デル Inspiron 16 (5635) の実機レビュー

更新日:
CPU Ryzen 5 7530U
Ryzen 7 7730U
メモリ 8GB / 16GB LPDDR4X
ストレージ 256GB / 512GB PCIe SSD
液晶サイズ 16インチ 16:10
液晶種類 FHD+ 広視野角 非光沢
質量 約1.84kg~
バッテリー 54Wh
価格[税込] 6万円台~
コスパの高い16型ホームノートPC

Inspiron 16 (5635)は、コスパの高い、16型のホームノートPCです。

大きめの16型(16:10)液晶に、打ちやすいキーボードを搭載し、作業がしやすいです。

プロセッサーも、一般用途に十分な処理性能を備えたRyzen 7030シリーズを搭載しています。

長く快適に使えて価格も抑えられた、Ryzen 5、16GBメモリ、512GB SSDの構成のモデルがおすすめです。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、1台は当サイトの購入品、もう1台はメーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Ryzen 5 7530U、16GBメモリ、512GB PCIe SSD

Ryzen 7 7730U、16GBメモリ、1TB PCIe SSD NEW!

 

 

目次

お忙しい方は、「Inspiron 16 (5635)の特徴」のみお読みください。

 

Inspiron 16 (5635)の特徴

コスパの高い16型のホームノートPC

Inspiron 16 (5635)は、コスパが高い、16型のホームノートPCです。

最近のトレンドである画面比16:10の液晶と、Ryzen 7030シリーズの最新プロセッサーを搭載し、Webサイトを使った調べ物、動画視聴、Officeソフトでの作業などの一般的なホームユースに快適に使用できます。

質感やサウンドも比較的よく、バッテリー駆動でもある程度の時間使えるので、家に1台あると重宝します。

コスパの高い16型のホームノートPC

 

この機種が、Ryzen 5、8GBメモリ、256GB SSDであれば6万円台(税込)で購入できるので、コスパが高いです。筆者のおすすめは、Ryzen 5、16GBメモリ、512GB SSDの7万円台のモデルです。メモリ容量、ストレージ容量ともにゆとりがあり、長く快適に使えると思います。

コスパが高い

 

見やすく作業がしやすい16型液晶

Inspiron 16 (5635)は、画面比16:10、解像度1920x1200の16型液晶を搭載しています。

ホームノートPCの液晶として一般的な15.6型のFHD液晶(画面比16:9、解像度1920x1080)と比べると、縦方向に少し広く、1画面に表示できる情報量が少し多いです。そのため、Webブラウザや、Officeソフトなどでの作業が、少ししやすくなっています。

また、映り込みが抑えられている非光沢液晶で、フリッカーも発生していなかったので、在宅ワークなどで長い時間画面を見る場合でも、目が疲れにくいです。

見やすく作業がしやすい16型液晶

 

一般用途に快適に使える処理性能

Inspiron 16 (5635)は、Zen 3世代、TDP:15WクラスのAMD Ryzen 7030シリーズのプロセッサーを搭載しており、Ryzen 5 7530Uと、Ryzen 7 7730Uのモデルがあります。

Ryzen 5 7530Uは、インテルの第13世代Core i5-1335Uと同程度のマルチコアスコアが出ており、Web閲覧、メール、Officeソフトでの作業、動画視聴などの一般的な用途であれば快適に使える処理性能を備えています。多くのユーザーにとっては、Ryzen 5 7530U搭載モデルで十分だと思います。

Ryzen 7 7730Uだと、28WのCore i7-1360Pよりも高いスコアが出ており、より快適に作業ができるでしょう。

CINEBENCH R23 マルチコア
Ryzen 7 7730U 10051 [本機器で計測]
Core i7-1360P 9720 [Inspiron 16 (5630)で計測]
Ryzen 5 7530U 8361 [本機器で計測]
Core i5-1335U 8249

 

比較的打ちやすいキーボード

Inspiron 16 (5635)は、下の画像のようなキーボードを搭載しています。

文字入力に使用するキーのサイズが揃っています。また、小指で押すことが多い両サイドのキーのサイズが大きいので、押し間違えることが少ないです。全体的に見て、比較的打ちやすいキーボードだと思います。

Inspiron 16 (5635)のキーボード

 

