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NEC LAVIE Direct PM(Pro Mobile)の実機レビュー
CPU | Core i3-8145U Core i5-8265U Core i7-8565U |
---|---|
メモリ | 4GB / 8GB / 16GB |
ストレージ | SATA / PCIe SSD |
液晶サイズ | 13.3型 |
液晶種類 | FHD IPS 光沢 タッチ FHD IPS 非光沢 |
質量 | バッテリー(M):783g~ バッテリー(L):837g タッチ液晶:941g |
バッテリー | (M):約13.3時間 (L):最大約20.0時間 |
LTE | 対応 |
価格[税別] | 13万円台~ |
LAVIE Direct PM(LAVIE Pro Mobile)は、完成度の高いモバイルノートPCです。
モバイルノートPCとして重要な要素には、軽さ、バッテリー駆動時間、堅牢性、LTEへの対応などが挙げられますが、LAVIE Direct PMはこれらすべての条件を満たしています。
具体的には、1kgを切る質量、最長約20時間のバッテリー駆動時間、新素材を使用して確保した高い堅牢性となっており、LTEにも対応しています。ここに挙げた2~3を備えたノートPCはいくつかありますが、すべての条件を満たしている13.3型ノートPCは、非常に珍しいです。
なお、バッテリーは(M)と(L)があり、バッテリー駆動時間がかなり変わってくるためお気を付けください。バッテリー(L)のモデルがおすすめです。
レビュー機は、当サイトの購入品です。
レビュー機の構成
Core i7-8565U、16GBメモリ、256GB PCIe SSD、FHD IPS 非光沢、LTE
目次
お忙しい方は、「LAVIE Direct PM(Pro Mobile)の特徴」のみお読みください。
LAVIE Direct PM(Pro Mobile)の特徴
1kg以下、かつロングバッテリー
LAVIE Direct PM(Pro Mobile)の特徴の1つは、1kg以下の質量でありながら、バッテリー駆動時間が最大20.0時間もある点です。質量とバッテリー駆動時間はトレードオフの関係にあり、どちらかを優先した製品がほとんどですが、この2つを両立させているモバイルノートは数少ないです。
なお、LAVIE Direct PMには、バッテリー(M)のモデルと、バッテリー(L)のモデルがあり、大きく駆動時間が異なるためご注意下さい(下表参照)。
バッテリー(M)とバッテリー(L)のモデルの質量差は54gほどしかありません。この程度の質量差でバッテリー駆動時間が大きく延びるのであれば、バッテリー(L)搭載を選択するほうがメリットは大きいと思います。
おすすめは、Core i5、FHD、バッテリー(L)の構成です。
Core i3-8145U | Core i5-8265U | Core i7-8565U | ||||
液晶 | FHD | FHD タッチ | FHD | FHD タッチ | ||
バッテリー | バッテリー(M) | バッテリー(L) | ||||
駆動時間 | 約13.3時間 | 約20.0時間 | 約13.7時間 | 約19.5 ~20.0時間 |
約14.1時間 | |
質量 | 約783g | 約785g | 約837g | 約941g | 約837g | 約941g |
おすすめ | おすすめ | 準おすすめ |
LTE対応
LAVIE Direct PMは、LTEを選択することもできます。当サイトで確認した限りでは、ノートラブルで使用できました。LTE対応PCはトラブルも多かったりしますが、本製品なら安心して使えるでしょう。詳細は「LTEの通信テスト」をご覧ください。
指紋センサー内蔵の電源ボタンで簡単ログイン
LAVIE Direct PM(Pro Mobile)には、指紋センサー内蔵の電源スイッチが配置されています。ほんの少しだけ電源ボタンを長押しすると、スリープ解除とログオンを一度に行えるため便利です。
バックライトキーボードではない
LAVIE Direct PMの残念な点は、キーボードがバックライトに対応していない点です。スライドでの説明がある暗い会場などで、記事やレポートを書かなければならない場合、タイピングしにくいです。ただ、明るい場所のみで使用する方は気にしなくてもいいでしょう。
ライバル機種との比較
ライバル機種との比較を行います。比較するのは、最大のライバルとなりそうな、13.3型モバイルノートPCで世界最軽量である、富士通のLIFEBOOK WU2/C3です。
最軽量構成での質量はLIFEBOOK WU2/C3の方が軽量ですが、大容量バッテリーを搭載した場合は、LAVIE Direct PMの方が軽量です。
