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ASUS ROG Strix SCAR 17(2021)の実機レビュー
CPU | Ryzen 9 5900HX Ryzen 7 5800H |
---|---|
GPU | RTX 3080 16GB RTX 3080 6GB |
メモリ | 32GB |
ストレージ | PCIe SSDx2 |
液晶サイズ | 17.3インチ |
液晶種類 | FHD 非光沢 300Hz |
質量 | 約2.75kg |
バッテリー | 約12.2時間 (90Wh) |
価格[税込] | 29万円台~ |
ASUS ROG Strix SCAR 17は、最強・最速クラスのゲーミングノートPCです。
ハイエンドのRyzen 9 5900HXと、ノートPCとしては最高峰の性能のRTX 3080 Laptop 16GBを搭載。17.3型液晶は300Hzの超高リフレッシュレートに対応しています。
また、キーボードには、反応速度が速いオプティカルメカニカルキーボードを採用しています。
現時点でこのスペックや構成を超えるゲーミングノートPCは、ほとんどないでしょう。
ただし、英語キーボードである点はご注意下さい。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。先行貸出機ですので、一部部材は量産品と違う可能性があります。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 9 5900HX、32GBメモリ、GeForce RTX 3080 16GB
目次
お忙しい方は、「 ASUS ROG Strix SCAR 17の特徴」のみお読みください。
ASUS ROG Strix SCAR 17の特徴
最強・最速の17.3型ゲーミングノートPC
ROG Strix SCAR 17は、17.3型の大画面を搭載した、最強かつ最速のゲーミングノートPCです。
というのも、ただ単にハイクラスのプロセッサーとGPUを搭載しているというだけでなく、液晶、キーボード、ストレージ等を含めて、全てが非常に高速に動作できる構成となっているからです。
本気で勝ちを目指す、ガチのゲーマーやプロゲーマーに適した機種です。
「Ryzen 9 5900HX」ならオーバークロックで駆動
ROG Strix SCAR 17は、Zen 3コア・アーキテクチャーを採用したRyzen 9 5900HXを搭載しています。下表には、ハイスペックノートPC向けのRyzenプロセッサーの仕様を載せています。中央が、ROG Strix SCAR 17の搭載するプロセッサーです。
Ryzen 9 5980HX | Ryzen 9 5900HX | Ryzen 7 5800H | |
アーキテクチャ | Zen 3 | ||
コア / スレッド数 | 8 / 16 | ||
ベースクロック | 3.3 GHz | 3.3 GHz | 3.2 GHz |
ブーストクロック | 4.8 GHz | 4.6 GHz | 4.4 GHz |
キャッシュ(L2/L3) | 4MB / 16MB | ||
TDP | 45+W | 45+W | 45W |
8コア/16スレッドの、非常に高い性能のプロセッサーであることが、仕様からも分かります。しかも、この現時点でトップクラスの処理性能を誇るプロセッサーを、工場出荷時にオーバークロックしているため、CINEBENCH R23では当サイトで計測したノートPCとしては、最高スコアとなる非常に高いスコアをたたき出しました。
ただし、全ての処理で最速かと言うと、そうでもありません。TMPGEnc Video Mastering Works 7を使った処理時間はダントツで短かったですが、Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像では、スコアでは劣っていたインテル系のCPUよりも、長い処理時間がかかりました。
Adobe系のソフトなど、インテルCPUに最適化されているソフトを使ったクリエイティブな作業であれば、ベンチマークスコア程の性能が発揮できないこともあります。それでも遅いということはありませんので、ゲームに軸足を置いて、クリエイティブな作業も行うという場合は、非常に強力なプロセッサーとして、おすすめです。
Ryzen 7 5800Hを搭載したモデルも登場しました!
