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MSI Alpha 15(Alpha-15-A3DDK-006JP)の実機レビュー

更新日:2020年2月9日
CPU Ryzen 7 3750H
GPU Radeon RX 5500M
メモリ 16GB
ストレージ 512GB PCIe SSD
液晶サイズ 15.6型
液晶種類 FHD 120Hz 非光沢
質量 約2.3kg
バッテリー 5.0時間
価格[税込] 13万円台~
AMD RyzenとRadeon搭載ゲーミングノートPC

Alpha 15は、AMD「Ryzen 7 3750H」プロセッサーと、AMD「Radeon RX 5500M」グラフィックスを搭載し、どちらかえといえばエントリー向けのゲーミングノートです。

CPUとGPUがAMD製で統一されている珍しい製品で、120Hz駆動の高リフレッシュレート液晶に、AMD Freesyncに対応し、SteelSeries製のゲーミングキーボードも搭載しています。

Radeon RX 5500Mの性能は、NVIDIAのグラフィックスで言えば、GeForce GTX 1650程度の性能となります。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Ryzen 7 3750H、16GBメモリ、Radeon RX 5500M 4GB、512GB NVMe SSD

 

目次

お忙しい方は、「Alpha 15の特徴」のみお読みください。

Alpha 15の特徴

AMD製CPUとGPUを搭載

これまでのゲーミングノートではインテルCPUにNVIDIA製のGPUを搭載するのが一般的でしたが、本製品は、CPUとGPUをAMD製品で統一した、珍しいゲーミングノートPCです。

CPUとGPUに同じAMD製を採用することによって、相性が良く、価格を抑えることもできるのが利点だと思います。また、AMDファンも喜ぶノートPCではないでしょうか。

AMD製CPUとGPUを搭載

 

Hシリーズの「Ryzen 7 3750H」を搭載

Alpha 15は、「Ryzen 7 3750H」を搭載しています。ゲーミングノートに搭載されるプロセッサーとしてはそれほど高性能ではありませんが、軽いゲームやグラフィック品質を落としてゲームをするのであれば、なんとかなる性能です。

CINEBENCH R20 ~ マルチコア ~
Core i7-9750H 2640
Core i7-10710U 2211
Core i5-9300H 1921
Ryzen 7 3750H 1494 [レビュー機で計測]
Core i7-1065G7 1484

 

AMD製「Radeon RX 5500M」を搭載

7nmプロセスで製造されたAMD最新のモバイルGPU「Radeon RX 5500M」を搭載しています。「3DMark Time Spy」のグラフィックススコアだと、NVIDIAのノート用グラフィックス「GeForce GTX 1650」と同等以上です。

ただし、ゲームのベンチマーク機能などを使ってフレームレートを計測すると、GeForce GTX 1650よりも劣ることもあり、総じてGeForce GTX 1650と同等程度と思っていいのではないかと思います。詳細はゲームベンチマークをご覧ください。

~ 3DMark Time Spy - Graphics score ~
ノート用GTX 1660Ti 5667
Radeon RX 5500M 4129 [レビュー機で計測]
ノート用GTX 1650 3494
ノート用GTX 1050Ti 2201

 

120Hz駆動とFreesync対応パネルを搭載

Alpha 15は、120Hz駆動の高リフレッシュレートとAMD Freesyncに対応した高性能な液晶パネルを搭載しています。60Hzの2倍映像が描画されるので、とても滑らかな映像を表示することが可能です。また、Freesync機能によってカク付きやティアリングを抑えることもできます。

実際にバトルフィールドVのマルチプレイである「コンクエスト」をプレイしてみましたが、画面がヌルヌル動き、ティアリングも抑えられているので、素早い照準の動きでも画面がとても見やすくなります。

バトルフィールドVをプレイ

 

120Hz駆動とは?

120Hz駆動とは、1秒間にフレームを120回描画して映像を流すこと。通常の液晶は60Hzのリフレッシュレートですが、120Hz駆動の液晶は、2倍のフレームを描画することができ、とても滑らかな映像を出力することが可能です。

AMD Freesyncとは?

