※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

レノボ ThinkPad T490 の実機レビュー

更新日:2019年5月4日
CPU Core i5-8265U
Core i7-8565U
GPU CPU内蔵 /
GeForce MX250
メモリ 最大40GB
ストレージ SATA / PCIe SSD
液晶サイズ 14.0型
液晶種類 HD TN
FHD IPS
FHD IPS タッチ
FHD IPS PrivacyGuard
WQHD DOLBY Vision
質量 約1.44kg~
バッテリー 最大 約17.8時間
価格[税別] 11万円台~

メモリはカスタマイズ画面で選択できる容量

GeForce MX250を搭載でき、持ち運びもできるThinkPadノート

ThinkPad T490は、GeForce MX250を搭載でき、従来モデルよりも質量が軽くなった14型モバイルノートです。

特に、2019年モデルのThinkPadシリーズの中では、最軽量の外部グラフィックスを搭載したモデルです。

また、液晶ディスプレイの選択肢が増えました。覗き見されにくい液晶や、広色域のWQHD液晶が加わっています。

WQHD液晶 + GeForce MX250を搭載すれば、画像編集などを行うクリエイターにも適したPCだと思います。

最新レノボPCのレビューはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。

レビュー機の構成

Core i7-8565U、GeForce MX250、16GBメモリ、256GB PCIe SSD、WQHD液晶、LTE

 

目次

お忙しい方は、「ThinkPad T490の特徴」のみお読みください。

 

ThinkPad T490 の特徴

選択できる液晶ディスプレイが豊富

ThinkPad T490では、搭載可能な液晶が5種類もあります。その中で特徴的なのが、PrivacyGuard搭載液晶WQHD液晶です。

PrivacyGuard搭載液晶は、横のアングルからの視野を悪くすることで、画面上のコンテンツが見られることを防ぐことができます。また、ユーザーの肩越しに画面をのぞき込もうとする人がいたら、ユーザーに警告を発する、PrivacyAlertという機能を使用することもできます。

WQHD液晶は、解像度が高い他に、色の再現性が高いです(Adobe RGB カバー率100%)。デジタル写真を現像したり編集したりする場合、WQHD液晶を選択するとよいでしょう。

WQHD液晶

 

WQHD液晶にすると軽くなる

WQHD液晶を選択すると、約110g軽くなります。モバイルノートで110g違うのは大きな差です。ただし、解像度の高いWQHD液晶はバッテリー駆動時間が短くなることが予想されます。

  HD FHD FHD
タッチ
FHD
Privacy
Guard
WQHD
DOLBY
Vision
質量 ? 約1.55kg 約1.44kg

 

GeForce MX250を搭載可能

ThinkPad T490では、グラフィックスにGeForce MX250を搭載することが可能です。GPU支援に対応したソフトを使う際に処理速度が速くなります。ベンチマークスコアやAdobeソフトなどの各種計測時間については「パフォーマンスのチェック」をご覧ください。なお、MXシリーズのグラフィックスは、NVENCのエンコードには対応していないため、ご注意下さい。

GeForce MX250

 

キーボードが打ちやすい

ThinkPad T490は、他のThinkPadシリーズと同様に、タイピングしやすいキーボードを備えており、文字入力が速く行えるため、仕事時間を短縮できると思います。また、トラックポイントも搭載しており、マウスが使えないところでも、比較的快適に操作できます。

タイピングしやすい

 

LTE選択可能

ThinkPad T490も、他の多くのThinkPadシリーズと同じくLTEを搭載できます。ただし、筆者が試した限りでは、au回線のMVNO SIMが正常に動作しませんでした(一瞬つながるがすぐ切れる)。詳細は「LTEの通信テスト」をご覧ください。

LTEモジュールを選択可能

 

カードリーダーがmicroSDに

ThinkPad T490では、従来のSDカードリーダーからmicroSDカードリーダーへと変更されています。ないよりはましですし、ThinkPad T490sのようにnano SIMとのコンボスロットになるよりは使いやすいですが、メインPCとしての使用も視野に入るPCなので、できればSDカードリーダーの方がよかったと思います。

 

