※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
レノボ ideapad 720Sの実機レビュー
第8世代CPU搭載の高性能モバイルPCが9万円台
ideapad 720Sは、恐ろしくコストパフォーマンスの高いモバイルノートPCです。
第8世代インテルCoreプロセッサー、フルHD IPS液晶、PCIe SSD、JBLスピーカーを搭載しながら、9万円台(時期によって異なります)の安さです。
以前は、第7世代Core i5を搭載し、7万円台という非常に高いコスパのモデルもありましたが、現在は販売を終了しています。
質量は約1.14kgと比較的軽く、バッテリー駆動時間も最大約13.6時間と、モバイルとしての性能も優れています。
さらに、アルミを採用した薄型ボディに、狭額縁液晶を搭載し、デザインも良いです。ボディの周りはダイヤモンド加工が施されており、キラリと光るようになっています。
2018.3.29 第8世代CPU搭載モデルのベンチマークなどの結果を追記
CPU | 第7世代、第8世代CPU |
メモリ | 8GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 13.3型ワイド |
液晶種類 | FHD 非光沢 |
質量 | 約 1.14kg |
バッテリー | 約12.0~13.6時間 |
サイズ | 305.9x213.82x13.6mm |
LTE | 非対応 |
価格 | 9万円台~ |
レビュー機は、1台は購入品、1台はメーカーからの借用品です。今回は次の構成でレビューをしています。
- Core i5-7200U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD【現在、このCPUのモデルは販売していません】
- Core i5-8250U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD NEW!
目次
お忙しい方は、「1」の特徴のみお読みください。
1 ideapad 720Sの特徴 | |
2 液晶ディスプレイのチェック | 3 キーボードおよびタッチパッドのチェック |
4 パフォーマンスのチェック | 5 質量のチェック |
6 バッテリー駆動時間のチェック | 7 静音性のチェック |
8 パーツの温度のチェック | 9 表面温度のチェック |
10 消費電力のチェック | 11 外観のチェック |
12 まとめ |
ideapad 720Sの特徴
高いコストパフォーマンス
ideapad 720Sは、第8世代Coreプロセッサー、フルHD IPS液晶、PCIe SSD、JBLスピーカーを搭載し、また約1.14kgと比較的軽量で、バッテリー駆動時間も十分ありながら、9万円台という高コスパのモバイルノートです(時期によっては10万円台です。週末に安くなりやすいです)。
このくらいの高スペックなモバイルPCは、12万円以上するのが普通ですが、ideapad 720Sはかなり価格が抑えられていると思います。同じレノボの製品であるYOGA 920やYOGA 720、ideapad 520と外観が似ているため、かなりのパーツを共通化しているのでしょう。
恐ろしく高いコストパフォーマンス
狭額縁液晶で、デザインも悪くない
ここまで安いと、外観がひどい場合もありますが、本製品はそんなこともありません。
液晶は、流行りの狭額縁を採用し、見た目が今風です。ボディはアルミ製で、エッジやタッチパッド周りはダイヤモンド加工が施され、キラリと光るようになっており、高級感もあります。本体も非常に薄く、10万円以下で購入できるPCには見えません。
狭額縁液晶で今風のデザイン
キラリと光るダイヤモンドカット
薄型のボディ
液晶が約180度も開く
ちょっとしたことですが、ideapad 720Sは、液晶が約180度開くというメリットもあります。
あまり傾かないPCだと、座高の高い人は上からのぞき込むような形になり、画面が見にくいことがあります。また、ビジネスマンが、何かの現場作業を使う場合、床にPCを置いて使うこともあるかと思います。そういった場合に、液晶がここまで開くと便利です。
液晶は約180度開く
USBポートの数は多いが、SDカードスロットはなし
ideapad 720Sは、USB3.0 Type-C(PD対応)が1ポート、USB3.1 Type-C(PD、Thunderbolt 3、DP出力対応)が1ポート、フルサイズのUSB3.0が2ポートと、USBポートの数は十分あります。
ただし、SDカードスロットはありません。ライターやカメラユーザーなどは、撮影した写真を、外出先でPCに取り込むときは、SDカードを使うことが多いと思いますが、本製品はそれができません。無線で転送するか、外付けカードリーダーを使う必要があります。
USBポートの数は十分だが、SDカードスロットはなし
ideapad 320Sとの比較
ideapadシリーズは、720Sと同様に13.3型で第8世代CPUを搭載し、外観も似ている「320S」という機種が存在します。ここではこの2機種について比較します。
まず、ideapad 320Sですが、こちらは店頭販売向けの製品となっており、Office付きで約9万円という非常にコスパの高い製品となっています。ただし、バッテリー駆動時間が最大で約6.1時間と短いのがデメリットです。実環境で使った場合、3時間前後しかバッテリーはもたないと思います。またメモリも4GBと少なめです。
最後に、今回レビューしているideapad 720Sですが、バッテリー駆動時間が長く、しかも比較的軽量で、モバイルノートPCとしてのバランスは、こちらのほうが良いと思います。
ideapad 320S | ideapad 720S | |
---|---|---|
液晶 | 13.3型 IPS 1920x1080 |
13.3型 IPS 1920x1080 |
CPU | Core i3-7100U Core i5-8250U |
Core i7-7500U Core i5-8250U Core i7-8550U |
メモリ | 4GB | ~8GB |
ストレージ | PCIe SSD | PCIe SSD |
バッテリー | ~約6.1時間 | ~約13.6時間 |
質量 | 約1.2kg | 約1.14kg |
Office | あり | なし / あり |
価格 | 9万円~ | 9万円台~ |
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