Freesyncとは、GPU側の可変フレームレートに合わせて、ディスプレイ側のリフレッシュレートも動的に変更する技術で、ティアリングやカク付き(スタッター)を抑えることが可能です。ティアリングとは横に線が入り上下の映像が少しズレる現象で、カク付きとは、映像フレームの表示が遅れ、カク付いて見える現象です。

 

SteelSeries製キーボードを搭載

Alpha 15は、有名なゲーミングデバイスのメーカーでも知られるSteelSeries製のキーボードを採用しています。ゲームに適したキーボードで、快適にゲームを楽しめます。実際にバトルフィールドVをこのキーボードでプレイしてみましたが、変なクセがなく操作のしやすいキーボードだと思います。

また、キーボードにはLEDイルミネーションが搭載されており、8種類の発光パターンや、単キーひとつひとつに好きな色を設定することも可能です。キーマクロも組むことができます。キーボードLEDもキーマクロの設定は、「SteelSeries Engine」から行います。

SteelSeries製キーボードを搭載

 

MSI Dragon Center 2.0

これまでのMSI製ノートPCではプリインストールされた管理ツール「Dragon Center」から、「Shift」という機能により、パフォーマンスモードを変更していましたが、本製品では「Shift」機能はなく、「Scenario(シナリオ)」からモードを管理します。

ただし「Scenario(シナリオ)」では、「Shift」機能の「Sport」設定のように、大きなパフォーマンスの向上は見られないので、本記事では全て「Balanced(バランス)」設定で計測しています。また、「Scenario(シナリオ)」の他に「Gaming Mode」や「Creator Mode」が用意されていますが、いずれもパフォーマンスモードを変更させるものではなく、アプリケーション管理が行えるモードとなっています。

MSI Dragon Center 2.0

 

Radeon Software Adrenalin 2020 Edition

UIや機能が一新されたAMD Radeon 管理ツール「Radeon Software Adrenalin 2020 Edition」です。本製品のような内蔵グラフィックスと外部グラフィックスが搭載されたハイブリッドモデルでは、このソフトウェアからアプリケーションごとにiGPUとdGPUを切り替えることができます。また、AMD Freesyncの切り替えもこのソフトウェアから行います。そのほか、ゲームランチャーとしての機能もあります。

Radeon Software Adrenalin 2020 Edition

 

画像をシャープに表示する「AMD FidelityFX」

「AMD FidelityFX」機能の紹介です。製品ページで紹介されていたので本記事でも触れておこうと思います。

この「AMD FidelityFX」はAMDユーザーだけでなく、NVIDIAユーザーでも使用可能で、パフォーマンスに影響なく、画像をシャープネスに表示することができる機能です。一部のゲームに対応しており、シャドウオブザトゥームレイダーやボーダーランズ3などにも対応しています。

下記の画質比較では、特に樹木の表面を見比べてもらえるとわかると思いますが、「AMD FidelityFX」を有効にしている時の方がくっきりと表示されていると思います。逆に無効の時が何だかボケて見えてしまいます。

「AMD FidelityFX」有効時と無効時でベンチマークを比べてみましたが、平均フレームレートに変わりがなかったので、パフォーマンスを落とすことなく、画像をシャープネスに表示することができるようです。

『AMD FidelityFX』とは

パフォーマンスに影響なく、画像をシャープネスに表示することができる機能。AMD Radeon製品だけでなく、NVIDIA GeForce製品でも利用可能。画像はシャドウオブザトゥームレイダーのオプション設定。

詳しくはこちら
「AMD FidelityFX」の画質比較

 

各用途の快適度

Alpha 15の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
快適です。
動画鑑賞 液晶、スピーカー音の性能は普通です。スペックは十分です。
RAW現像
画像編集
液晶の色域が狭く、Lightroomの場合、現像時間もけっこうかかっていたので、RAW現像や画像編集向きのPCではありません。
動画編集 Radeonのグラフィックスに対応したソフトであれば、やや快適になると思います。Premiere Proとは相性があまりよくありません。
ゲーム ゲームタイトルとグラフィック品質次第ですが、FHD環境なら、快適にゲームができることが多いです。

