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レノボ Yoga S740(14)の実機レビュー
CPU | Core i5-1035G4 Core i7-1065G7 |
---|---|
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 14.0インチ |
液晶種類 | フルHD 光沢 |
質量 | 約1.4kg |
バッテリー | 最大約26時間 |
価格[税別] | 7万円台~ |
Yoga S740(14)は、最大約26時間(メーカー仕様値)と驚くほど長いバッテリー駆動時間が目を惹く、14型のノートPCです。
Iris Plusを内蔵した第10世代Coreプロセッサー Ice Lakeを搭載しており、グラフィックス性能も高めです。高い性能でもデュアルファンを搭載しており、安定して動作します。
フルアルミボディで質感も高いです。格安機種程ではないものの、価格も手ごろです。
モバイルノートとしてはやや重い点が欠点ですが、質量よりもバッテリー駆動時間を重視する方には良いと思います。
レビュー機は、当サイトの購入品です。
レビュー機の構成
Core i5-1035G4、8GBメモリ、256GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「Yoga S740(14)の特徴」のみお読みください。
Yoga S740(14)の特徴
驚きのバッテリー駆動時間
Yoga S740(14)の大きな特徴は、非常に長いバッテリー駆動時間です。Core i5搭載モデルは最大約23時間、Core i7搭載モデルは最大約26時間のバッテリー駆動時間となっています。
バッテリー容量は62.3Whとなっています。最近の14型モバイルノートPCのバッテリーと比較しても、かなり大きめの容量のバッテリーを搭載しています。充電なしで長時間PCを使用したい方にはうってつけの製品です。
モバイルPCとしても使用できる質量とサイズ
Yoga S740(14)の質量は約1.4kg~となっています。
同じ14型モバイルノートPCと比較すると、軽い部類ではないものの、持ち出しも可能な重さです。また、宅内モバイルとして、室内の色々な場所で使用するといった使い方にも合っています。
Iris Plus内蔵の第10世代Coreプロセッサー
Yoga S740(14)は、Ice Lakeと呼ばれる第10世代Coreプロセッサーを搭載しており、CPU内蔵グラフィックスとしてIris Plusを内蔵している点が特徴の1つとなっています。
通常のUシリーズCoreプロセッサーに内蔵されているIntel UHD Graphicsよりも高い処理性能を備えており、QSVによる動画のエンコードなど、時間のかかる処理を短縮することができます。ノートPCで色々やってみたいと思う方に最適なCPU構成です。
デュアルファンで安定動作
Yoga S740(14)は、冷却ファンを2つ搭載しており、性能の高いIce Lakeのプロセッサーも強力に冷却することができます。外部グラフィックスを搭載したノートPCでデュアルファンの構成はよく見かけますが、外部グラフィックスを搭載していないノートPCでデュアルファンなのは珍しいです。安定して動作しており、安心して使えます。
Yoga Sシリーズはクラムシェル型PC
レノボのYogaシリーズというと、変形自在でタブレット形状にもなるコンバーチブル型ノートPCというイメージがありますが、Yoga S740(14)を含むYoga Sシリーズは通常のクラムシェル型のノートPCです。コンバーチブル型ノートPCと間違えることがないように、注意してください。
SDカードリーダーやHDMIは非搭載
Yoga S740(14)には、HDMI出力やSDカードリーダーなどは搭載していません。ちょっと高めのグラフィックス性能を備えているだけに、デジカメなどからの写真や動画を簡単に取り込めないのは、少し残念です。
ライバル機種との比較
ライバル機種との比較を行いました。Yoga S740(14)と同じIce Lakeを搭載した14型のノートPCがまだないため、Comet Lakeの第10世代Coreプロセッサーを搭載する14型のノートPCと比較しています。
比較したのは、デルのNew Inspiron 14 7000(7490)と、レノボのThinkPad X1 Carbon 2019です。やや毛色の違う2機種ですが、Yoga S740(14)のポジションが見えてきます。
Yoga S740(14)は、Ice Lake搭載、長時間のバッテリー駆動といった際立つ部分があり、価格も安めです。趣味もかねて1台でオールマイティに使うのに適してます。また、質量さえ気にならなければモバイルPCとしても使用可能です。
New Inspiron 14 7000は、GeForce MX250やLTEを搭載したモデルがあります。モビリティとグラフィックス性能の高さを求めるなら、こちらの方が適しています。
一方、ThinkPad X1 Carbon 2019は、非常に軽く、LTEにも対応しています。細かくカスタマイズもできます。正統派のモバイルPCといった感じです。
使用目的や、使用場所、重視する部分(バッテリー、グラフィックス、質量、LTE対応、価格など)を考慮してみると、最適な1台が見つかるでしょう。
[本製品] Yoga S740(14) |
デル New Inspiron 14 7000 |
レノボ ThinkPad X1 Carbon 2019 |
|
画像 | |||
CPU | 第10世代Core(U) Ice Lake |
