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MSI Stealth 15M A11(RTX 3060搭載)の実機レビュー
CPU | Core i7-11375H |
---|---|
GPU | GeForce RTX 3060 |
メモリ | 16GB~64GB |
ストレージ | 500GB~2TB SSD |
液晶サイズ | 15.6インチ |
液晶種類 | FHD 非光沢 144Hz |
質量 | 約1.7kg |
バッテリー | 最大 約9時間 |
価格[税込] | 18万円台~ |
MSI Stealth 15M A11は、厚さ約16.15mm、質量約1.7kgと、薄くて軽いゲーミングノートPCです。
ミドルクラスのゲーミング性能を備えつつ、持ち運びがしやすいのが特徴です。出張先、会社、友人宅など、外にゲーミングノートPCを頻繁に持ち出したい方に適しています。
高級感のあるボディで、見た目も派手ではなくシンプルなのでゲームだけでなく、仕事用としてもいいと思います。
カーボングレイとピュアホワイトのカラーがありますが、カーボングレイのモデルは色域も広めでした。
カーボングレイのカラーは、パソコンSHOPアーク(Ark)で販売しています。パーツのカスタマイズ(ストレージやメモリ容量をアップ)も可能です。
ピュアホワイトのカラーは、MSIストアのみで販売しています。パーツのカスタマイズはできません。
購入はこちら(MSIストア)
レビュー機は、カーボングレイのモデルがメーカーからの貸出機、ピュアホワイトのモデルが当サイトの購入品です。今回はどちらも次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-11375H、16GBメモリ、GeForce RTX 3060、512GB NVMe SSD
目次
お忙しい方は、「MSI Stealth 15M A11の特徴」のみお読みください。
MSI Stealth 15M A11の特徴
薄くて軽いゲーミングノートPC
MSI Stealth 15M A11は、ミドルクラスの性能を備えながら、厚みがわずか約16.15mm、重さ約1.7kgと、薄さと軽さが特徴の15.6型ゲーミングノートPCです。
カバンにも収まりがよく、持ち運びがしやすいです。自宅と会社で使用するテレワーク用、または出張にも持参しやすいハイスペックPCとしても使えますし、友人宅に集まってゲームを楽しむのにも適しています。スペック高めのPCを持ち運びたい方におすすめの機種です。
下表では、RTX 3060 Laptopを搭載可能な15.6型のゲーミングノートPCと質量を比較しました。実測値で1.732kgというのは、比較した中ではダントツの軽さです。ACアダプターまで含めた質量も2.179kgしかなく、他機種と比べると約400g以上軽いです。
PC本体の質量 |
ACアダプター の質量 |
合計質量 | |
MSI Stealth 15M A11 [本製品] | 1.732kg | 447g | 2.179kg |
ASUS ROG Zepyurus G15 | 1.979kg | 591g | 2.570kg |
MSI GF65 Thin 10U | 1.931kg | 593g | 2.524kg |
ASUS TUF Dash F15 | 2.060kg | 589g | 2.649kg |
ASUS TUF Gaming A15 | 2.280kg | 582g | 2.862kg |
GALLERIA XL7C-R36 | 2.022kg | 596g | 2.618kg |
RTX 3060の最大グラフィクスパワーは65W
MSI Stealth 15M A11は、ゲーミングノートPCとしてはミドルクラスとなるGeForce RTX 3060 Laptopを搭載しています。
なお、同じGeForce RTX 3060 Laptopであっても、メーカーや機種によって実際のグラフィックス性能には大きな差があります。MSI Stealth 15M A11の最大グラフィックパワー(max TGP)は、65Wとなっています。
最大グラフィックパワーが65Wというのは、GeForce RTX 3060 Laptop搭載ノートの中では、低めの設定となります。当サイトでレビューしたことのある機種の中では、最も低い数値でした。薄型・軽量ボディの製品なので、ここは妥協が必要です。
最大グラフィックスパワー | |
raytrek R5-CA | 130W |
GALLERIA XL7C-R36 | 130W |
ASUS TUF Gaming A15 | 95W |
ASUS ROG Zepyurus G15 | 95W |
ASUS TUF Dash F15 | 85W |
MSI GF75 Thin 10U | 75W |
MSI GF65 Thin 10U | 75W |
MSI Stealth 15M A11 [本製品] | 65W |
3DMark Time Spyの結果を確認してみると、MSI Stealth 15M A11は、最大グラフィックスパワーが75WのGeForce RTX 3060搭載PCよりもやや低く、RTX 2060より少し高いスコアでした。グラフィックスパワーが低めとは言っても、ゲーミングノートPCとして、ミドルレンジの性能はしっかり出ています。
