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マイクロソフト Surface Laptop 3 13.5インチの実機レビュー
CPU | Core i5-1035G7 Core i7-1065G7 |
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メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | SSD |
液晶サイズ | 13.5インチ |
液晶種類 | 2256x1504 タッチ |
質量 | 約1.265kg~ |
バッテリー | 最大約11.5時間 |
価格[税別] | 12万円台~ |
Surface Laptop 3 13.5インチは、アルカンターラ素材をパームレストに採用し、タイピングしていて心地よい点が特徴のモバイルノートです。
剛性の高いボディ、アスペクト比3:2で解像度も高い液晶を搭載している点も特徴です。
新モデルでは、Iris PlusをCPU内蔵グラフィックスとして搭載した第10世代Core(Ice Lake)を採用し、CPU内蔵としては高めのグラフィックス性能になりました。また、アルカンターラ素材ではない、フルメタルボディのモデルも登場し、選択肢が広がっています。待望のUSB Type-Cポートも搭載されています。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回、次の構成でレビューを行います。
レビュー機の構成
Core i5-1035G7、8GBメモリ、256GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「Surface Laptop 3 13.5インチ」のみお読みください。
Surface Laptop 3 13.5インチの特徴
Iris Plus内蔵の第10世代Core(Ice Lake)搭載
Surface Laptop 3 13.5インチは、第10世代Core i5-1035G7、もしくはCore i7-1065G7を搭載しています。
これらのCPUの特徴は、Intel UHD Graphicsよりもグラフィックス性能が高いIris Plusを内蔵していることです。CPU+外部GPUの構成よりも低消費電力で、コンパクト化が可能というメリットがあります。モバイルノートで、軽負荷のクリエイティブな作業を行いたい方に適しているでしょう。
2種類のパームレスト素材
Surface Laptopと言えば、パームレスト部がアルカンターラという温かみのあるファブリック素材となっている点が特徴でした。柔らかい素材で長時間タイピングしていても、手の平が痛くなりにくいというメリットがありました。
Surface Laptop 3 13.5インチでは、このアルカンターラ素材のモデルに加えて、メタル素材のモデルも追加されました。プラチナとコバルトブルーは、従来のアルカンターラ素材、サンドストーンとブラックは、メタル素材となっています。
アルカンターラ素材でも水分をはじきますが、より汚れにくく、きれいな状態を維持しやすい方がよければ、メタル素材のモデルがいいと思います。
アスペクト比3:2の液晶を搭載
Surface Laptop 3 13.5インチの搭載する液晶は、アスペクト比3:2、解像度2256x1504の液晶です。Surfaceペンやタッチ操作にも対応しています。
一般的なノートPCが搭載するアスペクト比16:9の液晶に比べて、縦方向の比率が高いため、上から下に目を動かす画面(WordやWeb)が見やすくなり、作業しやすいでしょう。また、フルHDよりも解像度が高い2256x1504ドットの液晶は、文字が滑らかに表示され、画像もザラツキなく表現できます。
タッチパッドおよびペンに対応
Surface Laptop3 13.5インチは、クラムシェル型のPCですが、タッチ操作に対応しており、ペンの使用も可能です。ただ、ラップトップ形状なので、ペン入力に関しては、Surface Pro 7の方が快適でしょう。
専用のドックあり
室内での使用時に、拡張性が必要であれば、やや値が張りますが、Surface Dockを使用するといいでしょう。Surface Dockを使用すると2台の外部ディスプレイを含めて、トリプルディスプレイ構成も可能になります。
Surface DockやSurfaceペンなど、Surfaceシリーズのアクセサリは、過去のものも含めてSurface Laptop 3 13.5インチで使用できるものが多いです。既にSurfaceシリーズのPCをお使いの方には、この変わらない作りがメリットとなることがあります。
スピーカーの音質が良い
Surface Laptop3 13.5インチは、ノートパソコンの中では、音質が非常に良いです。動画を視聴したり、音楽を聴いたりすることが多い方におすすめです。
USB Type-Cポートがようやく追加
Surface Laptop 3 13.5インチのインターフェイスは、通常サイズのUSB-Aと、ヘッドフォンジャックに加え、ようやくUSB Type-Cを搭載するようになりました。USB Type-Cポートは、USB PDおよび外部ディスプレイ出力にも対応しています。
ただし、SDカードリーダーはありません。クリエイティブ用途でも使えそうなスペックなので残念です。
MS Office H&Bバンドル
Surface Laptop 3 13.5インチには、Office Home & Business 2019がバンドルされています。これは、Surfaceシリーズの特徴となっています。
ただし、Officeソフトのライセンスを既に持っているユーザーや、Officeソフトを使用しないユーザーのために、Officeをバンドルしないモデルがあっても良かったです。
Surface Laptop 2との比較
最後に、Surface Laptop 3 13.5インチと、旧モデルのSurface Laptop 2の比較を行いました。
