HP 14-emの実機レビュー

更新日:
CPU Athlon Silver 7120U
Ryzen 3 7320U
Ryzen 5 7530U
メモリ 4GB / 8GB / 16GB
ストレージ 128GB / 256GB / 512GB
液晶サイズ 14.0型
液晶種類 FHD IPS 非光沢
質量 約1.39kg
バッテリー 最大約11時間
価格[税込] 3万円台~
IPS液晶搭載で3万円台~

HP 14-emは、比較的見やすいIPS液晶を搭載しながら、セール時であれば3万円台(税込)から購入できる、安さが魅力的な14型ノートPCです。

14型で、約1.39kgと扱いやすい質量なので、宅内モバイル兼時々持ち出し用としても使用できます。

搭載するCPUによって性能に大きな差があるので、用途に合ったモデルを選ぶようにしましょう。また、価格を抑えるために省かれている部分もあるので、気にならないかチェックしてください。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Ryzen 3 7320U、8GBメモリ、256GB SSD

 

 

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目次

お忙しい方は、「HP 14-emの特徴」のみお読みください。

 

HP 14-emの特徴

IPS液晶で3万円台(税込)~と安い

HP 14-emは、視野角が広くて比較的見やすいIPS液晶を搭載しながら、セール時であれば3万円台(税込)から購入することができる安さが大きな特徴の1つです。

おすすめなのは、Ryzen 5 7530U、16GBメモリ、512GB SSDの構成ですが、軽いアプリのみを起動し、それほど負荷のかかる作業をしなければ、Ryzen 3 7320U、8GBメモリ、256GB SSDの構成でもいいと思います。

液晶の質が低いと、目が成長途中の子どもが使う機種としては少し心配ですが、HP 14-emの液晶であれば、子どもが使うのにもおすすめです。

驚きの安さ
(価格は2023年7月5日時点)

 

14型で約1.39kgと比較的扱いやすいボディ

HP 14-emは、14型のサイズで、質量は約1.39kgです。モバイルノートPCとまでは言いませんが、比較的扱いやすいサイズと質量なので、宅内での移動がしやすいです。また、時々であれば外に持ち出して使うのにもよさそうです。

約1.39kgと扱いやすい質量

 

プロセッサーによって処理性能が大きく異なる

HP 14-emでは、3種類のプロセッサーが用意されています。選択するプロセッサーによって、実際の性能に大きな差があるので、用途に合ったものを選ぶようにしてください。

選択できるのは、AMD Athlon Silver 7120U(Zen 2、2コア/2スレッド)、Ryzen 3 7320U(Zen 2、4コア/8スレッド)、Ryzen 5 7530U(Zen 3、6コア/12スレッド)です。

今回は、Ryzen 3 7320U搭載モデルをチェックしました。旧世代となるZen 2世代のCPUなので、ベンチマークのスコアがそれほど高くありませんが、Core i7-1165G7に近い数値だったので、ウェブ閲覧などの一般用途であればある程度快適に動作します。グラフィック性能は低いですが、動画視聴程度なら特に問題ありません。

AMD Athlon Silver 7120Uは、Ryzen 3 7320Uよりもコア数が半分で、マルチスレッドにも対応していないので、実際の処理性能はRyzen 3 7320Uの半分以下になるのではないかと思います。少し負荷のかかる作業を行うと、もたつきを感じ、アップデート処理などにも比較的時間がかかるのではないかと思います。ごくたまにしか使わない方や、計器類のモニターとして使う方など、「用途が限られているので性能も低くていい」という方には、Athlon Silver 7120Uでもいいかもしれません。

快適に使いたい方には、Ryzen 5 7530Uがおすすめです。Zen 3世代のRyzenで、比較的高めの処理性能を備えています。

CINEBENCH R23のスコア マルチコア
Ryzen 5 7530U 8403
Core i7-1165G7 4720
Ryzen 3 7320U 4438 [本機器で計測]
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

キーボードは好みが分かれる

HP 14-emは、下の画像のようなキーボードを搭載しています。「ENTER」キーの横にもう一列キーが配置されています。「ENTER」キーを押すとき、端を狙って押す方は、「PG UP」や「UP DN」を間違って押してしまうかもしれません。ただ、ブラインドタッチが正確にできる方であれば、それほど打ち間違いはしないでしょう。

