※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
ASUS ROG Strix G17 G713QR(2021)の実機レビュー
CPU | Ryzen 9 5900HX |
---|---|
GPU | RTX 3070 Laptop |
メモリ | 16GB(DDR4-3200) |
ストレージ | 1TB PCIe SSD |
液晶サイズ | 17.3インチ |
液晶種類 | FHD 300Hz 非光沢 |
質量 | 約2.7kg |
バッテリー | 約13.6時間(90Wh) |
価格[税込] | 24万円台 |
ASUS ROG Strix G17は、17.3インチの大型液晶を搭載した、ハイクラスのゲーミングノートPCです。
オーバークロックされたRyzen 9と、最大グラフィックスパワー130Wで動作するRTX 3070による、ハイエンドクラスの性能を備えたゲーミングノートPCとなっています。
さらに、没入感の高い17.3型液晶には、300Hzの高リフレッシュレートパネルを採用し、eスポーツなど競技性の高いタイトルのゲームを有利に進めることが可能です。また、液晶がsRGBカバー率100%なのもポイントです。
ゲームだけでなく、クリエイティブワークにも使えるゲーミングノートPCです。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 9 5900HX、16GBメモリ、GeForce RTX 3070 8GB
目次
お忙しい方は、「ASUS ROG Strix G17の特徴」のみお読みください。
ASUS ROG Strix G17の特徴
RTX 3070を搭載し、ハイエンドクラスのゲーミング性能
ASUS ROG Strix G17は、外部グラフィックスとしてGeForce RTX 3070を搭載しています。
RTX 3070 Laptopは、性能の高いGPUですが、機種や電力設定によっても性能が大きく左右されます。ASUS ROG Strix G17の搭載するRTX 3070は、最大グラフィックパワー(max TGP)130Wで動作する設定となっています。
この最大グラフィックスパワーが130Wというのは、他のGeForce RTX 3070 Laptop搭載ノートと比較してみても、トップクラスの高設定です。
最大グラフィックスパワー | |
デル ALIENWARE M15 R4 | 140W |
ASUS ROG Strix G17 | 130W |
ASUS ROG Strix G15 | 130W |
MSI GP66 Leopard 10U | 130W |
ASUS TUF Gaming A15 | 95W |
ASUS TUF Gaming A17 | 95W |
MSI GS66 Stealth 10U | 95W |
ASUS TUF Dash F15 | 85W |
【参考】 PCWorld(ASUS製品)、NOTEBOOK CHECK(その他)
実際に、3DMark Time Spyの結果を確認してみると、ASUS ROG Strix G17の搭載するRTX 3070 Laptopのスコアは、最大グラフィックスパワーが95WのRTX 3070 Laptopのスコアを大きく超えています。
:レビュー機で計測したスコア
括弧()内は最大グラフィックスパワー
「Ryzen 9 5900HX」をオーバークロックで駆動
ROG Strix SCAR 17の搭載するプロセッサーは、Zen 3コア・アーキテクチャーを採用したAMD Ryzen 9 5900HXです。下表には、ハイスペックノートPC向けのRyzenプロセッサーの仕様を載せています。中央が、ROG Strix SCAR 17の搭載するプロセッサーです。
Ryzen 9 5980HX | [本機器搭載] Ryzen 9 5900HX |
Ryzen 7 5800H | |
アーキテクチャ | Zen 3 | ||
コア / スレッド数 | 8 / 16 | ||
ベースクロック | 3.3 GHz | 3.3 GHz | 3.2 GHz |
ブーストクロック | 4.8 GHz | 4.6 GHz | 4.4 GHz |
キャッシュ(L2/L3) | 4MB / 16MB | ||
TDP | 45+W | 45+W | 45W |
8コア/16スレッド、20MBのキャッシュを備えた、非常に性能の高いプロセッサーです。さらに、この高性能プロセッサーを、オーバークロックで動作させることができるので、CINEBENCH R23のベンチマークでは、当サイトで計測したノートPCとして、トップクラスとなる高いスコアが出ていました。
以前は、ゲーミングノートPCには、インテル製のHシリーズCPUを搭載することが一般的でしたが、最近ではRyzen 5000 Hシリーズを搭載するゲーミングノートPCも増えてきています。実際にゲームをプレイしても、Ryzenプロセッサー搭載だからといって、ゲームのフレームレートが極端に下がることもありません。高い処理性能を、比較的安く搭載できるので、コストパフォーマンスに優れたプロセッサーだと思います。
ただし、ソフト側がRyzenプロセッサーに最適化されていないためか、高いパフォーマンスを十分発揮することができない場合もあります。例えば、Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像では、ベンチマークスコアでは大差をつけて勝っているCore i7-1165G7と同程度の処理時間がかかりました。