サイズや質量、液晶に関しては新旧の差はほとんどありません。スタイルとしては、ほぼ完成しているという認識なのかもしれません。CPUが最新になり、インターフェイスにUSB Type-Cが搭載され、順当な進化を遂げています。個人的にはもう少し質量を軽くなれば良かったです。
[本製品] Surface Laptop 3 |
[従来モデル] Surface Laptop 2 |
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画像 | ||
CPU | Core i5-1035G7 Core i7-1065G7 |
Core i5-8250U Core i7-8650U |
メモリ | 8GB / 16GB | |
ストレージ | SSD | |
液晶 | 13.5インチ 2256x1504 | |
バッテリー | 最大約11.5時間 | 最大約14.5時間 (ビデオ再生時) |
サイズ | [幅]308 [奥行]223 [高さ]14.5 |
[幅]308.1 [奥行]223.27 [高さ]14.48 |
質量 | 約1.265kg~ | 約1.252kg~ |
価格[税込] | 139,480円~ | 121,110円~ |
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによって快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 液晶アスペクト比が3:2と縦の情報量が多く、快適に作業できます。ただし、液晶が光沢であるため、周囲のものが映り込みやすいです。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | スペックは十分で、スピーカー音も良く快適に動画を視聴できます。液晶のアスペクト比は動画向きではないものの、液晶自体は綺麗です。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | 液晶のsRGBカバー率は98.3%(当サイト計測)あり、Web向けのコンテンツの写真編集に適しています。なお、メモリが16GBのモデルをおすすめす。 |
動画編集 | △ | 内蔵GPUにしてはやや高めのグラフィック性能で、簡易的な動画編集なら出来ます。ただし、本格的に動画編集をやろうと思っているなら、外部グラフィックスを搭載した製品をおすすめします。 |
ゲーム | △ | 軽めのPCゲームやブラウザゲームならできると思います。ただし、本格的にやるなら、GeForce GTX/RTXシリーズの外部グラフィックスを搭載したモデルをおすすめします。 |
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
型番は「LQ150P1JX51」となっていました。なお、別の型番の液晶パネルが搭載されることもあるためご注意下さい。前述しましたがアスペクト比3:2となっているのが特徴で、解像度も2256 x 1504と高いです。最大輝度も、当サイトの計測で392cd/m2と高めです。ただし、光沢液晶である点は好みが分かれると思います。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
Surface Laptop 3 13.5インチのキーボードは、キーピッチが約19mmとなっており、しっかりフルサイズをキープしています。キーストロークは約1.3mmとなり、Surface Laptop 2のキーボード(キーストローク:約1.5mm)よりも、やや浅くなっています。
"たわみ"があるのが気になりますが、まずまずの打ち心地だと思います。
トラックパッドは、115mm x 76.66mmのサイズのガラス製です。Surface Laptop 2のときよりも20%大きくなっており、操作性が向上しています。
バックライトキーボードも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
通常のノートパソコンの電源モードは「高パフォーマンス」ですが、Surface Laptop 3 の電源モードはデフォルトで「推奨」になっていました。ここでは、他のノートPCと同様に「高パフォーマンス」にして各種ベンチマークスコアを計測しています。
CPU
CPUは、第10世代Coreプロセッサー(Ice Lake)です。ただし、第10世代のCore i5にしては低めのスコアでした。
~ CINEBENCH R20 ~
グラフィックス
Intel Iris Plus Graphicsを内蔵しており、通常のインテルCoreプロセッサーよりは高性能です。ただし、Intel Iris Plus Graphicsにしてはややスコアが低めでした。
~ 3DMark Night Raid - Graphics score ~
ストレージ
ストレージは、PCIe SSDを搭載しており高速です。
~ CrystalDiskMark ~
(KBG40ZNS256G TOSHIBA(TLC))
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
実際のソフトで計測した処理時間
実際のソフトウェアで計測した処理時間は次の通りです。
こちらも、上のベンチマークスコアと同様に、Core i5-1035G7の割には、エンコード時間が遅かったです。
Core i5-1035G7 | |
x265でエンコード (※1) | 34分17秒 |
QSVでエンコード (※2) | 2分9秒 |
NVENCでエンコード (※3) | ― |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
徐々にCPUクロックが下がり、最終的には1500MHz程度で動作しており、Core i5-1035G7の割には低めのクロックです。
USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト
USB Type-Cポートの動作チェックです。
Thunderbolt 3には対応していません。ただし、Power Deliveryおよび映像出力に対応しています。なお、純正品以外の機器で充電し故障しても、当サイトでは責任を負えませんのでご注意下さい。18WのPD充電器が使用できたのは良かったです。