また、このキーボードはバックライトなしです。薄暗い場所では、キーを認識しにくくなります。

「ENTER」キーが端ではない

 

USB-Cポートはデータ転送のみ

HP 14-emには、USB-Cポートもありますが、データ通信機能のみに対応しており、映像出力やPower Deliveryには非対応です。

Power Deliveryに対応していたら、外に持ち出したときは、USB-Cアダプターで給電するといった使い方ができたので、やや残念でした。価格を抑えるために削られている部分だと思います。

USB-Cポートはデータ通信機能のみ

 

ライバル機種との比較

HP 14-emのライバルとなりそうな14型ノートPCとの簡単な比較を行います。比較するのは、レノボのIdeaPad Slim 5 Gen 8 14型(AMD)と、デルのInspiron 14 (5435)です。どちらもコスパが高く、人気のある機種です。

IdeaPad Slim 5 Gen 8 14型(AMD)は、画面比16:10の14型液晶を搭載し、作業がしやすいです。バッテリー容量が大きめなので、バッテリー駆動でも長めの時間使用することができます。キーボードにはバックライトが付いていますし、USB-Cポートは映像出力やPower Deliveryにも対応しており、USB-Cアダプターでの給電も行えます。総合的にみると、HP 14-emよりも少し上の機種になると思います。

Inspiron 14 (5435)も、画面比16:10の14型液晶、映像出力やPower Deliveryに対応したUSB-Cポートを備えています。また、キーボードが比較的打ちやすく、バックライトもついており、使いやすい機種です。ただし、質量は少し重くなります。こちらは、Ryzen 7 7730U搭載モデルも選択することができます。快適さを求める方には、こちらを検討してみるといいでしょう。

HP 14-emは、これらの2機種と比べると、機能などが削られている部分があるものの、価格が安いのが魅力となっています。

ライバル機種との比較
  [本機器]
HP 14-em
レノボ
IdeaPad Slim 5
Gen 8 14型(AMD)
デル
Inspiron 14 (5435)
画像
CPU Athlon 7120U
Ryzen 3 7320U
Ryzen 5 7530U
Ryzen 5 7530U Ryzen 5 7530U
Ryzen 7 7730U
メモリ 4GB / 8GB / 16GB 16GB 8GB / 16GB
ストレージ PCIe SSD
液晶 14型 FHD
IPS 非光沢
14型 1920x1200
IPS 非光沢
14型 1920x1200
広視野角 非光沢
重量 約1.39kg 約1.46kg 約1.59kg~
バッテリー 41.04Wh 56.6Wh 54Wh
価格[税込] 3万円台~ 7万円台~ 7万円台~
レビュー レビュー レビュー
同等構成での価格比較
  [本機器]
HP 14-em
レノボ
IdeaPad Slim 5
Gen 8 14型(AMD)
デル
Inspiron 14 (5435)
CPU Ryzen 5 7530U
メモリ 16GB
ストレージ 512GB PCIe SSD
価格[税込] 67,840円 79,860円 87,000円
※2023年7月3日現在の価格

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
○~◎ Ryzen 5なら、快適に作業できます。Athlon 7120Uの場合は、Officeソフトを使うと、もたつきを感じるときがあると思います。
動画鑑賞 ディスプレイは色鮮やかさにはやや欠けますが、普通に動画鑑賞が出来るスペックです。
オンライン会議 カメラ、マイク、スピーカーを備えており、オンライン会議に参加できます。
RAW現像
画像編集
液晶の色域が狭いため、RAW現像や画像編集には向いていません。
動画編集 △~○ Ryzen 5、16GBメモリのモデルであれば、FHD動画の簡易的な編集はできそうですが、動画編集向きの機種ではありません。
ゲーム Ryzen 5搭載モデルであれば、グラフィックス品質を下げることで、軽めのゲームにはできるものもあると思います。ただし、ゲームがメインであれば、外部GPUを搭載したゲーミングノートPCの方がいいです。

 

ディスプレイのチェック

HP 14-emのディスプレイのチェックです。

標準的なFHD(1920x1080)液晶です。広視野角で、フリッカーも発生しておらず、比較的見やすく、長い時間の作業にも使用しやすいです。色域が狭いので、色鮮やかさには欠けますが、ウェブ閲覧や、Officeソフトでの作業など、一般的な用途に普通に使用できます。最大輝度は、当サイトの計測では242cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は狭いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は65.5%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、緑がやや強めに発色しています。やや気にはなりますが、気づかない方も多いと思います。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