また、テンキーは付いていませんが、ホームポジションに手を置いたときに、画面と体の中心が揃うので、自然な姿勢でタイピングすることができます。テレワーク等の仕事用や、大学生が家でレポートを作成する用途など、タイピングすることが多い方にも使いやすいと思います。

なお、経理などで数字を入力することが多い場合は、外付けのテンキーを使用するといいです。ノートPCに付いているテンキーは3列であったり変則的なものが多いで、それよりも外付けのテンキーのほうが打ちやすいと思います。

タイピング時に画面と体の中心が揃う

 

メモリの増設・換装はできない

Inspiron 16 (5635)は、大きめの筐体ですが、スロットメモリではなくオンボードメモリとなっています。そのため、後から自分でメモリの増設や換装はできません。

従来機種のInspiron 16 (5625)まではスロットメモリだったので、自分でカスタマイズするユーザーにとっては、少し残念な変化です。

長く、快適に使いたい方は、購入時に16GBメモリを搭載するモデルを選択しておくことをおすすめします。

メモリはオンボード

 

兄弟機種との比較

Inspiron 16 (5635)には、インテルCPU搭載のInspiron 16 (5630)や、サイズ違いのInspiron 14 (5435)といった兄弟機種があります。ここでは、この2機種との簡単な比較を行います。

現在販売されている構成をまとめて比較すると、下表のようになります。

Inspiron 16 (5630)は、Inspiron 16 (5635)と同じ16型で、ボディやキーボードなど基本的な部分はほぼ同じです。大きな違いは、インテルの第13世代Coreを搭載し、TDP:28WクラスのCore i7-1360Pも選択できることです。また、USB-CポートがThunderbolt 4に対応しています。インテルCPUが好みの方、少しでも高い処理性能が欲しい方、Thunderbolt機器を使用したい方などは、インテルCPUを搭載したInspiron 16 (5630)を選ぶといいと思います。ただし、似たような構成で比べると価格は高くなります。

Inspiron 16 (5630)、Inspiron 14 (5435)との比較
  [本機器]
Inspiron 16 (5635)
[Intelモデル]
Inspiron 16 (5630)
[14型 AMD]
Insprion 14 (5435)
CPU Ryzen 5 7530U
Ryzen 7 7730U
Core i5-1335U
Core i7-1360P
Ryzen 5 7530U
Ryzen 7 7730U
メモリ 8GB / 16GB (オンボード)
SSD 256GB / 512GB 512GB / 1TB 256GB / 512GB
液晶サイズ 16型 14型
液晶種類 1920x1200
広視野角 非光沢
ポート類 USB3.2 Gen1 Type-A x2
USB3.2 Gen2 Type-C
(DP/電源供給対応)
HDMI 1.4
USB3.2 Gen1 Type-A x2
Thunderbolt 4
(DP/電源供給対応)
HDMI 1.4
USB3.2 Gen1 Type-A
USB2.0 Type-A
USB3.2 Gen2 Type-C
(DP/電源供給対応)
HDMI 1.4
質量 約1.84kg~ 約1.85kg~ 約1.59kg~
価格[税込] 8万円台~ 11万円台~ 8万円台~
代表的な構成での価格比較
  [本機器]
Inspiron 16 (5635)
[Intelモデル]
Inspiron 16 (5630)
[14型 AMD]
Insprion 14 (5435)
CPU Ryzen 5 7530U Core i5-1335U Ryzen 5 7530U
メモリ 16GB
ストレージ 512GB PCIe SSD
価格[税込] 99,580円 129,980円 93,980円
※2023年4月5日現在の価格

 

次に、14型のInspiron 14 (5435)との比較です。CPU、メモリ、ストレージ構成などはほぼ同じです。画面やボディのサイズが異なっており、比較すると下の画像のようになります。Inspiron 16 (5635)よりも2回りほど小さく、扱いやすいです。また、同じ構成でもInspiron 14 (5435)の方が価格が少し安いです。大画面でなくてもいい方、宅内で頻繁に移動したり、使うときだけ取り出す方、たまに外に持ち出して使いたい方などには、Inspiron 14 (5435)の方が適しています。

今回レビューしているInspiron 16 (5635)は、大きめの16型を搭載し、快適に動作する一般向けのノートPCを安く購入できるのがメリットです。ほぼ据え置きで使用する方、大きめの画面が見やすい方、インテルCPUにこだわらない方などには、Inspiron 16 (5635)がおすすめです。

