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MSI GF65 Thin 10U(RTX 3060搭載)の実機レビュー
CPU | Core i5-10200H Core i5-10500H Core i7-10750H |
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GPU | RTX 3060 Laptop 6GB |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
液晶サイズ | 15.6インチ |
液晶種類 | FHD 144Hz |
質量 | 約1.86kg |
バッテリー | 51Whバッテリー |
価格[税込] | i5モデル:12万円台~ i7モデル:17万円台~ |
MSI GF65 Thin 10Uは、次世代ノート用グラフィックスRTX 3060を搭載したミドルクラスゲーミングノートPCです。
レイトレーシング環境ではやや力不足なものの、レイトレーシングを使わないなら、ほとんどのゲームが最高設定、重いゲームでも高設定でプレイできます。特にeスポーツタイトルでは、平均フレームレートが高めで、144Hz液晶との相性も良いです。
また、質量が軽く、ACアダプターと合わせても約2.5kgなので、カバンに入れて外へ持ち運びやすいです。 RTX 3060搭載モデルの中では価格も安いです。
ただし、色域が狭く、残像がやや気になります。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-10750H、16GBメモリ、GeForce RTX 3060 6GB、512GB NVMe SSD
目次
お忙しい方は、「MSI GF65 Thin 10Uの特徴」のみお読みください。
MSI GF65 Thin 10Uの特徴
次世代ノート用グラフィックス「RTX 30シリーズ」を搭載
GF65 Thin 10Uは、次世代のAmpereノート用グラフィックス「GeForce RTX 3060」を搭載しています。
基本スペックは下記の通りで、旧世代のノート用RTX 2060と比較すると、電力やメモリなどはそれほど変わりませんが、CUDAコア数が2倍以上になり、ブーストクロックも引き上げられています。グラフィックス性能を測るベンチマークソフト「3DMark Time Spy」のスコアを比較すると、旧世代のRTX 2060よりも13%ほどしかスコアは向上していませんが、それでもノートPC向けミドルクラスグラフィックスの中では、かなり高いスコアになります。
GeForce RTX 3060 |
GeForce RTX 2060 |
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CUDAコア数 | 3840 | 1920 |
ブーストクロック | 1283 - 1703 MHz | 1185 - 1560 MHz |
GPU Subsystem Power (W) | 60 - 115W | 65 - 115W |
メモリタイプ | GDDR6 | |
メモリ容量 | 6GB | 6GB |
メモリバス幅 | 192 bit | 192 bit |
3DMark Time Spy(DX12) - Graphics score
144Hzの高リフレッシュレートパネルを搭載
RTX 3080やRTX 3070を搭載したハイエンドゲーミングノートでは、300Hzや240Hzといった超高リフレッシュレート液晶を搭載した製品が多いですが、ミドルクラスである本製品では、そこまでの高いリフレッシュレートではないものの、144Hzの液晶を搭載しています。現状デスクトップ用の高性能グラフィックボードでも、多くのゲームで240fps以上を安定して出すのは難しいため、個人的には144Hzでも十分だと思います。
144Hz液晶では、通常の60Hzの2倍以上映像を描写するので、素早い動作や視点移動でも滑らかでヌルヌル動き、精密なエイム動作も素早く行うことができます。特に競技性の高いeスポーツタイトルにおいては60Hz液晶に比べて優位になります。
144Hzを最大限発揮するには常時144 fpsをキープするのが理想です。試しに、RTX 3060を搭載した本製品では、どの程度フレームレートを維持できるのか、実際にAPEXとPUBGのマッチプレイにて計測してみました。1マップでの測定なので、あくまでも参考程度にご覧ください。
いずれも最低の設定で、平均フレームレートはAPEXでは185 fps、PUBGでは170 fps、最小フレームレートは116 fps、100 fpsと、かなり高いフレームレートを維持できています。これなら、ほとんどのシーンにおいて、144Hz液晶の恩恵を最大限引き出した上でプレイすることができるでしょう。さらなる高フレームレートを目指すなら、RTX 3080やRTX 3070搭載モデルをおすすめします。
軽い部類のゲーム
Apex Legends
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※デュオで計測
軽い部類のゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
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※ERANGEL、ソロで計測
薄型・軽量で持ち運びも可能
GF65 Thin 10U は、ミドルクラスの中では上位に位置するほど高い性能のノートPCですが、重さが1.86kgと比較的軽いです。薄さは、GS66 Stealth 10Uほどではありませんが21.7mmと比較的薄く、小型のACアダプターを含めても約2.5kgなので、カバンに入れて外へ持ち出しやすいです。
Core i5-10500Hモデルなら12万円台と安い
Core i5-10500Hモデルなら、Amazonでなら129,800円(税込)となっており、非常に安いです。Core i7-10750H搭載モデルと比べると、ゲーム時のフレームレートはやや下がると思いますが、5万円も価格が下がるのは大きいと思います。限られた予算で購入したい方は、Core i5-10500Hモデルもおすすめです。
ダブルストレージ構成が可能
デフォルトでは512GBのSSDを搭載していますが、パソコンSHOPアークであれば、もう1台M.2 SSDを追加することが可能です。1st SSDと合わせると、合計4TBのストレージを搭載することが可能です。
レイトレーシング環境ではやや力不足か!?