なお、MSI Stealth 15M A11では、動作モードによっても、発揮できるグラフィックス性能に大きな差があります。「Balancedモード」にすると、エントリークラスのゲーミングノートPC程度のグラフィックス性能しかでませんので、ご注意ください。MSI Stealth 15M A11でゲームをする場合は、「Extreme Performance」モードでのプレイがおすすめです。
:ピュアホワイトのレビュー機で計測したスコア
括弧()内は最大グラフィックスパワー
第11世代Core i7-11375Hを搭載
MSI Stealth 15M A11は、インテルのHシリーズプロセッサーである、Core i7-11375H(cTDP-up 35W)を搭載しています。
Hシリーズプロセッサーではあるものの、4コア8スレッドのCPUなので、マルチコアのベンチマークスコアはほどほどです。それでも、シングルコアの処理性能が高いため、少し前のゲーミングノートPCによく搭載されていた、6コア/12スレッドの第10世代Core i7-10750H(TDP 45W)に近いスコアは出ています。ゲームプレイでCPUがボトルネックになってフレームレートが著しく下がる、という心配はなさそうです。また、シングルコアの処理性能が重要なアプリを快適に動かすことができます。Adobe系のクリエイター向けソフトを使用した作業にも使用しやすいと思います。
144Hzのハイリフレッシュレート液晶
MSI Stealth 15M A11は、144Hz駆動のハイリフレッシュレート液晶を搭載しています。
1秒間に最大144回画面の書き換えができ、滑らかな映像でのゲームプレイが可能となります。特に、FPS系のeスポーツタイトルをプレイするのに適しています。 最大グラフィックスパワー65WのRTX 3060でも、VALORANT、APEX、フォートナイト、PUBGといった軽めのゲームなら、100 fps以上のフレームレートで快適にプレイすることができそうです。
冷却にはこだわっているが、温度はやや高め
MSI Stealth 15M A11は、薄型ボディに、ミドルクラスのゲーミング性能を詰め込んでいるため、十分なパフォーマンスを発揮するには、冷却性能が重要となります。
本製品は、できるだけ発熱を抑えるために、RTX 3060 Laptopを、最大グラフィクスパワー65Wとやや抑えめに駆動させています。
さらに、最大6つのヒートパイプ、2基のファンによる、COOLER BOOST 5という冷却システムにより、4方向から排気を行うことで、冷却性能を高めています。
これらが功を奏して、ゲーム中のCPUおよびGPU温度はある程度抑えられてはいますが、それでも他のゲーミングノートと比べると高めの温度です。また、表面温度も高く、手が熱く感じやすいです。薄型・軽量であるがゆえに、ここは妥協しなければならないポイントです。
カーボングレイとピュアホワイトのカラー
MSI Stealth 15M A11には、カーボングレイとピュアホワイトのカラーがあります。基本スペックはどちらも同じですが、当サイトでsRGBカバー率を計測したところ、カーボングレイが95.0%、ピュアホワイトが61.8%でした。カーボングレイのほうが後に発売されており仕様が変わったのか、複数のパネルを調達していることから、どちらのパネルも搭載される可能性があるのかはわかりません。
メモリとストレージ容量のカスタマイズが可能
MSI Stealth 15M A11を購入する場合、パソコンショップアークであれば、メモリやストレージのカスタマイズが可能です。メモリ容量は最大64GB、ストレージ容量は最大2TBを選択することができます。もちろん、パソコンショップアークでカスタマイズして購入しても、2年間のメーカー保証がちゃんと付いてきます。
一方、購入後に自分で増設しようとすると、底面のネジの1つに貼られている「FACTORY SEAL」を破くことになり、メーカー保証が受けられなくなります。せっかく、2年と長めのメーカー保証が付いているので、後で自己責任で増設するよりも、用途に合った容量のメモリとストレージを選択しておくことをおすすめします。
最大8Kの外部出力が可能
MSI Stealth 15M A11は、Thunderbolt 4に対応したUSB-Cポートを1つ備えており、Thunderbolt 4経由であれば最大8Kの解像度での映像出力が可能です。
まだまだ一般的と言えるほど普及はしていませんが、デジイチやスマホ等で撮影した8K動画の簡単な編集や高解像度のフォトムービーの作成をMSI Stealth 15M A11で行い、8Kテレビに表示する、といったことができます。
各用途の快適度
MSI Stealth 15M A11の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | スペックは十分です。快適に作業できるでしょう。 |
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オンライン会議 | ○ | オンライン会議に特化した機能はありませんが、カメラ、マイク、スピーカーを備えており、普通にオンライン会議に参加できます。 |
動画鑑賞 | ○ | ピュアホワイトのモデルの場合、液晶の鮮やかさはイマイチですが、スペックは十分です。スピーカー音は普通です。カーボングレイのモデルは液晶も綺麗です。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | カーボングレイのモデルであれば、色域が広めで、スペックも十分で画像編集も可能です。 |
