※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
デル Inspiron 14 (5445) の購入レビュー
CPU | Ryzen 5 8540U Ryzen 7 8840U |
---|---|
メモリ | 8GB / 16GB DDR5 |
ストレージ | 512GB / 1TB SSD |
液晶サイズ | 14インチ 16:10 |
液晶種類 | 1920x1200 非光沢 |
質量 | 約1.54kg~ |
バッテリー | 54Wh |
価格[税込] | 7万円台~ |
Inspiron 14 (5445)は、7万円台から購入することができる、日常用途にちょうどいい14型ノートPCです。 15型よりも小さいので、収納や移動もしやすいです。
最新のRyzen 8040シリーズを搭載し、一般用途なら快適に使うことができる処理性能です。
ディスプレイは、色域は狭いものの、画面比が16:10で、視野角が広くフリッカーもなく、一般用途には十分です。
旧モデルと比べると、少しダウングレードされている部分もありますが、コストパフォーマンスは高いです。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 5 8540U、16GBメモリ、1TB SSD
Ryzen 7 8840U、16GBメモリ、1TB SSD
目次
お忙しい方は、「Inspiron 14 (5445)の特徴」のみお読みください。
Inspiron 14 (5445)の特徴
一般用途にちょうどいい14型ノートPC
Inspiron 14 (5445)は、ネット検索、メール、Officeソフトでの作業といった、一般用途にちょうどいい14型ノートPCです。デルの中でも人気の高いシリーズとなっています。
画面比16:10のWUXGA(1920x1200)液晶と、最新のAMD Ryzen 8040シリーズプロセッサーを搭載して、7万円台から購入することができます。Ryzen 5 8540U、16GBメモリ、1TB SSDのおすすめ構成でも8万円台です。ここ最近PCが値上がりしていることを考慮すると、十分安いです。
扱いやすいサイズと質量のボディなので、使うときだけ取り出したり、宅内で移動して気軽に使うことができるノートPCが欲しい方におすすめです。
なお、下図のように、アイスブルー(左側)と、カーボンブラック(右側)の2つのボディカラーを選ぶことができます。
最新のAMD Ryzen 8040シリーズ搭載
Inspiron 14 (5445)は、最新のAMD Ryzen 8040シリーズプロセッサーを搭載しています。
選択することができるのは、Ryzen 5 8540Uと、Ryzen 7 8840Uで、それぞれの簡単な仕様は下表のようになっています。これらのプロセッサーについて、もう少し詳しく知りたい方は、こちらをご確認ください。
Ryzen 7 8840U | Ryzen 5 8540U | |
コア / スレッド数 | 8 / 16 | 6 / 12 |
アーキテクチャー | Zen 4 | |
最大クロック | 5.1GHz | 4.9GHz |
L2 / L3キャッシュ | 8MB / 16MB | 6MB / 16MB |
デフォルトTDP | 28W | |
cTDP | 15-30W | |
グラフィックス・モデル | Radeon 780M | Radeon 740M |
グラフィックス周波数 | 2700 MHz | 2500 MHz |
GPUコア数 | 12 | 4 |
Ryzen AI | ○ | × |
実際の処理性能を測るベンチマークテストの結果は、下のグラフの通りです。
マルチコアのスコアを見ると、どちらのプロセッサーも旧モデルより性能が確実にアップしています。Ryzen 5 8540U搭載モデルは、Core 5 120Uを搭載したInspiron 14シリーズのインテルモデルで計測したスコアよりも高い数値が出ていますし、Ryzen 7 8840U搭載モデルでは、Core Ultra 5 125Hを搭載した別機種で計測したスコアとほぼ同じ数値が出ています。インテルCPUを搭載したモデルよりも基本的に安いことが多いので、費用対効果にも優れています。
また、「Zen 4」世代のRyzenになり、シングルコアの性能が大きく向上しています。シングルコアの性能に動作が左右されるようなアプリにおける快適さもアップしていると思います。
プロセッサーの選び方ですが、一般的な使い方であれば、Ryzen 5 8540Uで十分でしょう。
一方、Ryzen 7 8840Uは、処理性能が高めであることに加えて、CPU内蔵グラフィックスの性能も高めですし、Ryzen AIに対応しており、アプリ側の対応が進めばノートPC内で行うAI処理の速度が速くなる可能性があります。そのため、複数のアプリを同時に立ち上げて作業を行う方や、軽いゲームをプレイしたい方、AI処理を行いたい方などは、Ryzen 7 8840U搭載モデルを選んでおくといいでしょう。
メモリの増設・換装が可能
Inspiron 14 (5445)のメモリは、スロットメモリです。
