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レノボ IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型の購入レビュー
CPU | Core i5-12450H Core i5-13500H Core i7-13620H |
---|---|
メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB ~ 1TB SSD |
画面サイズ | 14インチ 16:10 |
画面種類 | 1920x1200 IPS 非光沢 1920x1200 OLED 光沢 |
質量 | 約1.46kg |
バッテリー | 最大約15.0時間 (56.6Wh) |
価格[税込] | 7万円台~ |
IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型 は、コストパフォーマンスが高いノートPCです。
HシリーズのインテルCoreのプロセッサーに、16GBのメモリを搭載し、高めの性能でありながら7万円台という安さです(価格は時期にもよります)。
また、画面比が16:10で、作業がしやすいです。
OLEDディスプレイのモデルも選択できます。画像や映像を綺麗に表示したいなら、このディスプレイも良いでしょう。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i5-12450H、16GBメモリ、512GB PCIe SSD、IPS液晶 NEW!
Core i5-13500H、16GBメモリ、512GB PCIe SSD、OLED
AMDモデルのレビュー記事はこちら
兄弟機種のAMDモデルのレビュー記事はこちらをご覧ください。
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セール情報
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目次
お忙しい方は、「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型 の特徴」のみお読みください。
IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型の特徴
高めの性能のCPUを搭載
IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型は、本来は、ゲーミングノートPCのような製品に使われる、プロセッサー・ベース・パワー(PBP)が45WのCoreプロセッサーを搭載しています。一般ユーザー向けのノートPCに搭載されているCPUは、15Wまたは28Wのものが多いため、本製品のCPU性能は高いです。
ただし、本製品はゲーミングノートPCよりも小型のボディで放熱性が劣っているため、ベンチマークスコアがゲーミングノートPCで計測したものより劣っています(下表参照)。
それでも、Core i5-13500Hに関しては、一般的なノートPCによく採用されているPBP:28WのCore i7-1360Pや、15WのRyzen 5 7530Uよりも高いベンチマークスコアです。思ったほどの性能ではないものの、一般的なノートPCよりはやや高めのCPU性能だと思います。
Core i5-12450Hについては、Core i7-1360Pよりも低いスコアです。ただ、Ryzen 5 7530Uと比較した場合は、マルチコア性能についてはほとんど変わりませんが、シングルコア性能については勝っています。一般向けノートPCとして、標準的またはそれ以上の性能はあります。
HシリーズのCoreプロセッサー搭載PCとしては安い
HシリーズのインテルCoreプロセッサーを搭載したノートパソコンは一般的に価格が高いですが、本製品は7万円台から購入することができ、コストパフォーマンスが非常に高いです。Core i5-13500Hを搭載したモデルでも9万円台です。
画面比16:10になったディスプレイ/OLEDも選択可能
従来モデルのIdeaPad Slim 550シリーズは、ディスプレイの画面比が16:9でしたが、新モデルの本製品は、最近主流の16:10の画面比となりました。解像度が1920x1080から1920x1200となったことで、縦方向の表示領域が増え、アプリが使いやすくなっています。
さらに、発売後しばらく経ってから、OLEDディスプレイモデルも追加されました。色鮮やかで、黒の表現力も高く、画像や映像が非常に綺麗です。
ただし、ペンタイル配列であるため、スケーリング(テキストなどの大きさ)を100%にすると、文字に赤や青が混じったように見えます。OLEDディスプレイのモデルと、IPS液晶のモデルを比較した画像を下に掲載しているのでご確認下さい(少し画面から離れて見るといいと思います)。
2560x1600など、もっと高い解像度で、スケーリングを150%などにすれば、そんなに気になりませんが、1920x1200で100%だと、筆者はやや気になります。ただ、ほとんど気にならない方も多いとは思います。
個人的には、写真や動画を観る機会が多い方はOLED、仕事用に使うならIPS液晶のモデルを選ぶといいと思います。
ちょっとした移動に便利
IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型は、持ち出し用に特化したモバイルノートPCではないので、1kgを切るような軽さではありませんが、それでも約1.46kgと重くもありません。リビングから自分の部屋へパソコンを移動したり、自席から会議室へ移動したりするときに便利です。バッテリー容量も十分あるので、5時間前後であれば、バッテリー状態で十分使えるでしょう。
ライバル機種との比較
IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型のライバル機種としては、デルのInspiron 14 5430が挙げられます。この機種も14型液晶を搭載し、本製品と性能や価格帯が似ています。
IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型は、CPUに45Wのプロセッサーを選択できる点が優れています。
