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レノボ Ideapad S540(14,Intel,AMD) の実機レビュー
CPU | 第8世代Core(U) 第10世代Core(U) Ryzen 3000シリーズ |
---|---|
メモリ | 4GB ~ 12GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 14.0型 |
液晶種類 | FHD IPS 非光沢 |
質量 | 約1.5kg |
バッテリー | 最大 約14.0時間 |
価格[税別] | 4万円台~ |
Ideapad S540(14)は、非常にコストパフォーマンスが高い14型のノートPCです。
Core i3&SSDのモデルなら4万円台(税別)という安さで、しかも液晶はIPSパネルです。
狭額ベゼルを採用し、薄型のアルミボディで、安っぽくも見えません。
液晶サイズは14型と、一般向けノートPCとしてはやや小さいものの、その分軽量で、持ち運びにも便利です。当サイトの実測では1.3kg台となっており、モバイルノートとしても十分使える軽さです。
レビュー機は、当サイトの購入品です。
レビュー機の構成
Core i3-10110U、4GBメモリ、256GB PCIe SSD NEW!
Core i3-8145U、4GBメモリ、128GB PCIe SSD
Ryzen 5 3500U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「Ideapad S540(14)の特徴」のみお読みください。
Ideapad S540(14) の特徴
Core i3、SSDモデルが4万円台!
IdeaPad S540(14)は、Core i3、4GBメモリ、SSD、FHD IPS液晶の構成で、4万円台(税別)で購入することができるPCです。スタンダードな性能のCPU「Core i5」でも6万円台(税別)という安さです。
Ryzen 5 3500U搭載モデルもコスパが高く、Core i5と同等もしくはそれ以上の性能であるにも関わらず、価格は安くなっています。
構成1 | 構成2 | 構成3 | |
CPU | Core i3-10110U | Core i5-10210U | Ryzen 5 3500U |
メモリ | 4GB | 8GB | 8GB |
SSD | 256GB | 512GB | 256GB |
価格 [税込] | 52,360円 (税抜4万円台) |
75,922円 (税抜6万円台) |
60,192円 (税抜5万円台) |
Core i3モデルだと、メモリが4GBしかなく少ないと感じる方もいると思いますが、空きスロットが1つあるため、自分でメモリを増設することも可能です(パーツの増設・換装は自己責任でお願いします)。
なお、メーカーサイトには、メモリスロット数「0」とありますが、上図のように確かに増設できたので、メーカーサイトのほうが間違いだと思います(ロットによってメモリスロットが無くなっていたら申し訳ございません)。なお、メモリの増設は自己責任でお願いします。
15.6型のIdeapad S540との比較
以前、コスパの高いPCとして、兄弟機種のIdeapad S540(15,Intel)を紹介しました。こちらとの違いは下の表のようになっています。S540(15,Intel)のほうが、画面サイズが大きく、テンキーを搭載し、バッテリー駆動時間も長いです。一方、S540(14)は、画面が一回り小さくなってしまいますが、質量が軽く、価格も若干安くなります。
IdeaPad S540 (14,Intel) |
Ideapad S540 (15,Intel) |
|
画像 | ||
液晶サイズ | 14.0型 | 15.6型 |
テンキー | なし | 搭載 |
ストレージ | M.2スロット | M.2スロット 2.5インチベイ ※1 |
質量 | 約1.5kg | 約1.8kg |
バッテリー | 最大約14.0時間 | 最大約20時間 |
価格[税込] | 52,360円~ | 54,450円~ |
※1 購入時はストレージは非搭載。自分で増設が必要
フルHDのIPS液晶搭載
Core i3&SSDモデルが4万円台(税別)というだけでも珍しいですが、本製品はさらにTNパネルではなくIPSパネルを搭載しています。TNパネルでなお且つ色域が狭いと、画面が白っぽくなって見にくくなる傾向がありますが、IPSパネルであれば(色域が狭くても)白っぽい感じがなくなり結構見やすくなります。
実測値は1.3kg台の重さ
Ideapad S540(14)の質量は、メーカーの仕様表を確認すると、約1.5kgとなっています。ただ、当サイトで実際に計測してみると、Core i3-10110Uのモデルは1.366kgしかありませんでした。この質量であれば、モバイルPCとしても十分使用できる軽さです。
空きのM.2スロットがある
Ideapad S540(14)には、空きのM.2スロットが1つあり、Type 2242のSATA SSDが増設できます。
ただし、認識したSSDと認識しないSSDがあったので、下表に試した結果をまとめました。なお、ロットによって認識しないケースもあるかもしれません。増設は自己責任でお願いします。
IdeaPad S540 Intelモデル |
IdeaPad S540 AMDモデル |
|
Transcend TLC 240GB SATA SSD | 〇 | × |
KingSpec NGFF 512GB SATA SSD | × | × |
KKmoon KingSpec NE-256 256GB PCIe SSD | 〇 | 〇 |
KKmoon Netac N930ES 512GB PCIe SSD | 〇 | 〇 |
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
色域は狭いものの、視野角はよく、一般ユーザーが使うのであれば、十分な品質だと思います。画像編集など色の表現が大事な場合は別の製品がいいです。最大輝度は、当サイトの計測では285cd/m2と普通です。詳細は以下のタブをクリックしてください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Ideapad S540(14)のキーボードは普通の打ち心地です。