従来モデルとの比較

ThinkPad T490と従来モデルのThinkPad T480とを比較し、従来モデルからの変化を確認します。今回の変化は、CPUのアップデートというようなマイナーチェンジにとどまらず、結構大きく変化しています。

まず、質量が約1.44kg~と軽くなり、サイズも若干コンパクトになって、持ち運びやすくなりました。液晶ディスプレイには、PrivacyGuard液晶、 DOLBY Vision対応のWQHD IPS液晶が追加されました。また、搭載可能なGPUがGeForce MX150から、最新のGeForce MX250へと変更されています。

ただし、ThinkPad T480では可能だったデュアルドライブ構成が出来なくなっています。また、T480はリアバッテリーの交換が自分で出来ましたが、T490ではそれができません。SDカードスロットは、microSDのみ対応となりました。

従来モデルとの比較
  [本製品]
ThinkPad T490
[従来モデル]
ThinkPad T480
画像
CPU 第8世代Core (U)
Whiskey Lake-U
第8世代Core (U)
Kaby Lake R
ストレージ SSD SSD / HDD
[デュアルドライブ可]
グラフィックス CPU内蔵 /
GeForce MX250
CPU内蔵 /
GeForce MX150
液晶サイズ 14.0型 14.0型
液晶種類 HD TN
FHD IPS
FHD IPS タッチ
FHD IPS PrivacyGuard
WQHD IPS DOLBY Vision
HD TN
FHD IPS
FHD IPS タッチ
WQHD IPS
USB USB3.1 x2
USB 3.1 Type-C
Thunderbolt 3
USB 3.0 x2
USB Type-C
Thunderbolt 3
その他
インター
フェイス
HDMI
有線LAN
microSDカード
HDMI
有線LAN
SDカード
LTE 対応
質量 WQHD:約1.44kg
FHD:約1.55kg~
約1.65kg
サイズ[mm] [幅] 329
[奥行] 227
[高さ] 18.9
[幅] 336.6
[奥行] 232.5
[高さ] 19.95
バッテリー 最大 約17.8時間 約14.8時間
(24Wh+24Wh搭載時)

 

他のThinkPadとの比較

ThinkPadシリーズには、14型の機種が複数存在するので比較します。

比較対象は、同じTシリーズで兄弟機種ともいえるThinkPad T490sと、ThinkPadの中では低価格で購入しやすいThinkPad E490です。

大雑把に言うと、ThinkPad E490は宅内での使用が主で価格を重視した製品で、ThinkPad T490sは、モバイル性能を重視した製品です。ThinkPad T490は、E490の上位互換とも言える製品で、使用範囲の広いPCとなります。

他のThinkPadとの比較
  [本製品]
ThinkPad T490
[兄弟機種]
ThinkPad T490s
[低価格機種]
ThinkPad E490
画像
CPU 第8世代Core (U)
Whiskey Lake-U
グラフィックス CPU内蔵 /
GeForce MX250
CPU内蔵 CPU内蔵 /
Radeon RX 550X
液晶サイズ 14.0型
液晶種類 HD TN
FHD IPS
FHD IPS タッチ
FHD IPS PG
WQHD IPS DV
FHD IPS
FHD IPS タッチ
FHD IPS 省電力
FHD IPS PG
WQHD IPS DV
FHD IPS 非光沢
HD TN 非光沢
USB USB3.1 x2
USB 3.1 Type-C
Thunderbolt 3
USB3.1 x2
USB 3.1 Type-C
Thunderbolt 3
USB3.1 x2
USB2.0
USB Type-C
その他
インター
フェイス
HDMI
有線LAN
microSD
HDMI
有線LAN (ドングル使用)
microSD
HDMI
有線LAN
microSD
LTE 対応 非対応
質量 約1.44kg~ 約1.24kg~ 約1.75kg~
サイズ[mm] [幅] 329
[奥行] 227
[高さ] 18.9
[幅] 328.8
[奥行] 226.15
[高さ] 16.7
[幅] 329.3
[奥行] 242.8
[高さ] 21.9
バッテリー 最大 約17.8時間 最大 約23.95時間 最大 約15.6時間
※ PG:Privacy Guard
※ DV:DOLBY Vision
価格の比較
  [本製品]
ThinkPad T490
[兄弟機種]
ThinkPad T490s
[低価格機種]
ThinkPad E490
画像
CPU Core i5-8265U
グラフィックス CPU内蔵
ストレージ 128GB SSD
液晶 FHD IPS
価格[税込] 120,393円 134,082円 88,646円
※価格は変動します