 

ゲームベンチマーク

ゲームのベンチマークスコアを下の表に掲載します。目安として、おおよそ60 fpsを超えていれば、快適に動作すると思って下さい。

Radeon RX 5500Mの性能は、GeForce GTX 1650と同等以上の性能です。ただし、タイトルによってはGeForce GTX 1650より下回ることもあります。バトルフィールドVなどの中程度の重さのゲームなら、中設定くらいで60 fpsを超えます。PUBGやApex Legendsなども高設定以上で快適に動作します。

負荷の高いゲームは難しいものの、グラフィックス設定を下げることで快適にプレイが可能ということです。

ただ、ほとんどのゲームでは、グラフィック設定を下げても、120fps以上出すことは難しいので、120Hz駆動の恩恵を最大限発揮するのは難しいです。

重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
1920x1080 軽量品質 7581 / 76 fps
標準品質 5813 / 58 fps
高品質 3722 / 37 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、高品質)
RTX 2080 94 fps
RTX 2070 81 fps
GTX1660Ti 63 fps
RTX 2060 61 fps
GTX 1060 41 fps
GTX 1650 39 fps
Radeon RX 5500M 37 fps [レビュー機で計測]
GTX 1050Ti 26 fps
※ノート用グラフィックスのみで比較
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
1920x1080 最低 82 fps
64 fps
最高 51 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高)
RTX 2080 108 fps
RTX 2080 Max-Q 90 fps
RTX 2070 88 fps
RTX 2070 Max-Q 81 fps
RTX 2060 69 fps
GTX 1660Ti 69 fps
Radeon RX 5500M 51 fps [レビュー機で計測]
GTX 1060 46 fps
GTX 1650 46 fps
GTX 1050Ti 30 fps
※ノート用グラフィックスのみで比較
重い部類のゲーム
モンスターハンターワールド:アイスボーン
1920x1080 70 fps
52 fps(65 fps)
最高 39 fps(50 fps)
※括弧内は「FidelityFX CAS + Upscaling」有効時
中程度の重さのゲーム
バトルフィールドV
1920x1080 103 fps
72 fps
最高 52 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高品質)
RTX 2080 132 fps
RTX 2080 Max-Q 108 fps
RTX 2070 107 fps
GTX 1660Ti 84 fps
RTX 2060 78 fps
GTX 1650 54 fps
Radeon RX 5500M 52 fps [レビュー機で計測]
※ノート用グラフィックスのみで比較
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
1920x1080 標準(ノート) 11324 / 93 fps
高(ノート) 10214 / 77 fps
最高品質 9038 / 64 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高品質)
RTX 2080 128 fps
RTX 2080 Max-Q 117 fps
RTX 2070 110 fps
RTX 2070 Max-Q 101 fps
RTX 2060 95 fps
GTX 1660Ti 95 fps
GTX 1650 65 fps
Radeon RX 5500M 64 fps [レビュー機で計測]
※ノート用グラフィックスのみで比較
中程度の重さのゲーム
ファークライ ニュードーン
1920x1080 低品質 60 fps
高品質 54 fps
最高品質 50 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高品質)
RTX 2080 93 fps
RTX 2080 Max-Q 91 fps
RTX 2070 84 fps
RTX 2070 Max-Q 83 fps
RTX 2060 78 fps
GTX 1660Ti 73 fps
GTX 1650 56 fps
Radeon RX 5500M 50 fps [レビュー機で計測]
※ノート用グラフィックスのみで比較
中程度の重さのゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
1920x1080 低い 103 fps
高い 89 fps
ウルトラ 74 fps
ウルトラでのグラフ比較(解像度:1920×1080)
RTX 2080 172 fps
RTX 2080 Max-Q 145 fps
RTX 2070 134 fps
RTX 2070 Max-Q 107 fps
GTX 1660Ti 107 fps
Radeon RX 5500M 74 fps [レビュー機で計測]
GTX 1650 68 fps
※トレーニングモードで計測
軽い部類のゲーム
Apex Legends
1920x1080 高設定 76 fps
最高設定でのグラフ比較(解像度:1920×1080)
RTX 2080 168 fps
RTX 2080 Max-Q 148 fps
RTX 2070 138 fps
RTX 2070 Max-Q 120 fps
GTX 1660Ti 107 fps
RTX 2060 105 fps
Radeon RX 5500M 76 fps [レビュー機で計測]
GTX 1650 73 fps
※トレーニングモードで計測
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
1920x1080 最高品質 14589(すごく快適)
※約5500で60fps