それでも、遅くて使えないという訳ではありません。ゲーム目的であれば、問題ありませんし、クリエイティブな作業にも、十分使用可能だとは思います。
17.3型の大画面
ASUS ROG Strix G17は、ゲーミングノートPCとしては大画面となる、17.3型の液晶を搭載しています。
下の画像では、兄弟機種のASUS ROG Strix G15と並べていますが、一般的なサイズの15.6型よりも画面が一回り大きくなります。実際に目の前に置くと、思った以上に大きいです。大画面なので、臨場感のあるプレイが可能となり、ゲームに没入することができます。
一方、ボディが大きく、重くなるので、移動がしにくくなるのがデメリットです。17.3型になると、据え置きでの使用がおすすめです。
300Hzの高リフレッシュレートパネル
ASUS ROG Strix G17の搭載する液晶は、300Hzの高リフレッシュレートパネルを採用しています。1秒間に300回画面を書き換えることが出来るということで、かなり滑らかな映像を表示することが可能となります。これは、現在のゲーミングノートPCとしては、トップクラスのリフレッシュレートです。視点を移動する場合や、ターゲット側が高速で移動する場合などに、動きを捕捉しやすく、精密なエイムがしやすくなるため、特にFPS系のゲームなどを有利に進めることができます。一瞬が勝敗を分けるような競技性の高い、eスポーツのタイトルなどをプレイするのにも適しています。
また、Adaptive-syncにも対応しており、液晶のリフレッシュレートと、GPUから出力されるフレームレートを同期することで、画面のカクツキやティアリングを抑えて、快適にゲームをプレイすることができるようにもなっています。
ハイエンドクラスに相応しい冷却システム
ASUS ROG Strix G17は、ハイエンドクラスの高いゲーミング性能を備えていますが、そのパフォーマンスを十分に発揮し、長時間、安定したゲームプレイを可能とするためには、高い冷却性能が必要とされています。
ASUS ROG Strix G17の冷却システムは、下の画像の通りです。6本のヒートパイプ、4つのヒートシンクと排気口、デュアルファンという、かなりしっかりとした構成です。矢印で示しているように、背面に突き出した部分の上部と、底面から吸気し、背面と側面の4か所から熱を放出します。
さらに、CPUとヒートパイプの間に塗布されている液体金属のサーマルコンパウンド、強度とノイズ低減が考慮された液晶ポリマー製の新型Arc Flowファン、0.1mmの超薄型銅製フィン、ホコリの付着による冷却性能の低下を防ぐためのセルフクリーニング冷却システム2.0など、細かい部分まで配慮が払われています。
もちろん、ハイエンドクラスのゲーミング性能なので、ゲーム時のCPU・GPUの温度は高くなりますが、これらの冷却システムによりしっかりサーマルコントロールがなされており、長時間、安定した動作でのゲームプレイが可能となっています。
ゲーミングPCらしいデザイン&イルミネーション
ASUS ROG Strix G17は、ゲーミングノートPCらしいデザインと、カラフルなイルミネーションも特徴となっています。
下の画像のように、ボディに隠れるタイプのヒンジ機構を搭載し、液晶を開いた状態でもクールな感じです。また、液晶下部はシンメトリーなデザインとなっていて、他のゲーミングノートとは一味違った感じがします。
ボディの側面と前面にはRGB LEDのライトバーが、キーボードの各キーにはRGB LEDが配置されています。これらのRGB LEDによるイルミネーションは色や発光パターンをカスタマイズすることができるので、気分を揚げ、プレイしやすい環境を作り、自分らしさを表現することもできます。また、天板のROGマークも輝き、どの角度から見てもかっこいいです。
メモリやストレージの増設・換装も可能
ASUS ROG Strix G17は、2つのメモリスロット(空きスロット:0)、2つのM.2 SSDスロット(空きスロット:1)という構成となっています。ASUSではメモリやストレージの増設・換装のサポートは行っていませんが、自己責任でのメモリとストレージの増設・換装は可能だと思います。
ASUSの上位モデル・下位モデルとの比較
ASUS ROG Strix G17と同じ17.3型の大画面を搭載した、ASUSの上位モデルと下位モデルとの簡単な比較を行いました。
上位モデルとなるのは、ASUS ROG Strix SCAR 17です。サイズや、デザインを見ると、基本的には同じボディのようです。ただし、GPUには最大グラフィックスパワー130Wで動作するRTX 3080 Laptopを搭載しており、ゲーミング性能はハイエンドクラスの中のハイエンドとなっています。また、キーボードには、高速の反応速度と、高い耐久性が特徴的な光学メカニカルスイッチキーボードを搭載しています。さらに、4つスピーカーを搭載しており、G17よりも音がいいです。自分のプロファイルを保存できるキーストーンにも対応しています。
一方、下位モデルとして紹介するのは、ASUS TUF Gaming A17です。こちらは、ASUS ROG Strix G17と同じRTX 3070 Laptopを搭載していますが、最大グラフィックスパワーが95Wで、パフォーマンスはやや低くなります。また、液晶のリフレッシュレートも144Hzですし、色域もあまり広くありません。その代わりに、16万円台と、RTX 3070搭載機としては非常にリーズナブルな価格です。コスパ重視で、ミドルクラスのゲーミングノートPCを探すのであれば、こちらも魅力的な機種です。
