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ASUS ZenBook S UX391UA(UX391UA-8550)の実機レビュー
CPU | Core i7-8550U |
---|---|
メモリ | 16GB |
ストレージ | 1TB PCIe SSD |
液晶サイズ | 13.3型 |
液晶種類 | 4K-UHD 広視野角 光沢 タッチ |
質量 | 約1.08kg |
バッテリー | 約11.2時間 |
LTE | 非対応 |
価格[税別] | 22万円台~ |
ZenBook S UX391UA(UX391UA-8550)は、4K液晶を搭載したモバイルノートパソコンです。
外にPCを持ち運んで、撮影した画像を確認したり、編集したりする用途に最適です。
質量は約1.08kgと軽く、ボディも薄いため、モバイルPCとしての性能にも優れています。
4K液晶を搭載しているため、消費電力はやや高めになりますが、バッテリーを50Whも搭載することで、バッテリー駆動時間が極端に短くならないようになっています。
レビューに用いた製品は、メーカーからの貸出機です。
レビュー機の構成
Core i7-8550U、16GBメモリ、1TB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「ZenBook S UX391UA(UX391UA-8550)」のみお読みください。
ZenBook S UX391UA(UX391UA-8550)の特徴
sRGB100%の4K液晶を搭載
ZenBook S UX391UA(UX391UA-8550)は、sRGB100%(メーカー公表値)の4K液晶を搭載しています。非常に高精細な液晶で、写真などが非常に綺麗に表示されます。また、文字もカクつかずに滑らかに表示可能です。
4K液晶のデメリットとしては、消費電力が高く、バッテリー駆動時間が短くなってしまう点です。もし、バッテリー駆動時間を重視したい場合、ZenBook S UX391UAの「UX391UA-825R」がいいでしょう。こちらはフルHDとなっています。
軽量・薄型のボディ
ZenBook S UX391UA(UX391UA-8550)は、質量が約1.08kg、高さが12.9mmと、軽量・薄型のモバイルノートです。4K液晶を搭載した軽量・薄型モバイルノートは珍しく、外出先へノートパソコンを持って行き、画像編集などを行うような方におすすめです。
非常にボディが薄いのでカバンへも入れやすいです。
ペン対応
本製品は、ペンにも対応しています。今回、純正のペンは借りていないため試していませんが、Surfaceペンも使用することができました。MPP対応のペンなら使えるのではないかと思います。
指紋認証装置を搭載
本製品は、指紋認証装置を搭載しています。外出先でログインするとき、周りの人にタイプしたパスワードを覗かれていないか気になりますが、指紋認証装置があればそういった心配はありません。
インターフェースの種類は少ないがUSB Type-Cは3つもあり
本製品のインターフェースは、USB Type-Cが3つとマイクロホン/ヘッドホン・コンボジャックのみとなっています。ただし、USB Type-Cポートは3つもあり、そのうち2つはThunderbolt 3にも対応しています。またいずれのポートもPowerDeliveryに対応しており、ACアダプターを用いて充電することが可能です。
ASUS ZenBook S UX391UAシリーズの比較
ASUS ZenBook S UX391UAには、いくつか種類があり、その違いは下の表の通りになっています。大きく異なるのは、液晶が4KかFHDかです。また、UX391UA-8550はタッチパネル(10点マルチタッチ)やペンにも対応しています。画像などを綺麗に表示したり、タッチパネルやペンを使いたいならUX391UA-8550を、バッテリー駆動時間を重視したいなら他の2機種がいいと思います。
UX391UA-825RSとUX391UA-825Rの違いは、Microsoft Office Home and Business 2016を搭載しているかどうかです。
[本製品] UX391UA-8550 |
UX391UA-825RS | UX391UA-825R | |
液晶 | 4K-UHD | FHD | |
タッチパネル | 搭載 | 非搭載 | |
CPU | Core i7-8550U | Core i5-8250U | |
メモリ | 16GB | 8GB | |
SSD | 1TB PCIe | 256GB SATA | |
バッテリー | 約11.2時間 | 約14.7時間 | |
質量 | 約1.08kg | 約1.05kg | |
Office | ― | MS Office | WPS Office |
価格[税別] | 229,800円 | 156,500円 | 129,500円 |
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
なお、型番は「JDI LPM133M385A」となっていました。
当サイトの計測では、最大輝度は306cd/m2で、やや高めです。
視野角は広いです。
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。やや寒色系の画面ですが、比較的自然な発色です。
色域は広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率が97.6%、sRGB比が99.8%でした。
画素形状です。ギラつきはありません。
