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FRONTIER NSシリーズ の実機レビュー
CPU | Core i7-10510U Core i5-10210U |
---|---|
メモリ | 8GB~24GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 14.0インチ |
液晶種類 | FHD 非光沢 |
質量 | 約942g |
バッテリー | 約13.7時間 |
価格[税別] | 9万円台~ |
FRONTIER NSシリーズは、約942gと、14型のモバイルノートPCとしては、トップクラスの軽さが大きな特徴となっています。
第10世代Coreプロセッサー、SSD、FHD液晶と、実用的なスペック構成なので、モバイルPCとしてはもちろん、メインPCとしても十分通用する性能を備えています。
通常、1kgを切るような機種は、価格が高くなりがちですが、FRONTIER NSシリーズは、スペックの割に価格が安く、コスパがとても高いです。特にストレージやメモリのアップグレード価格が安いです。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i5-10210U、8GBメモリ、256GB NVMe SSD
目次
お忙しい方は、「FRONTIER NSシリーズの特徴」のみお読みください。
FRONTIER NSシリーズの特徴
FRONTIER NSシリーズは、持ち運びに便利なモバイルノートの中ではスタンダードな製品に位置づけられると思います。クリエイティブな作業にはあまり適しませんが、一般ユーザーが使うには十分な性能を持っています。
14型クラスではトップクラスの軽さ
FRONTIER NSシリーズの際立った特徴としては、モバイルノートPCとしては大きめの14型液晶を搭載していながら、質量が約942gと非常に軽いことです。下表では、14型モバイルノートPCの質量比較を行っていますが、FRONTIER NSシリーズは、14型モバイルノートPCの中でもかなり軽いです。カバンに入れて持ち運ぶ機会が多いビジネスパーソンなどにとって、この軽さは魅力的です。
また、付属のACアダプターも約201g(メーカー仕様値)と軽いので、出張などの時も持ち運びしやすいです。さらに、USB PDにも対応しているため、より小さいUSB Type-C電源アダプターや、モバイルバッテリーを使用して給電することもできます(自己責任でご利用ください)。
1万円で1TB NVMe SSDへ変更可能
本製品は、大容量SSDの価格が安いです。256GBから1TBへの変更でも、1万円しかかかりません。SSDは空き容量が少なくなるとアクセス速度が遅くなってくるので、少し余裕を持った容量のSSDにしておくといいでしょう。
Wi-Fi 6対応
FRONTIER NSシリーズは、Wi-Fi 6に対応しています。無線LANルーターも対応していれば、最大2.4Gbpsの超高速データ転送が可能です。また、会社や公共のWi-Fiスポットなど、多くの人がWi-Fiを利用する場所でも、接続性が高く、混雑に強いのもメリットです。
Wi-Fi 6対応の無線LANルーターに10GbEでNASを接続し、本製品から速度を計測したところ、シーケンシャルリードで232MB/s(=約1.8Gbps)の速度が出ました。非常に高速です。
MIL規格準拠
FRONTIER NSシリーズは、強い衝撃を与えるテストや、粉塵の吹き付けテストなど、アメリカ国防総省が制定したMIL規格に準拠したテストをクリアしており、耐久性と堅牢性が実証されています。
モバイルPCには、移動時の衝撃や、落下などによる破損などの危険が付きまといますが、高い堅牢性のおかげで、心配せずに持ち運べます。
マグネシウム合金ボディ
FRONTIER NSシリーズの高い堅牢性や、軽さと関係がありますが、本体素材には軽くて丈夫なマグネシウム合金が採用されています。天板にはロゴやメーカー名などが入っておらず、デザインも非常にシンプルです。
バッテリー容量はやや少なめ
FRONTIER NSシリーズのバッテリー容量は36Whとやや少なめです。他の14型モバイルノートPCと比較しても、容量は少ない方です。ただし、実測したバッテリー駆動時間(後述)はそこまで極端に短いというわけでもありませんでした。
ライバル機種との比較
ライバル機種との比較を行います。比較対象は、同じ14型で1kgを切る軽量なモバイルPCである、VAIO SX14です。
VAIO SX14は、より高い処理性能の6コアのCore i7-10710Uや、4K液晶を選択することができます。さらに、バッテリー容量はそれほど変わりませんが、FHDの場合は省電力液晶を搭載していることで、最大のバッテリー駆動時間がFRONTIER NSシリーズよりもやや長いです。また、LTEモジュールを選択できるも大きなメリットです。VAIOにはブランドバリューもあります。
一方、FRONTIER NSシリーズは、VAIO SX14とほぼ同じサイズと質量で、十分実用的なスペックでありながら、非常に価格が安いです。Core i5搭載モデルで比較すると、VAIO SX14の約半値で、同等のスペックを選択できます。
[本製品] FRONTIER NS |
VAIO SX14 |
|
画像 | ||
CPU | Core i7-10510U Core i5-10210U |
Core i7-10710U Core i5-10210U Core i3-10110U Celeron 5205U |
液晶種類 | 14.0型 FHD | 14.0型 FHD 省電力 UHD(4K) |
