたりすると、メモリ不足になる可能性があります。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア
グラフィックス
グラフィックス性能も低めです。ただ、ゲームなどには適しませんが、YouTubeなどの動画を視聴する分にはこの性能でも特に問題ありません。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージにはPCIe Gen4 SSDを搭載しているようですが、速度はそこまで速くありません。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
SDカードスロットは非搭載です。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートの動作チェック結果は、下表の通りです。
Power Deliveryや、DisplayPortにも対応しています。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | ○ ※3 | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速のケーブルであるとの警告が表示
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。たまたまなのかもしれませんが、今回は、4K、60Hz、RGBでの表示が出来ていました。ただし、仕様では「最大 3840x2160 ドット、1677 万色(HDMI 接続時)、30Hz」となっていたので、4K解像度だとリフレッシュレートが30Hzになる可能性があります。
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトでは、質量が「約1.43kg」となっていますが、当サイトによる計測値は次の通りで、仕様値よりも少し軽かったです。外出先へも持ち運べる軽さだと思います。
質量 | |
PC本体 | 1.323kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 338g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
仕様上のバッテリー容量は38Whとなっており、やや小さめです。
当サイトでチェックしたバッテリー駆動時間は下の通りです。(1)の動画再生のような負荷の軽い作業であれば、そこそこのバッテリー駆動時間です。常に何か作業をしている場合などは、(2)くらいのバッテリー駆動時間になると思います。一般的な使用だと(2)の駆動時間に近くなると思います。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | ー |
(2) 動画再生時 | 10時間43分 |
(3) CPU20%、GPU13%の負荷 | 4時間14分 |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき
当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。充電速度は普通です。
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
720pのHDカメラが搭載されており、画質は普通だと思います。なお、IRカメラは非搭載です。
スピーカー
スピーカーは、底面の左右に1.5W x2のステレオスピーカーを搭載しています。音質は普通で、ノートPC基準で10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
「インテリジェント・クーリング」モードでは、CPU電力は約18Wで推移し、CPU温度は70℃台と問題ない範囲です。
「エクストリーム・パフォーマンス」モードでは、CPU電力は約25Wで推移し、CPU温度は80℃台とやや高めです。「インテリジェント・クーリング」モードで動かしたほうが無難かもしれません。
静音性のチェック
Lenovo V14 Gen 4 AMDの動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。負荷がかかると騒音値が少し上がりますが、他のノートPCと比べても騒音値は低めです。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
負荷をかけるとキーボードの左側部分が暖かくなっていきますが、常時指が触れる部分ではないため、タイピング時はそこまで気になりません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
モバイル向けのプロセッサーなので、低めの消費電力です。
外観のチェック
Lenovo V14 Gen 4 AMD の外観のチェックです。
樹脂製のボディで、高級感はありませんが、特に古さは感じないデザインです。無難にだれでも使えると思います。
天板には、細かい凹凸パターンが施されています。
液晶面は約180度開くので、対面に座っている人に画面を見せやすいです。
ボディの厚さは約19.9mmで、比較的薄いです。
側面のポートはご覧の通りです。LANポートも搭載されており、無線LANが禁止されている企業でも使いやすいです。
底面はシンプルなデザインです。
底面カバーを外すとご覧のようになっています。メモリはオンボードです。
M.2 SSDは、Type 2242で、Type 2280のSSDへ交換することはできません。
ACアダプターは65Wです。Power Deliveryに対応しているので、他社製のPD充電器を使うこともできます。
まとめ
以上が、Lenovo V14 Gen 4 AMDのレビューです。
IPSパネルを搭載しつつ、5万円台で購入できる安さが魅力のPCです。
プロセッサーは、Zen2世代のRyzenシリーズなどを選択することができます。性能が高いわけではありませんが、そこまで低いわけでもなく、負荷が軽めの作業であれば、それほどストレスなくできるでしょう。この機種であれば、性能差と価格差を考慮すると、Ryzen 3搭載モデルがおすすめです。
仕様値で約1.43kg、実測値で約1.323kgと、意外と軽いのもメリットです。ThinkPad X1 Carbonなどのような軽さはありませんが、持ち運べる範囲の質量です。
USB-CがPower Deliveryに対応しているので、外出先では、別途PD充電器を使うこともできます。
ただし、どのモデルもメモリは8GBです。メモリ消費の多いアプリを起動したり、複数のアプリを起動したりすると、メモリ不足になる可能性があります。PCをバリバリ使うような方には適していません。
また、キーボードバックライトが無い点、指紋認証・顔認証に対応していない点、ボディが樹脂製でやや安っぽく見える点などのデメリットもあるので、このあたりが気にならないか確認しておきましょう。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