最大輝度は、当サイトによる計測では317 cd/m2でした。
視野角は、IPSパネルを搭載しているため広いです。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。わずかに青色が強いですが、1:1の直線に近く、自然な発色になっていると思います。
色域は、ノートパソコンとしてはやや広いです。
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
非光沢液晶ですので、画面への映り込みは低減されています。
画面への映り込み
画面の拡大図です。ギラつきは感じません。
画面拡大
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
2017年下半期に発売されたYOGAシリーズ、ideapadシリーズと共通化したキーボードです。普通の打ちやすさだと思います。
電源ボタンが、キーボードの右上に組み込まれていて、最初はダサいと思いましたが、その分電源ボタンを配置するスペースが上部になく、キーボード全体が上に配置されているため、パームレスト部分が広くなっています。
キーボード全体図
キーの拡大図1
キーの拡大図2
キーの拡大図3
キーの拡大図4
バックライトキーボードも搭載しています。
バックライトキーボード搭載
タッチパッドは普通の操作性です。クリックボタンは比較的軽い力で押すことができるため、押しやすいです。
トラックポイント&タッチパッド
パフォーマンスのチェック
ideapad 720Sのパフォーマンスのチェックです。
CPU
下のようなCPUを選択できます。筆者の独自判断ですが、選び方も記載しているので参考にしてください。
※現在、選択できないCPUもあります。
CPUの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
ストレージ
ストレージは、非常に高速なPCIe-NVMe SSDを搭載しています。しかも、3,000MB/sを超えるかなり高速なSSDです。
ストレージの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
ideapad 720Sで計測したベンチマーク
以下、レビュー機で計測したベンチマークスコアです。Core i5-8250Uを搭載した他のノートPCよりも、ややスコアが低めでした。
(CPU性能の評価)
Core i5-8250U
(CPU性能の評価)
Core i5-7200U
Core i5-8250U
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)
Core i5-7200U、インテル HD グラフィックス 620
Core i5-8250U、インテル UHD グラフィックス 620
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
Core i5-7200U | Core i5-8250U | |
---|---|---|
x265でエンコード (※1) | 45分58秒 | 29分58秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― | ― |
QSVでエンコード (※3) | 4分52秒 | 3分50秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
(ストレージの評価)
256GB PCIe-NVMe SSD(SAMSUNG MZVLW256HEHP-000L2)
USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト
USB Type-Cポートを利用して、下表の他の充電器やドックで充電などができるかを試した結果を掲載します。
ideapad 720Sは、下図のポートのみThunderbolt 3およびDisplayPort出力に対応しています。
Thunderbolt 3に対応したポート
このポートに機器を接続して、動作するか確認するかを確認した結果が下の通りです。
充電できるか? | 外部モニターや LANの拡張 |
||
---|---|---|---|
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | OK | OK |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | OK | OK | |
充電器 | Helper 充電器(60W) | OK | ― |
ZHOULX 充電器(65W) | OK | ― |
さらに、ideapad 720Sは、Lenovo Thunderbolt 3 Graphics Dockにも正式に対応しています。こちらのレビューについては、「Lenovo Thunderbolt 3 Graphics Dockのレビュー」をご覧ください。
Lenovo Thunderbolt 3 Graphics Dockにも対応
質量のチェック
ideapad 720Sの軽さのチェックです。
メーカー仕様表を確認すると、「約1.14kg」となっています。
当サイトによる計測値は下図の通りです。ほぼメーカー仕様値通りで、1.111kgでした(ぞろ目で気持ちいいです)。
ACアダプターは270gと、平均よりもやや重いかなと思います。
質量の実測結果
バッテリー駆動時間のチェック
ideapad 720Sのバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は、当サイトで確認したところ約48Whでした。普通の容量だと思います。
バッテリー駆動時間のメーカー仕様値は、搭載するCPUによって変わってきますが、Core i5-8250Uを搭載したモデルは約12.0時間となっています。
当サイトで計測したバッテリー駆動時間は、下表の通りです。一般的なモバイルノートPCと比べて、普通の駆動時間だと思います。
Core i5-7200U | Core i5-8250U | |
---|---|---|
PCMark 8 Home のテスト ※1 | 5時間05分 | |
PCMark 8 Work のテスト ※2 | 6時間36分 | 5時間17分 |
動画再生時 ※3 | 7時間10分 | 7時間00分 |
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生