第10世代Core(U) Comet Lake |
第8世代Core(U) 第10世代Core(U) Comet Lake |
GPU | Iris Plus | Intel UHD GeForce MX250 |
Intel UHD |
バッテリー | 最大約26時間 62.3Wh |
52Wh | 最大約18.9時間 51Wh |
LTE | なし | 対応 | |
サイズ[mm] | [幅]322.4 [奥行]212 [高さ]14.9-18.1 |
[幅]319.77 [奥行]205.93 [高さ]14.9-17.96 |
[幅]323 [奥行]217 [高さ]14.95- |
質量 | 約1.4kg~ | 約1.095kg~ タッチ液晶は1.21kg |
約1.09kg~ |
価格[税別] | 7万円台~ | 9万円台~ | 15万円台~ |
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによって快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | スペックは十分で快適に作業できます。ただし、液晶が光沢であるため映り込みがあります。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | スペックは十分で、液晶も比較的色鮮やかで、スピーカー音も比較的良く、快適に動画を鑑賞できます。ただし、光学ドライブは非搭載です。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | sRGBカバー率が96.6%となっており、Web用の画像編集・RAW現像などには使えるでしょう。なお、メモリが16GBのモデルをおすすめします。 |
動画編集 | △ | PowerDirectorなどの軽い個人向け動画編集ソフトを使うなら大丈夫ですが、本格的なソフトを使う場合、スペック不足です。 |
ゲーム | △ | 外部グラフィックスが強化されたIris Plusを内蔵しているとは言え、PCゲームを本格的にするにはまだ性能不足です。ただ、軽めのPCゲームやブラウザゲームならできると思います。 |
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
型番は「AUO B140HAN05.A」となっていました。
最大輝度は、当サイトの計測で、367cd/m2と比較的高いです。色域も比較的広く見やすい画面です。ただし、光沢液晶である点は好みが分かれると思います。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは横:約19mm×縦:約18mm、キーストロークは約1.2mmです。キーボードの打ちやすさは普通です。1つのフレームに、2つのキーが入っているところがあるのは、やや格好悪いです。
タッチパッドおよびクリックボタンの操作性は普通です。
なお、キーボードにはバックライトも付いており、薄暗い場所でもタイピングなどがしやすいです。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
CPUは、第10世代Coreプロセッサー(Ice Lake)を搭載しています。CPU性能は普通で、一般ユーザーにはちょうどいいと思います。
~ CINEBENCH R20 ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
Intel Iris Plusのグラフィックスを搭載しており、Intel UHD グラフィックスよりも高いベンチマークスコアになっています。ただ、それでもGeForce MX250より性能は劣ります。
~ 3DMark Night Raid - Graphics score ~
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
ストレージ
ストレージは、PCIe SSDを搭載しており高速です。
~ CrystalDiskMark ~
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
実際のソフトで計測した処理時間
次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。
Premiere Proの書き出し時間は、Intel UHD 620の約60%の時間で完了しました。ただし、外部グラフィックスを搭載したノートPCと比べると遅いです。
※ グラフィックスは全てノートPC用
比較的速いエンコード時間です。特にQSVによるエンコードが高速です。
Core i5-1035G4 | |
x265でエンコード (※1) | 27分31秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― |
QSVでエンコード (※3) | 1分52秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト
USB Type-CポートはThunderbolt 3対応で、DisplayPort機能やUSB PDにも対応しています。
また、当サイトで試した限りでは18WのPD充電器や、5V充電器でも充電することができました。外出先や出張などのとき、充電の面では便利です。
なお、純正品以外の機器で充電し故障しても、当サイトでは責任を負えませんのでご注意下さい。
充電できるか? | 外部モニター / 有線LANの拡張 |