左:Inspiron 14、右:Inspiron 16 [本機器]

 

やや残念なポイント

Inspiron 16 (5635)は、比較的見やすく、作業がしやすい16型液晶を搭載していますが、当サイト計測でsRGBカバー率60.8%と、液晶の色域が狭いのがやや残念です。一般用途向けのノートPCとしては普通の色域なので、同等の他機種と比べて劣っている訳ではありませんが、sRGBカバー率が100%近くあれば、Webや自分で撮った写真、ネット動画などを鮮やかな画面で見ることができますし、写真の簡単な編集などにも使いやすかったと思います。

もう一点は、アイドル時でもファンが回ることが多かったことです。小さな子供が寝静まった後に、そばでパソコンを使用したい方などは、ファンの音が気になるかもしれません。

 

各用途の快適度

Inspiron 16 (5635) の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
十分な処理性能を備えています。画面比16:10の液晶で、Web閲覧や、Officeソフトを使った作業がしやすいです。
動画鑑賞 液晶は色鮮やかさにやや欠けるものの、スピーカー音はややよく、普通に動画を視聴することができます。
オンライン会議 カメラ、マイク、スピーカーを備えており、普通にオンライン会議を行えます。
RAW現像
画像編集
当サイト計測でsRGBカバー率60.8%と、液晶の色域が狭いので、この用途にはあまり向いていません。ただし、色域が広めの外部ディスプレイを接続すれば、使用できると思います。
動画編集 △~○ FHD動画の簡単な編集なら出来ます。ただ、本格的に動画編集を行うのであれば、外部グラフィックスを搭載した製品の方がおすすめです。
ゲーム 軽めのゲームであれば、画質を落とすことでプレイできるものもあります。ただし、ゲームが主な目的であれば、外部グラフィックスを搭載したゲーミングノートPCの方がおすすめです。

 

ディスプレイのチェック

Inspiron 16 (5635)のディスプレイのチェックです。

搭載していたパネルは、「JFDKM-NV16WUM」でした。

画面比16:10、解像度1920x1200の16型液晶です。大きめの画面で、見やすいです。視野角が広く、フリッカーも発生していないので、目が疲れにくく、ノートPCで長時間作業をする方にも適した液晶だと思います。色域が狭いので、写真の編集などには向いていませんが、一般的な用途には問題ありません。

その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。なお、最大輝度は、当サイトの計測では255d/m2と普通です。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は狭いです。当サイトの計測では、sRGBカバー率60.8%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、若干、明部が緑と赤が強く、青が弱めですが、概ね自然な発色であることが分かります。実際に見ても、ほぼ気になりません。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角が広く、見やすいです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶なので、画面への映り込みは抑えられています。ギラつきもほとんど感じません。

画面への映り込み

どの輝度にしても、フリッカーは検出されませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Inspiron 16 (5635)のキーボードとタッチパッドのチェックです。

実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mm、キーストロークは約1.5mmでした。ノートPCとしては標準的なフルサイズのキーボードです。

文字入力に使用するキーにサイズが小さいキーがなく、「半角/全角」キーや、「enter」キーなど両端のキーのサイズも大きいので、ブラインドタッチでも押し間違えることが少ないです。「delete」キーが「backspace」キーの真上ではなく、左に一つずれてはいますが、慣れると問題ないと思います。全体的にみて比較的打ちやすいキーボードです。

テンキーはありませんが、手をホームポジションに置いたとき体とノートPCの中心が揃うので、自然な姿勢で使用できます。数字入力が多い方は外付けのテンキーを用意するといいです。

タッチパッドの使いやすさや、クリックボタンの押しやすさは普通です。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードにはバックライトが付いています。


バックライト付きキーボード

 

パフォーマンスのチェック

続いて、パフォーマンスのチェックを行います。

Inspiron 16 (5635)では、下図のように「MyDell」アプリの「温度管理」の項目で、動作モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「最適化」と、最も高いパフォーマンスが出る「超高パフォーマンス」のモードで、ベンチマークスコアを確認します。


温度管理

 

CPU

Inspiron 16 (5635)は、AMD Ryzen 5 7530UまたはRyzen 7 7730Uをを搭載しています。Zen 3世代、CPU電力:15WクラスのCPUで、一般ノート向けのRyzenプロセッサーとしては最新のものです。ベンチマークの結果は以下のとおりです。