一方、Inspiron 14は、USB Type-CポートがThunderbolt4に対応している点が魅力です。また、指紋センサーを搭載しているので、ログイン時に便利です。また、キーボードに関しても、Inspiron 14のほうが打ちやすいと思います。
レノボ IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型 |
デル Inspiron 14 5430 |
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画像 | ||
CPU | Core i7-12450H (45W) Core i5-13500H (45W) Core i7-13620H (45W) |
Core i5-1335U (15W) Core i7-1355U (15W) Core i7-1360P (28W) |
メモリ | 16GB LPDDR5-4800 LPDDR5-5200 |
8GB / 16GB LPDDR5-4800 |
PCIe SSD | 512GB / 1TB | 256GB / 512GB / 1TB |
ポート | USB3.2 Gen1 x2 USB3.2 Gen1 Type-C x2 HDMI micro SD |
USB3.2 Gen1 x2 Thunderbolt4 HDMI SD |
指紋センサー | 無し | 有り |
質量 | 約1.46kg | 約1.531kg~ |
レノボ IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型 |
デル Inspiron 14 5430 |
|
CPU | Core i7-13620H | Core i7-1360P |
メモリ | 16GB | |
SSD | 512GB | |
価格 | 108,262円 | 113,800円 |
やや残念なポイント
IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型のやや残念な点としては、メモリがオンボードである点です。後からメモリを増設することができません。ただ、ほとんどの方は、ノートパソコンのメモリを増設するなんてことはしないと思うので、そういった方にはデメリットではありません。
また、HDMI出力が4K/60Hzに対応していません。
Core i5-12450Hのモデルは、CPU内蔵グラフィックスが、Intel UHD グラフィックスとなり、性能がそこまで高くありません。グラフィックスに負荷のかかる作業をするなら、Intel Xe グラフィックス内蔵のCore i5-13500H以上を搭載したモデルがおすすめです。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | HシリーズCoreプロセッサーに、画面比16:10のディスプレイを搭載しており、快適に作業ができるでしょう。 |
---|---|---|
オンライン会議 | ○ | Webカメラ、マイク、スピーカーを搭載しており、すぐにオンライン会議が出来ます。 |
動画鑑賞 | ◎ | OLEDディスプレイのモデルであれば、色鮮やかな映像で映画を観ることができます。一方、IPS液晶のモデルは色鮮やかさに欠けます。スペック面では、どのモデルも十分です。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | OLEDディスプレイを搭載したモデルであれば、このような用途にも使用できます。 |
動画編集 | △~○ | Intel Xe グラフィクスを搭載したモデルなら、FHD動画のカット編集など、簡易的な編集ならできるでしょう。ただし4K動画の本格的な動画編集をするなら、外部グラフィックスを搭載したPCがおすすめです。 |
ゲーム | △ | Intel Xe グラフィクスを搭載したモデルなら、負荷の低いゲームであれば出来なくもありませんが、ゲームをするなら、GeForce RTX ~といった外部グラフィックスを搭載したノートをおすすめします。 |
ディスプレイのチェック
IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型のディスプレイのチェックです。
ここでは、IPS液晶とOLEDディスプレイの2つについての特性を紹介します。
IPS液晶
IPS液晶の場合、搭載していたパネルは「LEN140WUXGA」でした。一般的ユーザーには十分な品質です。ただ、画像編集などを行うには色域が狭いです。最大輝度は、当サイトの計測では297cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
OLEDディスプレイ
OLEDディスプレイモデルに搭載されていたパネルは「LEN140WUXGA」でした。色域が広く、コントラストも高く、画像や映像が綺麗です。最大輝度は、当サイトの計測では371cd/m2とやや高いです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
当サイトで計測した色域は下の表のとおりです。Adobe RGBもほぼ100%カバーするほどの色域です。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 100% |
Adobe RGBカバー率 | 99% |
キーボードおよびタッチパッドのチェック
IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型のキーボードのチェックです。
実測値で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18mm、キーストロークは約1.4mmでした。いずれもノートPCとしては標準的な数値です。実際にタイピングしてみましたが、可もなく不可もない、標準的な打ち心地だと思います。
タッチパッドの使いやすさ、クリックボタンの押しやすさも普通です。
キーボードバックライトを搭載しているので、電気を消して作業をしなければならないときでもキーを確認することが出来ます。
パフォーマンスのチェック
IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型のパフォーマンスをチェックします。