 

各用途の快適度

ThinkPad T490の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧、動画鑑賞、Office作業 十分なスペックで、Web閲覧、Office作業などの軽作業は快適に動作します。
RAW現像・画像編集 HシリーズのCoreプロセッサ―に比べると現像などの処理は時間がかかるものの、WQHD液晶であればAdobe RGBカバー率100%の広い色域で作業できます。メモリはたくさん積んでおきましょう。
動画編集 GeForce MX250の外部グラフィックスを搭載すれば、簡単な編集であれば問題ないです。ただ、本格的に編集作業をする場合は、CPUおよびグラフィックスはスペック不足です。
ゲーム 外部グラフィックスを搭載できるものの、ゲーム向きではありません。ただ、2Dゲームや、古い軽めのゲームならできると思います。

 

液晶ディスプレイのチェック

ThinkPad T490の液晶は、5種類から選択することができます。ただし、PrivacyGuard付の液晶はまだ選択することができません。

ThinkPad T490で選択できる液晶

HD(1366x768) TN 220nits 非光沢
FHD(1920x1080) IPS 250nits 非光沢
FHD(1920x1080) IPS 300nits 非光沢 マルチタッチ
FHD(1920x1080) IPS 400nits 非光沢 PrivacyGuard
WQHD(2560x1440)IPS 500nits 光沢 DOLBY Vision (Adobe RGB 100%カバー)

 

WQHD(2560x1440)IPS 液晶

今回は、WQHDの液晶について、特性を確認します。

色域がAdobe RGBカバー率100%あるため、正確な色の再現性が必要な作業にも対応できます。画像編集などをする方などにおすすめです。Web閲覧程度の用途にしか使わないなら、色域が高すぎて逆に見にくく感じるかもしれません。

液晶の型番は「B140QAN02.0」でした。ThinkPad X1 Carbonなどに搭載されるWQHD液晶と同じものでした。なお、必ずしもこのパネルが搭載されるとは限りません。

最大輝度は、当サイトの計測では500cd/m2はなかったものの、440cd/m2と高いです。

  • 視野角
  • RGB
    発色特性
  • 色域
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。どの線もまずまず揃っていて、比較的自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

色域は非常に広いです。当サイトの計測ではAdobe RGBカバー率は100%、Adobe RGB比は109.6%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

画素形状です。ギラつきはありません。

画面拡大

光沢液晶であるため、画面への映り込みがあります。

画面への映り込み

少し輝度を下げて(正確には覚えておらず申し訳ないですが輝度設定60%くらい)撮影した限りでは、フリッカーはありませんでした。

フリッカーのテスト
※カメラのシャッタースピードを1/800秒にして撮影したときの画面

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

ThinkPad T490のキーボードは打ちやすいです。

実測で、キーピッチは約19 x 19mmと広く、キーストロークは約2mm弱ありモバイルノートとしては深いです。キートップは大きく湾曲しており指がフィットして押しやすく、底付きの衝撃も低減されて、小さいキーもなく、非常に打ちやすいです。日本語キーボードだけでなく、英語キーボードを選択できる点もメリットです。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

ThinkPadシリーズのキーボードは、左端のFnキーとCtrlキーが、他のノートPCと逆になっています。もし、打ち間違えるようであれば、Lenovo Vantageから簡単に機能を入れ替えることができます。

FnとCtrlキーの入れ替えが可能

 

バックライト付きのキーボードも選択することができます。暗所で作業をすることがある方は便利です。

バックライトキーボード

 

タッチパッドおよびクリックボタンも操作しやすいです。もちろんThinkPadユーザーに人気のトラックポイントも搭載しています。

タッチパッド&トラックポイント

 

