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HP Spectre 13 (2017年11月モデル)の実機レビュー
デザインを重視する方にもおすすめの本格モバイルノートPC
Spectre 13(2017年11月モデル)は、見た目が素敵な「Spectre 13シリーズ」の最新モデルです。
「セラミックホワイト」の筐体は、まさに磁器のような美しさと、清楚さをまとっています。所有する歓びを感じることができます。
さらに、2018年3月9日にはゴージャス感のある「アッシュブラック」のカラーも追加されました。
デザインが良いだけでなく、最新の第8世代インテルCoreプロセッサーに加えて、PCIe NVMe M.2の高速SSDを備え、性能も高くなっています。
質量は、約1.11kgとモバイルノートパソコンにおいても比較的軽い部類です。上質なノートパソコンを気軽に持ち運ぶことができます。
また、液晶ディスプレイは、クラムシェル型PCとしては珍しく、タッチパネルに対応しています。
バッテリー駆動時間は、他のモバイルPCと比べて短めですが、急速充電機能に対応し、30分で約50%充電できます。
価格は安くはありませんが、性能とデザイン性の高さを考えると、納得できるでしょう。
CPU | 第8世代Core |
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 13.3型ワイド |
液晶種類 | FHD IPS タッチ 光沢 |
質量 | 約1.11kg |
バッテリー | 約11時間15分 |
LTE | 非対応 |
価格 | 149,800円(税抜)~ |
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
- Core i5-8250U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD、セラミックホワイト
- Core i7-8550U、16GBメモリ、512GB PCIe SSD、アッシュブラック NEW!
目次
お忙しい方は、「1」の特徴のみお読みください。
1 Spectre 13(2017年11月モデル)の特徴 | |
2 液晶ディスプレイのチェック | 3 キーボードおよびタッチパッドのチェック |
4 パフォーマンスのチェック | 5 USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト |
6 質量のチェック | 7 バッテリー駆動時間のチェック |
8 静音性のチェック | 9 パーツの温度のチェック |
10 表面温度のチェック | 11 消費電力のチェック |
12 外観のチェック | 13 まとめ |
Spectre 13(2017年11月モデル)の特徴
上質デザインが特徴的
Spectre 13(2017年11月モデル)の大きな特徴は、上質なデザインです。
セラミックホワイトのボディは、まさに陶器のようなクールな美しさを感じます。筐体は、CNCアルミニウム削り出しボディをベースとし、底面部はカーボンファイバーにより構成されています。たわみに強いユニボディが採用されており、美しさだけでなく、堅牢性も備えています。ナローベゼルを採用することで、正面からの見た目もすっきりし、モダンな印象を受けます。
美しい筐体なので、傷や指紋が気になりますが、アニオン電着塗装がされており、ひっかき傷にも強く、特殊処理により指紋も付きにくくなっているようです。
さらに、2018年3月には、アッシュブラックのボディも追加されました。ダークグレイを基調に、ブロンズゴールドをあしらい、ゴージャス感のあるデザインになっています。
クールなデザイン
ゴージャスなデザイン
質量は1.11kgと軽量であり、ボディの厚みも10.4mmと、とても薄くなっています。気軽に持ち運べるというよりも、毎日持ち運びたくなるパソコンです。
このように、日常を彩るアクセサリのような存在でありながら、中身はハイスペックとなっており、まさに"ラグジュアリーPC"という言葉がぴったりです。
本体の薄さも特徴の一つ
クラムシェルPCとしては珍しいタッチ対応ディスプレイ
Spectre 13(2017年11月モデル)は、クラムシェル型のモバイルノートPCとしては珍しくタッチ操作にも対応しています。
もちろん、IPS方式の液晶を採用しており見やすいです。ただし、光沢液晶であるため、ここは評価が分かれるところだと思います。
タッチパネル対応ディスプレイ
USB Type-Cポートしかないのはデメリットとなる方も
Spectre 13(2017年11月モデル)は、そのインターフェイス構成も特徴的で、ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポートの他は、USB Type-Cポートを3つ備えるのみです。
フルサイズのUSB接続の周辺機器を使いたい方などには、デメリットになると思います。ただし、これから周辺機器も買い替えようという方は、USB Type-C対応の周辺機器も充実してきたので、それほど困ることはないと思います。
なお、3つのUSB Type-Cポートは電源オフUSBチャージ機能に対応しています。また、3つのうちの2つは、Thunderbolt 3にも対応しています。
USB Type-Cポートを3つ備える
旧モデルとの比較
Spectre 13(2017年11月モデル)を、旧モデルのSpectre 13と比較し、気になる部分を表にしてみました。
2017年11月モデル | 旧モデル | |
---|---|---|
カラー | セラミックホワイト アッシュブラック |
ダークグレー ブロンズゴールド |
CPU | Core i5-8250U Core i7-8550U |
Core i5-7200U Core i7-7500U |
メモリ | 8GB / 16GB | 8GB |
SSD | SSD 256GB~512GB (PCIe NVMe M.2) |
SSD 256GB / 512GB (PCIe NVMe M.2) |
ディスプレイ | 13.3 FHD IPS タッチ | 13.3 FHD IPS |
幅 x 奥行 | 約308x225mm | 約325x229mm |
高さ(最薄部) | 10.4mm | 10.4mm |
質量 | 約1.11kg | 約1.11kg |
バッテリー | 4セル(約43Wh) ファストチャージ対応 |
4セル(約38Wh) |
バッテリー駆動時間 | 約11時間15分 | 約10時間 |