IPSパネルなので視野角が広く、斜めからでも色の変化が少ないため、見やすいです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶なので、映り込みは抑えられています。ギラつきもほとんど感じません。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)の有無の確認です。輝度を変えても、フリッカーは検出されませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

HP 14-emのキーボードのチェックです。

キーピッチは、約19.0 x 18.4mm、キーストロークは約1.3mmです。キートップはフラットです。もう少しカーブしていると、指当たりが良く、タイピングしやすくなったと思います。また、「ENTER」キーの横にもう一列キーが配置されているのは、好みが分かれる部分です。「ENTER」キーを押すとき、端のキーを狙う方にとっては、押し間違えやすくなります。それ以外は、標準的なキーサイズで、文字入力に使用するキーのサイズは揃っており、普通の打ちやすさのキーボードです。

なお、バックライトは付いていません。

タッチパッドの使いやすさは普通です。クリックボタンには、車のクラッチの遊びのような部分があり、少し押しにくく感じました。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

パフォーマンスのチェック

HP 14-emのパフォーマンスのチェックです。

Windowsの電源モードにおいて、デフォルトの「バランス」と、高いパフォーマンスを発揮できる「最適なパフォーマンス」でベンチマークスコアの計測を行いました。

設定→システム→電源とバッテリー

 

CPU

HP 14-emは、AMD Athlon Silver 7120U、Ryzen 3 7320U、または、Ryzen 5 7530Uを搭載しています。ベース電力が15Wクラスのプロセッサーで、このうち、AMD Athlon Silver 7120Uと、Ryzen 3 7320Uは、型番は最新の7000シリーズですが、実際には旧世代となるZen 2世代のプロセッサーです。一方、Ryzen 5 7530Uは、Zen 3世代のプロセッサーです。

今回は、Ryzen 3 7320U搭載モデルをチェックしており、ベンチマークの結果は以下のとおりです。

Zen 2アーキテクチャーなので、最近のCPUと比べるとシングルコアのスコアはかなり低いです。マルチコアのスコアも高くはありませんが、Core i7-1165G7に近い数値が出ており、一般的な用途であればある程度快適に使用できる処理性能を備えていると思います。

なお、動作モードを変更しても、スコアには大きな差はありませんでした。常時、「バランス」モードで使用していいと思います。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen 3 7320U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-13980HX 28398
Core i9-13950HX 27983
Core i9-12950HX 21617
Core i9-12900H 19223
Core i7-13620H 15109
Core i7-12700H 14546
Ryzen 7 6800H 13999
Core i5-12500H 13213
Core i7-1280P 11801
Ryzen 7 6800U 10830
Ryzen 5 6600H 10470
Core i5-12450H 10260
Ryzen 7 7735U 10122
Ryzen 7 5825U 10040
Core i7-1360P 9720
Core i5-1340P 9688
Core i7-1260P 9032
Core i5-1240P 8409
Ryzen 5 7530U 8403
Core i7-1255U 8300
Ryzen 5 5625U 8107
Core i5-1235U 7589
Core i7-1250U 7435
Core i5-1230U 6273
Core i3-1215U 4969
Core i7-1165G7 4720
Ryzen 3 7320U 4438 [最適なパフォーマンス]
4363 [バランス]
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-13950HX 2097
Core i9-13980HX 2061
Core i9-12950HX 1981
Core i9-12900H 1920
Core i7-1360P 1826
Core i7-12700H 1823
Core i7-1260P 1802
Core i7-1255U 1776
Core i7-1280P 1751
Core i5-12500H 1727
Core i5-1340P 1722
Core i7-13620H 1718
Core i5-1235U 1675
Core i5-1240P 1666
Core i5-12450H 1663
Core i3-1215U 1592
Core i5-1230U 1532
Ryzen 7 6800H 1522
Ryzen 7 6800U 1504
Core i7-1250U 1495
Ryzen 7 7735U 1476
Ryzen 5 6600H 1476
Ryzen 7 5825U 1460
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 5 7530U 1439
Ryzen 5 5625U 1383
Ryzen 3 7320U 992 [バランス]
991 [最適なパフォーマンス]
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。

 

メモリ

メンテナンスガイドを確認すると、Ryzen 3 7320UおよびAthlon Silver 7120U搭載モデルは、オンボードのLPDDR5-5500のシングルチャネル、Ryzen 5 7530U搭載モデルは、スロットメモリ(2つ)のDDR4-3200のデュアルチャネルのようです。