一方、ASUS ROG Strix G17は、高性能プロセッサーと、ハイクラスのゲーミング性能を、上位モデルのASUS ROG Strix SCAR 17よりも抑えた価格で入手することができます。多くのタイトルのゲームをを十分快適にプレイできますし、ミドルクラスからハイクラスへのステップアップを目指すゲーマーにとってはちょうどいい機種だと思います。また、液晶の色域も広いので、ゲーム兼動画編集などのクリエイティブな作業用としても使用できるでしょう。
ASUS ROG Strix G17 |
ASUS ROG Strix SCAR 17 |
ASUS TUF Gaming A17 |
|
画像 | |||
CPU | Ryzen 9 5900HX | Ryzen 9 5900HX Ryzen 7 5800H |
Ryzen 7 5800H |
GPU | RTX 3070 8GB (max TGP 130W) |
RTX 3080 16GB (max TGP 130W) |
RTX 3070 8GB (max TGP 95W) |
メモリ | 16GB | 16GB / 32GB | 16GB |
ストレージ | 1TB PCIe SSD | 512GB / 2TB PCIe SSD | 512GB PCIe SSD |
液晶サイズ | 17.3型 | ||
液晶種類 | FHD 300Hz | FHD 144Hz | |
重量 | 約2.7kg | 約2.75kg | 約2.7kg |
バッテリー | 90Wh(約13.6時間) | 90Wh(最大約14.0時間) | 90Wh(約12.8時間) |
価格[税込] | 249,800円 | 299,800円~ | 169,800円 |
レビュー | ー | レビュー | レビュー |
30日間返品保証 + ASUSのあんしん保証
ASUS Storeでは、現在、「30日間返品保証キャンペーン」を行っており、ASUS ROG Strix G17も対象機種になっています。購入してみたものの、ちょっと違うなと感じたら返品し、上で紹介したような上位モデルや下位モデルに買い替える、といったことも可能なので、通常よりも購入のハードルが低くなっています。
また、キャンペーン中に購入し、30日後も継続して使用する場合は、「ASUSのあんしん保証プレミアム 3年パック」という、通常14,800円かかる保証がプレゼントされます。この保証は、どんな故障でも理由を問わず、1年間に1度、3年の間、自己負担金0円で修理してくれるという他社にはないサービスです。また、この保証に登録すると、メーカー国内保証期間も3年に延長され、保証期間内のメーカー責任の自然故障であれば、利用回数にカウントされることなく、無料で修理対応してもらうことができます。
各用途の快適度
ASUS ROG Strix G17の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | サクサク動きます。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 色鮮やかな表示ができる17.3型の大画面で、快適な動画鑑賞が可能です。スピーカー音も悪くありません。 |
オンライン会議 | △ | マイク、スピーカーは付いており、音声のみでの参加は可能ですが、カメラがないため、こちらの映像を送ることができません。別途カメラを用意すると、問題なく参加できます。 |
RAW現像 画像編集 |
〇 | 液晶の色域は広めです。印刷用の画像編集には物足りないですが、ウェブ用の画像であれば編集作業も行えます。ただ、CPU性能は高いものの、ソフトによっては書き出しなどの速度がそこまで速くない場合があります。 |
動画編集 | ◎ | CPUおよびグラフィックス性能が高く、快適に動画編集ができます。ウェブコンテンツ用であれば、色調整まで行えます。 |
ゲーム | ◎ | max TGP 130Wで動作するRTX 3070に、300Hzの高リフレッシュレートを搭載し、ほとんどのゲームが快適に動作します。 |
ゲームベンチマーク&フレームレート
動作モード
本製品は、いくつか動作モードを選択できますが、ここでは「Turbo」モードにして計測しています。動作モードを変更するには、Fn+F5を押すか、「ARMOURY CRATE」のソフトを起動し、ここから変更します。
各タイトルの平均フレームレートを下に掲載します。すべて同じバージョン、同じ状況で計測しているわけではないので、あくまで参考値としてご覧ください。
重めのゲームでも、高設定で60 fpsを余裕をもって超えており、快適にプレイできます。軽めのゲームであれば、高設定でも150 fps以上出ていますし、画質を下げれば230 fps以上出ているゲームもあります。DLSSをオンにすれば、さらに高いフレームレートでのプレイも可能だと思います。
さすがに300 fpsを常時出せる性能ではありませんが、それでも高リフレッシュレート液晶を活かせるゲーミング性能を備えていると思います。
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | DLSS | 平均fps |
1920x1080 | 低 | オフ | 95 fps |
高 | オフ | 77 fps | |
ウルトラ | オフ | 68 fps |
重い部類のゲーム
ウォッチドッグス レギオン(DX12)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | DLSS | 平均fps |
1920x1080 | 低 | オフ | 88 fps |
高 | オフ | 77 fps | |
最大 | オフ | 68 fps |