また、LAVIE Direct PMは、LTEに対応しており、外出先でもネットワーク接続を多用する場合は、LIFEBOOK WU2/C3よりも有利です。一方、LIFEBOOK WU2/C3は、フルサイズ対応SDカードスロットや有線LANポートも搭載しており、インターフェイスの面でのアドバンテージがあります。
[本製品] LAVIE Direct PM |
富士通 LIFEBOOK WU2/C3 |
|
画像 | ||
CPU | 第8世代Core (U) Whiskey Lake-U |
|
ストレージ | SATA / PCIe SSD | |
液晶サイズ | 13.3型 | |
液晶種類 | FHD IPS 光沢 タッチ FHD IPS 非光沢 |
FHD IPS 非光沢 タッチ FHD IPS 非光沢 |
インターフェイス | USB3.1 USB3.1 Type-C USB 3.0 Type-C HDMI microSDカード |
USB 3.0 x2 USB3.1 Type-C x2 HDMI SDカード 有線LAN |
LTE | 対応 | 非対応 |
質量 | バッテリー(M):約783g~ バッテリー(L):約837g~ |
25Whバッテリー:約698g~ 50Whバッテリー:約915g~ |
サイズ[mm] | [幅] 307.8 [奥行] 215.7 [高さ] 15.5 |
[幅] 309 [奥行] 212 [高さ] 15.5 |
バッテリー | M:約13.3時間 L:最大約20.0時間 |
25Wh:約11.5時間 50Wh:最大約24時間 |
参考までに、モバイルPCの鉄板構成の時の価格も掲載します。NECは10%割引クーポン、富士通は22%割引クーポンをそれぞれ適用した価格です。現時点では、発売されて日が経っているLIFEBOOK WU2/C3の方がやや安いです。
[本製品] LAVIE Direct PM |
富士通 LIFEBOOK WU2/C3 |
|
CPU | Core i5-8265U | |
メモリ | 8GB | |
ストレージ | 256GB SSD | |
液晶種類 | FHD IPS 非光沢 | |
LTE | なし | |
バッテリー | バッテリー(L) | 50Wh |
価格[税別] | 152,800円 | 141,197円 |
液晶ディスプレイのチェック
LAVIE Direct PMの液晶ディスプレイは見やすいです。詳細については、下のタブをご覧ください。
なお、最大輝度は、当サイトの計測では324cd/m2とやや高いです。
- 視野角
- RGB
発色特性 - 色域
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
LAVIE Direct PMのキーボードのチェックです。
キーピッチは18.5mm(縦方向も実測で18.5mm)と、13.3型のノートPCとしては十分です。キーストロークは1.2mmと浅めですが、静音性を高めつつ、打ち込み感のある打鍵感を得られるように工夫されています。
キー配列は、FnとCtrlキーが通常と逆である点を除いては標準的ですし、特別小さいキーもありません。
キーの表面には、プレミアムUVコーティングが施されており、汚れにくく、印字の摩耗を防ぐ効果があります。清潔感のある見た目を保つことができます。
キーボードにバックライトが付いていないのはデメリットです。
タッチパッドの操作性は普通だと思います。
パフォーマンスのチェック
LAVIE Direct PM(Pro Mobile)のパフォーマンスのチェックです。
CPU
モバイルノートとしては標準的なCPUを搭載しています。
~ CINEBENCH R20 ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
グラフィックスは、Intel UHD グラフィックス 620です。モバイルノートとしては標準的な性能です。
~ 3DMark Time Spy ~
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
ストレージ
ストレージは、SATA SSD や PCIe SSDを搭載でき高速です。
~ CrystalDiskMark ~
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
実際のソフトで計測した処理時間
次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。
エンコード時間 | |
x265でエンコード (※1) | 31分40秒 |
QSVでエンコード (※2) | 3分20秒 |