光沢液晶ですので、画面への映り込みがあります。
最大輝度では起こりませんが、輝度を下げるとフリッカー(ちらつき)が発生します。ただ、肉眼でわかる人はほぼいないと思います。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードは、普通の打ちやすさです。
キーピッチは、メーカーサイトを確認すると19.05mm(横方向)とあります。縦方向のキーピッチは、実測で約18.5mmです。キーストローク(キートラベル)は、メーカーサイトには1.2mmと書かれており、やや浅めです。キートップはほぼフラットですが、わずかに湾曲しているようにも感じます。
また、半角/全角キーや、backspaceキーはやや小さくなっており、ややブラインドタッチするときにミスするかもしれません。enterキーの下側も通常のキーよりも幅がやや狭いですが、ここはほとんど気になりませんでした。
また、エルゴリフトヒンジにより、キーボードの奥側が持ち上がるようになっています。キーボードに傾斜が付いてタイピングしやすくなっています。
キーボードバックライトを搭載しており、特に印字がゴールドに光る点が特徴的です。イベント会場などで、部屋の照明を消してスライドで説明があり、暗闇の中でタイピングしなければならない時などに便利です。
タッチパッドは、手が乾燥しているとやや滑りすぎるかなと思います。クリックボタンは比較的軽い力で押せますが、クリック音はやや大きめです。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
ZenBook S UX391UA(UX391UA-8550)は、最近主流の第8世代Coreプロセッサーである「Core i7-8550U」を搭載しています。ベンチマークを計測してみると、2~3分で終わるような処理は高速ですが、数十分かかるような処理は遅いです。
例えば、比較的短時間で終わるCINEBENCH R15のスコアは次の通りで、同CPUを搭載した他のPCよりも高いスコアでした。
~ CINEBENCH R15 マルチコア ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
しかし、エンコードのように何十分もかかるような処理は、同CPUを搭載した他のPCよりも時間がかかりました。
~ TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間 ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
エンコード中のCPUクロックを確認してみると、本製品は、他のPCに比べてCPUクロックが低めで推移していました。長時間かかる処理は苦手のようです。
ただし、本製品は外出先へ携帯して使うことが多いモバイルノートPCです。そんなに長時間かかるような大きな負荷はかけない方が多いと思います。そういった方は、それほど気にすることはないと思います。
ストレージ
ストレージは、PCIe SSDを搭載しており、OSの起動などが高速で、快適に使えます。
~ CrystalDiskMark Seq Q32T1 Read [MB/s] ~
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
レビュー機で計測したベンチマーク
以下、レビュー機で計測したベンチマーク結果を掲載します。
TMPGEnc VMW 7 |
TMPGEnc VMW 6 |
|
x265でエンコード (※1) | 39分11秒 | 37分05秒 |
QSVでエンコード (※2) | 3分39秒 | 3分50秒 |
NVENCでエンコード (※3) | ― | ― |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 Intel CPU内蔵のハードウェアエンコーダー(Intel Media SDK)
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト
純正品以外のUSB Type-Cポート対応機器の動作チェックです。
ドックについては、ThinkPad USB Type-Cドックは利用できました。ただ、ThinkPad Thunderbolt 3 ドックとは相性が悪いのか正常に動作しませんでした。
PD充電器については18Wの充電器は充電できませんでしたが、46Wの充電器では充電できました。
5V充電器については、いずれも充電できませんでした。
なお、純正品以外の機器で充電し故障しても、当サイトでは責任を負えませんのでご注意下さい。
充電できるか? | 外部モニター / 有線LANの拡張 |
||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | 〇 | 〇 |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | × | × | |
PD充電器 ※1 |
ZHOULX 充電器(65W) | 〇 | ― |
AUKEY 充電器(46W) | 〇 | ― | |
cheero 充電器(18W) | × | ― | |
スマホ向け 充電器 ※2 |
ANKER 充電器(5V/2.4A) | × | ― |
AUKEY 充電器(5V/2.4A) | × | ― | |
その他 | USB C-DPケーブルで外部モニター接続 | ― | 〇 |
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器
質量のチェック
ZenBook S UX391UA(UX391UA-8550)の質量を他の13.3型モバイルノートと比較します。