パフォーマンスのチェック

ThinkPad T490のパフォーマンスのチェックです。

CPU

モバイルノートPCとしては標準的なCPUを搭載しています。Web閲覧、資料作成など、ほとんどの作業は快適です。

CPU性能
~ CINEBENCH R15 ~
Core i7-8565U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i7-8750H 1100
Core i5-8300H 830
Core i7-8565U 613 [レビュー機で計測]
同上 602
Core i5-8265U 542
Core i3-8145U 340
Celeron N4100 229
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です

 

グラフィックス

グラフィックスには、CPU内蔵のIntel UHD グラフィックス 620の他に、GeForce MX250を選択することができます。ゲーム向きではありませんが、動画や画像編集などをしようと思っている場合、搭載すると良いでしょう。特に、色域の高いWQHD液晶も合わせて搭載すれば、クリエイターに最適です。

グラフィックス性能
~ 3DMark Time Spy ~
GeForce MX250
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GTX 1050Ti 2310
GTX 1050 1787
GeForce MX250
1119 [レビュー機で計測]
GeForce MX150 1074
Intel UHD 620 380
※緑色のバーが、本製品で選べるグラフィックスです
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です

 

GeForce MX250の詳細は次のようになっています。

本製品のグラフィックカードのスペック

 

ストレージ

ストレージは、SATA SSD や PCIe SSDを搭載でき、高速です。なお搭載できるのはM.2 SSDのみで、2.5インチストレージは搭載できません。

ストレージ性能
~ CrystalDiskMark ~
256GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(Seq Q32T1 Read [MB/s] )
PCIe SSD 3191 [レビュー機で計測]
SATA SSD 550
HDD 170
※緑色のバーが、本製品で選べるストレージです
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です

 

その他のベンチマークスコア

以下、その他のベンチマーク結果を掲載します。

  • CINEBENCH R20
  • Passmark
  • 3D Mark
CINEBENCH R20
~ CPU性能の評価 ~
Core i7-8565U
PassMark Performance Test 9.0
~ CPU性能の評価 ~
Core i7-8565U
3DMark
~ グラフィック性能の評価 ~
GeForce MX250

 

実際のソフトで計測した処理時間

次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

Core i7-8750Hなどと比べるとやや時間がかかります。

Core i7-8700
32GBメモリ
71秒
Core i7-8750H
32GBメモリ
99秒
Core i7-8565U
16GBメモリ
130秒 [レビュー機で計測]
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測。
※「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください。
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

GeForce MX250を搭載することで、外部グラフィックスを搭載していない(Intel UHD 620搭載)のノートPCよりも3倍以上速くなっています。

Core i7-8750H/32GB
RTX 2060
45秒
Core i7-8750H/32GB
GTX 1050
78秒
Core i7-8565U/16GB
GeForce MX250
147秒 [レビュー機で計測]
Core i7-8650U/16GB
Intel UHD 620
473秒
※ 4K動画(約2分)に、「テキスト(ブラー付)」+「RGBカーブ補正」+「シャープ」+「自然な彩度」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 1080p HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるエンコード時間

Core i7-8750Hより約2倍遅いです。また、GeForce MX250のNVIDIAの外部グラフィックスを搭載していますが、NVENCは使えません。

  エンコード時間
x265でエンコード (※1) 31分50秒
QSVでエンコード (※2) 3分19秒
NVENCでエンコード (※3)
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
x265でのエンコード時間
Core i9-9900K 9分29秒
Core i7-8700 12分27秒
Core i7-8750H 16分40秒
Core i7-8565U 31分50秒 [レビュー機で計測]
Core i3-8130U 45分24秒
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
x265でエンコード時間中のCPUクロック

 

LTEの通信テスト

対応バンド

ThinkPad T490に搭載されているLTEモジュールは「Fibocom L850-GL」で、対応バンドは下表の通りです。ドコモ、au、ソフトバンクの重要なバンドに対応しています。

各パソコンのLTEバンド対応表
Fibocom L850-GLの対応バンド
LTE FDD:B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B11/B12/B13/B17/B18/B19/B20/B21/B26/B28/B29/B30/B66
LTE TDD:B38/B39/B40/B41
WCDMA:B1/B2/B4/B5/B8
参照:Fibocom
特に重要なバンドは次の通り
ドコモ回線の重要なバンド・・・B1、B3、B19
au回線の重要なバンド・・・B1、B18(B26)
ソフトバンク回線の重要なバンド・・・B1、B3、B8

