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レノボ Ideapad S540(13,AMD)の実機レビュー
CPU | Ryzen 5 3550H Ryzen 7 3750H |
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GPU | Radeon Vega8 Radeon RX Vega10 |
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 13.3インチ |
液晶種類 | QHD IPS 光沢 |
質量 | 約1.25kg |
バッテリー | 約14.0時間 |
価格[税別] | 7万円台~ |
Ideapad S540(13,AMD)は、高解像度液晶を搭載した13.3型モバイルノートPCです。
アスペクト比16:10のQHD(2560x1600)液晶で、縦方向の比率が高く、Officeソフトなどが使いやすいです。解像度も高く色域も比較的広いので、画像の表示も綺麗です。
この液晶を搭載している割には、価格は安いと思います。
プロセッサーには、Ryzen Uシリーズよりも処理性能が高いHシリーズのRyzenを搭載し、グラフィックスはRadeon Vegaシリーズを内蔵しています。ただし、今回テストした限りでは、Ryzen Uシリーズとほぼ変わらないベンチマークスコアでした。
レビュー機は、当サイトの購入品です。
レビュー機の構成
Ryzen 7 3750H、Radeon RX Vega10、16GBメモリ、1TB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「Ideapad S540(13,AMD)の特徴」のみお読みください。
Ideapad S540(13,AMD)の特徴
人気のIdeapad S540シリーズに、13.3型モデルが登場
Ideapad S540シリーズは、コスパが高く、非常に人気のノートパソコンです。
今までは14型と15.6型の液晶のモデルがありましたが、今回新たに13.3型のモデルが加わりました。14型と15.6型はかなりスタンダードな構成でしたが、今回登場した13.3型のモデルは、HシリーズのRyzenプロセッサーに、QHD液晶を搭載し、やや異色の構成となっています。
[本製品] S540(13,AMD) |
レノボ S540(14,AMD) |
レノボ S540(14,Intel) |
レノボ S540(15,Intel) |
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画像 | ||||
CPU | Ryzen 5 3550H Ryzen 7 3750H |
Ryzen 5 3500U Ryzen 7 3700U |
Core i3-10110U Core i5-10210U Core i7-10510U など |
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GPU | Radeon Vega8 Radeon RX Vega10 |
CPU内蔵 | ||
ストレージ | PCIe SSD | |||
液晶サイズ | 13.3インチ | 14.0インチ | 15.6インチ | |
液晶種類 | QHD IPS 光沢 | FHD IPS 非光沢 | ||
バッテリー | 約14時間 56Wh |
約10時間 50Wh |
約14時間 50Wh |
最大約20時間 70Wh |
サイズ | [幅]296.9 [奥行]208.6 [高さ]15.95 |
[幅]323 [奥行]227 [高さ]15.9 |
[幅]358 [奥行]245 [高さ]16.9 |
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質量 | 約1.25kg | 約1.5kg | 約1.8kg | |
価格[税別] | 7万円台~ | 5万円台~ | 4万円台~ |
QHD液晶搭載で広い作業領域
Ideapad S540(13,AMD)の最大の特徴は、モバイルサイズの13.3型ノートPCでありながら、QHD(2560x1600、アスペクト比16:10)解像度の液晶を搭載していることです。
これは、MacBook Pro 13インチモデルの液晶と同じ解像度で、一般的な13型ノートPCや、Ideapad S540シリーズの他モデルに搭載されるフルHD(1920x1080)液晶よりも高い解像度です。
文字の表示が滑らかになること、より高精細に画像などを表示できること等がメリットとなるでしょう。また、アスペクト比が16:10なので縦方向の表示領域も増えます。
色域はNTSC 72%(sRGB比に換算すると約100%)となっており、Web掲載用の画像編集などでも使える色域です。
HシリーズのRyzen搭載
本製品に搭載するプロセッサーはAMD Ryzen 7 3750H、またはRyzen 5 3550Hです。
一方、一般的なノートPCに搭載されるRyzenプロセッサーはUシリーズです。違いは、Ryzen UシリーズはTDPが15Wであるのに対して、Ryzen HシリーズはTDPが35Wと高く、よりハイパフォーマンスであることです。
ただし、当サイトで計測してみた限りでは、Ryzen 7 3750Hは、Ryzen 7 3700Uとほぼ同等のスコアでした。また、インテルのCore i7-1065G7よりは高いスコアでしたが、6コアのCore i7-10710Uと比べるとかなり低めのスコアで、期待していたほどではありませんでした。
同サイズでは大きめのバッテリー
Ideapad S540(13,AMD)は、56Whの大容量バッテリーを搭載しています。同じ13.3型ラップトップPCの中では、トップクラスの容量です。
実際に計測したバッテリー駆動時間も長かったです。
ライバル機種との比較
ライバル機種との比較を行いました。Ideapad S540(13,AMD)と同じ13型ノートPCですが、特徴が少し異なる、デルのNew XPS 13と、New Inspiron 13 5000との比較です。
New XPS 13は、色域が広く、鮮やかで高精細な表示が可能な4K液晶搭載モデルがあります。また、6コアのCore i7-10710Uが選択可能で、CPU性能が高いです。ただし、グラフィックスはCPU内蔵のIntel UHD Graphicsなので、描画処理能力は高くありません。
New Inspiron 13 5000は、GeForce MX250搭載モデルであれば、グラフィックス性能はIdeapad S540(13,AMD)を上回ります。ただ、液晶の解像度はフルHD液晶しかなく、解像度ではIdeapad S540(13,AMD)に劣ります。