動画編集 | ○ | 快適に動作し、実用的なスペックです。 |
ゲーム | ◎ | RTX 3060 Laptop + 144Hzのハイリフレッシュレート液晶を搭載しています。ミドルクラスのゲーミングノートPCとして、快適にゲームができます。 |
ゲームベンチマーク&フレームレート
本製品は、MSI製ノートPCにプリインストールされている「Dragon Center」ソフトの「User Scenario(ユーザーシナリオ)」の項目から、動作モードを変更することができます。
動作モードは、「Extreme Performance」「Balanced」「Silent」「Super Battery」「User」5つのモードがありす。
ここでは、最も高いパフォーマンスが出る「Extreme Performance」のモードで、ゲームの平均フレームレートを掲載します。
eスポーツタイトルのフレームレート
国内で人気の高いeスポーツタイトルの平均フレームレートを掲載します。すべて同じバージョン、同じ状況で計測しているわけではないので、あくまで参考値としてご覧ください。
軽い部類のeスポーツタイトルであれば、高設定でも100 fps以上でており、144Hz駆動のハイリフレッシュレート液晶を活かしたプレイが可能だと思います。
なお、今回2モデルで計測しましたが、カーボングレイのほうがフレームレートがやや高かったです。
軽い部類のゲーム
Apex Legends(DX11)
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解像度 | 品質 | カーボングレイ | ピュアホワイト |
1920x1080 | 低設定 | 230 fps | 185 fps |
高設定 | 139 fps | 132 fps |
軽い部類のゲーム
VALORANT
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---|---|---|---|
解像度 | 品質 | カーボングレイ | ピュアホワイト |
1920x1080 | 低設定 | 250 fps | 204 fps |
高設定 | 214 fps | 187 fps |
軽い部類のゲーム
フォートナイト
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---|---|---|---|
解像度 | 品質 | カーボングレイ | ピュアホワイト |
1920x1080 | 低設定 | 286 fps | 210 fps |
高設定 | 190 fps | 169 fps | |
最高設定 | 146 fps | 130 fps |
※フォートナイトは、いつもと計測場所が異なるため、他のグラフィックスとの比較は行っていません。
軽い部類のゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
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---|---|---|---|
解像度 | 品質 | カーボングレイ | ピュアホワイト |
1920x1080 | 非常に低い | 147 fps | 119 fps |
中型 | 140 fps | 116 fps | |
ウルトラ | 136 fps | 112 fps |
その他のゲームタイトルのフレームレート
その他のゲームのベンチマークスコアを下の表に掲載します。
ほとんどのゲームが、最大設定でも60 fpsを超えるフレームレートで、快適なプレイが可能です。
ウォッチドックスのようなかなり重いゲームタイトルは60 fpsを超えませんでしたが、少しグラフィック品質を落とすことで、快適にゲームができるようになります。
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
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---|---|---|---|---|
解像度 | 品質 | DLSS | カーボングレイ | ピュアホワイト |
1920x1080 | 低 | オフ | 88 fps | 75 fps |
高 | オフ | 59 fps | 55 fps | |
ウルトラ | オフ | 51 fps | 47 fps | |
自動 | 66 fps | 64 fps |
重い部類のゲーム
ウォッチドッグス レギオン(DX12)
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---|---|---|---|---|
解像度 | 品質 | DLSS | カーボングレイ | ピュアホワイト |
1920x1080 | 低 | オフ | 73 fps | 69 fps |
高 | オフ | 67 fps | 58 fps | |
最大 | オフ | 45 fps | 38 fps | |
高性能 | 53 fps | 49 fps |
重い部類のゲーム
ボーダーランズ3(DX12)
|
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---|---|---|---|
解像度 | 品質 | カーボングレイ | ピュアホワイト |
