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Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9 の実機レビュー
CPU | Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
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メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB / 1TB SSD |
画面サイズ | 14インチ 16:10 |
画面種類 | 1920×1200 OLED 光沢 |
質量 | 約1.5kg |
バッテリー | 57Wh |
価格 | 11万円台~ |
Lenovo IdeaPad 5x 2-in1 Gen 9は、Snapdragon X Eliteを搭載したCopilot+ PCです。Copilot+ PCとしては、「11万円台~」とかなり安い点が特徴です。
また、ヒンジが360度回転する2 in 1 PCとなっているので、色々な形状で使用することができ、さらにペンにも対応しているので、手書きの絵からイラストを生成する機能などが使いやすです。
ただし、そこまで処理性能は高くなく、ARMネイティブ動作しないアプリは、さらに動作が遅くなりますので、ご注意ください。
※レビュー機は、メーカーからの貸出機です。
目次
お忙しい方は、「Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9の特徴」のみお読みください。
製品の特徴
Copilot+ PCとしては安い
Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9は、Copilot+ PCとしてはかなり安い製品です。Snapdragon X Plus X1P-42-100、16GBメモリ、512GB SSDの構成なら、11万円台で購入することができます。AI PCを安く購入したい方にいいでしょう。
変形することができる2 in 1 PC
Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9は、ヒンジが360度回転し、タブレットや以下のような形状で使用することも可能です。テント型にすれば、PCの手前に冊子のノートなどを広げることができ、オンライン学習などしやすいです。外付けキーボードも使いやすいですし、動画視聴時も便利です。
また、Lenovoのデジタルペンも付属しており、ペンで文字入力をしたり、イラストのラフ画を描いたりすることもできます。 使ってみた感想としては、摩擦感がやや強めかなと思いました。
Copilot+ PCだけの機能
Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9は、Copilot+ PCだけの機能が使えます。
AMD Ryzenやインテル Core UltraなどのSoC(CPUやGPU、NPUなどを1つのチップにまとめたもの)を搭載したCopilot+ PC準拠のPCは、今のところCopilot+ PC機能は使用することができません。例えば、簡単な絵からイラストを生成するコクリエイターや、キーワードを入力すると画像を生成してくれるイメージクリエイターといった機能は、Snapdragonを搭載したCopilot+ PCだけしか、現状使えません。なお、2024年11月下旬に、他のSoCも使えるようになる予定です。
すぐ、このような機能を使いたいなら、Snapdragonを搭載したCopilot+ PCしか選択肢はありません。
また、ペンを使用することができるので、簡単な絵からイラストを生成するコクリエイターが、非常に使いやすいです。この機能に惹かれるなら、本製品はいいでしょう。
長めのバッテリー駆動時間
Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9は、バッテリー駆動時間も長いです。
下表は、代表的なモバイルノートPCについて、やや高めの負荷をかけたときのバッテリー駆動時間を計測したものです(当サイト調べ)。本製品はかなり長いバッテリー駆動時間です。従来のCPUのノートPCは、負荷によってバッテリー駆動時間が変わりやすいですが、本製品は(性能が低めということもありますが)、高い負荷をかけてもバッテリー駆動時間が長めです。
なお、動画再生時など、負荷が低いときは、他と比べるとそこまで長いバッテリー駆動時間というわけでもありません。
内蔵GPU性能は低め
今回搭載されているSnapdragon X Plus X1P-42-100のSoCは、そこまで高い性能ではありません。CPU性能は標準的ですが、内蔵GPU性能が低めです。クリエイティブワークに用いるよりは、どちらかと言うと、オフィスワークに用いるのに適したSoCです。
さらに、ネイティブで動かないソフトに関しては、エミュレーターで動くので、さらに処理性能が落ちます。また、OSに深く関わるドライバー類など、動かないものもあります。「Officeソフトとブラウザーだけ使う」といった方には問題ありませんが、色々ソフトを使ったり、ドライバーが必要な周辺機器を色々使ったりする方は、ご注意ください。
1920×1200ドットの有機ELはやや見にくい
Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9は、1920×1200ドットの有機ELディスプレイを搭載しています。解像度がこの程度の有機ELディスプレイの場合、サブピクセルがペンタイル配列であることが影響し、小さい文字がやや見にくく感じます。文字の輪郭がハッキリしないのと、赤などの色が混じって見えてしまいます。現物を見てもらわないと分かりにくいと思いますが、筆者はこのディスプレイで文書を読むと、目が疲れてきます。
ただ、文字を拡大表示すれば、そこまで気にはなりません。また、個人差もあるので、まったく気にならない方もいると思います。
ディスプレイのチェック
文字はやや見にくいと記載しましたが、それ以外のディスプレイの特性を紹介します。
色域(色の表現できる範囲)は、100% DCI-P3と広く、画像は映像は綺麗です。最大輝度は、仕様では400nitとなっています。
視野角も広いです。
光沢ディスプレイなので、ツヤ感はあり、映像などがより綺麗に見えます。ただし、周りの物が映り込みやすいので、作業をするときは気になるかもしれません。もう少し反射が抑えられていれば良かったです。
肉眼ではわからないと思いますが、カメラを使って速いシャッタースピードで撮影すると、下のように画面にちらつき(輝度が周期的に変化する現象)があるのが分かると思います。人によってはこれが影響して、目が疲れやすかったり、頭痛が起きやすかったりします。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9のキーボードの打ちやすさは普通です。
