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デル Inspiron 16 (5635) の実機レビュー
CPU | Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U |
---|---|
メモリ | 8GB / 16GB LPDDR4X |
ストレージ | 256GB / 512GB PCIe SSD |
液晶サイズ | 16インチ 16:10 |
液晶種類 | FHD+ 広視野角 非光沢 |
質量 | 約1.84kg~ |
バッテリー | 54Wh |
価格[税込] | 6万円台~ |
Inspiron 16 (5635)は、コスパの高い、16型のホームノートPCです。
大きめの16型(16:10)液晶に、打ちやすいキーボードを搭載し、作業がしやすいです。
プロセッサーも、一般用途に十分な処理性能を備えたRyzen 7030シリーズを搭載しています。
長く快適に使えて価格も抑えられた、Ryzen 5、16GBメモリ、512GB SSDの構成のモデルがおすすめです。
レビュー機は、1台は当サイトの購入品、もう1台はメーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 5 7530U、16GBメモリ、512GB PCIe SSD
Ryzen 7 7730U、16GBメモリ、1TB PCIe SSD NEW!
目次
お忙しい方は、「Inspiron 16 (5635)の特徴」のみお読みください。
Inspiron 16 (5635)の特徴
コスパの高い16型のホームノートPC
Inspiron 16 (5635)は、コスパが高い、16型のホームノートPCです。
最近のトレンドである画面比16:10の液晶と、Ryzen 7030シリーズの最新プロセッサーを搭載し、Webサイトを使った調べ物、動画視聴、Officeソフトでの作業などの一般的なホームユースに快適に使用できます。
質感やサウンドも比較的よく、バッテリー駆動でもある程度の時間使えるので、家に1台あると重宝します。
この機種が、Ryzen 5、8GBメモリ、256GB SSDであれば6万円台(税込)で購入できるので、コスパが高いです。筆者のおすすめは、Ryzen 5、16GBメモリ、512GB SSDの7万円台のモデルです。メモリ容量、ストレージ容量ともにゆとりがあり、長く快適に使えると思います。
見やすく作業がしやすい16型液晶
Inspiron 16 (5635)は、画面比16:10、解像度1920x1200の16型液晶を搭載しています。
ホームノートPCの液晶として一般的な15.6型のFHD液晶(画面比16:9、解像度1920x1080)と比べると、縦方向に少し広く、1画面に表示できる情報量が少し多いです。そのため、Webブラウザや、Officeソフトなどでの作業が、少ししやすくなっています。
また、映り込みが抑えられている非光沢液晶で、フリッカーも発生していなかったので、在宅ワークなどで長い時間画面を見る場合でも、目が疲れにくいです。
一般用途に快適に使える処理性能
Inspiron 16 (5635)は、Zen 3世代、TDP:15WクラスのAMD Ryzen 7030シリーズのプロセッサーを搭載しており、Ryzen 5 7530Uと、Ryzen 7 7730Uのモデルがあります。
Ryzen 5 7530Uは、インテルの第13世代Core i5-1335Uと同程度のマルチコアスコアが出ており、Web閲覧、メール、Officeソフトでの作業、動画視聴などの一般的な用途であれば快適に使える処理性能を備えています。多くのユーザーにとっては、Ryzen 5 7530U搭載モデルで十分だと思います。
Ryzen 7 7730Uだと、28WのCore i7-1360Pよりも高いスコアが出ており、より快適に作業ができるでしょう。
比較的打ちやすいキーボード
Inspiron 16 (5635)は、下の画像のようなキーボードを搭載しています。
文字入力に使用するキーのサイズが揃っています。また、小指で押すことが多い両サイドのキーのサイズが大きいので、押し間違えることが少ないです。全体的に見て、比較的打ちやすいキーボードだと思います。
また、テンキーは付いていませんが、ホームポジションに手を置いたときに、画面と体の中心が揃うので、自然な姿勢でタイピングすることができます。テレワーク等の仕事用や、大学生が家でレポートを作成する用途など、タイピングすることが多い方にも使いやすいと思います。
なお、経理などで数字を入力することが多い場合は、外付けのテンキーを使用するといいです。ノートPCに付いているテンキーは3列であったり変則的なものが多いで、それよりも外付けのテンキーのほうが打ちやすいと思います。
メモリの増設・換装はできない
Inspiron 16 (5635)は、大きめの筐体ですが、スロットメモリではなくオンボードメモリとなっています。そのため、後から自分でメモリの増設や換装はできません。
従来機種のInspiron 16 (5625)まではスロットメモリだったので、自分でカスタマイズするユーザーにとっては、少し残念な変化です。
長く、快適に使いたい方は、購入時に16GBメモリを搭載するモデルを選択しておくことをおすすめします。
兄弟機種との比較