1920x1080 | 低 | 101 fps | 92 fps |
高 | 75 fps | 68 fps | |
ウルトラ | 64 fps | 58 fps |
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
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---|---|---|---|
解像度 | 品質 | カーボングレイ | ピュアホワイト |
1920x1080 | 軽量品質 | 112 fps | 104 fps |
標準品質 | 97 fps | 87 fps | |
高品質 | 72 fps | 66 fps |
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
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|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | カーボングレイ | ピュアホワイト |
1920x1080 | 最低 | 102 fps | 89 fps |
中 | 89 fps | 81 fps | |
最高 | 74 fps | 72 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ(DX11)
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---|---|---|---|
解像度 | 品質 | カーボングレイ | ピュアホワイト |
1920x1080 | 標準(ノート) | 139 fps | 117 fps |
高(ノート) | 127 fps | 113 fps | |
最高品質 | 105 fps | 94 fps |
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
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|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | カーボングレイ | ピュアホワイト |
1920x1080 | 最高品質 | 19656 (すごく快適) |
18872 (すごく快適) |
レイトレーシング&DLSS有効時のフレームレート
レイトレーシングを有効にした時と、さらにDLSSを有効にしたときのフレームレートを下に掲載します。
GeForce RTX 30シリーズでは、第2世代「RTコア」により、レイトレーシング機能も強化されていますが、VRAMが6GBとそこまで大容量ではなく、最大グラフィックスパワーが65Wと低いこともあり、あまり高いフレームレートは出ません。レイトレーシングを有効にしてプレイしたい場合は、もっと上位のグラフィックスのゲーミングノートPCの方が適していると思います。
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077
|
||||
---|---|---|---|---|
解像度 | 品質 | DLSS | カーボングレイ | ピュアホワイト |
1920 x 1080 |
レイトレ:中 | パフォーマンス | 57 fps | 50 fps |
レイトレ:ウルトラ | パフォーマンス | 50 fps | 49 fps |
その他のゲーム
上に掲載していない他のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。
ディスプレイのチェック
MSI Stealth 15M A11のディスプレイの詳細なチェックです。
カーボングレイのモデルと、ホワイトのモデルでは異なるパネルが搭載されていました。なお、どちらのモデルも必ずしもこのパネルが搭載されるとは限りません。
カーボングレイに搭載されていたパネル
パネルは、「LG LP156WFG-SPB3」でした。
144Hzの高リフレッシュレートに対応したFHD液晶です。色域も広めでした。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。なお、最大輝度は、当サイトの計測では300cd/m2とやや高めです。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み
・ギラつき - フリッカー
遅延
キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間(表示遅延)をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約51msでした。他の一般的なノートPCで計測したところ80ms前後が多かったので、遅延は少ないと思います。なおこれは、液晶だけでなくPC全体の遅延となります。
残像
「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを十分速い1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、144Hz(1秒間に144フレームを表示する)ディスプレイで2フレーム前くらいまで残像がありました。普通のノートPCは、60Hz(1秒間に60フレームを表示する)ディスプレイで2フレーム前くらいまでの残像なので、本製品のディスプレイ残像は少なめだと思います。