メモリの仕様

 

今回は、Ryzen 3 7320U搭載モデルなので、メモリはLPDDR5-5500でした。メモリ帯域幅は、シングルチャネルなので、そこまで広くありません。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
8GBメモリ
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
LPDDR5-6000
デュアルチャネル
64.52GB/s
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
LPDDR5-5200
デュアルチャネル
58.49GB/s
LPDDR5-4800
デュアルチャネル
53.83GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
LPDDR5-6400
デュアルチャネル
35.33GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
25.35GB/s
LPDDR5-5500
シングルチャネル
23.87GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値です。理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

Ryzen 5 7530Uのグラフィックス性能をチェックします。いつもは3DMarkでグラフィックスの性能を評価していますが、今回、グラフィックスのVRAM不足のため、3DMark Night Raidを実行できなかったので、ドラゴンクエストXのベンチマークスコアを計測しました。

Ryzen 5 7530Uのグラフィックスコア数は7であるのに対し、Ryzen 3 7320Uは2つと少ないため、ベンチマークのスコアは低いです。第10世代のCore i5-1035G4よりも低いスコアです。ただ、YouTubeやNetFlixなどの動画などは問題なく視聴することができます。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Ryzen 3 7320U
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
Core i7-1165G7 11714
Ryzen 5 7530U 11161
Core i5-1035G4 5820
Ryzen 3 7320U 3870
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しています。SSDとしては速くはありませんが、軽いアプリを使うだけなら、問題ない速度です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
256GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
 PCIe Gen3 SSD 3500
1784
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

SDカードスロットはありません。

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートの動作チェックです。

HP 14-emは、USB-Cポートを1つ備えており、下表のような結果になりました。データ通信のみに対応しており、映像出力やPower Deliveryには非対応です。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック × ×
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック × × ×
PD充電器
※1
61W RAVPower GaN充電器 ×
45W Lenovoウルトラポータブル ×
30W RAVPower GaN充電器 ×
18W cheero充電器 ×
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
(4Kモニター)
× ×
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、120Hz、10ビット、YCbCr444で出力出来ていました。

ただし、仕様表では、「外部ディスプレイ(HDMI出力端子使用時):最大 1920x1080」となっていたので、今回の結果はたまたまかもしれません。他の環境ではFHD解像度までしか対応していないかもしれません。

4Kテレビ(ビエラ TH-55CX800)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

HP 14-emの質量のチェックです。

メーカー仕様では「約1.39kg」となっていました。当サイトによる実測値は、それよりも若干軽かったです。室内での移動がしやすいですし、時々外に持ち出すといった使い方もできると思います。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.364kg
ACアダプター+電源ケーブル 265g

 

バッテリー駆動時間のチェック

HP 14-emのバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は41.04Whです。普通の容量です。

バッテリー容量

 

バッテリー駆動時間は下の通りです。動画再生のような負荷の軽い作業であれば、(2)のようにある程度長めの時間使用することができます。少し負荷のかかる作業を連続して行うと、(3)ぐらいのバッテリー駆動時間になると思います。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) MobileMark 2018 最大11時間
(2) 動画再生時 9時間2分
(3) CPU25%、GPU9%の負荷 4時間39分
※画面輝度は約120cd/m2
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき

 

充電速度は普通です。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
64%(約26Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラには、物理シャッターが付いています。シャッターが閉じていることが一目で分かります。IRカメラは非搭載なので、Windows Helloの顔認証は使用できません。

Webカメラは、メーカーの仕様表では「HP True Vision 1080p フルHD Webcam (約207万画素)」と記されていましたが、実際には約92万画素のHDカメラでした。細部には粗さがありますし、やや暗めの画像ではありましたが、ノートPCのWebカメラとしては普通の性能だと思います。

Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

スピーカー

スピーカーは、底面の左右に、デュアルスピーカーを搭載しています。音質は普通に近く、ノートPC基準で10点満点で4~5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

どちらのモードでも約15Wで落ち着き、そのまま推移しています。PBP(プロセッサー・ベース・パワー)通りのCPU電力です。CPU温度は、ピーク値では90℃台後半まで上がりますが、70℃台まで下がり、そのままの温度をキープしているので、問題ありません。