最上級性能の「GeForce RTX 3080」を搭載
ASUS ROG Strix SCAR 17は、現時点で最高クラスのノートPC用グラフィックスである「GeForce RTX 3080 Laptop 16GB」を搭載しています。※「GeForce RTX 3080 Laptop 8GB」のモデルも登場しました。
下のグラフで示すように、ハイエンドのグラフィックスの中でも群を抜いた性能を持っています。デスクトップ用グラフィックスと比較しても、RTX 2080 SUPERを超えるほどのベンチマークスコアを記録しており、非常に性能が高いです。 負荷の高いゲームでも、最高設定でプレイできるゲームが多いです。
300Hz・3msの超高速駆動パネルを搭載
ROG Strix SCAR 17は、ゲーミングノートPCの中で最高レベルのリフレッシュレートとなる300Hz駆動液晶を搭載しています。さらに、応答速度も3msと非常に速いです。
このような超高速駆動パネルを搭載することで、ゲームを滑らかに、ライバルよりも有利に進めることができます。例えば、Apex LegendsのようなFPSゲームであれば、動きが滑らかなだけでなく、ターゲットの追跡やエイムがしやすくなります。17.3型と大画面なので、画面も見やすく、機器のせいで実力を十分に発揮できなかった、ということがありません。
加えて、液晶は実測でsRGBカバー率99.9%と色域も広いので、鮮やかな表示が可能ですし、動画編集や3DCG作成などのクリエイティブな作業にも使用することができます。
パフォーマンスを引き出せる冷却性能
ROG Strix SCAR 17は、最高レベルのプロセッサーとグラフィックスを備え、しかも、Ryzen 9 5900HXはオーバークロックまでされているので、高いパフォーマンスを引き出し、それを長時間維持するためには、かなりしっかりとした冷却性能が必要となります。
その点、ROG Strix SCAR 17は、セルフクリーニング機能搭載のファン2基と、6本のヒートパイプを備えています。ファンはそれぞれ、背面と側面の2方向から排気するので、合計4か所から排熱しています。さらに、プロセッサー部分には液体金属のサーマルコンパウンドを使用し、温度を最大16℃下げることができるようです。
実際に使用してみても、このハイスペック構成でありながら、サーマルコントロールがしっかりとなされており、高負荷をかけても安定して動作していました。 しかも、騒音も思ったほど高くはなかったです。
優れたクーリングシステムを搭載していると思います。
オプティカルメカニカルキーボード搭載
ROG Strix SCAR 17は、オプティカルメカニカルキーボードを搭載しています。キーボードは、Nキーロールオーバーや、全キーRGBイルミネートにも対応しています。
通常のメカニカルキーボードは、金属接点で動作するため信号が送られるまでの最大5msのデバウンス遅延を含め、キー操作にわずかな遅延が生じます。一方、オプティカルメカニカルキーボードでは、光で作動するため遅延を極限まで減らすことができ、0.2msと非常に速い反応速度を実現しています。ゲームのタイプによっては、このキーボードの反応速度の速さが勝敗を左右することもありそうです。
また、通常のメカニカルキーボードの5倍となる、1億回の打鍵テストもクリアしており、耐久性も高いです。
ただし、キーボードは、英字配列キーボードのみです。英字配列キーボードはゲームもプレイしやすいですが、ここは好みの分かれる部分だと思います。
ゲーミングPCらしく人目を引くデザイン
ROG Strix SCAR 17は、ゲーミングノートPCらしく、人目を引くデザイン性の高さも特徴となっています。
キーボード面の奥側は立ち上がっており、スピーカーやマイクが内蔵されています。
ヒンジには、筐体の中に入り込むような、シザードアヒンジを採用しています。閉じたときにはヒンジが隠れて、見た目もいいですし、排気スペースを確保する点でもメリットがあるようです。
キーボード面は、一部スケルトンになっています。メカニカルな感じがして、かっこいいです。
天板部分には、角度によって文字が浮かび上がるようなドットデザインが施されています。
ボディは、LEDのイルミネーションで飾られています。ゲーミングPCらしいライティングを好む方であれば、気分アゲアゲでゲームをプレイできるかもしれません。
交換可能なArmor Capでイメージチェンジ
デザイン的な特徴の続きとなりますが、ROG Strix SCAR 17では、背面の「ROG」と書かれた部分はArmor Capといい、交換することができます。
デフォルトのラバーグレイに加えて、ブラックとシルバーのArmor Capが同梱されており、気分に合わせて付け替えて、少しだけイメージを変えることができます。
機能には何の影響もないと思いますが、ちょっとした遊び心を感じます。
キーストーン2が付属
ROG Strix SCAR 17には、下図のようなキーストーン2と呼ばれる、NFC対応の物理キーが付属します。