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 軽量品質 | 138 fps |
標準品質 | 120 fps | |
高品質 | 92 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ(DX11)
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 標準(ノート) | 149 fps |
高(ノート) | 142 fps | |
最高品質 | 124 fps |
軽い部類のゲーム
VALORANT
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 238 fps |
高設定 | 231 fps |
軽い部類のゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 非常に低い | 176 fps |
中型 | 168 fps | |
ウルトラ | 165 fps |
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 最高品質 | 21168(すごく快適) |
レイトレーシング&DLSS有効時のフレームレート
レイトレーシングと、DLSSを有効にしたときのフレームレートを下に掲載します。
重めのタイトルで、レイトレーシングを最高設定にしても、DLSSをオンにしていれば、50 fps以上、タイトルによっては60 fps以上出ており、普通にプレイするには十分だと思います。
ただ、レイトレーシングはVRAMを比較的多く必要とするので、重い部類のゲームをレイトレーシングをオンにして、少しでも快適にプレイしたいということであれば、16GBのVRAMを搭載したGeForce RTX 3080 Laptop搭載種の方が、より適していると思います。
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | DLSS | 平均fps |
1920x1080 | レイトレ:中 | パフォーマンス | 63 fps |
レイトレ:ウルトラ | パフォーマンス | 61 fps |
重い部類のゲーム
ウォッチドッグス レギオン
|
||||
---|---|---|---|---|
解像度 | 品質 | レイトレ | DLSS | 平均fps |
1920 x 1080 |
最大 | 最大 | 高性能 | 54 fps |
その他のゲーム
上に掲載していない他のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。
ディスプレイのチェック
ASUS ROG Strix G17のディスプレイの詳細なチェックです。
今回搭載しているのはFHD 300Hz液晶で、パネルは、「SHARP LQ173M1JW04」でした。
本製品は300Hzの高リフレッシュレートに対応しながら、色域も広く、とても見やすい液晶です。内容次第では、クリエイティブな作業にも使用できると思います。
輝度は当サイトの計測では365cd/m2とやや高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
色域は広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は100%でした。
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 80.0% |
Adobe RGBカバー率 | 78.4% |
遅延
キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間(表示遅延)をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約27msでした。他の一般的なノートPCは80ms前後が多かったので、遅延は少ないです。なおこれは、液晶だけでなくPC全体の遅延となります。
残像
「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを十分速い1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、2~3フレーム前くらいまで残像がありました。
普通のノートPCの液晶は、60Hzで2フレーム前くらいまでの残像であるのに対し、本製品は、300Hzで2~3フレーム前くらいまでの残像しか見えなかったので、一般的なノートPCより、残像は抑えられています。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
ASUS ROG Strix G17のキーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは横:19mm、縦:19mm、キーストロークは約1.8mmです。キートップは適度にカーブしており、指馴染みがよく、底付きの衝撃も少ないため、打ちやすいキーボードです。
キーボードには、ASUS独自のオーバーストローク技術が採用されており、キーストロークの早い段階でキー入力が感知されます。一瞬を争うようなゲームをプレイするのにも適しています。
5つの専用ホットキーを備えたり、ファンクションキーが4つごとのブロックに分かれていることなどにより、ゲーム中でも、音量の調整、マイクのオン・オフなどのコントロールがしやすいです。また、テンキーも付いており、ショートカットキーにテンキーを使用するような、クリエイター向けソフトも使いやすいでしょう。