NVENCでエンコード (※3) | ― |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
LTEの通信テスト
対応バンド
搭載されているLTEモジュールは「EM7565」です。選択できるのは、Core i7もしくはCore i5搭載モデルで、対応しているLTEバンドは、下の表のとおりです。ドコモ、au、ソフトバンクの重要なLTEバンドにはすべて対応しています。ただし、LTEを選択するための追加料金は、22,000円とやや高めです。
LTE接続できるかのテスト
今回、IIJmio(ドコモ回線)、UQ mobile(au回線)のMVNO SIMでテストしたところ、どちらも問題なく接続できました。
スリープ復帰後、LTE接続するまでの時間
次に、スリープ復帰後、LTEに接続するまでの時間を調べました。IIJmio(ドコモ回線)は3~6秒と非常に高速でした。UQ mobile(au回線)はIIJmioよりは遅いですが、他のPCと比べて普通の接続時間だと思います。
時間 | |
IIJmio(ドコモ回線) | 3~6秒 |
UQ mobile(au回線) | 約12秒 |
再起動後にLTE接続できるかのテスト
再起動しても正常にLTE接続できるかを、IIJmioおよびUQ mobileとも、5回ずつ試しましたが、いずれも全て正常に接続できました。
カードリーダー/ライターのチェック
内蔵カードリーダー/ライターのチェックです。
microSDカードのみ対応しています。カード挿入後の出っ張りはほとんどないです。
SDカードリーダー/ライターの速度は比較的速いです。
USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト
USB Type-Cポートを利用して、純正品以外の充電器やドックが使えるか試した結果を、下表に掲載します。
Thunderbolt 3および映像出力にも対応していません。映像出力にはHDMIポートを使いましょう。ただ、18Wの充電器で充電できたのは良かったです。
充電できるか? | 外部モニター / 有線LANの拡張 |
||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | 〇 | LANのみ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | 〇 | × | |
PD充電器 ※1 |
ZHOULX 充電器(65W) | 〇 | ― |
AUKEY 充電器(46W) | 〇 | ― | |
cheero 充電器(18W) | 〇 | ― | |
5V充電器 ※2 |
ANKER 充電器(5V/2.4A) | × | ― |
AUKEY 充電器(5V/2.4A) | × | ― | |
その他 | USB C-DPケーブルで外部モニター接続 | ― | × |
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器
質量のチェック
LAVIE Direct PMの質量を他の13.3型モバイルノートと比較します。
LAVIE Direct PMは、最軽量ではないものの、モバイルPCの中でもかなり軽量です。
バッテリー(L)を搭載しても、約837gしかないので、単位質量あたりのバッテリー駆動時間は非常に優秀です。
当サイトの計測値は下表の通りです。なお、今回は、バッテリー(L)に非タッチ液晶を搭載したモデルとなります。LTEモジュールを追加したせいか、837gよりやや重くなっていました。
質量 | |
PC本体 | 847g |
ACアダプター | 220g |
バッテリー駆動時間のチェック
LAVIE Direct PM(Pro Mobile)のバッテリー容量を、他の13.3型モバイルノートと比較します。
当サイトによる確認では、バッテリー(L)は約49Whで、多いバッテリー容量です。バッテリー(M)の容量は、こちらの記事を見ると、約33Whのようです。
バッテリー駆動時間は下表のようになっています。バッテリー(L)なら比較的長めの駆動時間です。
バッテリー(L) | バッテリー(M) | |
(1) JEITA2.0測定方法 ※1 | 最大約20.0時間 | 約13.3時間 |
(2) 動画再生時 ※2 | 9時間08分 | ― |
(3) PCMark 8 Work テスト ※3 | 6時間03分 | ― |
※1 メーカー公表値
※2 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※3 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
また、次の条件を満たし、オプションの「PC-VP-BP131」のACアダプターを使えば、1時間で約80%まで充電できる急速充電にも対応しています。購入したい方は、オプションで追加するのをお忘れなく。