従来モデルのInspiron 14 (5435)では、オンボードメモリで、メモリの増設・換装ができませんでしたが、新モデルではスロットメモリが復活し、購入後でもセルフカスタマイズでメモリの交換ができるようになりました。
Ryzen 5 8540U、8GBメモリの最安構成で購入して、後からメモリを増設することもできます。また、16GB(8GB x2)以上のメモリに交換することもできます。
試しに手持ちの16GBx2のメモリに換装してみましたが、問題なく認識されました。試したメモリは次のものです。ただし、メモリの交換は自己責任でお願いします。
従来モデルからダウングレードした部分
上記のスロットメモリの他にも、従来モデルから変化した部分が幾つかあります。ただ、ダウングレードしてしまったように感じる部分が多く、ちょっと残念です。変化した部分を幾つか下記にご紹介します。
シャーシがプラスチック製に
従来モデルのInspiron 14 (5435)は、ボディにアルミニウム素材を多く使用しており、質感も比較的よかったのですが、新モデルであるInspiron 14 (5445)の現在販売されているモデルでは、全てプラスチック製シャーシとなっています。天板、底面、パームレスト部など全てがプラスチック製なので、触った時にややチープな感じがします。また、耐久性の面でも、メタルボディには及びません。格安のビジネス向けノートPCのようになってしまったのが、少し残念です。
バックライトなしキーボード
従来モデルのInspiron 14 (5435)は、バックライト付きキーボードを搭載していましたが、新モデルではバックライトなしのキーボードになりました。薄暗い場所では、タイピングがしにくく感じるかもしれません。
プライバシーシャッターなしのHDカメラ
従来モデルのInspiron 14 (5435)のWebカメラは、プライバシーシャッター付きのFHDカメラを搭載していました。しかし、新モデルではプライバシーシャッターがなくなり、Webカメラの解像度もHDカメラになっています。HDカメラでもそれほど支障はないのですが、プライバシーシャッターは残してほしかったです。
指紋センサーなし
従来モデルのInspiron 14 (5435)では、電源ボタンに指紋センサーが統合されており、Windows Helloの指紋認証を使うことができましたが、新モデルでは指紋センサーが省かれていました。Windowsにログインするときに、Windows Helloの顔認証、指紋認証ともに使用することができません。
なお、上で紹介したのは、現時点で販売されているモデルに関してです。製品の仕様としては、アルミニウム製シャーシ、バックライト付きキーボード、FHDカメラ、指紋センサー付きもあるようなので、後からこれらを備えたモデルが登場する可能性もあります。上記の点が気になる場合は、購入時に確認するようにしてください。
Inspiron 14シリーズの比較
デルの中でも人気の高いInspiron 14シリーズには、AMD Ryzen搭載の本機器Inspiron 14 (5445)と、インテルCPUを搭載したInspiron 14 (5440)があります。
Inspiron 14シリーズを簡単に比較してみると、下表のようになります。
Inspiron 14 (5445) |
Inspiron 14 (5440) |
||
第13世代Core (U) モデル |
Core U(シリーズ1) モデル |
||
CPU | Ryzen 5 8540U Ryzen 7 8840U |
Core i3-1305U Core i5-1334U |
Core 5 120U Core 7 150U |
メモリ | 8GB / 16GB | 16GB | |
SSD | 512GB / 1TB | 512GB | 1TB |
液晶 | 14型 1920x1200 広視野角 非光沢 | ||
キーボード | バックライトなし | バックライト付き | |
Webカメラ | HDカメラ | IR & FHDカメラ | |
指紋センサー | なし | あり | |
USB-C | Power Delivery対応 DisplayPort対応 |
データ転送のみ | Power Delivery対応 DisplayPort対応 |
ボディ | プラスチック素材 | アルミニウム素材 | |
バッテリー | 54Wh | 41Wh | 54Wh |
価格[税込] | 7万円台~ | 7万円台~ | 10万円台~ |
Inspiron 14 (5440)には、第13世代Core搭載モデルと、Core U搭載モデルの2つがあります。ボディの質感や、カメラ、キーボードなどの機能が高い方が良ければ、Inspiron 14 (5440)のCore Uモデルを選ぶといいです。一方、第13世代Core搭載モデルを選ぶようであれば、AMDモデルの本機器の方がコスパが高いですし、おすすめです。