 

上に掲載した以外のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。

 

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイの詳細なチェックです。

視野角は広くて見やすいですが、色域は狭いです。最大輝度は、当サイトの計測では257cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

色域は狭いいです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は58.5%、sRGB比も58.7%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色もほぼ1:1の直線に近く、素直な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

画素形状です。ギラつきは特に感じません。

画面拡大

非光沢液晶ですので、映り込みは低減されています。

画面への映り込み

正確な確認方法ではありませんが、シャッタースピードを上げて撮影した限りでは、フリッカーは確認できませんでした。

フリッカーのテスト
※カメラのシャッタースピードを1/2000秒にして撮影したときの画面

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

キーボードは、定評のあるSteelSeriesのものを使用しています。

実測で、キーピッチは横:18mm、縦:19mm、キーストロークは約2mmとなっており、十分な数値です。押し始めは適度な反発があり、底付きの衝撃も少なく、押しやすいキーだと思います。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

タッチパッドの操作性は普通です。タッチパッドの位置はボディの中央ではなく、ホームポジションに手を置いたときの両手の間に位置しており、カーソルの誤移動は少ないです。クリックボタンはやや固めです。

タッチパッド

 

キーボードにはLEDバックライトも搭載しています。キーの側面がクリアになっており、ここからも発色するので、イルミネーションが綺麗です。


LEDキーボードバックライト

 

バックライトのカラー調整は、SteelSeriesの専用ソフトウェア 「SteelSeries Engine」から行います。明るさは3段階で調整ができ、発光パターンは8種類あります。キーマクロも組むことができます。また、ゲーミングヘッドセットなどの、その他のSteelSeriesの製品を使用する場合は、このソフトウェアから一括管理することができます。


SteelSeries Engine

 

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

CPU

CPUは、Ryzen 7 3750Hを搭載しています。多くのゲーミングノートに搭載されているCore i7-9750Hと比較すると、性能は大分落ちます。

CPU性能
~ CINEBENCH R20 ~
Ryzen 7 3750H
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-9980HK 3405
Core i7-9750H 2640
Core i7-10710U 2211
Core i5-9300H 1921
Ryzen 7 3700U 1526
Ryzen 7 3750H 1494 [レビュー機で計測]
Core i7-1065G7 1484
Core i5-10210U 1465
Core i5-1035G1 1424
Core i7-10510U 1387
Core i7-8565U 1268
Core i5-8265U 1252
Core i3-8145U 952
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です

 

グラフィックス

内蔵グラフィックスにはRadeon RX Vega 10、外部グラフィックスにはRadeon RX 5500Mを搭載しています。3DMark Time SpyではGeForce GTX 1650より上のスコアでした。

グラフィックス性能の目安
~ 3DMark Time Spy - Graphics score ~

Radeon RX 5500M
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
デスクトップ用RTX 2080Ti 12388
デスクトップ用RTX 2080 10674
ノート用RTX 2080 9456
デスクトップ用RTX 2070 8605
ノート用RTX 2080 Max-Q 8068
ノート用RTX 2070 7778
デスクトップ用RTX 2060 7417
ノート用RTX 2070 Max-Q 7216
ノート用RTX 2060 5686
ノート用GTX 1660Ti 5667
Radeon RX 5500M 4129 [レビュー機で計測]
ノート用GTX 1650 3494
ノート用GTX 1050Ti 2201
ノート用GTX 1050 1689
※緑色のバーが、本製品で選べるグラフィックスです
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です