||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | 〇 | 〇 |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | 〇 | 〇 | |
PD充電器 ※1 |
ZHOULX 充電器(65W) | 〇 | ― |
AUKEY 充電器(46W) | 〇 | ― | |
cheero 充電器(18W) | 〇 | ― | |
5V充電器 ※2 |
ANKER 充電器(5V/2.4A) | 〇 | ― |
AUKEY 充電器(5V/2.4A) | 〇 | ― | |
その他 | USB C-DPケーブルで外部モニター接続 | ― | 〇 |
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器
質量のチェック
質量は、メーカー仕様表では約1.4kgとなっていましたが、当サイトで計測した質量は、それよりもやや重かったです。ACアダプターについては、215gと軽いです。
質量 | |
PC本体 | 1.448kg |
ACアダプター(+電源ケーブル) | 215g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー容量は、前述した通り62.3Whもあり、多い容量です。
バッテリー駆動時間は次のようになっています。長い駆動時間です。多くのシーンで、丸一日バッテリーがもつのではないかと思います。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約26時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 15時間21分 |
(3) 動画再生時 | 11時間26分 |
(4) PCMark 8 Work | 8時間03分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
当サイトで計測した充電時間は次の通りです。普通の充電速度かなと思います。
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
エンコード時は普通の騒音値ですが、それ以外は低めの騒音値です。アイドル時と動画再生時はほぼ無音でした。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
普通の温度です。デュアルファンを搭載しており、冷却性能は高いです。
エンコード時の温度の詳細
下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。70℃前後で推移しており、問題ない温度です。ターボブースト後、温度は安定しています。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
エンコード時はやや熱く感じますが、それ以外は問題ありません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
やや低めの消費電力です。
外観のチェック
外観のチェックです。
Yoga S740(14)のカラーはアイアングレーで、Ideapadシリーズの一般的なボディカラーよりも、深めの色です。アルミボディの表面にはサンドブラスト加工が施されており、つるつるではなく、手になじむ感触です。
天板です。
スピーカーが底部ではなく、キーボード面の左右サイドに配置されています。音のこもりがなく、ダイレクトなサウンドを楽しめる作りとなっています。音質をノートPC基準で、10点満点で採点すると6~7点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
液晶を閉じたときの画像です。
側面のインターフェースは下図の通りで、種類は少ないです。
底面の画像です。
底面カバーを外したときの画像です。2つのCPUファンを搭載しており強力に冷却可能です。メモリはオンボードです。
搭載されていたSSDです。
ACアダプターです。容量は65Wです。
まとめ
Yoga S740(14)は、長いバッテリー駆動時間が特徴的な14型ノートPCです。最近の14型ノートPCの中で、かなり多いバッテリー容量を搭載しています。
さらに、Iris Plusを内蔵したIce Lakeと呼ばれる第10世代Coreプロセッサーを搭載しているので、高めのグラフィックス性能を備えています。
高めのグラフィック性能ですが、デュアルファンを搭載しており、高い負荷をかけても動作が安定しています。
ロングバッテリー、高めの処理性能に加えて、ボディはそこそこコンパクトで、持ち運びも可能な質量となっており、使い勝手がよさそうです。いつでも使えるオールラウンドなPCとして重宝するでしょう。
ただし、モバイル専用PCとしてはやや重めの質量ですし、インターフェイスも少なめ、という部分が使い方によってはデメリットになるでしょう。
バッテリー駆動時間重視の方におすすめ
Yoga S740(14)
特徴
- 最大約26時間の長時間バッテリー駆動
- Iris Plus内蔵のIce Lake搭載
- デュアルファン搭載
こんなあなたに
- バッテリー駆動時間が最重要項目
- グラフィック性能が高めのモバイルPCが欲しい
- 価格7万円台~
- 一言特定の人にはささるPC
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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