本機器は、インテルのCore Uモデルよりも質感や機能はやや劣るものの、高めの処理性能を比較的安く入手することができます。また、インテルのCore Uシリーズは、NPUを搭載していませんが、本機器では、Ryzen AIに対応したRyzen 7 8840Uを選ぶことができるのもポイントです。ボディの質感、Windows Hello非対応、バックライトなしキーボードなどが気にならなければ、AMDモデルの本機器を選ぶといいと思います。
その他のやや残念なポイント
Inspiron 14 (5445)のディスプレイは、当サイト計測でsRGBカバー率61.6%と、色域が広くありません。Officeでの作業などには十分ですが、写真や動画を表示すると少しくすんで見えます。色鮮やかな表示が可能な100%sRGBクラスの液晶を選ぶことができないのが、少し残念です。
2つ目は、HDMIの規格がHDMI1.4であることです。メーカーサイトには、「HDMIでサポートされる最大解像度は1,920 x 1,080 @60Hzです。4K2K出力はありません。」と記されていました。当サイトのチェックでは、なぜか4Kモニターに、60Hz、YCbCr444で表示することができていましたが、基本的には4K@60Hzでは出力できないと思って下さい。そのような場合は、USB-C経由で4Kモニターに出力して下さい。
3つ目は、通常動作時の動作音です。アイドル時でもファンの音が聞こえる時がありますし、軽い負荷の時でも、他のノートPCよりもファンの音が少し高めです。すごくうるさいわけではありませんが、静かな環境で作業をしたい方にとっては、少し気になるかもしれません。
各用途の快適度
Inspiron 14 (5445) の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 十分な処理性能を備えています。画面比16:10の液晶を搭載し、Web閲覧や、Officeソフトを使った作業がしやすいです。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | 〇 | 液晶は色鮮やかさにやや欠けますが、問題なく動画を視聴することができます。 |
オンライン会議 | ○ | カメラ、マイク、スピーカーを備えており、普通にオンライン会議が行えます。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | 当サイト計測でsRGBカバー率61.6%と、液晶の色域が狭いので、この用途にはあまり向いていません。 |
動画編集 | △~○ | 16GB(8GB x2)のメモリを搭載したモデルであれば、FHD動画の簡単な編集なら出来ます。ただ、本格的に動画編集を行うのであれば、外部グラフィックスを搭載した製品の方がおすすめです。 |
ゲーム | △ | 軽めのゲームであれば、画質を落とすことでプレイできるものもあります。ただし、ゲームが主な目的であれば、外部グラフィックスを搭載したゲーミングノートPCの方がおすすめです。 |
ディスプレイのチェック
Inspiron 14 (5445)のディスプレイのチェックです。
画面比16:10、WUXGA(1920x1200ドット)の14型液晶を搭載しています。視野角が広く、非光沢なので映り込みも抑えられています。フリッカーも発生していませんでした。Officeソフトなどを使って長めの時間作業する方にも適した、一般ノートPCとしては標準的な品質のディスプレイです。ただし、色域が狭いので、写真や動画を見るときは、ややくすんだ色に見えます。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。なお、最大輝度は、当サイトの計測では288d/m2と普通です。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Inspiron 14 (5445)のキーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mm、キーストロークは約1.5mmでした。
文字入力に使用するキーのサイズがほぼ揃っていますし、「半角/全角」キーや、「enter」キーなどのサイズも大きめなので、間違えることなく押すことができます。右上に電源ボタンが配置されているため、「delete」キーが「backspace」キーの真上ではありませんが、慣れれば問題ないと思います。また、チャット型のAIアプリを呼び出す「Copilot」キーもあります。キートップがもう少し湾曲していると指当たりがよかったかなと思いますが、総合的にはやや打ちやすいキーボードです。
タッチパッドの使いやすさや、クリックボタンの押しやすさも普通です。
旧モデルでは、バックライトを搭載していましたが、最新モデルでは、バックライトなしになりました。薄暗い場所では、キーの視認性が下がり、タイピングがややしにくくなったのが、残念です。
パフォーマンスのチェック
続いて、パフォーマンスのチェックを行います。
Inspiron 14 (5445)では、下図のように「MyDel」アプリの「温度管理」の項目で、動作モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「最適化」と、最も高いパフォーマンスが出る「超高パフォーマンス」で計測したベンチマークスコアを掲載します。