英字キーボードの枠をそのまま使用しているようで、一つの枠に複数のキーが配置されている部分は、やや見た目が悪いですが、実際に使っているときは、ほとんど気になりません。
キーごとに色を変えることができるRGBバックライトを備えており、ゲーミングノートPCらしいライティングが可能です。ゲームに頻繁に使用するキーだけをハイライトする、といったこともできます。
下の画像のように、アプリを使用して、RGBバックライトの色や、キーライティングのエフェクトの設定・選択が可能です。各キーのバックライトの色を変える場合も、ここで行います。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。ここでは、いくつかある動作モードのうち、デフォルトの「パフォーマンス」と、最も高いパフォーマンスが出る「Turbo」でベンチマークなどを計測しました。
CPU
CPUにはRyzen 9 5900HXを搭載しています。8コア16スレッド、キャッシュ20MBの高性能のプロセッサーで、オーバークロックにも対応しています。
マルチコア、シングルコアともにパフォーマンスが高いです。とりわけ、マルチコアのベンチマークスコアは、ゲーミングノートPCに搭載されるようなインテルのCPUのスコアを軽く超える、高い性能でした。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
DDR4-3200のメモリを16GB(8GBx2)搭載しています。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア
グラフィックス
グラフィックスには、GeForce RTX 3070 Laptopを搭載しています。
最大グラフィックスパワーが130Wと高いため、設定によってはRTX 3080 Laptopと同レベルの高いスコアが出ていました。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
GPU-Zで確認したGeForce RTX 3070 Laptop GPUの情報は次の通りです。動作モードを「Turbo」にすると、GPUクロックがアップしていることが確認できます。
ストレージ
ストレージには、PCIe SSDを搭載しており高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
クリエイターソフトの処理時間
以下、各クリエイターソフトの処理時間を掲載します。
モバイル用のRyzenプロセッサーは、Lightroomとやや相性が悪いようで、末尾にHが付くHシリーズのインテルCoreプロセッサーと比べるとやや遅いです。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
非常に速い処理速度です。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Blenderのレンダリングはまずまずの速さですが、インテルCoreプロセッサー + GeForce RTX 3070の構成よりも遅かったです。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートの動作チェックです。
USB3.2 Gen 2対応で、データ転送、映像出力、本機への給電をサポートしています。テストした中では、45W以上の出力があれば、USB-C経由での充電が可能でした。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | ○ | ○ | ○ |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、YCbCr444で表示できていますが、CPU内蔵GPUからの出力となります。
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトには「約2.7kg」と記載されており、実測値もほぼ同じでした。17インチクラスのゲーミングノートとしては普通の重さだと思います。
ACアダプターはやや重いです。
質量 | |
PC本体 | 2.706kg |
ACアダプター | 730.1g |
バッテリー駆動時間のチェック
ASUS ROG Strix G17のバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は、90Whでした。大きめの容量です。
当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。高性能なゲーミングノートPCとしては、意外と長めの駆動時間だと思います。軽い作業であれば、電源につながなくても使用できそうです。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0測定方法 | 約13.6時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 9時間4分 |
(3) 動画再生時 | |
(4) PCMark 10 Gaming | 1時間48分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。
パフォーマンスモードでは、最初CPU電力が60W前後で動作しますが、5分くらい経過すると45Wまで下がり、パフォーマンスが落ちます。それに伴ってCPU温度は90℃前後から75℃前後まで下がり、その後、心配のない温度で推移します。
Turboモードでは、65W前後のCPU電力を維持しています。CPU温度も80℃前後なので、こちらも心配するほど高くはなっていません。