当サイトで計測した充電時間は次のようになっています。なお、標準で同梱していたACアダプターを使って計測しています。充電時間は、他のモバイルノートと比較して遅いです。充電時間が重要なら、上のオプションのACアダプターの購入をおすすめします。
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。それ以外の状態の動作音も、他のノートと比較して低めだと思います。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
普通の温度です。
エンコード時の温度の詳細
下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。70℃台で推移しており、問題ないと思います。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
パームレスト部分の温度はほとんど上がらないので、快適に操作できます。裏面は高めの負荷をかけるとやや暖かくなるので、膝の上にPCを載せて作業をするときは気を付けましょう。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
やや低めの消費電力です。
外観のチェック
LAVIE Direct PMの外観は、シンプルで美しいです。
天板には新素材カーボンが採用されており、軽量かつ頑丈です。落下試験もクリアした信頼性の高いボディはビジネス用のモバイルPCとしても適しています。
カラーラインナップは次の通りで、クラシックボルドー、フレアゴールド、メテオグレーの3色があり、モデルによって選択できる色が異なります。一番無難なのはメテオグレーだと思います。
今回は、メテオグレーのカラーで外観を見ていきます。
ヒンジや排気口が隠されていたり、パームレストとキーボードフレームに凹凸がなかったりと、スッキリとしています。
天板のセンターのマークがアクセントになっていますが、「NEC」や「LAVIE」といったロゴではないので、大人のカッコよさがあります。
スピーカーは底面に配置されており、音質は普通です。勝手に点数をつけると、10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
指紋センサー内蔵の電源ボタンです。
液晶とベゼルには段差があります。
排気口は液晶の下の位置にあります。
ヒンジはロールダウンするようになっています。
液晶は約180度開くことができます。
ポート類は、HDMI出力やフルサイズのUSB 3.1ポートを備えており、実用的です。
加えて、USB Type-Cポートを2つ備え、そのうち1ポートはPCへの給電ができるUSB PD対応となっています。ただし、前述しましたが、USB Type-CポートはThunderbolt 3 や映像出力には対応していません。また、SDカードスロットは、microSDカードのみ対応しています。
底面はすっきりとしています。
底面カバーを外したときの画像です。メモリはオンボードです。メモリの換装はできないため、十分な容量を搭載しておくことをおすすめします。
M.2 SSDは換装できると思います。
標準で添付されていたACアダプターです。容量は45Wです。
まとめ
以上がLAVIE Direct PM(Pro Mobile)のレビューです。
1kgを切る軽さと、最大約20.0時間の長時間バッテリー駆動を両立している点が特徴的です。
さらに、LTEにも対応可能です。NEC、富士通、東芝の三大有名メーカーの個人モデルPCとしては、おそらく唯一のLTE対応モデルです。また、今回試した限りではノートラブルでした。
液晶の品質、キーボードの打ちやすさについても標準以上の性能です。
非公式ではありますが18Wの小型充電器が使えたのもメリットです。
13.3型ノートPCは、モバイルノートPCのメインストリームとなっており、競合機種も多いですが、ここまでモバイルPCに求められる要素が揃っているノートPCは珍しいです。
強いて言えば、キーボードがバックライトに対応していないのが残念です。また、上下のベゼルはもっと狭くできたかなと思います。標準のACアダプターだと充電時間が非常に遅い点もやや気になります。
いずれにしても、完成度の高いモバイルノートPCなので、モバイルノートを探しているのであれば、要チェックです。
完成度の高いモバイルPC
LAVIE Direct PM(Pro Mobile)
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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