Ideapad S540(13,AMD)は、4K液晶には及ばないもののフルHDよりも解像度が高いQHD液晶を備え、GeForce MX250には及ばないもののIntel UHD Graphicsよりも処理性能の高いRadeon Vegaをグラフィックスとして内蔵しています。
[本製品] Ideapad S540(13,AMD) |
デル New XPS 13 |
デル New Inspiron 13 5000 |
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画像 | |||
CPU | Ryzen 5 3550H Ryzen 7 3750H |
Core i3-10110U Core i5-10210U Core i7-10510U Core i7-10710U |
Core i3-10110U Core i5-10210U Core i7-10510U |
GPU | Radeon Vega8 Radeon RX Vega10 |
CPU内蔵 | CPU内蔵 GeForce MX250 |
ストレージ | PCIe SSD | ||
液晶サイズ | 13.3インチ | ||
液晶種類 | QHD IPS 光沢 | FHD 非光沢 4K 光沢 タッチ |
FHD 広視野角 光沢 |
バッテリー | 56Wh | 52Wh | 45Wh |
サイズ | [幅]296.9 [奥行]208.6 [高さ]15.95 |
[幅]302 [奥行]199 [高さ]7.8-11.6 |
[幅]307.6 [奥行]204.7 [高さ]14.9-16.8 |
質量 | 約1.25kg | 約1.23kg~ | 約1.24kg |
価格[税別] | 7万円台~ | 9万円台~ | 6万円台~ |
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによって快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 液晶解像度が高く、アスペクト比も、縦の比率が高いので、Webページや文書ファイルなどが見やすいです。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 液晶は見やすいです。スピーカー音は普通です。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | 使うソフトにもよりますが、Lightroomを使った場合、現像に時間がかかっていました。ただし、液晶の色域はsRGBカバー率98.7%あり、Webコンテンツ用としては十分です。 |
動画編集 | △ | Radeonのグラフィックスに対応したソフトであれば、やや快適になると思います。ただし、本格的にやるには物足りないスペックです。 |
ゲーム | △ | Radeon RX Vega10などを搭載しているため、軽めのPCゲームなら動くと思います。ただし、ゲームをするなら、もう少し高い性能のグラフィックスを搭載したモデルがおすすめです。 |
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
今回搭載されていた型番の型番は「CSOT T3 MND307DA1 2」となっていました。前述の通り、QHD(2560x1600、アスペクト比16:10)である点が特徴的です。光沢であるため映り込みはありますが、見やすい液晶だと思います。最大輝度は、当サイトの計測で、290cd/m2と普通です。詳細は以下のタブをクリックして下さい。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
キーストロークはやや浅めですが、普通の打ち心地です。タッチパッドも普通です。
バックライトキーボードも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
CPUは、AMD Ryzen 5 3550HまたはRyzen 7 3750Hを搭載しています。ただし、Ryzen 7 3750Hは現在選択できなくなっています。
TDPが35Wあるのでもう少し高いスコアを期待していたのですが、Ryzen 7 3750Hは思ったほど高いスコアではありませんでした。Ryzen 7 3700Uとそれほど変わらず、Core i5-10210Uよりもやや良い程度でした。
~ CINEBENCH R20 ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
Ryzen 5 3550HはRadeon Vega 8を、Ryzen 7 3750HはRadeon RX Vega 10をグラフィックスとして内蔵しています。グラフィックス性能は、インテルCoreプロセッサーのCPU内蔵のグラフィックス性能よりも高いです。
グラフィックス性能を比較したグラフからも分かりますが、エントリークラスの外部グラフィックスであるGeForce MX250とIntel CoreプロセッサーのCPU内蔵グラフィックスとの間ぐらいの性能です。
過度な期待はできませんが、軽めのPCゲームがプレイできたり、GPU支援が使えてRadeonにも対応しているソフトは、処理が速くなることが期待できます。
~ 3DMark Night Raid - Graphics score ~
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
※いずれもノートPC用のグラフィックスです
ストレージ
ストレージは、PCIe SSDを搭載しており高速です。
~ CrystalDiskMark ~
(INTEL SSDPEKKW010T8L)
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
実際のソフトで計測した処理時間
次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。
CINEBENCHなどの結果を見ると、120秒くらいで終わるかなと思っていましたが、196秒もかかっていました。現像時は、CPUコアは全て使われており、CPUクロックもダウンしている様子もなく、メモリも16GB十分あるのに関わらず、遅かったです。原因は分かりません。単にLightroomとRyzen 7 3750Hは相性が悪いのかもしれません。
※「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください。
