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HUAWEI MateBook X Pro 2021の実機レビュー
CPU | Core i7-1165G7 |
---|---|
メモリ | 16GB LPDDR4X |
ストレージ | 1TB PCIe SSD |
液晶サイズ | 13.9型 |
液晶種類 | 3K(3000x2000) タッチ |
質量 | 約1.33kg |
バッテリー | 最大11時間(56Wh) |
価格[税別] | 27万円台 |
MateBook X Pro 2021は、3K(3000x2000)液晶を搭載している点が特徴的なハイグレードのノートPCです。
13.9型のタッチ液晶で、色域も広めです。さらに、アスペクト比3:2の液晶なので、ブラウザやOfficeソフトなども使いやすいです。
質量も重くないので、外に持ち出して、効率よく作業を行いたい方にも適しています。
レビュー機は、メーカーからのサンプル機ですので、実際に販売されているものとは異なる可能性がありますのでご了承下さい。また、今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-1165G7、16GBメモリ、1TB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「MateBook X Pro 2021の特徴」のみお読みください。
MateBook 13の特徴
3000x2000(3:2)の作業がしやすい液晶
MateBook X Pro 2021の大きな特徴の一つは、搭載している液晶です。
一般的なFHD(1920x1080)ではなく、解像度の高い3K(3000x2000)液晶を搭載しています。100% sRGBクラスと色域も広めなので、ウェブやSNSに掲載するための写真の編集といった、ライトなクリエイティブ作業にも使える液晶です。
また、アスペクト比3:2で、一般的なFHD液晶よりも縦方向の表示面積が広くなっています。そのため、下の画像のように、ウェブページなども一度に表示できる範囲が広く、非常に見やすいです。2つのウィンドウを並べて作業をするといった使い方もしやすく、作業を効率よく行うことができます。
さらに、タッチ操作にも対応しており、画像の拡大・縮小などを、指で直感的に操作することもできます。
持ち運びしやすいボディ
MateBook X Pro 2021は、質量約1.33kgと比較的軽く、厚みも約14.6mmと薄型のボディなので、扱いやすく、外に持ち出してモバイルノートPCとしても使用することができます。
参考までに、下のグラフでは、13.9~14.0型クラスのモバイルノートPCと質量を比較しています。MateBook X Pro 2021は、超軽量機種ではありませんが、十分持ち運べる範囲の質量です。ライトなクリエイティブ作業もできる機種を持ち運びたい方に適しています。
4スピーカーで音がいい
MateBook X Pro 2021は、下の画像の赤丸で囲っている付近にスピーカーを搭載しています。クアッドスピーカー、つまり合計4基のスピーカーを搭載しており、音がいいです。
ノートPC基準で、10点満点で採点すると7点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
色鮮やかな表示ができる液晶と合わせて、臨場感のある動画視聴を楽しむことができます。
HUAWEIスマホとの連携が簡単
MateBook X Pro 2021は、Huawai Shareという機能を使用し、HUAWEIのスマホと簡単に連携出来るようになっています。
例えば、スマホをタッチパッドに置くだけで、ディスプレイにスマホの画面を表示することができます。また、画面上に複数のスマホアプリを表示することも可能です。
現在HUAWEIのスマホを使用しており、これからも使用し続ける方には、少し便利かもしれません。
ウェブカメラはポップアップ式
MateBook X Pro 2021のウェブカメラは、一般的な液晶の上ベゼルではなく、キーボード面に埋め込まれており、下の画像のような、ポップアップ式となっています。
そのため、下から見上げるような画像・映像となり、やや不自然な映りとなります。また、筆者のように上背のある男性の場合、普通の姿勢だと顔がカメラから見切れてしまいます。なお、筆者の身長は約180cmですが、顎までしか見えません。170cm台の方でも鼻もしくは目くらいまでしか見えないのではないかと思います。
ウェブミーティングなどを頻繁に行う方には、液晶上部にウェブカメラが付いた機種の方がいいかもしれません。
インターフェイスは少なめ
MateBook X Pro 2021は、下の画像のようなインターフェイスを備えています。
USBポートと、USB-C x2という構成なので、インターフェイスはやや少なめです。
写真の表示やライトな編集に適した液晶を搭載しているので、SDカードリーダーを搭載していると使いやすかったと思います。
高めの価格設定
MateBook X Pro 2021は、27万円台(税込)となっています。
例えば、14型のモバイルノートPCとして非常に人気の高い、レノボのThinkPad X1 Carbon Gen 9でも、Core i7-1185G7、16GBメモリ、1TB SSD、WQUXGA(3840x2400)の構成で24万円台で購入できるので、27万円台というのは、このタイプのノートPCとしては、高めの価格だと思います。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 3:2の画面比で、縦長のWebページやWord文書などが読みやすいです。また、色域も広めなので、Web上の写真などが綺麗に表示されることでしょう。 |