Inspiron 16 (5635)には、インテルCPU搭載のInspiron 16 (5630)や、サイズ違いのInspiron 14 (5435)といった兄弟機種があります。ここでは、この2機種との簡単な比較を行います。
現在販売されている構成をまとめて比較すると、下表のようになります。
Inspiron 16 (5630)は、Inspiron 16 (5635)と同じ16型で、ボディやキーボードなど基本的な部分はほぼ同じです。大きな違いは、インテルの第13世代Coreを搭載し、TDP:28WクラスのCore i7-1360Pも選択できることです。また、USB-CポートがThunderbolt 4に対応しています。インテルCPUが好みの方、少しでも高い処理性能が欲しい方、Thunderbolt機器を使用したい方などは、インテルCPUを搭載したInspiron 16 (5630)を選ぶといいと思います。ただし、似たような構成で比べると価格は高くなります。
[本機器] Inspiron 16 (5635) |
[Intelモデル] Inspiron 16 (5630) |
[14型 AMD] Insprion 14 (5435) |
|
CPU | Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U |
Core i5-1335U Core i7-1360P |
Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U |
メモリ | 8GB / 16GB (オンボード) | ||
SSD | 256GB / 512GB | 512GB / 1TB | 256GB / 512GB |
液晶サイズ | 16型 | 14型 | |
液晶種類 | 1920x1200 広視野角 非光沢 |
||
ポート類 | USB3.2 Gen1 Type-A x2 USB3.2 Gen2 Type-C (DP/電源供給対応) HDMI 1.4 |
USB3.2 Gen1 Type-A x2 Thunderbolt 4 (DP/電源供給対応) HDMI 1.4 |
USB3.2 Gen1 Type-A USB2.0 Type-A USB3.2 Gen2 Type-C (DP/電源供給対応) HDMI 1.4 |
質量 | 約1.84kg~ | 約1.85kg~ | 約1.59kg~ |
価格[税込] | 8万円台~ | 11万円台~ | 8万円台~ |
[本機器] Inspiron 16 (5635) |
[Intelモデル] Inspiron 16 (5630) |
[14型 AMD] Insprion 14 (5435) |
|
CPU | Ryzen 5 7530U | Core i5-1335U | Ryzen 5 7530U |
メモリ | 16GB | ||
ストレージ | 512GB PCIe SSD | ||
価格[税込] | 99,580円 | 129,980円 | 93,980円 |
次に、14型のInspiron 14 (5435)との比較です。CPU、メモリ、ストレージ構成などはほぼ同じです。画面やボディのサイズが異なっており、比較すると下の画像のようになります。Inspiron 16 (5635)よりも2回りほど小さく、扱いやすいです。また、同じ構成でもInspiron 14 (5435)の方が価格が少し安いです。大画面でなくてもいい方、宅内で頻繁に移動したり、使うときだけ取り出す方、たまに外に持ち出して使いたい方などには、Inspiron 14 (5435)の方が適しています。
今回レビューしているInspiron 16 (5635)は、大きめの16型を搭載し、快適に動作する一般向けのノートPCを安く購入できるのがメリットです。ほぼ据え置きで使用する方、大きめの画面が見やすい方、インテルCPUにこだわらない方などには、Inspiron 16 (5635)がおすすめです。
やや残念なポイント
Inspiron 16 (5635)は、比較的見やすく、作業がしやすい16型液晶を搭載していますが、当サイト計測でsRGBカバー率60.8%と、液晶の色域が狭いのがやや残念です。一般用途向けのノートPCとしては普通の色域なので、同等の他機種と比べて劣っている訳ではありませんが、sRGBカバー率が100%近くあれば、Webや自分で撮った写真、ネット動画などを鮮やかな画面で見ることができますし、写真の簡単な編集などにも使いやすかったと思います。
もう一点は、アイドル時でもファンが回ることが多かったことです。小さな子供が寝静まった後に、そばでパソコンを使用したい方などは、ファンの音が気になるかもしれません。
各用途の快適度
Inspiron 16 (5635) の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 十分な処理性能を備えています。画面比16:10の液晶で、Web閲覧や、Officeソフトを使った作業がしやすいです。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | 〇 | 液晶は色鮮やかさにやや欠けるものの、スピーカー音はややよく、普通に動画を視聴することができます。 |