なお、カーボングレイのモデルのみ、MSI DRAGON CENTERのツールの中に「True Color」という項目があり、ここからディスプレイのモードを変更することが出来ます。
ピュアホワイトのパネル
パネルは、「BOE NV156FHM-NX4」でした。
144Hzの高リフレッシュレートに対応した、FHD液晶です。ゲームプレイには支障はありませんが、色域は狭めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。なお、最大輝度は、当サイトの計測では269cd/m2と普通です。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み
・ギラつき - フリッカー
遅延
キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間(表示遅延)をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約48msでした。カーボングレイとほぼ同じ遅延です。
残像
「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを十分速い1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、2フレーム前くらいまで残像がありました。こちらもカーボングレイとほぼ同じです。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
MSI Stealth 15M A11のキーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは、横:約19mm、縦:約19mmと十分なサイズです。キーストロークは、約1.3mmとやや浅めです。
実際に打ってみると、やはりキーストロークの浅さを感じますが、普通にタイピングできるキーボードだと思います。ただし、英字キーボードの枠をそのまま使用して、日本語キーを配置しているようで、「全角/半角」キーや、「\」キーのような、サイズが小さいキーが幾つかあります。特に、日本語入力の切り替えで使用する、「全角/半角」キーは押し間違えやすかったです。また、「Enter」キーの列が端ではない点も、やや慣れが必要だと思います。
タッチパッドの操作性は普通です。ただ、ホームポジションに手を置くと、右の手の平がタッチパッドに覆いかぶさってしまいます。もう少し左寄りに配置されているとよかったかなと感じます。
キーボードは、マルチカラーバックライトを内蔵しています。明るさは4段階で調整でき、カラーリングのカスタマイズも可能です。
キーボードのマルチカラーバックライトは、プリインストールされている「Dragon Center」のMystic Light機能を使用して、発色、発光パターンを選択できます。ただし、キーごとに色を変えることはできず、発光パターンも少ないです。
パフォーマンスのチェック
MSI Stealth 15M A11のパフォーマンスのチェックです。ここでは、「Balanced」モードと、「Extreme Performance」モードでの計測結果を掲載します。
CPU
CPUには、Core i7-11375Hを搭載しています。
ベンチマークでは、シングルコアに関しては高いスコアが出ていました。ただし、4コア/8スレッドなので、マルチコア スコアはそこまで高くなく、6コア/12スレッドの第10世代Core i7-10750Hに及びませんでした。
なお、CPU性能に関しては、ピュアホワイトのモデルのほうがやや高めのスコアが出ていました。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
グラフィックス
グラフィックスには、GeForce RTX 3060 Laptopを搭載しています。ただし、最高グラフィックスパワーが65Wと抑えられており、RTX 30シリーズのグラフィックスとしては、低めのスコアでした。特に、「Balanced」モードで測定した時のスコアは低かったです。
なお、グラフィックス性能は、カーボングレイのほうがやや高めのスコアが出ていました。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
GPU-Zで確認したGeForce RTX 3060 Laptopの情報は次の通りです。「Balanced」でも「Extreme Performance」でもGPUクロックなどは同じです。また、カーボングレイもピュアホワイトも同じ仕様です。
ストレージ
ストレージには、デフォルトでは512GBのNVMe SSDを搭載しています。十分な速度ではありますが、NVMe SSDとしてはそこまで速くはありません。パソコンショップアークであれば、もっと高速かつ大容量のストレージにカスタマイズすることも可能です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
microSDカードスロットを搭載しています。カード挿入後の出っ張りはわずかにあります。読み込み速度は高速です。
クリエイターソフトの処理時間