テンキーが無い点を除けば、Ideapad S540(15,Intel)とほぼ同じキーボードですが、本製品のほうが、「\」や「Backspace」などの横幅がやや広くなっていて打ちやすくなっています。テンキーを使わない方は、こちらのほうがタイピングしやすいかもしれません。
タッチパッドも普通に操作できます。
バックライトも付いており、セミナーや展示会などの暗所でもタイピングしやすいです。
パフォーマンスのチェック
Ideapad S540(14)のパフォーマンスのチェックです。
CPU
第10世代、第8世代のインテル Coreプロセッサー、またはAMD Ryzen mobile 3000シリーズを搭載しており、十分な性能です。Web閲覧や動画鑑賞程度の負荷ならインテル Core i3でも十分です。やや重いアプリを使う場合や、少しでもストレスなく快適に使いたい場合はCore i5やRyzen 5がいいでしょう。
CINEBENCH R20では、Ryzen 5はCore i5よりも高スコアですが、Ryzenはベンチマークだけは高いスコアが出ることがあり、実際のソフトを使った場合、それほど性能差がないケースもあります。後述しますが、TMPGEnc Video Mastering Works 7を使ったエンコード時間は、Ryzen 5と(他のPCで計測した)Core i5はほぼ同等でした。
第10世代のCore i3-10110Uを計測しましたが、旧世代(第8世代)のCore i3-8145Uよりもスコアが低く出ました。本来であれば、Core i3-10110Uのほうが性能がやや高いのですが、このような結果となったので、本製品については、どちらのCPUを選んでもいいかなと思います。
~ CINEBENCH R20 ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
※赤字は第10世代Coreプロセッサー(Comet Lake)
グラフィックス
インテルCoreプロセッサーの場合も、AMD Ryzenプロセッサーの場合も、CPU内蔵グラフィックスを利用します。
性能は、Ryzenプロセッサーに内蔵されているRadeon Vega 8のほうが、インテルCoreプロセッサーに内蔵されているIntel UHD グラフィックスより高くなっています。"軽くゲームをしたい"といった方は、Ryzenプロセッサーを搭載したモデルのほうがいいでしょう。
なお、今回、Core i3モデルはメモリが4GBのシングルチャンネルであるため、ベンチマークスコアが低めになっています。8GBのモデルであれば、Graphics scoreが1000くらいにはなるはずです。
~ 3DMark Fire Strike - Graphics score ~
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
ストレージ
ストレージは、PCIe SSDを搭載していて高速です。128GB SSDよりも256GB SSDのほうが高速でしたが、256GB SSDもバラつきがありました。
~ CrystalDiskMark ~
右:256GB PCIe SSD(SAMSUNG MZVLB256HAHQ-000L2)
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
SDカードスロット
UHS-IIには対応していません(UHS-Iの最大速度104MB/sを超えません)が、SDカードスロットの速度は比較的速いです。
実際のソフトで計測した処理時間
次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。
Core i3-10110U | Core i3-8145U | Ryzen 5 3500U | |
x265でエンコード (※1) | 42分20秒 | 40分48秒 | 32分39秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― | ― | ― |
QSVでエンコード (※3) | 3分42秒 | 4分23秒 | ― |
VCEでエンコード(※4) | ― | ― | 1分54秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 Intel CPU内蔵のハードウェアエンコーダー(Intel Media SDK)
※4 AMD APU内蔵のハードウェアエンコーダー(AMD Media SDK)
Ryzen 5は、Core i3と比べると高速ですが、Core i5と比べるとほぼ同じ時間でした。
質量のチェック
質量のチェックです。
前述しましたが、質量は、メーカー仕様表(約1.5kg)よりも、当サイトの計測値のほうがやや軽かったです。
なお、2つのCore i3モデルは、Ryzen 5モデルより軽くなっています。これはCore i3は冷却ファンが1つ少ないのと、メモリがオンボードのみとなっているためです。
ACアダプターも軽いです。
Core i3-10110U | Core i3-8145U | Ryzen 5 3500U | |
PC本体 | 1.366kg | 1.365kg | 1.399kg |
ACアダプター | 197g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
搭載されているバッテリーは50Whでやや大きめです。バッテリー駆動時間は次のようになっています。Core i3モデルのほうがRyzen 5モデルよりバッテリー駆動時間がやや長かったですが、差はわずかです。
Core i3-10110U | Core i3-8145U | Ryzen 5 3500U | |
(1) JEITA2.0測定方法 ※1 | 最大約14.0時間 | 最大約10.0時間 | |
(2) 動画再生時 ※1 | 9時間11分 | 8時間54分 | 8時間08分 |