シングルコアのスコアはそれほど高くありませんが、マルチコアは比較的高いスコアが出ています。一般的な用途には快適に使用できる処理性能を備えていることが分かります。

なお、動作モードを「超高パフォーマンス」にすると、マルチコアスコアがアップしています。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen 5 7530U
Ryzen 7 7730U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 7945HX 33229
Core i9-13980HX 28398
Core i9-13950HX 27983
Core i9-13900H 19299
Ryzen 7 7840HS 17922
Core i7-13700H 17622
Ryzen 7 7735HS 14068
Ryzen 7 6800H 13999
Core i5-12500H 13213
Ryzen 7 6800U 10830
Ryzen 5 6600H 10470
Ryzen 5 7535HS 10356
Ryzen 7 7735U 10122
Ryzen 7 7730U 10051 [超高パフォーマンス]
9098 [最適化]
Core i7-1360P 9720
Core i5-1340P 9688
Ryzen 5 7535U 8757
Ryzen 5 7530U 8361 [超高パフォーマンス]
7628 [最適化]
Core i7-1255U 8300
Core i5-1335U 8249
Core i5-1235U 7589
Core i7-1250U 7435
Core i5-1230U 6273
Core i3-1215U 4969
Core i7-1165G7 4720
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-13950HX 2097
Core i9-13980HX 2061
Core i9-13900H 2016
Ryzen 9 7945HX 1951
Core i7-13700H 1898
Core i7-1360P 1826
Core i7-1255U 1776
Ryzen 7 7840HS 1764
Core i5-12500H 1727
Core i5-1335U 1723
Core i5-1340P 1722
Core i5-1235U 1675
Core i3-1215U 1592
Ryzen 7 7735HS 1538
Core i5-1230U 1532
Ryzen 7 6800H 1522
Ryzen 7 6800U 1504
Core i7-1250U 1495
Ryzen 7 7735U 1476
Ryzen 5 6600H 1476
Ryzen 5 7535U 1471
Ryzen 5 7535HS 1463
Ryzen 5 7530U 1455 [超高パフォーマンス]
1455 [最適化]
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 7730U 1440 [超高パフォーマンス]
1438 [最適化]
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

メモリ

メモリには、LPDDR4X-4266を搭載しています。メモリ帯域の広さは思ったほどではなく、普通でした。なお、オンボードメモリなので、メモリの増設・換装はできません。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
16GBメモリ
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
LPDDR5-6000
デュアルチャネル
64.52GB/s
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
LPDDR5-5200
デュアルチャネル
55.46GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR5-4800
デュアルチャネル
51.68GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
29.52GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

Inspiron 16 (5635)のグラフィックス性能のチェックです。グラフィックスはCPU内蔵グラフィックスで、ベンチマークの結果は以下のとおりです。

メモリ帯域が思ったほど広くないこともあり、CPU内蔵グラフィックスとしては、普通のスコアでした。軽めのゲームを画質を落としてプレイしたり、FHD動画の簡単な編集などにも使用できる性能を備えていますが、本格的にゲームや動画編集をするなら、GeForce RTX 3050などの外部グラフィックスを搭載した機種がおすすめです。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Ryzen 5 7530U
Ryzen 7 7730U
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce RTX 3050 52196
GeForce RTX 2050 48410
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX550 35717
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
30319
Ryzen 7 7735U
メモリLPDDR5-6400
28714
Core i7-1260P
メモリLPDDR5-5200
23149
Core i7-1360P
メモリLPDDR5-4800
21897
Core i7-1260P
メモリDDR5-4800
20478
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i7-1355U
メモリDDR4-3200
18235
Core i5-1340P
メモリLPDDR5-4800
17774
Ryzen 7 7730U
メモリLPDDR4X-4266
17524
Ryzen 7 7730U
メモリLPDDR4X-4266
17392 [超高パフォーマンス]
15953 [最適化]
Ryzen 5 7530U
メモリLPDDR4X-4266
16586 [超高パフォーマンス]
16334 [最適化]
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
16093
Ryzen 7 5825U
メモリDDR4-3200
15728
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Core i5-1235U
メモリDDR4-3200
13877
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載していました。ただし、チップセット側が最大PCIe Gen3対応なので、PCIe Gen3 SSDと同程度の速度になっているようです。PCIe Gen4 SSDとしては速くありませんが、実用上は十分な速度です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
512GB PCIe Gen4 SSD
1TB PCIe Gen4 SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7200
3349
3289
PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

フルサイズのSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は遅いです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートの動作チェックです。

Inspiron 16 (5635)は、DisplayPort、電源供給に対応したUSB-Cポートを1ポート備えています。動作チェックの結果は以下のとおりです。

なお、USB-Cアダプターによる給電においては、18Wの低出力のものでも給電できてはいましたが、出力が61W以下のものの場合は警告が表示されます。付属のACアダプターの出力が65Wなので、USB-Cアダプターを使用する場合も、できれば65W以上の出力があるものを使用した方がよさそうです。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック × ×
PD充電器
※1
65W Lenovo GaN充電器
61W RAVPower GaN充電器 ○ ※3
45W Lenovoウルトラポータブル ○ ※3
30W RAVPower GaN充電器 ○ ※3
18W cheero充電器 ○ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
(4Kモニター)
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 通常のオペレーションに必要なワット数が足りませんという警告が表示

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。

4K、8ビット、YCbCr444で表示できますが、リフレッシュレートが30Hzになります。仕様を見ると、「HDMI 1.4 - HDMIでサポートされる最大解像度は1,920 x 1,080 (60Hz)。4K2K出力なし」となっていました。4Kモニターにつないで使用する予定の方はご注意ください。

4Kテレビ(ビエラ TH-55CX800)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーサイトには「最小重量:1.84kg」と記載されています。当サイトで計測した質量は次の通りで、最小重量とほぼ同じでした。16型ノートPCとしては普通の重さだと思います。外に持ち出すには重いですが、宅内での移動であれば問題ないと思います。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.8247kg
ACアダプター 329g

 

バッテリー駆動時間のチェック

Inspiron 16 (5635)のバッテリー容量は54Whです。

バッテリー容量

 

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。負荷が軽い動画再生時は、(2)のようにバッテリー駆動時間はやや長めです。Officeソフトを手を止めることなく使うなど、やや負荷をかけ続けたときは、(3)に近いバッテリー駆動時間になると思います。バッテリー駆動でもそこそこの時間使用できるので、常時ACアダプターにつながなくてもよさそうです。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0
(2) 動画再生時 13時間21分
(3) CPU15%、GPU7%の負荷 5時間38分
※画面輝度は約120cd/m2
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき

 

充電速度は、普通です。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
50%(約27Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラには、プライバシーシャッターが付いてます。IRカメラは非搭載なので、Windows Helloの顔認証は使用できません。

Webカメラは、約2.07MピクセルのFHDカメラです。ノートPCのWebカメラとしてはやや高めの解像度なので、細部にも粗さを感じません。色味も比較的自然だったので、オンラインミーティングにも使いやすいです。

Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

スピーカー

スピーカーは、2.5W x2のスピーカーをキーボードの両サイドに搭載しています。音質はややよく、ノートPC基準で点数を付けると、10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度など推移を確認します。

Ryzen 5 7530U搭載モデル

「最適化」モードでは、CPU電力は約27Wから徐々に下がり、20W前後で落ち着いてそのまま推移しています。TDP:15Wのプロセッサーなので、「最適化」モードでも十分高いパフォーマンスが出ているといえます。CPU温度は、一旦86℃ぐらいまで上がりますが、CPU電力の低下とともに下がって、60℃前後をキープしているので、低めの温度です。

「超高パフォーマンス」では、CPU電力は30W前後を一定期間維持し、その後、少し下がるものの約28Wと高めの数値で動作しています。このモードのときでも、CPU温度のピーク値は77℃ぐらいですし、その後も74℃前後を保っているので、こちらも心配のない温度です。

どちらのモードでも、CPU温度を心配することなく使用できます。

  • 最適化時
  • 超高パフォーマンス時
CPU電力&CPUクロック
CPU温度
CPU電力&CPUクロック
CPU温度

 

Ryzen 7 7730U搭載モデル

Ryzen 7 7730Uは、Ryzen 5 7530Uよりもやや温度が上がりますが、問題ない範囲だと思います。CPU電力も、Ryzen 5 7530Uと似たような数値で動作しています。

  • 最適化時
  • 超高パフォーマンス時
CPU電力&CPUクロック
CPU温度
CPU電力&CPUクロック
CPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。ここでは、Ryzen 5 7530Uを搭載したモデルで計測したデータを掲載します。