---|---|---|
オンライン会議 | △ | オンライン会議に必要な、ウェブカメラ、マイク、スピーカーを搭載しています。ただし、ウェブカメラがキーボード面に埋め込まれているタイプなので、下から見上げる映りとなり、やや不自然です。身長が高いと顔が見切れてしまいます。 |
動画鑑賞 | ◎ | 画面比が3:2なので一般的な動画を再生すると上下に余黒が出来て、映像がやや小さく見えてしまうものの、ディスプレイの表示が綺麗で、スピーカー音もいいので、動画鑑賞も快適です。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | 色域がsRGBカバー率 98.6%と比較的広いので、RAW現像や画像編集にも使えるでしょう。インテルCPUを搭載しており、Lightroomとの相性も比較的良いです。ただし、印刷目的の編集を行うには、液晶の色域が物足りないです。 |
動画編集 | △ | FHD/30p程度の簡易的な動画編集ならできますが、外部グラフィックスを搭載していないため、本格的な動画編集は難しいです。 |
ゲーム | △ | 外部グラフィックスや高リフレッシュレート液晶を搭載していないため、ゲーム目的には適していません。ただ、軽いゲームなら、グラフィック品質などを下げることで出来るものもあります。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイのチェックです。
搭載されていたパネルは「JDI LPM139M422A」でした。中国企業のPCに、JDI(株式会社ジャパンディスプレイ)のディスプレイが使われていたのは意外でした。ただし、今回は、メーカーからお借りしたサンプル機なので、もしかすると量販機は別のパネルが使用されているかもしれません。
アスペクト比3:2の3K液晶で、作業がしやすいです。タッチ操作にも対応しています。また、色域が比較的広く、ウェブコンテンツの作成など、クリエイティブな用途にも使用できるでしょう。最大輝度は、当サイトの計測では579cd/m2と高いです。その他の特性については以下のタブをご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
色域は比較的広いです。当サイトの計測結果は、下表のとおりです。
sRGBカバー率 | 98.6% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 75.6% |
Adobe RGBカバー率 | 74.0% |
キーボードおよびタッチパッドのチェック
MateBook X Pro 2021のキーボードは、実測で、横:19mm、縦:19mmのキーピッチです。キーストロークは約1.2mmとやや浅めで、キートップは、はぼフラットです。実際に打ってみると、キーストロークの浅さは感じますが、小さいキーもなく十分なキーピッチがあるので、まずまずの打ちやすさでした。なお、レビューしているのはサンプル機で、英語キーボードを搭載していますが、実際には標準的な配列の日本語キーボードが搭載されるようです。
タッチパッドは面積が広いので使いやすいです。クリックボタンの押した感じは普通でした。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
MateBook X Pro 2021は、Core i7-1165G7を搭載しており、PL1は18Wになっていました。やや低めの設定値かなと思います。
CPU
CINEBENCH R23のスコアは以下の通りです。
マルチコアでは、他のCore i7-1165G7搭載機と比べると、やや低めのスコアでした。シングルコアでは、高めのスコアが出ていました。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
メモリはLPDDR4Xで、高速です。なお、オンボードメモリなので換装はできません。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア
グラフィックス
グラフィックスは、Core i7-1165G7の内蔵グラフィックスです。
メモリの速度が速いため、エントリークラスの外部グラフィックスであるGeForce MX330と同程度の高めのスコアが出ています。画像・動画のライトな編集なども、そこそこ快適にこなせる性能だと思います。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しており、読み・書きともに高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
SDカードスロットはありません。
その他のベンチマーク
他の機種で計測した数値ではありますが、クリエイターソフトの処理時間、フォートナイトやApexなどのゲームのフレームレートなどについては、下のリンク先をご覧ください。機種によってスコアにバラつきはありますが、傾向は分かると思います。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートを利用して、純正以外の充電器やドックが使えるかを試しました。
2つのUSB-Cポートは、Thunderbolt、Power Delivery、DisplayPortに対応しており、今回試した全ての機器の使用が可能でした。