動作モードの変更は、「Lenovo Vantage」というアプリの「電源およびパフォーマンス」で行うことができます。ここでは、デフォルトの「インテリジェント・クーリング」と、最も高いパフォーマンスが出る「エクストリーム・パフォーマンス」で、ベンチマークを計測しました。
CPU
プロセッサーには、プロセッサー・ベース・パワーが45Wのインテル第13世 or 第12世代Coreプロセッサーが搭載されています。以前は、28WのPシリーズのCoreプロセッサーのモデルもありましたが、現在はありません。
今回、Core i5-12450HとCore i5-13500Hのベンチマークスコアを下表に掲載いたします。
Core i5-12450Hは、「エクストリーム・パフォーマンス」モードでも、40W前後のCPU電力しか出ておらず、Core i7-1360Pよりも低いスコアです。ただ、一般向けノートPCによく採用されるRyzen 5 7530Uとは、マルチコアは同等、シングルコアはより高いスコアで、通常のユーザーであれば、十分な処理性能です。
Core i5-13500Hは、旧世代のCore i5-12500Hより低いスコアで、CPU電力は25W前後して出ていません。Core i5-13500Hとしては、高いスコアではありません。ただ、Core i7-1360Pを大きく超えるスコアは出ており、一般向けノートPCとしては高いスコアです。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
メモリは、Core i5-12450搭載モデルがLPDDR5-4800、それ以外のモデルがLPDDR5-5200です。思ったほどの帯域は出ていませんでしたが、DDR4-3200よりは広いです。どのモデルでも16GBのメモリを搭載しています。ただし、オンボードなので自分で交換することは出来ません。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません
グラフィックス
本製品は、外部グラフィックスは搭載されておらず、CPUに内蔵されたグラフィックスを用います。
Core i5-12450Hは、Intel UHD グラフィックスで、あまり高いスコアではありません。ただ、動画編集などグラフィックに負荷がかかる作業をしない一般的なユーザーであれば、このCPUでも問題ありません。
Core i5-13500Hについては、Intel Xe グラフィックスで、CPU内蔵グラフィックスとしてはやや高めの性能です。グラフィックスに負荷のかかる作業をするなら、こちらのCPUのほうがおすすめです。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
microSDカードリーダーを搭載しています。カード挿入後の出っ張りがややあるため、このままカバンに入れると押されて出てくる可能性もありますが、カードが折れることは無いでしょう。アクセス速度は普通です。
クリエイターソフトの処理時間
次に、クリエイターソフトを使って、重い処理を実行したときにかかった時間を掲載します。
Core i5-13500Hの場合、このプロセッサーにしては遅いですが、実用上は十分な速度が出ていると思います。
Core i5-12450Hの場合はやや遅いですが、一般ユーザー向けノートPCによく採用されるRyzen 5 7530UやCore i5-1335Uよりは速かったです。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Core i5-13500Hは比較的速いです。
Core i5-12450Hは、Intel UHD グラフィックスなので、スーパーズームのような処理は遅くなるかなと思ったのですが、Core i7-1360Pと同等の速度は出ていました。
Core i5-12450H | Core i5-13500H | 参考 Core i7-1360P |
|
ニューラルフィルター (肌をスムーズに) |
約3秒 | 約2秒 | 約3秒 |
ニューラルフィルター (スーパーズーム(x2)) |
約4分4秒 | 約3分23秒 | 約4分16秒 |
ニューラルフィルター (JPEGのノイズを削除) |
約2分44秒 | 約2分17秒 | 約2分41秒 |
Core i5-13500Hの場合、FHD動画の書き出し速度は、比較的速かったです。カット編集程度なら問題なく使えると思います。ただし、複数の動画を並べたり、4K動画を編集したりする場合は、外部グラフィックスを搭載した他のPCのほうがおすすめです。
Core i5-12450Hの場合も、そこまで遅くはなく、Ryzen 5 7530Uよりも大分速かったです。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-C接続の周辺機器を試した結果が次です。Thunderboltに対応していないので、Thunderbolt機器は使えません。ただし、映像出力およびPowerDeliveryには対応しています。
USB-Cアダプターでの給電では、18W / 30Wのものだと、警告が表示されて煩わしいです。45W以上のPD充電器の使用がおすすめです。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
18W cheero充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルであるとの警告が表示されるものの充電は可能
HDMIの動作チェック
HDMIポートはHDMI1.4bとなっています。4KテレビへHDMIで接続したときの詳細は下図の通りです。4Kでは表示できずFHDで表示されてしまいました。
質量のチェック
IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型の質量は、メーカーの仕様表では「約1.46kg」となっており、当サイトの計測でもほぼ同じ結果でした。IdeaPad Slim 5 Light Gen 8ほど軽くはありませんが、ちょっとした移動には便利でしょう。
Core i5-13500H モデル |
|
PC本体 | 1.469kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 316g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は56.6Whでした。やや大きめの容量です。