 

LTE接続できるかのテスト

今回、BIGLOBE、IIJmio(どちらもドコモ回線)、mineo、UQ mobile(どちらもau回線)のMVNO SIMでテストしたところ、au回線のMVNO SIMではLTEに接続できませんでした。たまに接続できるときもありますが、2分ぐらいすると切断されてしまいます。

同じLTEモジュールを搭載したThinkPad X390は、BIOSバージョンを1.09にしたところ、au回線のMVNO SIMでも接続できたので、ThinkPad T490も、BIOSバージョンが上がれば、出来るようになるかもしれません。ただ、ThinkPad X390も再起動するとLTEに接続できないことがありました(詳細はこちら)。

 

スリープ復帰後、LTE接続するまでの時間

次に、電源ボタンを押してスリープ復帰後、LTEに接続するまでの時間を調べたところ、約1分かかりました。これは他社のLTE搭載ノートPCと比較すると遅いです。

スリープ復帰後、 LTE接続するまでの時間
  時間
IIJmio(ドコモ回線) 1分4秒
BIGLOBE(ドコモ回線) 1分3秒
UQ mobile(au回線)
mineo(au回線)

 

再起動後にLTE接続できるかのテスト

BIGLOBEのMVNO SIMにて、時間や日にちを適当に空け、再起動しても正常にLTE接続できるか確認しましたが、10回試して全て正常にLTE接続できました。

 

カードリーダー/ライターのチェック

内蔵カードリーダー/ライターのチェックです。  

microSDカードのみ対応しています。カード挿入後の出っ張りはありません。

SDカード挿入後の画像

 

SDカードリーダー/ライターの速度は普通です。なお、UHS-Ⅱのカードを挿入すると逆に速度が下がります。

CrystalDiskMark 6(SDカード)
最大95MB/sのUHS-Iのカードで測定

 

USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト

USB Type-Cポートを利用して、純正品以外の充電器やドックが使えるか試した結果を、下表に掲載します。

ThinkPadのドックはもちろん使えます。また、18WのPowerDelivery充電器も「充電に時間がかかります」といった旨の表示が出ますが、利用できました。

充電器/ドックとの互換性
  充電できるか? 外部モニター /
有線LANの拡張
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
ZHOULX 充電器(65W)
AUKEY 充電器(46W)
cheero 充電器(18W)
5V充電器
※2
ANKER 充電器(5V/2.4A) ×
AUKEY 充電器(5V/2.4A) ×
その他 USB C-DPケーブルで外部モニター接続
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器

 

質量のチェック

14型のライバル機種と質量を比較すると、特別軽いわけではありません。毎日持ち歩く場合、やや重いかなと思いますが、たまにしか持ち運ばない方や、車で移動する方、力持ちの方、キャリーケースで移動するのでそこまで軽さを重視しない方などであれば、苦にならない程度の質量ではないかと思います。

14型モバイルノートの質量(メーカー仕様値)
VAIO SX14 約0.999kg
ThinkPad X1 Carbon 2018 約1.13kg
ThinkPad T490s 約1.24kg~
レッツノート LV 約1.27kg
Yoga C930 約1.38kg
ThinkPad T490 約1.44kg~
ideapad 530S 約1.49kg
m-Book B401H 約1.50kg
Inspiron 14 7000 約1.54kg
ThinkPad T480 約1.65kg
構成によって質量が大きく変わる製品もあります

 

当サイトの計測値は下表の通りです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  WQHD液晶モデル
PC本体 1.466kg
65W ACアダプター 284g
45W ACアダプター 248g

 

バッテリー駆動時間のチェック

ThinkPad T490のバッテリー容量は50Whです。ThinkPad T490sほどのバッテリー容量はありませんが、平均以上の容量はあります。

14型モバイルノートのバッテリー容量
別のバッテリー容量を選べるパソコンもあります

 