ミドルクラス性能のGeForce RTX 3060は、上位のRTX 3070やRTX 3080と比べてスペックが劣ります。負荷の重い最新のゲーム「サイバーパンク2077」や「ウォッチドッグス レギオン」で、レイトレーシングをオン(最高性能の設定)にすると、DLSSを有効にしても平均フレームレートが60fpsを下回ります。
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077
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解像度 | 品質 | DLSS | 平均fps |
1920x1080 | レイトレ:ウルトラ | パフォーマンス | 52 fps |
重い部類のゲーム
ウォッチドッグス レギオン
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解像度 | 品質 | レイトレ | DLSS | 平均fps |
1920x1080 | 最大 | 最大 | 高性能 | 54 fps |
MSI Dragon Center 2.0
MSI製ノートPCにプリインストールされている「Dragon Center」ソフトの「User Scenario(ユーザーシナリオ)」の項目からは、パフォーマンスモードを管理することができます。
パフォーマンスモードは、「Extreme Performance」「Balanced」「Silent」「Super Battery」「User」5つのモードをそれぞれ用途に応じて切り替えることができます。また、GPUのオーバークロックも可能です。
やや残念な点
GF65 Thin 10Uのやや残念な点は、ディスプレイの色域が狭い点です。eスポーツタイトルをする分には気にならないかもしれませんが、美麗な映像を楽しむゲームの場合、やや色鮮やかさが物足りなく感じるかもしれません。
また、残像がやや気になりました。せっかくの高リフレッシュレート液晶ですが、やや残像感を感じるので、勿体ないです。ディスプレイは、価格なりの品質かなと思います。
各用途の快適度
GF65 Thin 10Uの各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 十分なスペックでサクサク動くでしょう。 |
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動画鑑賞 | ○ | 快適です。スピーカー音は普通だと思います。 |
オンライン会議 | ○ | 特にオンライン会議に特化した機能はありませんが、92万画素のWebカメラ、マイク、スピーカーが付いており、問題なくオンライン会議が出来ると思います。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | CPU性能は十分です。ただし、ディスプレイの色域が狭いので、画像編集向きの製品ではありません。 |
動画編集 | ○ | 高性能CPU&グラフィックスを搭載し編集作業が快適です。ただし、液晶の色域が狭いので色調整をする方には適していません。 |
ゲーム | ◎ | 次世代グラフィックスRTX 3060に、144Hzの高リフレッシュレートを搭載し、ほとんどのゲームが快適に動作します。 |
ゲームベンチマーク&フレームレート
ここでは、最も高いパフォーマンスが出る「Extreme Performance」のモードで、ゲームの平均フレームレートを掲載します。
eスポーツタイトルのフレームレート
国内で人気の高いeスポーツタイトルの平均フレームレートを掲載します。すべて同じバージョン、同じ状況で計測しているわけではないので、あくまで参考値としてご覧ください。
いずれのゲームもフレームレートはかなり高いです。低設定だと、平均170 fps~200 fpsは安定して出るので、144 Hz液晶との相性も良く、安定して優位にゲームを進められるでしょう。
軽い部類のゲーム
Apex Legends(DX11)
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 242 fps |
高設定 | 140 fps |
軽い部類のゲーム
VALORANT
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 300 fps(最大) |
高設定 | 260 fps |
軽い部類のゲーム
フォートナイト
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 176 fps |
高設定 | 153 fps | |
最高設定 | 130 fps |
軽い部類のゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 非常に低い | 188 fps |
中 | 178 fps | |
ウルトラ | 158 fps |
その他のゲームタイトルのフレームレート
その他のゲームのベンチマークスコアを下の表に掲載します。
負荷の重い最新のゲーム「サイバーパンク2077」や「ウォッチドッグス レギオン」は、最高設定では60 fpsを切りますが、少しグラフィック品質の設定を下げるか、DLSSをオンにすれば、60 fps近くもしくはそれ以上のフレームレートが出ます。その他のゲームでは、最高設定でも60 fps以上で快適に動作します。レイトレーシングや負荷の重いゲームがしたいというわけではないなら、GeForce RTX 3060で十分だと思います。
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
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解像度 | 品質 | DLSS | 平均fps |
1920x1080 | 低 | オフ | 90 fps |