充電できるか? | 外部モニター / 有線LANの拡張 |
||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | 〇 | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | × | |
PD充電器 ※1 |
ZHOULX 充電器(65W) | 〇 | ― |
AUKEY 充電器(46W) | 〇 | ― | |
cheero 充電器(18W) | 〇 | ― | |
5V充電器 ※2 |
ANKER 充電器(5V/2.4A) | × | ― |
AUKEY 充電器(5V/2.4A) | × | ― | |
その他 | USB C-DPケーブルで外部モニター接続 | ― | 〇 |
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器
※3 容量が少ないという警告は出るが充電は一応できる
質量のチェック
Surface Laptop 3 13.5インチの質量は、アルカンターラ素材を使用したモデルで約1.265kg、メタル素材のモデルで約1.288kgとなっています。
13インチクラスの他のラップトップ型のモバイルPCと比較すると、比較的重めの質量です。
持ち運びの妨げとなる質量ではありませんが、少しでも軽いモバイルPCがよければ、他の機種がいいでしょう。
当サイトで計測した質量は次の通りです。
質量 | |
PC本体 | 1.278kg |
ACアダプター(+電源ケーブル) | 293g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー容量は45Whです(ソフト上から確認したので誤差があるかもしれません)。
バッテリー状態の電源モードもデフォルトでは「推奨」となっていました。そのため、ここでは他のノートPCと合わせるために「高パフォーマンス」にしてバッテリーを計測しました。
バッテリー駆動時間は次のようになっています。モバイルノートとしては、普通のバッテリー駆動時間だと思います。
[電源モード] 高パフォーマンス |
|
(1) 通常のデバイス使用時間 | 最大11.5時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | ― |
(3) 動画再生時 | 7時間31分 |
(4) PCMark 8 Work | 5時間01分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
当サイトで計測した充電時間は次の通りです。速い充電速度です。
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時は「ジジジジ」という充電音がやや聞こえます。それ以外は低めの動作音です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
普通の温度です。
エンコード時の温度の詳細
下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。ターボブースト時は90℃近くまで温度が上がりますが、その後はどんどん温度が下がり、60℃台まで落ちます。60℃だと温度に余裕があるので、もう少しCPUクロックは高めで推移しても良かったと思います。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
エンコード時の裏面が熱いですが、それ以外は問題ない温度です。作業中に手のひらが不快になることもありません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
やや低めの消費電力です。
外観のチェック
外観のチェックです。
剛性が高いボディですが、パームレストはアルカンターラ素材になっており、柔らかみのある素材です。
天板です。
スピーカーは、下図のような位置にあります。音質は良く、勝手に点数をつけると、10点満点で7~8点といったところです(音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
液晶は、次の角度まで開きます。
天板部分は割と厚みがありますが、ボトムは比較的薄いです。
排気口は小さめです。
側面には、USBポート、USB Type-C、ヘッドフォン、Surfaceコネクトポートがあります。無線LANは11ax(Wi-Fi 6)対応です。
底面はネジなどが見えず美しいです。
ACアダプターは65Wです。
まとめ
Surface Laptop 3 13.5インチは、第10世代Coreプロセッサー(Ice Lake)を搭載したモバイルノートです。Iris PlusをCPU内蔵グラフィックスとして搭載しており、グラフィックス性能が向上しています。
また、液晶のアスペクト比が3:2で、2256x1504の高解像度液晶を搭載しており、作業がしやすいです。
パームレストが肌触りのいいアルカンターラ素材であるのも特徴の1つですが、新モデルではアルミニウム製のパームレストのモデルも新登場しました。
剛性の高いボディで、質感もいいです。
ただし、第10世代Coreプロセッサーの割には、処理速度がイマイチでした。また、インターフェースが少ないことやLTEに対応していない点も欠点です。質量も、最近のモバイルノートの中では軽くはありません。
アスペクト比3:2で作業しやすい
Surface Laptop 3 13.5インチ
特徴
- Iris Plus搭載の第10世代Core(Ice Lake)
- 3:2のアスペクト比の液晶
- アルカンターラ素材に加えメタルパームレストが追加
こんなあなたに
- Excelなど、より下のほうまで表示したい方
- やや重くても、剛性が高く質感の良いボディがいい方
- 価格12万円台[税別]~
- 一言今どきのPCにしては軽くない
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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