以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。
インテルのHシリーズCoreプロセッサーを搭載することで、書き出し時間が速いです。色を調整したりする作業もスムーズにできます。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
GeForce RTXシリーズの外部グラフィックスを搭載していることで、ニューラルフィルターやスーパー解像度などの新機能も、外部グラフィックスを搭載していないノートPCと比べると大分速いです。その他の処理も速く、快適に作業できます。
カーボングレイ | ピュアホワイト | |
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) | 約4秒 | 約3秒 |
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) | 約9秒 | 約15秒 |
ニューラルフィルター(スタイルの適用) | 約4秒 | 約4秒 |
スーパー解像度 | 約5秒 | 約6秒 |
コンテンツに応じた塗りつぶし | 約3秒 | 約3秒 |
被写体を選択 | 約6秒 | 約4秒 |
GeForce RTX 3060を搭載することで、快適に作業できます。グラフィックスのVRAMも6GBとまずまずの大きさです。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートの動作チェックです。
USB Type-Cポートを2ポート備えていますが、右側面の奥側のUSB-Cポートは、Thunderbolt 4に対応しており、以下のような結果となりました。今回は45W以上の出力であれば、USB-Cアダプターを使用した充電が出来ました。ただ、メーカーサイトでは「65W以上のデバイス(ACアダプターや対応モバイルバッテリーなど)のみをサポートしています。」と記載されていたので、実際の使用においては、65W以上の出力のものを使用することをおすすめいたします。
なお、手前側のUSB-Cポートは、データ転送と、DisplayPort出力対応となっており、本体への給電には対応していないので、ご注意ください。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | ○ | ○ | ○ |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、8ビット、RGBで出力できていました。
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトには「1.7kg」と記載されています。当サイトで計測した質量は次の通りで、公表値よりもわずかに重かったです。それでも、RTX 30シリーズを搭載した15.6型のゲーミングPCにしては、軽いです。また、ACアダプターも、ゲーミングノート用としては、薄型で軽いので、カバンに入れての持ち運びもしやすいと思います。
質量 | |
PC本体 | 1.732kg |
ACアダプター | 447g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は、メーカーの仕様表では52Whと記載されています。メーカーサイトによるバッテリー駆動時間は最大9時間(JEITA 2.0)です。
当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。駆動時間は短めです。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0測定方法 | 最大9時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 3時間59分 |
(2) 動画再生時 | ー |
(4) PCMark 10 Gaming | 1時間7分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。
「Balanced」モードでも、CPU温度が95℃前後まで上がっており、高い温度です。CPUのみで実行するソフトウェアエンコードなどはあまりしないほうがいいと思います。
- Balanced
- Extreme Performance
ゲーム時のGPU温度
ファイナルファンタジー15のゲームベンチマーク実行中のCPU/GPU温度は下図の通りです。
カーボングレイのモデルで、モードを「Extreme Performance」にすると、CPU温度、GPU温度共にやや高めですが、常時90℃を超えているわけではないので、なんとか大丈夫でしょう。それ以外のときは問題ないかなと思います。
- Balanced
- Extreme Performance
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。ピュアホワイトのモデルで計測しています。
アイドル時でも、多少ファン音がします。「Extreme Performance」モードで、FF15のような高い負荷をかけると、やや大きめの騒音値になります。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。こちらもピュアホワイトのモデルで計測しています。