CPU電力
CPU温度

 

静音性のチェック

HP 14-emの動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。負荷がかかると騒音値が上がりますが、エンコードのような高い負荷がかかっても、そこまで高くはありません。他のノートPCと同程度の騒音値です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。

負荷がかかっても、全体的に低めの温度に保たれています。パームレスト部の温度にはほとんど変化がなく、タイピング時でも不快感はありません。

底面の温度もチェックしてみました。負荷のかかる作業をすると、底面の温度が少し上がります。真ん中あたりが熱くなるので、ひざ置きする場合は、少し足を広げて使うといいでしょう。ただ、ひざ置きでの作業は低温火傷の可能性があるのでご注意下さい。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

モバイル向けのプロセッサーなので、低めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

HP 14-emの外観のチェックです。

オーソドックスなデザインです。カラーは、ナチュラルシルバーです。プライベートにも、仕事にも使いやすい色だと思います。

価格を抑えた機種なので、高級感はありませんが、そこまでチープにも見えません。

 

従来のHP 14s-fqは、ボディの端に継ぎ目があって、手のひらが触れると少し痛かったのですが、HP 14-emは面取り加工されており、触っても痛くありません。

 

天板の中央には、「hp」のロゴが配置されています。

 

閉じた状態です。厚みは、約17.9-21mmと普通です。

 

指紋認証センサーを搭載しています。

 

インターフェースはご覧の通りです。USB Type-A 5Gbps x2、USB Type-C 5Gbps、HDMIを搭載しています。

 

液晶面の開く角度です。フラットにはなりませんが、机に置いて使う分には十分です。

 

排気口は、液晶ヒンジに隠れるような場所に設けられています。

 

底面です。HPで、横長のゴム足が付けられている機種では、ゴム足の裏にネジが隠されていることが多いですが、この機種ではネジが隠されておらず、意外と底面カバーを外しやすかったです。

 

内部です。1つのファンと、1本のヒートパイプでCPUからの熱を冷却しています。

今回チェックしているRyzen 3 7320U モデルと、Athlon Silver 7120U モデルは、オンボードメモリなので、メモリスロットはありません。

Ryzen 5 7530Uモデルは、上で掲載したメンテナンスガイドによると、メモリスロットになっているようです。

 

ストレージには、Type 2280 M.2 SSDを搭載していました。ストレージの換装はできそうです。なお、空きのM.2スロットはないので、ストレージの増設はできません。

 

ACアダプターの容量は45Wです。本体は比較的コンパクトですが、コンセント側のケーブルが太くてかさばります。

 

この機種はマウスも付属します。ただし、時期によっては付属しない可能性もあるので、購入画面をよくご確認下さい。

 

まとめ

以上がHP 14-emのレビューです。

比較的見やすいIPS液晶を搭載しながら、セール時であれば3万円台からという価格の安さが大きな特徴です。

おすすめなのは、Ryzen 5、16GBメモリの構成です。この構成で6万円台というのは、非常に安いです。物価高騰の昨今ですが、このような低価格で購入できる機種があるのは嬉しいです。「重いアプリは起動しない」、「多くのアプリは起動しない」といった方は、Ryzen 3 7320Uのモデルでもいいでしょう。計器類のモニターとして使う場合など、用途が限られている場合は、Athlon Silver 7120Uのモデルでもいいと思います。

液晶は、視野角が広く、フリッカーも発生していない非光沢液晶でした。画面が見にくくて、目が疲れやすいということもなく、長時間の作業にも使いやすいです。小学生などの子どもが使う機種としても、安心感があります。

14型で、約1.39kgと扱いやすいボディなので、宅内での移動や収納がしやすいですし、時々外に持ち出して使うこともできるでしょう。

このように価格が安い機種ですが、それなりに抑えられている部分もあります。例えば、バックライトなしのキーボードや、データ通信機能のみのUSB-Cポートなどです。このあたりが気にならなくて、用途に合った性能のモデルを選択すると、重宝する機種になりそうです。

 

セール時であれば3万円台

HP 14-em

特徴

  • IPS液晶を搭載し、セール時は3万円台からと安い
  • 14型で約1.39kgと扱いやすいボディ
  • バックライトなど削られている部分あり

こんなあなたに

  • 見やすい液晶を搭載し、安い機種が欲しい
  • そこまで負荷のかかる作業をしない方
公式サイトはこちら

 

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