オンライン会議 | ○ | カメラ、マイク、スピーカーを備えており、普通にオンライン会議を行えます。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | 当サイト計測でsRGBカバー率60.8%と、液晶の色域が狭いので、この用途にはあまり向いていません。ただし、色域が広めの外部ディスプレイを接続すれば、使用できると思います。 |
動画編集 | △~○ | FHD動画の簡単な編集なら出来ます。ただ、本格的に動画編集を行うのであれば、外部グラフィックスを搭載した製品の方がおすすめです。 |
ゲーム | △ | 軽めのゲームであれば、画質を落とすことでプレイできるものもあります。ただし、ゲームが主な目的であれば、外部グラフィックスを搭載したゲーミングノートPCの方がおすすめです。 |
ディスプレイのチェック
Inspiron 16 (5635)のディスプレイのチェックです。
搭載していたパネルは、「JFDKM-NV16WUM」でした。
画面比16:10、解像度1920x1200の16型液晶です。大きめの画面で、見やすいです。視野角が広く、フリッカーも発生していないので、目が疲れにくく、ノートPCで長時間作業をする方にも適した液晶だと思います。色域が狭いので、写真の編集などには向いていませんが、一般的な用途には問題ありません。
その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。なお、最大輝度は、当サイトの計測では255d/m2と普通です。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Inspiron 16 (5635)のキーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mm、キーストロークは約1.5mmでした。ノートPCとしては標準的なフルサイズのキーボードです。
文字入力に使用するキーにサイズが小さいキーがなく、「半角/全角」キーや、「enter」キーなど両端のキーのサイズも大きいので、ブラインドタッチでも押し間違えることが少ないです。「delete」キーが「backspace」キーの真上ではなく、左に一つずれてはいますが、慣れると問題ないと思います。全体的にみて比較的打ちやすいキーボードです。
テンキーはありませんが、手をホームポジションに置いたとき体とノートPCの中心が揃うので、自然な姿勢で使用できます。数字入力が多い方は外付けのテンキーを用意するといいです。
タッチパッドの使いやすさや、クリックボタンの押しやすさは普通です。
キーボードにはバックライトが付いています。
パフォーマンスのチェック
続いて、パフォーマンスのチェックを行います。
Inspiron 16 (5635)では、下図のように「MyDell」アプリの「温度管理」の項目で、動作モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「最適化」と、最も高いパフォーマンスが出る「超高パフォーマンス」のモードで、ベンチマークスコアを確認します。
CPU
Inspiron 16 (5635)は、AMD Ryzen 5 7530UまたはRyzen 7 7730Uをを搭載しています。Zen 3世代、CPU電力:15WクラスのCPUで、一般ノート向けのRyzenプロセッサーとしては最新のものです。ベンチマークの結果は以下のとおりです。
シングルコアのスコアはそれほど高くありませんが、マルチコアは比較的高いスコアが出ています。一般的な用途には快適に使用できる処理性能を備えていることが分かります。
なお、動作モードを「超高パフォーマンス」にすると、マルチコアスコアがアップしています。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
メモリには、LPDDR4X-4266を搭載しています。メモリ帯域の広さは思ったほどではなく、普通でした。なお、オンボードメモリなので、メモリの増設・換装はできません。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません
グラフィックス
Inspiron 16 (5635)のグラフィックス性能のチェックです。グラフィックスはCPU内蔵グラフィックスで、ベンチマークの結果は以下のとおりです。
メモリ帯域が思ったほど広くないこともあり、CPU内蔵グラフィックスとしては、普通のスコアでした。軽めのゲームを画質を落としてプレイしたり、FHD動画の簡単な編集などにも使用できる性能を備えていますが、本格的にゲームや動画編集をするなら、GeForce RTX 3050などの外部グラフィックスを搭載した機種がおすすめです。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載していました。ただし、チップセット側が最大PCIe Gen3対応なので、PCIe Gen3 SSDと同程度の速度になっているようです。PCIe Gen4 SSDとしては速くありませんが、実用上は十分な速度です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
フルサイズのSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は遅いです。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートの動作チェックです。