CPU
Inspiron 14 (5445)は、AMD Ryzen 8040のUシリーズプロセッサーを搭載しています。「Zen 4」世代、デフォルトTDP:28Wのプロセッサーで、これから一般ユーザー向けのノートPCを中心に採用されることが増えてくるのではないかと思います。本機器で選択することができるのは、Ryzen 5 8540U、または、Ryzen 7 8840Uです。
今回は、Ryzen 5 8540U、Ryzen 7 8840Uの両方をチェックしており、それぞれのベンチマークの結果は以下の通りです。
Ryzen 5 8540Uは、シングルコア、マルチコアともに、「Zen 3」世代のRyzen 5 7530Uや、「Zen 3+」世代のRyzen 5 7535Uの代表的なスコアを超える数値が出ています。マルチコアでは、Core i5-1340Pに近いスコアが出ていますし、「Zen 4」世代になり、シングルコアの性能も大きくアップしています。一般的な用途には十分快適に使用することができる性能を備えています。
Ryzen 7 8840Uでは、マルチコア、シングルコアともにさらに高めのスコアが出ています。マルチコアでは、Core Ultra 5 125Hと同程度のスコアでした。シングルコアでも、Core i5-1335Uのスコアを超えています。Ryzenプロセッサーは、シングルコア性能がやや弱いイメージがあるかもしれませんが、かなり頑張っていると思います。負荷が高めの処理を行う方や、複数のアプリを立ち上げて動作をする方は、Ryzen 7 8840Uを選択するといいでしょう。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリには、DDR5-5600を搭載しており、広めの帯域幅でした。ただし、8GB x1のメモリ構成を選択した場合は、シングルチャネル構成のメモリとなるため、帯域幅はもっと狭くなります。
なお、スロットメモリなので増設・換装が可能です。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値です。理論的な最大値ではありません
グラフィックス
グラフィックスは、CPU内蔵グラフィックスで、ベンチマークの結果は以下の通りです。
Ryzen 5 8540Uは、GPUコア数:4のRadeon 740Mを内蔵しています。Core i7-1355Uなどが内蔵する「Intel Iris Xe」と同程度のスコアでした。一般的なノートPCとしては標準的なグラフィックス性能です。なお、Ryzen 5 8540U搭載モデルで、メモリに8GB x1の構成を選択した場合、シングルチャネル構成になるので、グラフィックス性能はもっと低くなります。
Ryzen 7 8840Uは、GPUコア数:12のRadeon 780Mを内蔵しています。インテルのCore Ultra 5 125Hの内蔵する「Intel Arc GPU」よりは低いですが、GeForce MX450と同程度のスコアが出ており、CPU内蔵グラフィックスとしては比較的高めの性能を備えています。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しています。1TB SSD搭載モデルでは、Micron 2400シリーズのType 2230 M.2 SSDを搭載しており、高速でした。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
フルサイズのSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は遅いです。
その他のベンチマーク
Zen4のRyzen 5 8540UおよびRyzen 7 8840Uのその他のベンチマークスコアについては、こちらのリンク先をご覧ください。FF14、原神などのゲームのフレームレートや、クリエイティブソフトを使ったときの処理時間も掲載しています。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートの動作チェックです。
USB3.2 Gen2 Type-Cポート(Power Delivery、DisplayPortに対応)を1ポート備えており、下表のような結果となりました。
PD充電器での充電に関しては、出力が45Wのものでも充電ができてはいましたが、ワット数不足の警告が表示されます。付属のACアダプターの出力が65Wだったので、PD充電器を使用する場合も65Wぐらいの出力があるものを選ぶといいと思います。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | ✕ | ✕ | |
PD充電器 ※1 |
140W アドテック PD3.1充電器 | ○ | ― | ― |
65W Lenovo GaN充電器 | ○ | ― | ― | |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ ※3 | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 (4Kモニター) |