どちらのモードでも、サーマルコントロールがよくなされており、長時間連続して高い負荷がかかるような場合でも、心配なく使用できると思います。
- パフォーマンス時
- Turbo時
ゲーム時のGPU温度の詳細
ファイナルファンタジー15のゲームベンチマーク実行中のCPU/GPU温度は下図の通りです。
Turboモードでの測定となりますが、CPU温度・GPU温度ともに、ほぼ90℃以下に抑えられています。やや高めの温度ではあるものの、高いパフォーマンスを安定して継続的に発揮できるようなので、心配することなく、長時間のゲームプレイを楽しむことができると思います。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時は、ほとんど無音です。ゲームのような高負荷時は、「パフォーマンス」モードであれば普通の騒音値ですが、「Turbo」モードにすると、さすがにややうるさく感じます。
ただ、非常に高い性能のゲーミングノートPCなので、仕方がありません。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。
ゲーム中はキーボード上部の温度が上がるものの、パームレスト部の温度はほとんど変化しません。WASDキーの温度もそこまで上昇しないので、長時間ゲームをプレイする場合でも、不快感はそれほどありません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。
高性能パーツを搭載しているので、ゲームのような高負荷時の消費電力は高めです。アイドル時は、低めの消費電力です。
外観のチェック
ASUS ROG Strix G17の外観のチェックです。
ボディサイズはさすがに大きいですが、ゲーミングノートらしいデザインがかっこいいです。
天板は、素材にアルミニウム合金を採用しています。ROGのロゴマークが配置されており、精悍なイメージです。
スピーカーは底面に配置されています。音質はまずまずで、ノートPC基準で10点満点で採点すると、6点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
ウェブカメラは搭載していません。
閉じた時の画像です。高さは約23.4~27.5mmと、しっかり厚みがあります。
インターフェイスには、USB3.2 x3、USB-C(映像出力、本機への給電に対応)、HDMI、LANポートを備えています。SDカードリーダーは備えていません。
ポート類の多くが背面に配置されており、ケーブル類がゲームプレイの妨げとなることもありません。
液晶が開く最大の角度です。
底面です。吸気できるように、部分的に通気口が設けられています。
底面カバーを外したときの画像です。2基の冷却ファン、6本のヒートパイプを備えています。
メモリです。2基のメモリスロットを備えており、16GBメモリ(8GB x2)を搭載していました。
M.2スロットは2つあります。ASUSではユーザーによる増設や交換はサポートしておりませんが、自己責任での増設も可能だとは思います。
ACアダプターの容量は240Wです。
まとめ
以上が、ASUS ROG Strix G17のレビューです。
Ryzen 9 5900HX、RTX 3070、300Hz駆動液晶を搭載した、レベルの高いゲーミングノートPCです。
特に、RTX 3070は最高グラフィックスパワーが130Wと高い設定で動作するため、ハイクラスのゲーミング性能を発揮していました。
高い性能ですが、冷却性能も高いので、安心して長時間プレイすることが可能です。
また、液晶の色域も広く、動画編集など、クリエイティブな作業にも使用できます。
なお、17.3型にこだわらず、ややクリエイティブ作業寄りの機種がよければ、同じく最高グラフィックスパワー130Wで動作するRTX 3070、15.6型のWQHD/165Hz液晶を搭載した兄弟機種ASUS ROG Strix G15も検討してみるといいと思います。
30日間返品保証キャンペーンも行っているので、今なら比較的気楽に試してみることができるのも嬉しいポイントです。気になったなら、実際に手に取って、使ってみることをおすすめします。
ゲーム+クリエイティブワークに活用できる17.3型ゲーミングノート
ASUS ROG Strix G17(2021)
特徴
- Ryzen 9 5900HXによる高い処理性能
- max TGP 130W動作のRTX 3070
- 広色域で、300Hz駆動の17.3型液晶搭載
こんなあなたに
- ハイクラスゲーミングノートが欲しいクリエイター
- eスポーツタイトルで本気のプレイがしたい方
- 価格24万円台[税込]
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ
最大グラフィックスパワーが130Wと高いRTX 3060で、Core i7-10875Hの高性能CPUを搭載し、色域が広めの144Hz駆動液晶を備え、バランスのとれたミドルスペック・ゲーミングノートPC。
MSIのRTX 3060を搭載したミドルクラスゲーミングノートPC。軽量でACアダプターと合わせても約2.5kgで持ち運びやすい。
ASUSのノートパソコンの一覧。TransBook、Zenbookなどのブランドごとやサイズごとに掲載。
ゲーミングノートパソコンの比較ページ。ALIENWAREやGALLERIA、NEXTGEAR-NOTE、OMENといったゲームブランドノートPCの比較。
パソコンに必須のセキュリティソフトの比較ページ。セキュリティソフトの選び方や、比較一覧表、用途ごとのおすすめ製品などを掲載。