ゲーム中は、ボディ温度が上がり、熱くなります。パームレストやキーボード部分の温度も上がるので、手の平などにやや不快感があります。ボディが薄く軽いため、致し方ないところです。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。こちらもピュアホワイトのモデルで計測しています。
一般的なノートPCよりは高い消費電力ですが、GPUの最大グラフィックスパワーが抑えられていることもあり、ゲーミングノートPCとしてはやや低めの消費電力です。
外観のチェック
MSI Stealth 15M A11の外観のチェックです。
カーボングレイ
まずはカーボングレイのモデルの外観画像を掲載します。
やや青みがかったグレイです。オールアルミニウム合金製のボディは、高級感があります。
天板には、MSIのドラゴンのエンブレムが印字されています。うっすら見える程度で、主張が強いわけではないので、ビジネスシーンでも使えると思います。
92万画素の標準的なWebカメラを備えています。IRカメラは搭載されていません。
閉じた時の画像です。厚みが16.15mmしかなく、とてもスリムなボディです。
インターフェイスには、USB-C(映像出力対応)、USB-C(Thunderbolt 4、Power Delivery、映像出力対応)、USB 3.2 x2、HDMI、microSDカードリーダーを備えています。ポートの種類と数は十分だと思いますが、ゲーミングノートなので、有線LANポートもあればよかったです。
液晶は180度開くことができます。
キーボード上部は、スピーカーではなく、吸気口になっています。
スピーカーは背面の両サイドに配置されています。音質は普通です。ノートPC基準で10点満点で採点すると、5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
底面にも吸気口が設けられていますが、ハニカムデザインでかっこいいです。
本体をやや浮かせて、底面から吸気しやすくするために、ゴム足は高めになっています。
ネジの1つに「FACTORY SEAL」が貼られています。このシールを剥がすと、保証対象外となるためご注意下さい。
ACアダプターは薄型です。ゲーミングノート用としてはそれほど大きくないので、持ち運びもしやすいです。
ACアダプターの出力は150Wです。
ピュアホワイト
次に、ピュアホワイトのカラーの外観画像を掲載します。
とても清涼感のある外見となっています。黒い汚れは目立つかもしれませんが、指紋や皮脂は目立ちにくいです。また、ボディがピュアホワイトでも、液晶の周りのベゼルは黒いPCも多いですが、本製品はそこも含めてすべてピュアホワイトで統一されています。
ACアダプターも、カーボングレイと同じものが搭載されています。
まとめ
以上が、MSI Stealth 15M A11のレビューです。
薄さと軽さが特徴的な、モビリティを重視する方に適した15.6型ゲーミングノートPCです。本体とACアダプターを含めても、実測で2.179kgしかないので、出張先、会社と自宅の往復、友人宅など、外に持ち運びしやすいです。また、ある程度の出力があれば(65W以上を推奨)、USB-Cアダプターによる給電が可能なので、外出先でゲーム以外の目的にも使いやすいです。
この軽さで、GeForce RTX 3060 Laptopの高性能グラフィックスを搭載しており、ゲームや動画編集が快適でしょう。
デザイン性と、質感も優れており、ゲーミングノートとしては珍しい、ライトなイメージのピュアホワイトのボディに加えて、落ち着きを感じるグレーのボディカラーも選択できます。
ただし、薄型・軽量ボディに、高い性能のCPUおよびGPUを搭載してはいるものの、GPUの最大グラフィックスパワーが低めに設定されているなど、ややパフォーマンスは抑えられています。また、CPU温度などは高めで、表面温度も気になる熱さです。ここは、薄型・軽量であるのと引き換えに妥協しなくてはならないポイントです。
気になったのは、カーボングレイのモデルは液晶の色域が広めであったのに対し、ピュアホワイトのモデルの色域は狭かった点です。カーボングレイのモデルのほうが発売が後なので、パネルが変わったのか、それとも、カーボングレイでも色域の狭いパネルが搭載される可能性があるのかは分かりません。公式にsRGB 100%と表記されているわけではないので、色域を重視するなら、念のため別の機種のほうが無難かと思います。
また、ゲーミングノートなので、LANポートが欲しいところでした。
RTX3060を搭載しながらたった約1.7kg!
MSI Stealth 15M A11
特徴
- 本体+ACアダプターで約2.18kgと軽い
- RTX 3060(65W)の高性能グラフィクス
- デザイン性と質感が高い
こんなあなたに
- 持ち運びやすさ重視でゲーミングノートを選びたい方
- 外出先で動画編集などをしたい方
- 価格18万円台~[税込]
カーボングレイのカラーはこちら
カーボングレイのカラーは、パソコンSHOPアーク(Ark)で販売しています。パーツのカスタマイズ(ストレージやメモリ容量をアップ)も可能です。
ピュアホワイトのカラーはこちら
レビュー機と同じピュアホワイトのカラーは、MSIストアのみで販売しています。
購入はこちら(MSIストア)
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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