高 | オフ | 58 fps | |
ウルトラ | オフ | 49 fps | |
自動 | 67 fps |
重い部類のゲーム
ウォッチドッグス レギオン(DX12)
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解像度 | 品質 | DLSS | 平均fps |
1920x1080 | 低 | オフ | 97 fps |
高 | オフ | 82 fps | |
最大 | オフ | 54 fps | |
高性能 | 75 fps |
重い部類のゲーム
Horizon Zero Dawn(DX12)
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低 | 110 fps |
高 | 83 fps | |
最高 | 71 fps |
重い部類のゲーム
ボーダーランズ3(DX12)
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低 | 137 fps |
高 | 75 fps | |
ウルトラ | 61 fps |
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 軽量品質 | 117 fps |
標準品質 | 94 fps | |
高品質 | 71 fps |
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 最低 | 125 fps |
中 | 103 fps | |
最高 | 91 fps |
中程度の重さのゲーム
ファークライ ニュードーン(DX11)
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低品質 | 108 fps |
高品質 | 97 fps | |
最高品質 | 90 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ(DX11)
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 標準(ノート) | 18828 / 158 fps |
高(ノート) | 17107 / 135 fps | |
最高品質 | 15453 / 111 fps |
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 最高品質 | 21406(すごく快適) |
レイトレーシング&DLSS有効時のフレームレート
レイトレーシングを有効にしたときと、さらにDLSSを有効にしたときのフレームレートを下に掲載します。GeForce RTX 30シリーズでは、第2世代「RTコア」によりレイトレーシング機能も強化されています。
RTX 3060のVRAMは6GBしかなく、VRAMを比較的多く必要とするレイトレーシングは、VRAMが不足するケースもあります。「サイバーパンク2077」や「ウォッチドッグス レギオン」などの重いゲームは、レイトレーシングの設定を中程度に、DLSSを最もパフォーマンスの上がるモードにすればやっと60 fpsを超えてきますが、レイトレーシングの設定を最も高くすると、DLSSを使っても60 fpsを超えません。個人的には、レイトレーシングを有効にしてゲームをするなら、GeForce RTX 3070以上がおすすめです。
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077
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解像度 | 品質 | DLSS | 平均fps |
1920x1080 | レイトレ:中 | オフ | 31 fps |
パフォーマンス | 60 fps | ||
レイトレ:ウルトラ | オフ | 20 fps | |
パフォーマンス | 52 fps |
重い部類のゲーム
ウォッチドッグス レギオン
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解像度 | 品質 | レイトレ | DLSS | 平均fps |
1920 x 1080 |
最大 | 中 | オフ | 37 fps |
高性能 | 75 fps | |||
最大 | オフ | 33 fps | ||
高性能 | 54 fps |
重い部類のゲーム
Bright Memory Infinite Ray Tracing Benchmark
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解像度 | RTX | DLSS | 平均fps |
1920 x 1080 |
High | Off | 28 fps |
Performance | 71 fps |
その他のゲーム
上に掲載していない他のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。
ディスプレイのチェック
GF65 Thin 10Uのディスプレイの詳細なチェックです。
本製品はスペックの割には、価格が抑えられていますが、一番コストカットしている部分は、ディスプレイではないかと思います。144Hzの高リフレッシュレートに対応しているものの、色域が狭く、残像も気になりました。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。なお、最大輝度は、当サイトの計測では263cd/m2と普通です。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
遅延
キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間(表示遅延)をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約24msでした。他の一般的なノートPCで計測したところ80ms前後が多かったので、遅延はかなり少ないと思います。なおこれは、液晶だけでなくPC全体の遅延となります。
残像
「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを十分速い1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、144Hz(1秒間に144フレームを表示)のディスプレイで5フレーム前くらいまで残像がありました。高リフレッシュレート液晶は残像が少ない機種が多いですが、本製品は普通の残像感です。なお、普通のノートPCの60Hzのディスプレイは、2フレームくらい前まで残像が表示されます。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
実測でキーピッチは約19x19mmと十分ですが、キーストロークは約1.1mmとやや浅いです。タイピングしていても、もう少しキーストロークが欲しいなと感じました。
タッチパッドの指の動かしやすさは普通です。
キーボードにはLEDバックライトも搭載しています。明るさは3段階で調節できます。RGBの変更はできません。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。ここでは、いくつかある動作モードのうち、デフォルトの「Balanced」と最も高いパフォーマンスが出る「Extreme Performance」でベンチマークなどを計測しました。
CPU
CPUには高性能のCore i7-10750Hを搭載しており、非常に高いパフォーマンスです。 2つのモードにおいて、マルチコアのスコアは差がありますが、シングルコアのスコアはほとんど差はありませんでした。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
DDR4-3200のメモリを16GB(8GBx2)搭載しています。パソコンSHOPアークなら、最大64GBのメモリに変えることもできます。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア
グラフィックス
グラフィックスにはGeForce RTX 3060 Laptopを搭載しています。下に、3DMark Time Spyのスコアを掲載します。
RTX 2070 Max-Qのスコアには少し及びませんが、ミドルクラスでは上位のスコアです。また、「Balanced」と「Extreme Performance」ではそれほど差はありませんでした。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
RTX 3060 | ||
Port Royal | Graphics score | 4091 |
DirectX Raytracing feature test | Average fps | 17.55 |
NVIDIA DLSS feature test | DLSS on | 47.03 |
DLSS off | 19.03 |
GPU-Zで確認したGeForce RTX 3060 Laptop GPUの情報は次の通りです。
ストレージ
ストレージには、デフォルトで512GBのNVMe SSDを搭載しています。NVMe SSDとしてはそこまで速くはありませんが、ゲームするには十分な速度でしょう。なお、パソコンSHOPアークなら、2TB SSDなどへ変更したり、もう1枚SSDを追加したりすることが可能です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
クリエイターソフトの処理時間
各クリエイターソフトの処理時間を掲載します。ここでは、「Extreme Performance」 モードで計測した結果のみ掲載します。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
まだソフトまたはドライバーが最適化されていないのか、それほど速くありませんでした。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※ MacBook以外(Windowsノート)は、エンコーダーに、QSV、NVIDIA、AMD等を選択
エンコード時間 | |
x265でエンコード (※1) | 14分50秒 |
NVENCでエンコード (※2) | 1分02秒 |
QSVでエンコード (※3) | 2分52秒 |
VCEでエンコード(※4) | ― |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※4 AMD APU内蔵のハードウェアエンコーダー(AMD Media SDK)
Blenderはまずまずの速さです。
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトには「約1.86kg」と記載されていますが、当サイトで計測した質量は次の通り、公表値よりもやや重い結果となりました。ただACアダプターと合わせて約2.5kgほどなので、持ち運びやすいと思います。
質量 | |
PC本体 | 1.931kg |
ACアダプター | 593g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量はメーカー公表値では51Whとなっており、ノートPCとしては普通の容量です。バッテリー駆動時間は公表されていません。
当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。本製品は高性能なパーツを搭載しており、51Whの容量では、バッテリーはそんなにもちません。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0測定方法 | ー |