LTE | 非対応 | 対応 |
質量 | 約942g | 約999g~ |
サイズ | [幅] 322 [奥行] 216.8 [高さ] 16.5 |
[幅] 320.4 [奥行] 222.7 [高さ] 15.0-17.9 |
バッテリー | 36Wh 最大 約13.7時間 |
35Wh 最大 約20.5時間 |
[本製品] FRONTIER NS |
VAIO SX14 |
|
CPU | Core i5-10210U | |
メモリ | 8GB | |
液晶 | 14.0型 FHD | |
ストレージ | 512GB PCIe SSD | |
価格[税別] | 103,600円 | 211,800円 |
いくつか動作モードがある
本製品は、下図のように「CONTROL CENTER」というソフトから動作モードを変更することができます。
デフォルトは「エンターテイメント」モードですが、この設定だと他の同等構成のノートPCの7~8割のベンチマークスコアしか出ません。「パフォーマンス」モードにすることにより他のPCに近いベンチマークスコアが出て、CPU温度もそれほど高いわけではないため、基本的には「パフォーマンス」モードでいいと思います。
各用途の快適度
FRONTIER NSシリーズの各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 快適です。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 液晶が見やすく処理性能も十分です。ただし、スピーカー音はそれほどよくありません。 |
RAW現像 画像編集 |
〇 | CPU性能に物足りなさはあるものの、当サイトの計測では、モニターのsRGBカバー率が約99%あったので、RAW現像、画像編集などにも使用できると思います。 |
動画編集 | △ | 動画編集をするにはグラフィック性能が物足りないです。ただし、家庭向け動画編集ソフトでライトに編集するくらいなら問題ありません。 |
ゲーム | △ | 外部グラフィックスを搭載していないためゲーム向きのPCではありません。ただし、軽めのPCゲームやブラウザゲームならプレイ可能です。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイのチェックです。
液晶は比較的見やすいと思います。最大輝度は、当サイトの計測では281cd/m2とやや低めです。液晶の詳細な特性については、下のタブをクリックして下さい。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードは、普通にタイピングできるとは思いますが、やや安っぽさを感じます。
キーピッチは、横:約19.1mm x 縦:18mm(実測値)と十分あります。キーストロークは約1.2mm±0.2mmとやや浅めです。キートップはフラットで、やや底付きの衝撃を感じます。また、矢印キーが小さく押しにくいです。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
ここでは、デフォルトの「エンターテイメント」モードと、最大の性能が出る「パフォーマンス」モードの設定でベンチマークを計測しました。
「パフォーマンス」モードなら、他のPCとほぼ同じくらいのベンチマークスコアです。「エンターテイメント」だとかなり落ちます。
~ CINEBENCH R20 マルチコア ~
※[パフォーマンス]、[エンターテイメント]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
ストレージ
ストレージは、PCIe-NVMe SSDを搭載しており、高速です。
~ CrystalDiskMark ~
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
SDカードスロット
micro SDカードを挿入することができます。速度は普通です。
実際のソフトで計測した処理時間
次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。ここでは、「パフォーマンス」モードで計測しています。
「パフォーマンス」モードでも、他の同等構成のPCよりもやや遅かったです。
パフォーマンス モード |
|
x265でエンコード (※1) | 33分37秒 |
QSVでエンコード (※2) | 4分5秒 |
NVENCでエンコード (※3) | ― |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
持続可能な状態に落ち着いたCPUクロックがやや低めです。
USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト
USB Type-Cポートの動作チェックです。
Thunderbolt 3には対応していませんが、USB Power Deliveryおよび映像出力には対応しています。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | 〇 | 〇 | × |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | × | × | |
PD充電器 ※1 |
65W ZHOULX充電器 | 〇 | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | 〇 | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― | |