Inspiron 16 (5635)は、DisplayPort、電源供給に対応したUSB-Cポートを1ポート備えています。動作チェックの結果は以下のとおりです。
なお、USB-Cアダプターによる給電においては、18Wの低出力のものでも給電できてはいましたが、出力が61W以下のものの場合は警告が表示されます。付属のACアダプターの出力が65Wなので、USB-Cアダプターを使用する場合も、できれば65W以上の出力があるものを使用した方がよさそうです。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | × | × | |
PD充電器 ※1 |
65W Lenovo GaN充電器 | ○ | ― | ― |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ ※3 | ― | ― | |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ ※3 | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | ○ ※3 | ― | ― | |
18W cheero充電器 | ○ ※3 | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 (4Kモニター) |
○ | ○ | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 通常のオペレーションに必要なワット数が足りませんという警告が表示
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。
4K、8ビット、YCbCr444で表示できますが、リフレッシュレートが30Hzになります。仕様を見ると、「HDMI 1.4 - HDMIでサポートされる最大解像度は1,920 x 1,080 (60Hz)。4K2K出力なし」となっていました。4Kモニターにつないで使用する予定の方はご注意ください。
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトには「最小重量:1.84kg」と記載されています。当サイトで計測した質量は次の通りで、最小重量とほぼ同じでした。16型ノートPCとしては普通の重さだと思います。外に持ち出すには重いですが、宅内での移動であれば問題ないと思います。
質量 | |
PC本体 | 1.8247kg |
ACアダプター | 329g |
バッテリー駆動時間のチェック
Inspiron 16 (5635)のバッテリー容量は54Whです。
当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。負荷が軽い動画再生時は、(2)のようにバッテリー駆動時間はやや長めです。Officeソフトを手を止めることなく使うなど、やや負荷をかけ続けたときは、(3)に近いバッテリー駆動時間になると思います。バッテリー駆動でもそこそこの時間使用できるので、常時ACアダプターにつながなくてもよさそうです。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | ― |
(2) 動画再生時 | 13時間21分 |
(3) CPU15%、GPU7%の負荷 | 5時間38分 |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき
充電速度は、普通です。
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラには、プライバシーシャッターが付いてます。IRカメラは非搭載なので、Windows Helloの顔認証は使用できません。
Webカメラは、約2.07MピクセルのFHDカメラです。ノートPCのWebカメラとしてはやや高めの解像度なので、細部にも粗さを感じません。色味も比較的自然だったので、オンラインミーティングにも使いやすいです。
スピーカー
スピーカーは、2.5W x2のスピーカーをキーボードの両サイドに搭載しています。音質はややよく、ノートPC基準で点数を付けると、10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度など推移を確認します。
Ryzen 5 7530U搭載モデル
「最適化」モードでは、CPU電力は約27Wから徐々に下がり、20W前後で落ち着いてそのまま推移しています。TDP:15Wのプロセッサーなので、「最適化」モードでも十分高いパフォーマンスが出ているといえます。CPU温度は、一旦86℃ぐらいまで上がりますが、CPU電力の低下とともに下がって、60℃前後をキープしているので、低めの温度です。
「超高パフォーマンス」では、CPU電力は30W前後を一定期間維持し、その後、少し下がるものの約28Wと高めの数値で動作しています。このモードのときでも、CPU温度のピーク値は77℃ぐらいですし、その後も74℃前後を保っているので、こちらも心配のない温度です。
どちらのモードでも、CPU温度を心配することなく使用できます。