低出力のUSB-Cアダプターでも充電できたので、持ち運ぶ際は、カバンにコンパクトなUSB-Cアダプターを入れておくといいと思います。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― | |
18W cheero充電器 | ○ | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | ○ | ○ | ○ |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
HDMIポートはありません。
質量のチェック
MateBook X Pro 2021の質量のチェックです。
メーカーサイトには「約1.33kg」とあります。当サイトの計測値は下表の通りです。モバイル向けのノートPCと比較すると軽くはありませんが、一般的なノートPCと比較すると、比較的軽いです。
質量 | |
PC本体 | 1.331kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 195g |
バッテリー駆動時間のチェック
MateBook X Pro 2021のバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は、メーカー仕様値で56Whとなっており、やや大きめの容量です。
バッテリー駆動時間は下の通りです。高解像度の3K液晶を搭載した機種としては、やや長めの駆動時間だと思います。外出先でも、やや長めの時間使用できると思います。
バッテリー駆動時間 | |
(1) メーカー仕様値 | 最大約11時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 9時間55分 |
(3) PCMark 8 Work | 3時間13分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
急速充電にも対応しており、メーカーの公表値では、約30分の充電で、オフィスワークなど4時間の作業が可能となっています。当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
CPU電力は18W前後とやや抑えめで推移しています。そのため、CPU温度はほぼ76℃を超えない程度を維持しています。心配せずに使える温度です。
静音性のチェック
MateBook X Pro 2021の動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。高い負荷がかかっても、やや低めの騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
特別高温になる部分はありませんが、パームレスト部分の右手側の温度がやや上がり、熱く感じてきます。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
3K液晶を搭載していますが、思ったよりもやや低めの消費電力でした。
外観のチェック
MateBook X Pro 2021の外観のチェックです。
ベゼル幅が非常に狭く、画面占有率が約91%と高いので、とてもすっきりとした見た目です。
ボディカラーは、エメラルドグリーンという珍しい色です。
天板には、中央にHUAWEIの文字が入っています。
閉じた時の画像です。厚さは約14.6mmと薄いです。
スピーカーは左右のパームレストの端にあります。特徴の部分でも紹介した通り、4スピーカー構成で、音もいいです。
Webカメラは、720p HDカメラで、画質は普通です。液晶の上ベゼルではなく、キーボードのF6とF7キーの間に埋め込まれたポップアップ式のカメラです。なお、顔認証には対応していません。
顔認証は出来ない代わりに、電源ボタン一体型の指紋センサーを備えており、Windows Helloの指紋認証が使用できます。
側面のポート類です。USB3.2、USB-C(Thunderbolt、Power Delivery、DisplayPort対応)x2を備えています。HDMIやSDカードリーダーは備えていません。
液晶が開く最大の角度です。
底面です。フラットで、吸気用の穴などもありません。
ACアダプターは、最大65W(20V、3.25A)です。ケーブル類も太くないので、持ち運びもしやすいです。
まとめ
以上が、MateBook X Pro 2021のレビューです。
アスペクト比3:2の3Kタッチ液晶は、100% sRGBクラスと色域も広めで、精細かつ色鮮やかな表示が可能です。ウェブブラウザや、Officeソフトが使いやすく、ウェブコンテンツ用の写真や動画の編集にも使用できます。
4スピーカーを搭載し、サウンドもよく、オンライン動画を楽しむのにも適しています。
また、質量が一般的なノートPCと比べると軽いので、取り扱いがしやすいです。宅内だけでなく、比較的容易に外に持ち出すことも可能です。
仕事用としても申し分のないスペック構成ですが、ウェブカメラがキーボード面に配置されており、映りがやや不自然になるのが、頻繁にオンライン会議を行う方には残念な部分です。また、高めの価格も、購入へのハードルを上げていると思います。
画面比3:2の3K液晶を搭載
MateBook X Pro 2021
特徴
- 100% sRGBクラスの3K液晶を搭載
- 4スピーカーによる高品質サウンド
- 価格が高め
こんなあなたに
- 液晶の品質にこだわる方
- ライトなクリエイティブ作業を行う方
- 価格27万円台[税込]~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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