比較してわかるように、プロセッサーの性能とメモリの上限が向上しています。このため、旧モデルより処理能力がさらにアップしています。
また、Spectre 13(2017年11月モデル)は、ディスプレイに狭額ベゼルを採用することで、サイズは一回り小さくなっています。
新モデルではバッテリー駆動時間が増えていますが、これはバッテリー容量が増えたためです。
価格はやや高め
Spectre 13(2017年11月モデル)は、Core i5、8GBメモリ、256GBのSSDを搭載したスタンダードモデルが149,800円から、Core i7、16GBメモリ、512GBのSSDを搭載したパフォーマンスモデルが179,800円からとなっています。※価格は時期によって変わります。
第8世代CPUの場合、Core i5もCore i7も、それほど大きく性能は変わらないため、個人的には、安いスタンダードモデルで十分だと思います。
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
液晶型番は不明です。
最大輝度は、当サイトによる計測で、244cd/m2でした。やや低めです。
視野角は良好です。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。やや寒色系の画面であることが分かります。
色域は、広めです。sRGBをほぼカバーしています。
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
画素形状は下図の通りです。斜めに線が見えると思いますが、おそらくタッチパネルの電極です。この電極の影響で、斜めから見ると若干ギラついているようにも見えますが、正面から見た場合はそれほど気にならないでしょう。
画素の拡大図
光沢液晶であるため、 画面への映り込みがあります。
画面への映り込み
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
セラミックホワイトは日本語キーボードですが、アッシュブラックは英語キーボードとなっているため、ご注意下さい。
セラミックホワイト
メーカーの仕様表を確認すると、キーピッチ:約19×19mm、キーストローク:約1.3mmとあります。最近のノートパソコンとして標準的なスペックでしょう。打ち出しのときに適度な抵抗感があり、そこからストンと落ちて、底付きの衝撃も軽減されているため、割と押しやすいと思います。
ただし、「Enter」キーが端にないため、この点は好まない方も多いと思います。慣れないと、端にある「pg up」などを押してしまいます。
キーボードバックライトも搭載しています。
キーボードバックライト
タッチパッドは面積が広く、ジェスチャー操作がしやすいです。クリックボタンは、普通の力で押せます。ただ、指が乾いているとやや反応が悪いように感じます。湿っている指の人は問題ないでしょう。また、タッチパッドが横に長いため、見ないでクリックすると、右クリックしたつもりが、左クリックになることがたまにあります。
タッチパッド
アッシュブラック
アッシュブラックは、英語キーボードとなっており、かな文字の刻印がないのと、「Enter」キー周りのキーの形状や、特殊文字の配列などが異なっています。
パフォーマンスのチェック
Spectre 13 (2017年11月モデル)のパフォーマンスのチェックです。
CPU
Uシリーズの第8世代インテルCoreプロセッサーを搭載しており高性能です。
CPUの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
ストレージ
ストレージは、高速なPCIe-NVMe SSDを搭載しています。
ストレージの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
Spectre 13 (2017年11月モデル)で計測したベンチマーク
以下、実機で計測したベンチマークスコアを掲載します。
薄型で放熱性がそれほど良くないせいか、同じCPUを搭載した他のPCよりも、ややベンチマークスコアは低めに出ています。
(CPU性能の評価)
Core i5-8250U
Core i7-8550U
(CPU性能の評価)
Core i5-8250U
Core i7-8550U
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)
Core i5-8250U、インテル UHD グラフィックス 620
Core i7-8550U、インテル UHD グラフィックス 620
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
Core i5-8250U | Core i7-8550U | |
---|---|---|
x265でエンコード (※1) | 34分54秒 | 32分05秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― | ― |
QSVでエンコード (※3) | 3分46秒 | 3分32秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
エンコード中のCPUクロックの推移(Core i7-8550U)
(ストレージの評価)
256GB PCIe SSD(SAMSUNG MZVLW256HEHP-000H1)
512GB PCIe SSD(SAMSUNG MZVLW512HMJP-000H1)
USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト
USB Type-Cポートを利用して、他の充電器やドックで充電などができるかを試しました。
当サイトにて、充電器やドックを接続したときの結果は次の通りです。試した全て機器が利用できました。
ただし、3つある1つのUSB Type-Cポート(一番左端)のみ、Thunderboltには対応していないためご注意下さい。
充電できるか? | 外部モニターや LANの拡張 |
||
---|---|---|---|
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | OK | OK |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | OK | OK ※ | |
外部GPU BOX | AORUS GTX 1070 Gaming Box | OK | OK |
充電器 | Helper 充電器(60W) | OK | ― |
ZHOULX 充電器(65W) | OK | ― |