- 最適化時
- 超高パフォーマンス時
Ryzen 7 7730U搭載モデル
Ryzen 7 7730Uは、Ryzen 5 7530Uよりもやや温度が上がりますが、問題ない範囲だと思います。CPU電力も、Ryzen 5 7530Uと似たような数値で動作しています。
- 最適化時
- 超高パフォーマンス時
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。ここでは、Ryzen 5 7530Uを搭載したモデルで計測したデータを掲載します。
「最適化」モードのアイドル時でも、ファンが回っていることが多く、ファンの音がやや気になります。他のInspiron 16シリーズも、ファンがやや回りやすいですが、この個体は特にそれが顕著でした。個体差があるのかもしれません。なお、ファンが回転しているときの騒音値は36dBで、高負荷時と比べると低いですが、音に敏感な方は気になるかもしれません。
エンコードのような高負荷時は、他のノートPCと比べて同じぐらいの騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
負荷がかかると、キーボード面の左側の温度が上がっていますが、パームレスト部の温度はほとんど変化していません。タイピング時に不快に感じることはありませんでした。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。
ノートPC向けのプロセッサーを搭載しているので、消費電力は低めです。
外観のチェック
Inspiron 16 (5635)の外観のチェックです。
狭額縁ベゼルの16型液晶と、テンキーレスのキーボードを搭載しており、スッキリした見た目となっています。
ボディカラーは、プラチナシルバーです。プライベートにも、仕事にも使いやすい無難な色です。
天板には、「DELL」のロゴマークが配置されています。
背面には、液晶を開いたときに机と接するように、ゴム製の小さな足が配置されています。
液晶を開くと、液晶面の下部が底面よりも下に出っ張り、ゴム足が机に接します。接地面は小さいですが、安定感には問題はありませんでした。
側面のポート類はご覧の通りです。USB3.2 Gen1 Type-A x2、USB3.2 Gen2 Type-C(DisplayPort、電源供給に対応)、HDMI 1.4、SDカードリーダーを備えています。
液晶の開く角度です。フラットにはなりませんが、机に置いて普通に使う分には十分です。
指紋認証リーダー付きの場合は、電源ボタンに指紋センサーが統合されています。
底面です。
内部の画像はご覧の通りです。冷却ファン1つと、1本のヒートパイプでCPUの熱を冷却しています。
メモリはオンボードなので、増設・換装はできません。
ストレージには、Type 2230のM.2 SSDを搭載していました。スペーサを外せば、Type 2280 M.2 SSDへの換装もできると思います。なお、ストレージの増設ができる空きスロットなどはありませんでした。
ACアダプターは65Wです。
まとめ
以上が、Inspiron 16 (5635)のレビューです。
ホームノートPCとして使いやすく、コスパも高い、16型ノートPCです。
画面比16:10の16型液晶は、比較的見やすく、WebブラウザやOfficeソフトを使った作業などがしやすいです。フリッカーも発生していないので、在宅ワークなどで長い時間使用するような方にもいいと思います。
比較的打ちやすいキーボードを搭載しているので、在宅ワークなどにも使いやすいです。また、バッテリー駆動でもそこそこの時間使用できたので、部屋を移動するときはバッテリー駆動でも使えると思います。
このような使い勝手のいい機種が6万円台で購入することができるので、コスパが高いです。筆者がおすすめするのは、Ryzen 5、16GBメモリ、512GB SSDの7万円台のモデルで、メモリが16GBあることでストレスなく使えると思います。
やや気になる点として、メモリの増設・換装ができないことが挙げられますが、16GBメモリを搭載したモデルを選んでおけば、この点はほとんど気にしなくていいでしょう。また、液晶の色域が狭い点も気になる方もいると思いますが、写真や動画の編集など趣味に使う予定がなければ、こちらもそれほど大きなデメリットにはなりません。
また、アイドル時でもファンが回りやすいので、人によっては動作音がきになるかもしれません(ただ、これは、製品の個体によっても差がありそう)。
なお、兄弟機種として、インテルCPUを搭載したInspiron 16 (5630)や、14型サイズのInspiron 14 (5435)などもあるので、比較してみて用途にぴったりのものを選ぶといいと思います。
コスパの高い16型のホームノートPC
Inspiron 16 (5635)
特徴
- 8万円台からとコスパが高い
- 作業がしやすい画面比16:10の16型液晶
- 比較的打ちやすいキーボード
こんなあなたに
- コスパが高いホームノートPCが欲しい方
- 在宅ワークやテレワークなどの仕事用として
- 価格6万円台[税込]~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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