当サイトの計測で、キーピッチは、横:約19mm、縦:約18mm、キーストロークは約1.5mmです。キートップは若干湾曲していますが、フラットに近いです。特別小さいキーはありませんが、「\」と「Backspace」キーはやや小さめです。
タッチパッドの操作感は普通ですが、クリック音はやや大きめです。
安いPCですがキーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9のパフォーマンスをチェックします。SoCには、ARMベースのSnapdragon X Plus X1P-42-100が搭載されています。
CPU
CPU性能については、以下のベンチマークスコアを掲載していきます。
CINEBENCH 2024
まずは、ARM64でネイティブ動作するCINEBENCH 2024のスコアを見ていきます。CINEBENCH 2024のようにネイティブ動作すれば、マルチコアおよびシングルコア性能は普通だと思います。
CINEBENCH R23
CINEBENCH R23は、ARM64に対応していないので、エミュレーターで動作します。そのため、マルチコア性能もシングルコア瀬能も、かなり低めです。ARM64に対応していないソフトを使う場合は、使っていて遅く感じることもあると思います。
グラフィックス
グラフィックス性能については、ARM64でネイティブ動作する3DMark Wild Life Extremeのスコアを確認します。こちらは、低めのスコアです。グラフィック性能はあまり高くありません。
ストレージ
ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~
SDカードスロット
microSDカードスロットを搭載しており、アクセス速度は普通です。なお、カードを挿入した後の出っ張りが無いので、よほどのことがない限り、押されて出てくる心配がありません。ストレージ容量を増やす目的でmicroSDカードを使う方には嬉しいと思います。ただし、爪で押さないと抜きにくいため、データのやりとりで使う方にとっては、使い勝手が悪いかもしれません。
バッテリー駆動時間のチェック
Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9は、下表の(1)や(2)のようなJEITA3.0の低めの負荷のときのバッテリー駆動時間は普通ですが、(3)のようなやや高めの負荷をかけたときのバッテリー駆動時間は長めです。
タブレット | |
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 約 16.6 時間 |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 約 14.1 時間 |
(3) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 10時間04分 |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
静音性のチェック
Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9の動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時やYouTubeの動画再生時は、ほぼ無音です。高めの負荷をかけても、他のノートPCよりはやや低めの騒音値です。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [動画の書き出し] |
約20dB | 約20dB | 約29dB | 約41dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時:Premiere Proで、1080pの動画を書き出したとき
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
外観のチェック
最後に、Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9の外観のチェックしていきます。
ルナグレーの落ち着きのあるカラーです。指紋なども目立ちにくく実用的です。
ディスプレイの上部には、FHD 1080pのカメラが搭載されています。プライバシーシャッターも付いているので、使わないときは物理的にカメラを隠すことができます。ただし、赤外線(IR)は搭載されていないため、顔認証によるログインはできません。
その代わり、指紋認証による生体ログインが可能です。
天板には「Lenovo」のロゴが大きく配置されています。
高さは17.5mmと、やや薄いです。
USB Type-Cポートは、USB3.2 Gen 2となっており、PowerDeliveryおよび映像出力に対応しています。USB Type-Aポートは、USB3.2 Gen1です。HDMIは、4K/60Hz/RGBで出力可能でした。
ヒンジは360度回転します。排気口は、下の図の位置に配置されています。
底面のデザインはシンプルです。
ACアダプターは65Wです。サイズはやや大き目で、電源ケーブルもやや太いです。
まとめ
以上が、Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9のレビューです。
11万円台と価格が非常に安いCopilot+ PCです。Copilot+ PC準拠のノートPCは、20万円以上するものが多いので、Copilot+ PCとはどんなものなのかを試してみたい方にいいでしょう。
また、ヒンジが360度回転する2 in 1 PCで、テント型などにすれば、手前にスペースができるので、教科書や冊子のノートなどを置くことができます。
ペンにも対応しているので、手書きの絵から、イラストを生成するコクリエイターなどの機能も使いやすいです。小・中学校の学習教材などを、手書き入力することも出来ます。
以上から、子どもにも合うPCかなと思いました。
ただ、ARM64でネイティブ動作しないソフトは、遅く感じるでしょう。処理性能重視の方には適しません。
また、1920×1200ドット程度の解像度に、有機ELだと、小さい文字がやや見にくかったです。
格安のCopilot+ PC
Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9
特徴
- 非常に安いCopilot+ PC
- タブレット形状などに変形可能
- ペンも使える
こんなあなたに
- 小、中学生
- Copilot+ PCを気軽に試して見たい方
- 価格11万円台~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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