キーストーン2を本体に装着することで、PCのエフェクトを変えたり、設定しておいたアプリやゲームをすぐに立ち上げたりすることができます。また、Shadow Driveと呼ばれるプライベートストレージにアクセスすることも可能となります。
スパイものの映画の世界のような感じのツールですが、個人データを守るという点でも、意外と実用的かもしれません。
ASUSのあんしん保証
ASUSでは最近、「ASUSのあんしん保証」というサービスを展開しています。この保証は、理由を問わずどんな故障でも部品代の20%のみで修理してくれるというものです。メモリやストレージなどを増設した後の故障など、他のメーカーであれば保証対象外となるケースでも、ASUSなら故障した部品代の20%で修理してくれます。加入料は0円なので、是非登録をおすすめします。※増設・換装後に故障した場合、最初のパーツの状態じゃないと修理は受けられないため、ご注意下さい。
もちろん、保証期間内のメーカー責任の自然故障であれば、「ASUSのあんしん保証」の使用回数にカウントされることなく、無償で修理してくれます。
ただし、「ASUSのあんしん保証」のサービスを受けることができるのは、保証期間1年の間に1回だけです。有償となりますが、保証期限を3年に伸ばす「ASUSのあんしん保証 Premium 3年パック」 も用意されているので、より安心を求める方は3年パックがいいでしょう。詳細はメーカーサイトをご確認下さい。
残念なポイント
最強クラスのゲーミングノートPCであるASUS ROG Strix SCAR 17ですが、ウェブカメラを搭載していません。時節柄、オンラインのビデオ通話を行う機会も多いので、ディスプレイの下部にでもいいので、ウェブカメラは搭載していて欲しかったです。
各用途の快適度
ASUS ROG Strix SCAR 17の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 色域が広く視野角も広く見やすい液晶です。ただし、英語キーボードで配列が日本語キーボードと異なるのでご注意下さい。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 見やすい画面で、スピーカー音も比較的良く、快適に動画鑑賞できます。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | CPU性能が非常に高く作業は快適です。液晶の色域もsRGBカバー率100%となっているので、Web系のクリエイターに最適です。ただし、DTP系のクリエイターの場合は、もっと広い色域の製品がいいでしょう。 |
動画編集 | ◎ | CPUおよびグラフィックス性能が高く、快適に動画編集ができます。色域も十分広いです。ただし、DCI-P3ほどの色域はないため、プロの映像クリエイターはここが不満に思うかもしれません。 |
ゲーム | ◎ | 高い性能のグラフィックスに300Hz駆動のディスプレイを搭載し、快適にゲームができるでしょう。 |
ゲームベンチマーク&フレームレート
動作モード
ゲームに付属のベンチマーク機能のスコア、または実際にゲームをプレイし、Frapsで計測したフレームレートを掲載します。
なお、本製品は、いくつか動作モードを選択できますが、ここでは「Turbo」モードにして計測しています。動作モードを変更するには、Fn+F5を押すか、「ARMOURY CRATE」のソフトを起動し、ここから変更します。
eスポーツタイトルのフレームレート
国内で人気の高いeスポーツタイトルの平均フレームレートを掲載します。すべてを同じ状況で計測しているわけではないので、あくまで参考値としてご覧ください。本製品は300Hz液晶を搭載していますが、グラフィック品質を下げても、さすがに300 fps出せるゲームは少ないです。それでも、高設定で150 fpsを超えていますし、低設定にすると300 fpsに近づくゲームもあります。他のゲーミングノートPCよりも、ゲームを有利に進めることができると思います。
軽い部類のゲーム
Apex Legends(DX11)
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---|---|---|
1920x1080 | 低設定 | 278 fps |
高設定 | 196 fps |
軽い部類のゲーム
VALORANT
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---|---|---|
1920x1080 | 低設定 | 300 fps |
高設定 | 274 fps |
軽い部類のゲーム
フォートナイト
|
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---|---|---|
1920x1080 | 低設定 | 198 fps |
高設定 | 174 fps | |
最高設定 | 159 fps |
軽い部類のゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
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---|---|---|