本製品は約1080gと十分軽いPCではありますが、最近のモバイルノートはいずれもかなり軽くなっており、最近の製品の中では標準的かなと思います。
当サイトで計測した質量は次の通りで、メーカー公表値よりも、やや重かったです。ACアダプターは比較的軽いと思います。
バッテリー駆動時間のチェック
ZenBook S UX391UA(UX391UA-8550)のバッテリー容量を、他の13.3型モバイルノートと比較します。
下表の通り、バッテリー容量は、他社と比べてもかなり多いです。
バッテリー駆動時間は次のようになっています。(1)はメーカー公表値で、(2)と(3)は、当サイトによる計測値となります。今回、4K-UHD液晶を搭載しているため、FHD液晶よりも消費電力が高くなり、バッテリー駆動時間はそこまで長くはありませんでしたが、それでも十分、実用に耐える駆動時間だと思います。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0測定方法 ※1 | 約11.2時間 |
(2) 動画再生時 ※2 | 6時間11分 |
(3) PCMark 8 Work テスト ※3 | 4時間09分 |
※1 メーカー公表値
※2 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※3 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
本製品は急速充電に対応しています。当サイトで計測した充電時間は次の通りです。PCを起動したまま充電をしましたが、1時間で約69%も充電することができました。
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
全体的に、やや低めの動作音です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
普通の温度です。エンコード時の温度は、時間の推移によって変わるので次に詳細を説明します。
エンコード時の温度の詳細
下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。エンコード開始後、2~3分間は高いCPUクロックで動作するため、CPU温度も90℃超えます。それ以降はクロックダウンし、60℃台で推移します。60℃台だと、エンコード中にしては低めの温度なので、もう少しCPUクロックが高めに推移するように調整されていても良かったかなと思います。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
ボディが薄いこともあり、全体的に表面温度は高めです。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
FHD液晶搭載の13.3型ノートPCよりも、やや高めの消費電力です。
外観のチェック
ZenBook S UX391UA(UX391UA-8550)の外観写真を掲載します。
ボディカラーは、ディープダイブブルーとなっており、ブラックに近いブルーです。光の当たり具合ではほとんどブラックに見えます。ボディ素材はアルミニウム合金で、エッジやロゴはローズゴールドになっています。
ZenBookシリーズらしく、円状のスピンフィニッシュ加工が施されており、かっこいいです。
スピーカーは底面に配置されており、ややこもった感じがあります。また、正面側にあるため、タイピングしていると腕でスピーカー音がさえぎられてしまいます。最大音量もやや低めです。勝手に点数をつけると、10点満点で4点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
液晶が傾く最大の角度です。
インターフェースは、前述した通り種類は少ないですが、USB Type-Cは3つもあります。
底面は吸気口が無くシンプルです。吸気はキーボード面から行っているのだと思います。
排気はヒンジのあたりの隠れた部分から行っています。
ACアダプターは小型ですが、65Wもあります。
なお、ACアダプターの周りがテカっていますが、フィルムを貼ったままで撮影しているためです。フィルムを取ればテカりません。
まとめ
以上が、ZenBook S UX391UA(UX391UA-8550)のレビューです。
FHD液晶を搭載したモバイルノートパソコンは数多くある中、本製品は4K液晶を搭載した珍しいモバイルノートパソコンです。外出先で画像を綺麗に観たい/編集したいといった方におすすめです。
質量は軽く、ボディも薄く、モビリティ性能も高いです。
4K液晶を搭載していると、消費電力が高くなり、バッテリー駆動時間が短くなりますが、50Whものバッテリーを搭載することで、極端にバッテリー駆動時間が短くなるのを防いでいます。ただ、もしバッテリー駆動時間重視であれば、ZenBook S UX391UAシリーズの別モデル「UX391UA-825RS」のほうがいいと思います。
また、2~3分で終わる処理は問題ありませんが、数十分かかる処理を実行する場合、処理に時間がかかります。モバイルノートでここまで大きな負荷をかける方は少ないと思いますが、ご注意下さい。
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ASUS Store(ZenBookシリーズ)
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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