メーカーが公開しているJEITA2.0計測法では、最大 約17.8時間と結構長めです。

当サイトで計測したバッテリー駆動時間は下表のようになっています。今回、消費電力の高いWQHD液晶を搭載しているため、モバイルノートとしては普通の駆動時間でした。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0測定方法 ※1 最大約17.8時間
(2) 動画再生時 ※2 7時間08分
(3) PCMark 8 Work テスト ※3 4時間52分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
※1 メーカー公表値
※2 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※3 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行

 

急速充電に対応しており、60分で80%まで充電することができるとあります。ちょっとしたコーヒーブレイクの時間でも充電できれば、数時間駆動時間を延ばすことができます。ただし、急速充電に対応しているのは65WのACアダプターを用いたときのみです。

アイドル状態で計測した充電時間は次のようになっています。速い充電だと思います。

1時間あたりの充電容量
65Wアダプター
アイドル時
72%(約36Wh)
※PCの電源を入れ、アイドル状態で充電
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

 


 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。それ以外の状態の動作音も、他のノートと比較して低めだと思います。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:動画再生時(解像度:720x480で実行)
左から3番目:PowerDirector の編集画面でエフェクトを追加しプレビュー再生
左から4番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

普通の温度です。

各パーツの温度
測定環境:室内温度 約26℃、 測定ソフト:HWMonitor
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

エンコード時の温度の詳細

下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。70℃~80℃台前半で推移しており、普通の温度だと思います。

CPU温度
x265でエンコード中のCPU温度

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

こちらも普通の温度です。使っていて不快感は特にありません。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

今回WQHD液晶を搭載しているため、FHD液晶のモバイルノートと比べるとやや消費電力は高いですが、ゲーミングノートなどと比べると低いです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

ThinkPad T490は、ThinkPadらしい、オーソドックスな外観です。ビジネスシーンにふさわしい、落ち着きがあるデザインです。左右の液晶ベゼルは狭いですが、上下のベゼルがやや広いのは残念です。

 

ThinkPad T490には、Webカメラを物理的に覆うThinkShutterが設けられており、Webカメラを乗っ取るようなマルウェアの対策に有効です。

 

天板です。

 

スピーカーはキーボードの上部に配置されています。音質は普通です。勝手に点数をつけると、10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

 

液晶は約180度開くことができます。

 

ドングルが必要なLANポートのThinkPadが多くなってきましたが、本製品は普通のLANポートが残っています。さらに、サイドコネクター設計のドッキングステーションも利用可能です。

ただ、ThinkPad T490では、従来のSDカードリーダーからmicroSDカードリーダーへと変更されています。

 

底面はシンプルです。

 

底面カバーを外したときの画像です。2.5インチベイはありません。

 

M.2 SSDは換装できると思います。

 

メモリは、1つがオンボードで、1つがスロットに接続します。

 

WWANカードです。

 

ACアダプターは45Wと65Wが用意されており、サイズが異なります。

 

まとめ

ThinkPad T490は、ThinkPad T480の後継機種で、軽量化され、持ち出しやすくなりました。

外部グラフィックスにGeForce MX250を選択することも可能で、GPU支援に対応したソフトであれば、処理が高速化します。

液晶の選択肢が多いのも特徴の一つです。持ち出して使用することが多いのであればPrivacyGuard液晶を、クリエイターであれば色域の広いWQHD液晶を選択すると良いでしょう。

全体的にバランスがよく、場所を問わず使え、文字を打つ仕事でも、画像や映像を扱うクリエイティブな作業でも、快適にこなせるオールマイティーなノートPCです。

ただし、ThinkPad T480でできた、デュアルストレージ構成やバッテリー構成の変更が出来なくなったため、ご注意下さい。また、LTEはau回線のMVNO SIMが使えませんでした。BIOSのアップデートでの改善を望みます。

メインと兼用できるモバイルノートPC

ThinkPad T490

特徴

  • GeForce MX250搭載可能
  • 液晶の選択肢が豊富
  • LTE対応
  • タイピングしやすい

こんなあなたに

  • 写真編集などをする方(WQHD液晶、MX250搭載時)
  • かんたんな動画編集をしたい方(MX250搭載時)
  • たまに外へ持ち運ぶ方
  • 価格11万円台[税別]~
  • 一言フルサイズのSDカード
    スロットが欲しい・・・
最新レノボPCのレビューはこちら

 

関連ページ