当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は下表の通りです。動画再生のような軽い負荷であればかなりバッテリー状態で動きます。Officeソフトを起動し、常にタイピングをしている場合など、やや負荷のかかる作業をしながら使った場合、(3)に近いバッテリー駆動時間になると思います。
Core i5-13500H モデル |
|
(1) JEITA2.0 | 約14.0時間 |
(2) 動画再生時 | 14時間19分 |
(3) CPU16%、GPU7%の負荷 | 4時間49分 |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラは、1080p FHDカメラが搭載されています。露出がやや高めの映像ですが、細部まで綺麗に映し出されています。
また、レバーでカメラを物理的に隠す「プライバシーシャッター」機能が付いています。使わないときは、意図せずに情報が漏れないようにするため、カメラを隠しておくことができます。
スピーカー
スピーカーは、キーボードの左と右の隣に2.0W x2のステレオスピーカーが配置されています。音質はやや良く、ノートPC基準で10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
Core i5-12450Hモデル
プロセッサー・ベース・パワー(PBP)が45WのCPUですが、「インテリジェント・クーリング」時で約35W、「エクストリーム・パフォーマンス」時でも約40Wと低めです。CPU本来のパフォーマンスが出ていません。
その代わり、どちらのモードもCPU温度は、問題ない範囲に収まっていると思います。
- インテリジェント・クーリング時
- エクストリーム・パフォーマンス時
Core i5-13500Hモデル
どちらのモードも、プロセッサー・ベース・パワー(PBP)が45WのCPUであるにも関わらず、25W程度でしか動作していません。CPU温度にやや余裕があるので、もう少し高めのCPU電力で動作しても良かったかなと思います。その代わり、CPU温度は70℃台と問題ないので、安心して使えると思います。
- インテリジェント・クーリング時
- エクストリーム・パフォーマンス時
静音性のチェック
IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型の動作音(静音性)のチェック結果です。ここでは、Core i5-13500H搭載モデルで計測した結果を掲載します。以下の表面温度、消費電力についても同様です。
アイドル時はほぼ無音です。エンコードのような高めの負荷をかけると、やや騒音値は上がりますが、それでもそこまで気にはなりません。なお、前述の通りPBPが低めであるため、エンコード処理を実行しても、CPU使用率は100%にはならず、50%程度で推移していました。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
高めの負荷をかけると、パームレストの温度が上がりますが、そこまで気にはなりません。底面は熱くなる部分があるので、膝の上に置いて作業をするときは、火傷に気を付けましょう。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
低めの消費電力です。ゲーミングノートPCではないので、消費電力は高くありません。
外観のチェック
IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型の外観をチェックします。
従来モデルは、パームレスト部分がやや安っぽかったですが、今回の新モデルは天板と底面はアルミを採用しており、安っぽく見えません。
ボディカラーもシルバーなので、指紋などが目立たず実用的です。
天板もシンプルで、場所を選ばず使うことができるでしょう。
ボディは薄型で、見た目がいいです。
側面のインターフェースはご覧の通りです。USB3.2 Gen1 Type-A x2、USB3.2 Gen1 Type-C(Power Delivery、DisplayPort対応)x2、HDMI1.4b、microSDカードリーダー、ヘッドホン/マイク端子を備えています。
底面はシンプルなデザインです。
底面を外した時の画像が以下となります。ファンは1つのみですが、非常に大きな冷却ファンで、ヒートパイプも2つあります。ただ、HシリーズのCoreプロセッサーを冷却するには、やや物足りない冷却性能です。
Type 2242のM.2 SSDが搭載されていましたが、Type 2280のSSDへも換装できそうです。
ACアダプターは65Wです。サイズは普通ですが、電顕ケーブルが太いので、持ち運ぶときはかさばります。
まとめ
以上が、IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型のレビューです。
HシリーズのCoreプロセッサーを搭載しながら、「7万円台~」と安く、コストパフォーマンスに優れており、 家庭用ノートパソコンとしておすすめの製品です。
HシリーズのCoreプロセッサーの割には、思ったほどベンチマークスコアは伸びませんでしたが、それでも一般的なノートPCと同等、またはそれ以上の性能はあります。
従来モデルと比べて、ディスプレイの画面比が16:10になり、使いやすくなりました。ボディもアルミ素材を用いており、安っぽさが無くなりました。
どのモデルも、16GBのメモリを搭載している点も嬉しいです。アプリを多めに立ち上げても、メモリ不足になって動作が遅くなることは少ないでしょう。
IPS液晶搭載モデルは色域が狭いですが、OLEDディスプレイ搭載モデルは色域が非常に広く、画像編集などの用途にも適していると思います。ただし、OLEDディスプレイ搭載モデルは、「特徴」で説明した通り、文字がやや見にくくなります。気にならない方も多いとは思いますが、仕事で長時間使うなら、普通のIPS液晶搭載モデルのほうがいいかもしれません。
また、HDMI経由で4K出力ができない点、メモリがオンボードなので後から換装出来ない点はご注意下さい。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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