 

GPU-Zで確認したRadeon RX 5500Mの情報は次の通りです。グラフィックスメモリ容量は4GBです。

本製品のグラフィックカードのスペック

 

ストレージ

ストレージは、PCIe SSDを搭載しており高速です。

ストレージ性能の目安
~ CrystalDiskMark Seq Q32T1 Read [MB/s] ~
512GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(Seq Q32T1 Read [MB/s] )
PCIe-NVMe SSD 3562 [レビュー機で計測]
SATA-AHCI SSD 550
HDD 140
※緑色のバーが、本製品で選べるストレージです
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です

 

その他のベンチマークスコア

以下、その他のベンチマーク結果を掲載します。

  • SPECviewperf 13
  • その他 3D Mark
  • SDカード
SPECviewperf 13
~ グラフィック(プロフェッショナル向け)性能の評価 ~
Radeon RX 5500M
3DMark
~ グラフィック性能の評価 ~
Radeon RX 5500M
CrystalDiskMark (SDカード)
~ SDカードスロット性能の評価 ~
最大300MB/sのUHS-IIのカードで測定

 

実際のソフトで計測した処理時間

次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

Lightroomによる現像時間は遅いです。そもそも液晶の色域が狭いので、現像向きのPCではありません。

Core i7-8700
32GBメモリ
71秒
Core i9-9980HK
16GBメモリ
79秒
Core i7-9750H
16GBメモリ
82秒
Core i7-8565U
16GBメモリ
130秒
Ryzen 7 3750H
16GBメモリ
147秒 [レビュー機で計測]
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測。
※「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください。
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

遅くもないですが、速くもありません。WindowsパソコンでPremiere Proを使う場合は、インテルCPUおよびNVIDIAのグラフィックスを搭載した製品のほうがおすすめです。

Core i7-9750H/16GB
RTX 2070
45秒
Core i7-9750H/16GB
GTX 1660Ti
46秒
Core i7-9750H/16GB
GTX 1650
69秒
Core i7-10710U/16GB
GTX 1650 Max-Q
84秒
Ryzen 7 3750H/16GB
Radeon RX 5500M
179秒 [レビュー機で計測]
Core i5-10210U/8GB
GeForce MX250
216秒
Core i7-1065G7/16GB
Intel Iris Plus
265秒
Core i7-8650U/16GB
Intel UHD 620
473秒
※ 4K動画(約2分)に、「テキスト(ブラー付)」+「RGBカーブ補正」+「シャープ」+「自然な彩度」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 1080p HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるエンコード時間

エンコード時間はまずまずですが、この速度なら他のプロセッサーで十分かなと思います。

  Ryzen 7 3750H
x265でエンコード (※1) 30分11秒
NVENCでエンコード (※2)
QSVでエンコード (※3)
VCEでエンコード(※4) 1分38秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※4 AMD APU内蔵のハードウェアエンコーダー(AMD Media SDK)
x265でのエンコード時間
Core i9-9980HK 11分37秒
Core i7-8700 12分27秒
Core i7-9750H 15分37秒
Core i7-10710U 21分43秒
Core i5-10210U 28分53秒
Ryzen 7 3750H 30分11秒 [レビュー機で計測]
Core i7-8565U 31分50秒
Core i5-8265U 32分07秒
Core i3-8130U 45分24秒
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
x265でエンコード時間中のCPUクロック
Ryzen 7 3750H

 

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーの仕様値では約2.3kgとなっています。

当サイトで計測した質量は次の通りです。ゲーミングPCとしては普通の質量です。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  15.6型
PC本体 2.246kg
ACアダプター 739g

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は、フリーソフトで確認したところ、約50Whでした。普通の容量です。

バッテリー駆動時間は、ゲーム中はそれほど長くは持ちません。

バッテリー駆動時間の計測結果(当サイトによる実測値)
  駆動時間
(1) JEITA 2.0 5時間00分
(2) 動画再生時 4時間53分
(3) PCMark 8 Work テスト
(4) PCMark 10 Battery (Gaming) 1時間06分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
(4) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限