1920x1080 | 非常に低い | 180 fps |
中 | 175 fps | |
ウルトラ | 170 fps |
その他のゲームタイトルのフレームレート
その他のゲームのベンチマークスコアを下の表に掲載します。重いゲームでも、最も高いグラフィック設定で60fpsを超えてきます。少しグラフィック設定を落とせば、100fps以上のフレームレートでゲームが出来るものが多いです。
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
|
---|
1920 x 1080 |
低 | 108 fps |
高 | 80 fps | |
ウルトラ | 71 fps | |
レイトレ:ウルトラ | 56 fps |
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
|
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---|---|---|
1920x1080 | 軽量品質 | 15463 / 154 fps |
標準品質 | 13397 / 133 fps | |
高品質 | 10238 / 102 fps |
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 最低 | 121 fps |
中 | 115 fps | |
最高 | 112 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 標準(ノート) | 17291 / 152 fps |
高(ノート) | 17394 / 150 fps | |
最高品質 | 16441 / 135 fps |
中程度の重さのゲーム
ファークライ ニュードーン
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 低品質 | 101 fps |
高品質 | 92 fps | |
最高品質 | 85 fps |
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 最高品質 | 20529(すごく快適) |
その他のゲーム
他のグラフィックス、他のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。
ディスプレイのチェック
ディスプレイの詳細なチェックです。
パネルは、「LQ173M1JW04」でした。
300Hz駆動に対応し、遅延も残像も少なく、色域も広い優秀なディスプレイです。最大輝度は、当サイトの計測では355cd/m2と高めでした。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
遅延
キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間(表示遅延)をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約32msでした。他の一般的なノートPCで計測したところ80ms前後が多かったので、遅延はかなり少ないと思います。なおこれは、液晶だけでなくPC全体の遅延となります。
残像
「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを十分速い1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、1フレーム前くらいまで残像がありました。普通のノートPCは、60Hzで2フレーム前くらいまでの残像ですが、本製品は300Hzと単位時間当たり5倍のフレームが表示されているにも関わらず1フレーム前までしか映っていなかったので、残像は非常に少ないです。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
キーボードには、反応速度の速いオプティカルメカニカルキーボードを採用しています。
実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18.5mm、キーストロークは約1.7mmです。キートップはわずかにカーブしています。しっかりとした打鍵感があり、打ちやすいキーボードです。
ファンクションキーも同じサイズなので押しやすいですし、F4とF5の間や、F8とF9の間など隙間がありキーを探しやすいです。
ただし、下の画像のように、キーボードは英字配列キーボードのみです。エンターキーが横長だったり、アットマークなどの位置が違っていたりと、日本語キーボードとは使い勝手が異なっています。また、テンキー付きですが、矢印キーの上に配置されており、配置も一般的な4列テンキーとは異なります。
通常のタイピングを行うには慣れが必要ですが、ゲームプレイはしやすいと思います。また、テンキーもあるので、テンキーをショートカットキーに使用するようなクリエイター向けのソフトも使いやすいです。
タッチパッドの操作性は普通で、クリックボタンは軽めの力で押すことができます。