○ | ○ | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 通常のオペレーションに必要なワット数が不足しているとの警告が表示
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、8ビット、YCbCr444で表示出来ていました。ただし、仕様ではHDMI1.4となっており、「HDMIでサポートされる最大解像度は1,920 x 1,080 @60Hzです。4K2K出力はありません。」と記されていました。今回なぜか、4K@60Hzでも表示できましたが、基本的にはできないのでご注意下さい。
なお、USB-CポートがDisplayPort Alt mode1.4に対応しているので、USB-C経由で外部モニターに接続することもできます。
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーが公表している仕様詳細を確認すると、最小重量1.54kgとなっています。
当サイトで計測した質量は次の通りです。14型ノートPCとしては軽くはありませんが、宅内での移動には問題ありません。また、たまにであれば外に持ち出せないこともないでしょう。
Ryzen 5 8540U モデル |
Ryzen 7 8840U モデル |
|
PC本体 | 1.595kg | 1.601kg |
ACアダプター | 314g | 320g |
バッテリー駆動時間のチェック
Inspiron 14 (5445)のバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は54Whでした。最近の14インチクラスのノートPCとしては、普通の容量です。
当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。動画再生のような負荷の軽い作業であれば、(2)のように長めのバッテリー駆動が可能でした。少し負荷のかかる作業を連続して行うと、(3)ぐらいのバッテリー駆動時間になります。宅内モバイルとして使うのには十分なバッテリー駆動時間だと思います。
Ryzen 5 8540U モデル |
Ryzen 7 8840U モデル |
|
(1) JEITA2.0 | ー | ― |
(2) 動画再生時 | 15時間44分 | 14時間22分 |
(3) 低解像度動画のプレビュー | 4時間57分 | 4時間36分 |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラのチェックです。
Inspiron 14 (5445)には、「プラスチック製シャーシ:720p HDカメラ」と「アルミニウム製シャーシ:フルHDカメラ」の2種類のWebカメラがあります。
現時点では、プラスチック製シャーシのモデルしかないので、今回は前者のHDカメラをチェックしています。ノートPCのWebカメラとしては一般的な解像度のカメラです。比較的明るく、自然な映りの画像でした。ウェブミーティングなどにも普通に使いやすいです。
なお、IRカメラは付いていないので、Windows Helloの顔認証には対応していません。また、旧モデルであったプライバシーシャッターがなくなったので、ここは少し残念です。
スピーカー
スピーカーは、2.0W x2のスピーカーを底面の左右サイドに搭載しています。音質は普通~ややよく、ノートPC基準で点数を付けると、10点満点で5~6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度など推移を確認します。
デフォルトTDP:28Wのプロセッサーですが、どちらのプロセッサーの場合でも、デフォルトTDPよりも低いCPU電力で動作しており、CPU温度は低めでした。
Ryzen 5 8540U搭載モデル
「最適化」モードでは、CPU電力は最初の3分ほど約25Wで動作したのち、徐々に低下して16Wぐらいまで下がっています。CPU温度は50℃台ぐらいまで下がり、低めの温度です。
「超高パフォーマンス」では、CPU電力が約25Wで動作する時間が少し長くなります。その後、徐々に下がり、21W前後をキープして動作しています。CPU温度は60℃前後で落ち着いており、こちらも低めの温度です。
Ryzen 7 8840U搭載モデル
「最適化」モードでは、Ryzen 5搭載モデルと同じように、CPU電力は最初の3分ほど約25Wで動作したのち、徐々に低下して16Wぐらいまで下がっています。CPU温度は50℃前後ぐらいまで下がり、低い温度です。
「超高パフォーマンス」では、CPU電力が約25Wをキープしています。それでも、デフォルトTDP:28Wクラスのプロセッサーとしてはやや低めのCPU電力なので、CPU温度は60℃台に収まっており、心配のない温度となっています。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。ここでは、「最適化」モードで計測しています。