(3) PCMark 8 Work テスト ※2 | 6時間28分 | 6時間38分 | 6時間22分 |
※1 メーカー公表値
※2 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※3 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時や動画再生程度の負荷ではほぼ無音です。負荷の高いエンコード時も、他のPCより低めの騒音値です。なお、Ryzen 5モデルは冷却ファンが2つ搭載されていることもあり、Core i3モデルよりやや騒音値が高めでした。
- Core i3-10110U
- Core i3-8145U
- Ryzen 5 3500U
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。
低負荷時は問題ないです。ただ、2つのCore i3モデルはエンコード時のCPUクロックが高めに推移しており、温度も90度を超えていました。Ryzen 5モデルは冷却ファンが2つある影響もあり、Core i3よりも低めの温度でした。
- Core i3-10110U
- Core i3-8145U
- Ryzen 5 3500U
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
キーボード中央部が熱くなりますが、あまり指が触れるところではないため、それほど気にはなりません。
- Core i3-10110U
- Core i3-8145U
- Ryzen 5 3500U
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
やや低めの消費電力です。わずかですが、Ryzen 5モデルのほうが消費電力は高めでした。
- Core i3-10110U
- Core i3-8145U
- Ryzen 5 3500U
外観のチェック
Ideapad S540(14)は、安い製品ですが、ボディにはアルミを採用しています。薄型で狭額ベゼルを採用し、モダンな外観です。
天板です。Lenovoのロゴも端にあって控えめです。
スピーカーは、低音の迫力はやや欠けるものの、高音部の音質は比較的良く、勝手に点数をつけると、10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
指紋認証装置も搭載しています。
液晶には段差があります。
液晶は約180度傾けることができます。
側面のインターフェースは次の通りです。USB Type-Cは、PowerDeliveryや映像出力には対応していません。光学ドライブは非搭載です。
底面です。
Core i3-8145Uモデルの底面カバーを外したときの画像です。なお、底面カバーを外すには、T5トルクスドライバーが必要です。このモデルは、冷却ファンが1つとなっています。
Core i3-10110Uモデルの底面カバーを外したときの画像です。こちらも上とほぼ変わりません。
下図はRyzen 5モデルの底面カバーを外したときの画像です。Core i3モデルは冷却ファンが1つでしたが、Ryzen 5モデルはファンが2つになっています。Ryzen mobile 3000シリーズは発熱が高くファン1つでは冷却が間に合わないのではないかと思います。
メモリは、オンボードで4GB搭載されています。オンボードメモリの他に、メモリスロットも1つありますが、Core i3モデルは空です。他のモデルは4GBのメモリが追加されており、合計8GBとなっています。
なお、「メーカー仕様表を見ると、Core i3モデルはメモリスロットが0なのでは?」という質問を多く受けますが、「特徴」で記載した通り、実機を確認した限りでは、Core i3-8145UおよびCore i3-10110Uの両方のモデルとも、メモリスロットがありました。また、実際にCore i3-10110Uでメモリを増設してみましたが、きちんと認識できていました。ただし、増設は自己責任でお願いします。
M.2 SSDも換装できると思います。
空きのM.2スロットが1つあります。いくつかSSDの増設を試した結果は、このページ内の「空きのM.2スロットがある」をご覧ください。
バッテリーは50Whです。
ACアダプターは、ケーブル一体型コンセントで、容量は65Wです。
まとめ
Ideapad S540(14)は、非常にコストパフォーマンスが高い14型のノートPCです。
Core i3、SSDのモデルなら4万円台(税別)で購入することが可能です。狭額ベゼル採用の薄型アルミボディで、とてもこの価格で買えるPCには見えません。液晶もIPSパネルを採用しています。
兄弟機種のIdeapad S540(15,Intel)と比べて、液晶サイズは小さくなるものの、価格はさらに安くなっています。価格重視ならおすすめです。
また、質量が意外と軽く、当サイトの計測値では1.3kg台とモバイルPCとしても使えるくらいでした。
気になったのは、Core i3モデルの場合、エンコードのようなCPU使用率が100%近くになる処理を実行すると、CPUクロックが高めで推移し、CPU温度が90度まで上がる点です。あまり高い負荷はかけないほうがいいと思います。Core i5などのモデルはどうなのか分かりません。Ryzen 5モデルは冷却ファンが2つあることもあり、温度は問題なさそうでした。
コスパが高く、意外と軽いノートPC
Ideapad S540(14)
特徴
- コスパが非常に高い
- IPS液晶搭載
- Core i3モデルは1.3kg台と意外と軽量
こんなあなたに
- コスパの高いノートが欲しい
- モバイルPCとしても使いたい方
- 価格4万円台[税別]~
- 一言14型の画面でよければ
超おすすめ
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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約15年間にわたり、年間100機種以上、パソコンを細かくチェックしている筆者がおすすめするノートパソコン。