こちらもかなり遅いです。Premiere Proを使う方にはおすすめしません。
※ グラフィックスは全てノートPC用
エンコード時間はまずまずですが、この速度なら他のプロセッサーで十分かなと思います。
Ryzen 7 3750H | |
x265でエンコード (※1) | 30分59秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― |
QSVでエンコード (※3) | ― |
VCEでエンコード(※4) | 3分16秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※4 AMD APU内蔵のハードウェアエンコーダー(AMD Media SDK)
USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト
USB Type-Cポートの動作確認結果です。
充電できるか? | 外部モニター / 有線LANの拡張 |
||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | 〇 | 〇 |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | 〇 | × | |
PD充電器 ※1 |
ZHOULX 充電器(65W) | 〇 | ― |
AUKEY 充電器(46W) | 〇 | ― | |
cheero 充電器(18W) | 〇 | ― | |
5V充電器 ※2 |
ANKER 充電器(5V/2.4A) | 〇 | ― |
AUKEY 充電器(5V/2.4A) | 〇 | ― | |
その他 | USB C-DPケーブルで外部モニター接続 | ― | 〇 |
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器
質量のチェック
Ideapad S540(13,AMD)の質量は約1.25kgと、重くはないですが、最近のモバイルノートとしては軽くもないです。
当サイトで計測した質量は次の通りです。メーカー公表値よりもやや重かったです。また、ACアダプターの質量はやや重いです。
質量 | |
PC本体 | 1275g |
ACアダプター(+電源ケーブル) | 360g |
バッテリー駆動時間のチェック
本製品のバッテリー容量は56Whとなっており、大きめの容量です。
当サイトで計測したバッテリー駆動時間は次のようになっており、やや長めのバッテリー駆動時間だと思います。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA 2.0 | 約 14.0時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | ― |
(3) 動画再生時 | 9時間1分 |
(4) PCMark 8 Work | 7時間48分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
なお、急速充電にも対応しています。当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。速い充電速度です。
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。他の状態の時はやや低めの騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
高負荷時はやや低めの温度です。
エンコード時の温度の詳細
下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。60℃前後で推移しており、低めの温度だと思います。温度には余裕があるので、もう少しCPUクロックが高めで推移するようにしても良かったと思います。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
全体的に低めの温度だったので、安心して使えます。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
普通の消費電力です。
外観のチェック
外観のチェックです。
Ideapad S540(13,AMD)のボディカラーはライトシルバーです。Ideapad S540シリーズの他サイズのボディカラーであるミネラルグレーよりも明るく、爽やかなイメージです。
天板です。
スピーカーは底面に配置されています。音質は、勝手に点数をつけると、10点満点で5点といったところです(音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
液晶はこの角度まで開きます。
Ideapad S540(13,AMD)のインターフェイスは、USB 3.0、USB Type-C 3.0 x2によるUSBのみの構成です。このUSB Type-Cポートは、Power Delivery、DC-in、外部ディスプレイ出力に対応しています。画像や映像を扱うのに適した仕様ですが、SDカードリーダーが付いていないのが少し残念な部分です。
底面の画像です。
底面カバーを取り外したときの画像です。メモリはオンボードで換装できません。
M.2 SSDは換装できると思いますが、片面実装のSSDのみ対応しています。
バッテリー容量は56Whです。
ACアダプターは、65Wとやや大きめの容量で、電源ケーブルも太いです。
まとめ
Ideapad S540(13,AMD)は、Ryzen Hシリーズプロセッサーを搭載した、13型ノートPCです。
アスペクト比16:10のQHD(2560x1600)液晶を搭載しており、縦方向の比率が高いため、様々なアプリが使いやすいです。
消費電力の高い高解像度液晶を搭載しているものの、バッテリー容量が大きく、バッテリー駆動時間は比較的長いです。
ただし、Ryzen 7 3750Hの処理性能は期待していたほどでは無かったです。今回試した限りでは、Adobe LightroomやPremiere Proとの相性も悪く処理時間がかかっていました。それでも、Officeソフトでの作業など、一般的ユーザーがよく行う作業であれば問題ないスペックではあります。
QHD液晶搭載の13.3型モバイルノート
Ideapad S540(13,AMD)
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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約15年間にわたり、年間100機種以上、パソコンを細かくチェックしている筆者がおすすめするノートパソコン。