下の画像のように、ゲーミングノートPCらしいライティングが可能なバックライトを備えています。各キーごとに色を設定することができるので、よく使うショートカットキーを目立たせるなど、ゲームを有利に進めるためのカスタマイズも可能です。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。ここでは、いくつかある動作モードのうち、デフォルトの「パフォーマンス」と、最も高いパフォーマンスが出る「Turbo」でベンチマークなどを計測しました。
なお、HWiNFOを確認すると、「パフォーマンス」モードはPL1:65W、「Turbo」モードはPL1:80Wでした。
CPU
Ryzen 9 5900HXを搭載しています。これは、8コア16スレッドの非常に高い性能のプロセッサーです。これまで計測したノートPCの中で最も高いスコアを出しており、シングルコアのスコアも高いです。ノートPCとしては最強レベルのプロセッサーなので、ほとんどのソフトが快適に動きます。
また、Ryzen 7 5800Hのモデルも登場しています。こちらも、Ryzen 9 5900HXほどではありませんが、非常に高いマルチコア性能になっています。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
グラフィックス
グラフィックスには、最新のノート用RTX 30シリーズでも最も性能が高い、GeForce RTX 3080 16GBを搭載しています。1世代前のデスクトップ用ハイエンドGPUのスコアに迫る、非常に高いスコアです。また、GeForce RTX 3080 8GBのモデルも登場しています。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
GPU-Zで確認したGeForce RTX 3080 Laptop 16GBの情報は次の通りです。
ストレージ
ストレージには、PCIe SSDを搭載しており高速です。特に今回は、RAID 0の構成となっており、シーケンシャルリードはPCIe Gen4を超えるほどの爆速なベンチマークスコアでした。
追記:量産品はRAID 0ではないそうです。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
クリエイターソフトの処理時間
以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。
速い書き出し時間ですが、Core i7-10875HなどのインテルCPUよりは遅かったです。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
比較的重い機能を実行しましたが、いずれも数秒で終わっており、快適に作業できます。
処理時間 | |
ニューラルフィルター | 約2秒 |
コンテンツに応じた塗りつぶし | 約3.5秒 |
被写体を選択 | 約2.5秒 |
スマートシャープ | 約0.5秒 |
4K動画も高速に書き出しできます。ワープスタビライザーなどの処理も速めに終わります。カラー編集もすぐに反映されます。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
書き出し時間も速く、編集作業も快適です。
※ MacBook以外(Windowsノート)は、エンコーダーに、QSV、NVIDIA、AMD等を選択
CPUのみで実行するx265エンコードを実行してみましたが、非常に高速でした。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトには「約2.75kg」と記載されており、実測値もほぼ一緒でした。このハイスペックの17.3型ゲーミングノートとしては軽いと思います。
質量 | |
PC本体 | 2.714kg |
ACアダプター | 718kg |
バッテリー駆動時間のチェック
ASUS ROG Strix SCAR 17のバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は、90Whでした。
バッテリー駆動時間は下の通りです。17.3型というサイズと、ハイエンドゲーミングノートPCであることを考えると、十分なバッテリー駆動時間です。
また、急速充電にも対応しており、30分で約50%までの充電が可能となっています。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約12.2時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | ― |
(3) 動画再生時 | 8時間18分 |
(4) PCMark 8 Work | 1時間28分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。
エンコード時の温度
下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。