(2) PCMark 10 Modern Office | ー |
(2) 動画再生時 | 5時間00分 |
(4) PCMark 10 Gaming | 54分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限
以下、パーツの温度、静音性、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
エンコード時の温度の詳細
下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。いずれも一瞬90℃以上まで上昇しますが、すぐに冷却され80℃台まで下がります。また、Extreme Performanceの方がファンが高速に回る分、少し温度が低いです。
- Balanced
- Extreme Performance
ゲーム時のGPU温度の詳細
ファイナルファンタジー15のゲームベンチマーク実行中のCPU/GPU温度は下図の通りです。どちらのモードも、CPU温度は80℃後半、GPU温度は約80℃で推移しています。やや高めの温度ですが、問題ない範囲だと思います。
- Balanced
- Extreme Performance
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時でもファンの動作音がします。また、ゲーム中はパーツ温度に応じてファン速度が段階的に変化します。どちらのモードも最大53dBとかなり高めの騒音値です。ゲーム実況しているときなど、マイクで拾ってしまうレベルです。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
全体的に表面温度は高めです。ゲーム中、パームレスト部分はそれほど熱は感じませんが、WASDキー周辺はやや熱が感じられます。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。
高性能なパーツを搭載しているので高めの消費電力です。アイドル時は外部GPUが動作していないので、低めの消費電力です。
外観のチェック
GF65 Thin 10Uの外観のチェックです。
黒いボディにキーボードの側面が赤色になっている点が特徴的で、MSIらしい筐体デザインです。ただし、GS66 Stealth 10Uのようなメタル感のある素材ではありません。
天板はドラゴンのエンブレムが目立ちます。
ヒンジ部分です。
電源ボタンは出っ張ってるわけではないので暗い部屋ではわかりにくく、やや押しにくいです。
カメラは液晶上部に配置されています。
閉じた時の画像です。厚み21.7mm のスリムボディです。
側面のポートです。主要なポートは揃っています。
液晶が開く最大の角度です。
スピーカーは左右のパームレストの端にあります。最大音量は大きいですが、音質は普通です。ノートPC基準で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
底面です。
ネジの1つに「FACTORY SEAL」が貼られています。このシールを剥がすと、保証対象外となるためご注意下さい。
爪が外れにくいので、底面カバーはやや外しにくいです。冷却ファンは2基、ヒートパイプは6本です。
M.2スロットは2つあります。
メモリは2スロットあります。
ACアダプターは薄型で小型です。
電源コネクタはサイドに配置されており、排熱口に当たる形になるので、熱が心配な方はインターフェイスを隠す形になりますが、逆に向けるといいと思います。
ACアダプターは180Wです。
まとめ
以上が、MSI GF65 Thin 10Uのレビューです。
次世代グラフィックスRTX 3060 Laptopを搭載したゲーミングノートです。「サイバーパンク2077」や「ウォッチドッグス レギオン」などでレイトレーシングを有効にするにはやや力不足な感じはありますが、レイトレーシングを使わなければ、ほとんどのゲームにおいて高設定以上のグラフィック品質で快適にプレイすることができます。価格はGeForce RTX 3070搭載モデルよりはガクっと下がるので、コスパは高いと思います。20万円以下の予算で購入したい方にはいい選択肢です。
また、Apex Legendsやフォートナイトなど、eスポーツタイトルをプレイする場合においても、RTX 3060なら低設定で平均170 fps~200 fpsで動作するので、144Hz液晶とも相性が良く、バランスの良い製品だと思います。
なにより、軽いので持ち運びに便利です。ゲーミングPCをリビングへ運んでゲームをしたい方、友人の家へゲーミングPCを持って行きたい方などにおすすめです。
ただし、液晶の色域が狭いです。画像や動画の色の調整作業を行うようなクリエイターには、あまり適していません。
RTX 3060搭載で2kgを切るゲーミングノート
MSI GF65 Thin 10U
特徴
- 次世代グラフィックスRTX 3060を搭載
- 144Hzの高リフレッシュレートを搭載
- 軽量で持ち運びも可能
こんなあなたに
- ミドルクラスのゲーミングノートが欲しい方
- ゲーミングノートPCを持ち運びする方
- 価格12万円台[税込]~
カスタマイズするならArk
メモリやストレージをカスタマイズするなら、MSI認定のショップのパソコンSHOPアーク(Ark)がおすすめです。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ
MSIのゲーミングノートパソコンの一覧ページ。各モデルの簡単なスペックとコメントを掲載。
ゲーミングノートパソコンの比較ページ。ALIENWAREやGALLERIA、NEXTGEAR-NOTE、OMENといったゲームブランドノートPCの比較。
パソコンに必須のセキュリティソフトの比較ページ。セキュリティソフトの選び方や、比較一覧表、用途ごとのおすすめ製品などを掲載。