 

 


 

 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時の動作音はほとんど聞こえません。エンコード時とゲーム時は高めの動作音です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
左から3番目:FF14 紅蓮ベンチマーク ループ実行 60fpsに制限(標準品質(デスク)、1920x1080)
左から4番目:FF14 紅蓮ベンチマーク ループ実行 60fps制限なし(最高品質、1920x1080)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

やや低めの温度です。

各パーツの温度
測定環境:室内温度 約26℃、 測定ソフト:HWMonitor
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※FF14ベンチ実行時の温度は、温度が高めになる最後のシーン

 

エンコード時の温度の詳細

下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。70℃~60℃を行ったり来たりしていますが、低めの温度です。温度には余裕があるので、もう少しCPUクロックが高めで推移するようにしても良かったと思います。

CPU温度
x265でエンコード中のCPU温度

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

全体的に低めの温度だったので、安心して使えます。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

ゲーミングPCであるため、一般的なノートPCよりは高い消費電力です。ただし、ゲーミングノートとしてはそこまで高くはありません。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

Alpha 15の外観のチェックです。

天板と底面はブラックのカラーですが、キーボード周りのみシルバーのメタリックカラーになっています。これまでMSI製品にはあった、ドラゴンのエンブレムが変わっています。


 

天板です。

 

スピーカーは底面にあるため、ややこもった感じの音になっています。ノートPC基準で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

 

液晶を閉じたときの画像です。

 

背面の排気口です。

 

右から電源ボタン、ショートカットキー、ファンコントロールボタンです。ショートカットキーは
「SteelSeries Engine」から任意のプログラムを割り当てたり、マクロの設定もできます。デフォルトでは、キーボードイルミネーションの発光パターンの変更ですが、「SteelSeries Engine」の呼び出しがベストだと思います。

 

側面にあるポートの種類は豊富です。有線LANポートやHDMI、Mini Displayport出力端子など、ゲーミングPCとして主要なものは揃っています。

 

側面のUSB端子は赤く点灯するので、暗い部屋でもUSBの抜き差しが楽です。

 

液晶が開く最大の角度です。

 

底面です。メッシュ部分が多く、通気性が良くなっています。

 

底面のネジの上に貼られている「FACTORY SEAL」を破ると保証が受けられなくなりますのでご注意下さい。

 

底面カバーを取り外したときの画像です。かなり多くのヒートパイプが搭載されています。

 

搭載されていたM.2 SSDです。

 

搭載されていたメモリです。

 

2.5インチハードディスク用の空きスペースがあります。ただし、前述のように「FACTORY SEAL」を破ると保証が受けられなくなるため、パソコンショップARKなどで、事前にカスタマイズして購入することをお勧めします。

 

ACアダプターは薄くて小さい方です。

 

ACアダプターの詳細は以下の通りです。

 

まとめ

以上が、Alpha 15のレビューです。

AMD製CPU「Ryzen 7 3750H」に、AMD製グラフィックス「Radeon RX 5500M」を搭載し、AMDで統一したゲーミングノートです。

グラフィックス設定を下げれば、多くのゲームは快適にプレイが可能です。120Hz駆動の高リフレッシュレート液晶と、AMD Freesync機能で、ゲーム画面も見やすいです。

価格も抑えられており、手の届きやすいゲーミングノートだと思います。

ただ、CPU性能もグラフィックス性能も、取り立てて高いわけではなく、どちらかと言えばエントリー向けです。120Hz駆動の性能を引き出すには少し性能不足感があります。

また、液晶の色域は広くないため、動画編集や画像編集用途にはあまり適しません。

 

AMD RyzenとRadeon搭載ゲーミングノートPC

MSI Alpha 15(Alpha-15-A3DDK-006JP)

特徴

  • Radeon RX 5500M
  • 120Hz駆動の高リフレッシュレート液晶
  • AMD Freesync機能対応

こんなあなたに

  • 低価格なゲーミングノートPCが欲しい方
  • AMD製品が好きな方
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