「パフォーマンス」モードでは、最初80℃台後半で推移していますが、少し時間が経過すると、70℃台前半までグンと下がっています。「Turbo」モードではさすがにCPU温度が上がり、90℃台前半で推移しています。性能が非常に高いRyzen 9 5900HXを搭載し、Turboモードで動かしている割には、温度はしっかりと抑えられているほうではないかと思います。
- パフォーマンス時
- Turbo時
FF15ベンチ実行時の温度
下図は、ゲーム時のGPU温度の詳細です。
「パフォーマンス」モードの方が、CPU温度のピーク値は高く、GPU温度も80℃台前半と高めです。また、「Turbo」モードの方が、ファンの回転数が上がるためか、GPU温度は「パフォーマンス」モード時よりも低かったです。CPU温度もそこまで差がありません。
ゲーム時は、「Turbo」モードでプレイしていいのではないかと思います。
- パフォーマンス時
- Turbo時
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
「パフォーマンス」モード時も、「Turbo」モード時も、高負荷時の騒音値は変わりませんでした。高めの騒音値ではありますが、ハイパフォーマンスのゲーミングノートPCとしては、騒音も抑えられていると思います。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。
かなり高い性能のパーツを搭載しているのに、表面温度はそこまで高くありません。特にパームレストの温度がほとんど上昇せず、長時間のゲームも快適にプレイできるでしょう。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。
高性能CPUおよび高性能グラフィックスを搭載しているため、ゲーミングノートPCの中でも高めの消費電力です。
外観のチェック
外観のチェックです。
画面占有率が約85%と液晶の占める割合が広く、ゲームに没頭しやすいです。キーボード面の一部には、スケルトン加工が施されるなど、ユニークなデザインです。
天板にはドットの文字が見えます。
スピーカーは、キーボード面のヒンジ近くと、底面手前の左右に設けられています。1W x2、2W x2のクアッドスピーカーです。音質も良いです。ノートPC基準で、10点満点で採点すると7点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
GeForce RTX 3080を搭載したハイクラスのゲーミングノートPCとしては、頑張って厚みを抑えていると思います。
側面、背面のポート類です。右側面には、キーストーン2の差込口があります。USB-Cは、映像出力と、本機への給電に対応しています。ただし、USB-Cによる給電は最大100Wなので、付属の240W出力のACアダプターの代わりにはなりません。
液晶が開く最大の角度です。
底面です。
底面カバーを外したときの画像です。特徴の部分で書いた通り、冷却性能も高いです。
メモリスロットを2つ備えています。
M.2 SSDは2基搭載しており、今回の貸出機はRAID 0構成となっていますが、量産品はRAID構成ではないそうです。
ACアダプターは、240W(20.0V、12.0A)と大容量です。ただ、GeForce RTX 3080 Laptopを搭載したゲーミングノートのACアダプターとしては、サイズが抑えられているなと感じました。厚みも少ないので、カバンにも入れやすいです。
まとめ
以上が、ASUS ROG Strix SCAR 17のレビューです。
Ryzen 9 5900HX、RTX 3080 16GBという現時点で最強クラスの組み合わせのゲーミングノートPCです(Ryzen 7、RTX 3080 8GBのモデルも登場しました)。さらに、300Hzの超高リフレッシュレートの17.3型液晶、オプティカルメカニカルキーボードを搭載し、ハイエンドのゲーミング性能を活かして、一瞬が勝敗を分けるようなゲームでも有利に進めることができます。
高い冷却性能で、サーマルコントロールもしっかりできており、安定してハイパフォーマンスを発揮することができます。旧モデルと比較して、「Turbo」時の騒音値も抑えられていました。
クリエイティブ作業専用にするにはちょっともったいない感じがしますが、液晶の色域が広いので、ゲーム兼クリエイティブ作業用のハイスペックノートPCとしても使用できるでしょう。
ゲーマーにとっては垂涎の的となる、最高レベルのゲーミングノートPCです。
ただし、英語キーボード配列である点はご注意下さい。
最強・最速を追求した17.3型ゲーミングノート
ASUS ROG Strix SCAR 17
特徴
- 高いCPU性能
- ノート用最高性能GPUのGeForce RTX 3080を搭載
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1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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