ただし、どの機器を接続しても、下図のような警告メッセージが表示されます。他メーカーの機器を使用して故障しても保証してくれないと思うので、自己責任で使用しましょう。
充電器を接続したときの警告メッセージ
質量のチェック
Spectre 13 (2017年11月モデル)の質量のチェックです。
メーカー仕様表では、約1.11kgとなっており、比較的軽量です。
当サイトで計測した結果は次の通りで、PC本体が1.116kgと、仕様値とほぼ一緒でした。また、アッシュブラックのPCでの計測結果もほど同じです。
ACアダプターは、電源コードまたはダックヘッド(ウォールマウントプラグ)のどちらからを接続して使います。電源ケーブルを接続すると、遠く離れたコンセントに接続できますが、質量は重くなります。状況によって変えると良いでしょう。
また、充電可能なUSB Type-Cポートをたくさん搭載しているため、他のメーカーの充電器を買って、いざというときの携帯用にしてもいいと思います。
質量の計測結果
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
容量をフリーソフトで確認したところ、43,775Whとなっており、一般的なモバイルノートPCと比較すると、普通のバッテリー容量です。
バッテリー情報
当サイトで計測したバッテリー駆動時間は、下の表の通りです。他のモバイルノートPCと比較して、やや短めの駆動時間です。
Core i5-8250U | Core i7-8550U | |
---|---|---|
PCMark 8 Home テスト ※1 | 3時間48分 | 3時間35分 |
PCMark 8 Work テスト ※2 | 4時間23分 | 4時間17分 |
動画再生時 ※3 | 6時間46分 | 6時間19分 |
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。ここでは、Core i7-8550U搭載モデルのチェック結果を掲載します。
静音性のチェック
Spectre 13の動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。負荷をかけたときの騒音値は"やや静か~普通"といったところです。
パーツの温度のチェック
Spectre 13の温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
普通の温度です。
なお、エンコードを実行すると、下図のように11分を過ぎたあたりから、クロックダウンしたり戻ったりを繰り返しています。それに伴い、クロックが下がるとCPU温度も下がりますが、その分、エンコード時間は長くなります。
エンコード時のCPU温度とクロック
表面温度のチェック
表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
キーボード面は問題ない温度です。使っていて不快になることはないでしょう。裏面は高い負荷をかけると40度を超える部分があるため、膝の上に置いて作業をしない方がいいでしょう。低負荷のときは問題ない温度です。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
やや低めの消費電力です。
外観のチェック
外観のチェックです。
セラミックホワイト
削り出しのアルミニウムボディをベースに、底面にはカーボンファイバーが採用されています。2つの素材を使っていますが、見た目には違いが分からず統一感があります。
セラミックホワイトの製品の外観を掲載します。ホワイトのカラーが上品さと清潔感を生み出し、非常に美しいデザインです。
天板です。
液晶を閉じたときの画像です。
Bang & Olufsenのスピーカーを搭載しています。やや「サ行」の音が刺さりますが、ノートパソコンの中では比較的高い音質で、また最大音量も大きいです。ノートPC基準で点数をつけると、10点満点で6点の音質です(普通が5点で、筆者の独断の評価です)。
排気口は下図のような位置にあります。
ポート類は背面に集中しており、USB Type-Cポートと、ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポートしかありません。
フルサイズのUSB周辺機器を使用したいと思っている方は、アダプターなどを使う必要があるためご注意下さい。また、側面にポートがないため、頻繁に抜き差しする方は面倒に感じると思います。
ただし、USB Type-Cポートの数は多いため、最新のUSB Type-C対応周辺機器、充電器などはたくさん使うことができます。
液晶が開く最大の角度です。
底面です。
ACアダプターの画像です。
ACアダプターにダックヘッドを取り付けたときの画像です。
ACアダプターに電源コードを取り付けたときの画像です。
アッシュブラック
アッシュブラックの製品の外観を掲載します。
まとめ
以上が、HP Spectre 13 (2017年11月モデル)のレビューです。
クールなデザインの「セラミックホワイト」と、ゴージャスなデザインの「アッシュブラック」のカラーラインナップがあり、どちらも上質で、所有する歓びを感じることができる製品です。
デザインが良いだけでなく、第8世代インテルCPUにPCIe SSDを搭載し処理性能も高く、質量も約1.1kgと軽量です。デザインに惚れたら、買って後悔することはないでしょう。
また、2 in 1 PCではありませんが、タッチパネルに対応しており、スマホ世代の若い方は馴染みやすいのではないかと思います。
ただし、他のモバイルノートPCと比較して、ややバッテリー駆動時間が短めになっています。新モデルでは急速充電ができるファストチャージ機能が搭載されたので、これをうまく使うと良いでしょう。もしくは、USB Type-Cポートがいっぱいあるので、(メーカー保証外になると思いますが)外出先では他のメーカーのUSB Type-C充電器を使うのもいいと思います。
最後に、アッシュブラックのカラーは、英語キーボードとなっているため、ご注意下さい。
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HP ダイレクト
イラスト制作:歩華(@minyamum)
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1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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