アイドル時や、低負荷時でもファンが回ることが多く、静かな環境では少し音が気になるかもしれません。なお、高負荷時の騒音の最大値は一般的な他のノートPCと同程度でした。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
全体的に表面温度は低めでした。パームレスト部の温度にもほとんど変化がなく、高い負荷がかかる時でも不快感なくタイピングすることができます。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。
消費電力は低めです。
外観のチェック
Inspiron 14 (5445)の外観のチェックです。
カーボンブラック プラスチックシャーシ
オーソドックスなデザインです。
天板、底面、キーボード面など全体的にプラスチック素材を使用したボディで、質感は高くありません。カーボンブラックのカラーも相まって、少し前のビジネス向け格安ノートPCのような、ちょっとチープな感じがします。
天板には、「DELL」のロゴマークが配置されています。
側面のポート類はご覧の通りです。USB3.2 Gen1 x2、USB3.2 Gen2 Type-C(Power Delivery、DisplayPortに対応)、HDMI1.4、SDカードリーダーを備えています。
液晶の開く角度です。フラットにはなりませんが、テーブルの上に置いて作業をするのには十分な角度です。
排気口は、液晶面に隠れる位置に配置されています。
底面です。
内部の画像はご覧の通りです。冷却ファン1つと、1本のヒートパイプでCPUの熱を冷却しています。
メモリスロットが2つあります。従来モデルではオンボードメモリでしたが、新モデルではスロットメモリが復活し、メモリの増設・換装ができるようになりました。
ストレージには、Type 2230 M.2 SSDを搭載していました。固定金具を外せば、Type 2280 M.2 SSDに交換することもできそうです。なお、空きのM.2スロットはなかったので、ストレージの増設はできません。
アイスブルー プラスチックシャーシ
明るい色のアイスブルーのボディカラーも選択することができます。
ただし、こちらもプラスチックシャーシなので、質感は高くありません。
天板もプラスチック製です。
底面です。
ACアダプター
ACアダプターは65Wです。コンセント側のケーブルが太く、かさばるのであまり持ち運びには適していません。外出先で充電したい場合は、PD充電器を利用した方が便利だと思います。
まとめ
以上が、Inspiron 14 (5445)のレビューです。
日常用途にちょうどいいスペックのノートPCです。デルの中で人気の高いInspiron 14シリーズの中でもコスパが高い機種なので、これからの売れ筋になっていくのではないかと思います。
搭載するプロセッサーは、最新のRyzen 8040シリーズです。「Zen 4」世代のプロセッサーで、マルチコア、シングルコアともに性能がアップしています。一般ノートPCとしては十分な処理性能を備えており、サクサク快適に動作するでしょう。多くのユーザーにとっては、Ryzen 5 8540U搭載モデルでも十分だと思います。複数のアプリを同時に使う場合や、軽いゲームをプレイしたい場合などは、Ryzen 7 8840U搭載モデルを選ぶといいです。
ディスプレイには、画面比16:10、WUXGA(1920x1200ドット)の14型液晶を搭載しています。非光沢で、フリッカーも発生しておらず、長めの時間の使用にも使いやすいです。一般用途にちょうどいいディスプレイですが、色域は狭いです。写真や動画をオリジナルに近い、色鮮やかな表示で見ることはできません。
旧モデルから多くの部分が変化しています。スロットメモリになり、メモリの増設や換装ができるようになったのはメリットです。一方、プラスチック製のボディになり、質感が下がりました。また、プライバシーシャッター無しのHDカメラ、バックライトなしのキーボード、指紋センサー無しの電源ボタンなど、機能面でも少しダウングレードされている感が否めません。この辺りが気になる方は、兄弟機種であるInspiron 14 (5440)のCore U搭載モデルを検討するといいと思います。
一方、上記の変化ポイントがそれほど気にならなければ、物価上昇の流れの中でも、サクサク動作する14型ノートPCを7万円台(税込)から購入することができるのは嬉しいです。
コストパフォーマンス重視で、日常用途に使いやすいノートPCを探している方におすすめの機種です。
日常用途にちょうどいい14型ノートPC
Inspiron 14 (5445)
特徴
- 最新のAMD Ryzen 8040シリーズを搭載
- 一般用途にちょうどいいスペック
- スロットメモリが復活
こんなあなたに
- 家庭内で使う一般用途向けのノートPCが欲しい方
- 仕事用の標準的な性能のノートPCが欲しい方
- 価格7万円台[税込]~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