「最適化」モードのアイドル時でも、ファンが回っていることが多く、ファンの音がやや気になります。他のInspiron 16シリーズも、ファンがやや回りやすいですが、この個体は特にそれが顕著でした。個体差があるのかもしれません。なお、ファンが回転しているときの騒音値は36dBで、高負荷時と比べると低いですが、音に敏感な方は気になるかもしれません。

エンコードのような高負荷時は、他のノートPCと比べて同じぐらいの騒音値です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

負荷がかかると、キーボード面の左側の温度が上がっていますが、パームレスト部の温度はほとんど変化していません。タイピング時に不快に感じることはありませんでした。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。

ノートPC向けのプロセッサーを搭載しているので、消費電力は低めです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています
※TAP-TST8は、従来使っていたTAP-TST7よりも、消費電力が低めに計測される傾向があります。他のPCと消費電力を比較するときは、ご注意ください。

 

外観のチェック

Inspiron 16 (5635)の外観のチェックです。

狭額縁ベゼルの16型液晶と、テンキーレスのキーボードを搭載しており、スッキリした見た目となっています。

ボディカラーは、プラチナシルバーです。プライベートにも、仕事にも使いやすい無難な色です。

 

天板には、「DELL」のロゴマークが配置されています。

 

背面には、液晶を開いたときに机と接するように、ゴム製の小さな足が配置されています。

 

液晶を開くと、液晶面の下部が底面よりも下に出っ張り、ゴム足が机に接します。接地面は小さいですが、安定感には問題はありませんでした。

 

側面のポート類はご覧の通りです。USB3.2 Gen1 Type-A x2、USB3.2 Gen2 Type-C(DisplayPort、電源供給に対応)、HDMI 1.4、SDカードリーダーを備えています。

 

液晶の開く角度です。フラットにはなりませんが、机に置いて普通に使う分には十分です。

 

指紋認証リーダー付きの場合は、電源ボタンに指紋センサーが統合されています。

 

底面です。

 

内部の画像はご覧の通りです。冷却ファン1つと、1本のヒートパイプでCPUの熱を冷却しています。

メモリはオンボードなので、増設・換装はできません。

 

ストレージには、Type 2230のM.2 SSDを搭載していました。スペーサを外せば、Type 2280 M.2 SSDへの換装もできると思います。なお、ストレージの増設ができる空きスロットなどはありませんでした。

 

ACアダプターは65Wです。

 

まとめ

以上が、Inspiron 16 (5635)のレビューです。

ホームノートPCとして使いやすく、コスパも高い、16型ノートPCです。

画面比16:10の16型液晶は、比較的見やすく、WebブラウザやOfficeソフトを使った作業などがしやすいです。フリッカーも発生していないので、在宅ワークなどで長い時間使用するような方にもいいと思います。

比較的打ちやすいキーボードを搭載しているので、在宅ワークなどにも使いやすいです。また、バッテリー駆動でもそこそこの時間使用できたので、部屋を移動するときはバッテリー駆動でも使えると思います。

このような使い勝手のいい機種が6万円台で購入することができるので、コスパが高いです。筆者がおすすめするのは、Ryzen 5、16GBメモリ、512GB SSDの7万円台のモデルで、メモリが16GBあることでストレスなく使えると思います。

やや気になる点として、メモリの増設・換装ができないことが挙げられますが、16GBメモリを搭載したモデルを選んでおけば、この点はほとんど気にしなくていいでしょう。また、液晶の色域が狭い点も気になる方もいると思いますが、写真や動画の編集など趣味に使う予定がなければ、こちらもそれほど大きなデメリットにはなりません。

また、アイドル時でもファンが回りやすいので、人によっては動作音がきになるかもしれません(ただ、これは、製品の個体によっても差がありそう)。

なお、兄弟機種として、インテルCPUを搭載したInspiron 16 (5630)や、14型サイズのInspiron 14 (5435)などもあるので、比較してみて用途にぴったりのものを選ぶといいと思います。

 

コスパの高い16型のホームノートPC

Inspiron 16 (5635)

特徴

  • 8万円台からとコスパが高い
  • 作業がしやすい画面比16:10の16型液晶
  • 比較的打ちやすいキーボード

こんなあなたに

  • コスパが高いホームノートPCが欲しい方
  • 在宅ワークやテレワークなどの仕事用として
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