5V充電器 ※2 | 5V/2.4A ANKER充電器 | × | ― | ― |
5V/2.4A AUKEY充電器 | × | ― | ― | |
モニター | Dell U2419HCモニター ※3 | 〇 | 〇 | ― |
USB C-DPケーブルで外部モニター接続 | ― | 〇 | ― |
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器
※3Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出るモニター
質量のチェック
前述した通り、質量は非常に軽いです。
当サイトの計測結果は下の通りです。今回、メモリがオンボードだけということもあり、メーカー仕様値(約942g)よりも質量がさらに軽かったです。ACアダプターについても207gと軽いです。
質量 | |
PC本体 | 911kg |
ACアダプター | 207g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は36Whと多くありません。
バッテリー駆動時間は次の通りです。こちらは「エンターテイメント」モードでの計測結果です。バッテリー容量の割に、バッテリー駆動時間は健闘していて、一般的なモバイルノートPCと同等程度の駆動時間です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約13.7時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 8時間28分 |
(3) 動画再生時 | 7時間31分 |
(4) PCMark 8 Work | 4時間49分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
1時間あたりの充電容量は下の通りです。充電の速度はやや速いと思います。
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。なお、今回は「パフォーマンス」モードで計測しています。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。エンコード時の騒音値は高いです。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。「パフォーマンス」モードでもエンコード時の温度は低めでした。
エンコード時の温度の詳細
下図は、エンコード時のCPU温度の詳細です。ターボブースト時は100℃前後にまで温度が上昇するものの、その後は低めの温度になります。ターボブースト後は、もう少しCPUクロックを高めに維持させても良かったかなと思います。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
やや低めの表面温度です。特に不快感はありません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。ただし、エンコード時は約10分経過後に計測しています。
UシリーズのCoreプロセッサーに、外部グラフィックスを搭載していないことで、やや低めの消費電力です。
外観のチェック
ボディは、マグネシウム合金です。
天板はロゴなどがなくシンプルです。好みのステッカーを貼ってもいいと思います。
スピーカーは底面に配置されています。音質は良くはなく、勝手に点数をつけると、10点満点で3~4点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
ヒンジ部分の画像です。
液晶は下の角度まで開くことができます。
側面のポート類は割と充実しています。USB 3.2 x2、USB Type-C 3.2(DisplayPort対応、PD対応)、HDMI、MicroSDカードリーダーを備えています。様々な用途において、不足を感じることが少ない、充実のインターフェイス構成です。
底面です。
底面カバーを開けたときの画像です。
M.2 SSDは換装できそうです。
メモリはオンボードで8GB搭載されています。スロットも1つあります。
ACアダプターは小さく薄く軽いですが、65W(最大19V、3.42A)と大きめの容量です。
まとめ
FRONTIER NSシリーズは、モバイルノートPCとしては大きめの14型液晶を備えながら、質量が約942gと非常に軽い点が大きな特徴です。
CPU、メモリ、ストレージを最大にカスタマイズしても12万円台(税別)と良心的な価格で、コスパが非常に高いです。メインにも十分使える性能なので、メイン兼モバイルPCとして使ってもいいと思います。
気になる点としては、キーボードバックライトがありません。また、矢印キーが小さく押しにくいです。スピーカーの音質も良くありません。LTEにも対応していません。細かいことではありましたが、このあたりが気にならなければ、満足度の高い製品になるのではないかと思います。
1kgを切るノートPCが9万円台~
FRONTIER NSシリーズ
特徴
- 14型ノートなのに約942gと超軽量
- ハイスペック構成でも価格が安い
こんなあなたに
- 外回りが多いビジネスパーソン
- コスパの高いメイン兼モバイルPCが欲しい方
- 価格9万円台~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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