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レノボ ThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル) の実機レビュー
CPU | Core i3-1115G4 Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
---|---|
メモリ | 4GB ~ 24GB |
ストレージ | 最大1TB PCIe SSD +最大1TB HDD |
液晶サイズ | 14インチ FHD |
液晶種類 | IPS 非光沢 IPS 非光沢 100% sRGB |
質量 | 約 1.4kg |
バッテリー | 45Wh |
価格[税込] | 5万円台~ |
写真を綺麗に表示できるThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル)は、「100% sRGB」のディスプレイを選択でき、見やすい画面で作業が出来るノートPCです。
安くて色域の狭いノートパソコンだと、スマートフォンより画質が悪いので、画像を表示するとがっかりしますが、「100% sRGB」のディスプレイの本製品であれば綺麗に表示することができます。
なお、「100% sRGB」と書かれていないモデルは、色域が広くないのでご注意下さい。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i3-1115G4、8GBメモリ、128GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「ThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル)の特徴」のみお読みください。
ThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル)の特徴
100% sRGBのディスプレイを選択することができる
ThinkBook 14 Gen 2は「100% sRGB」のディスプレイを搭載し、しかも安く購入できる点が特徴です。
5~6万円台のノートパソコンは、ディスプレイの色域が狭いものが多く、撮影した写真を綺麗に表示することができません。スマートフォンよりも劣る品質のディスプレイです。しかし、本製品であれば色域が比較的広いため、写真を鮮やかに表示することができます。
それだけでなく、比較的正確な色で表示できるため、Webページやクリエイターが作成したコンテンツを、正しい色で表示することができます。
なお、本製品には、2種類のディスプレイがあります。「100% sRGB」と書かれたディスプレイが、画像を綺麗に表示できる方なので、ご注意下さい。
割と軽いので移動が便利
ThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル)は、質量が約1.4kgです。
持ち運び用に設計されたモバイルノートPCと比べると重いですが、室内での使用を想定して作られたノートPCとしては比較的軽いと思います。別の部屋へ移動したり、使わないときは収納したりするときに便利でしょう。ただし、「ThinkBook 15 Gen 2」などの15インチクラスのノートPCと比べると、画面が一回り小さくなっているためご注意下さい。
SSD + HDDの構成が可能
ThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル)は、14型のやや小さめで軽いボディーに、M.2 PCIe-NVMe SSDと2.5インチのハードディスクの両方を搭載できます。動画ファイルなど、大きめの容量のファイルを保存することがある方におすすめです。
「後から2.5インチSSDを自分で増設したいな」と考える方もいると思います。ただ、以前は、2.5インチストレージを固定するキャリアゲージのみが選択できたのですが、現在確認したところ、「キャリアゲージのみ」という選択肢がなくなっています。
ハードディスクを選択しなかった場合、キャリアゲージが搭載されるのか搭載されないのか分からないので、後からSSDを搭載しようと考えている方も、一応一番安いハードディスクを選択しておくことをおすすめします。
8GB以下はシングルチャネル
ThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル)のメモリは、最大24GB搭載できますが、注意が必要です。メモリの1つはオンボードになっており、4GBまたは8GBのメモリを搭載したいときは、オンボードメモリのみ搭載され、シングルチャネルとなります。
16GBのメモリを搭載するときはオンボード8GB+スロット8GBとなりデュアルチャネルとなりますが、24GBのメモリを搭載すると、オンボード8GB+スロット16GBとなり、16GB(8GBx2)以上のメモリを超えた分はシングルチャネルでの動作となります。
オフィスユーザーやライトユーザーが使う場合は、シングルチャネルでも体感速度はほとんど変わりませんが、グラフィックスに負荷のかかる処理を行う場合などは、デュアルチャネルにしたほうがいいでしょう。
ライバル機種の紹介
ThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル)のライバル機種といえる「ThinkPad E14 Gen 2」と、スペックや価格について比較します。同じレノボの製品で、「100% sRGB」のディスプレイを選択できる点や、ダブルストレージ構成にできる点などが似ています。
ThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル)は、上述したように限定的ではあるもののデュアルチャネルのメモリ構成が可能です。また、やや質量が軽い点もメリットです。2ndストレージとして選択できる2.5インチHDDは、SSDより速度は遅いものの、大きな容量を安い価格で手に入れられます。下の表には書いていませんが、SDカードスロットがある点も嬉しいです。
一方、ThinkPad E14 Gen 2は、2.5インチHDDよりも速いPCIe SSDを2nd ストレージとして搭載できる点や、GeForce MX450の外部グラフィックスを搭載できる点、同等構成なら価格が安い点がメリットです。また、ThinkPadキーボードも搭載し、タイピングもしやすいです。ただし、メモリはシングルチャネルとなるためご注意下さい。
ThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル) |
ThinkPad E14 Gen 2 (第11世代インテル) |
|
画像 | ||
CPU | 第11世代インテルCore | |
ディスプレイ | 100% sRGB FHDなど | |
メモリ | シングルチャネル デュアルチャネル |
シングルチャネル |
1st ストレージ | PCIe SSD |
PCIe SSD |
2nd ストレージ | 2.5インチ HDD | PCIe SSD |
グラフィックス | CPU内蔵 | CPU内蔵 GeForce MX450 |
質量 | 約1.4kg | 約1.59kg |
ThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル) |
ThinkPad E14 Gen 2 (第11世代インテル) |
|
CPU | Core i3-1115G4 | |
ディスプレイ | 100% sRGB FHD | |
メモリ | 4GB | |
ストレージ | 256GB SSD | |
その他 | キーボードバックライト 指紋認証センサー |
|
価格[税込] | 77,385円 | 75,207円 |
ThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル) |
ThinkPad E14 Gen 2 (第11世代インテル) |
|
CPU | Core i5-1135G7 | |
メモリ | 8GB | |
その他 | 他の構成は上と同じ | |
価格[税込] | 95,073円 | 90,365円 |
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 快適です。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 快適です。「100% sRGB」のディスプレイならさらに見やすいでしょう。スピーカー音は普通です。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | 「100% sRGB」のディスプレイに、メモリ16GBにすれば、比較的快適に編集できると思います。 |
動画編集 | △ | 今回、Core i3を搭載しているので試してはいませんが、兄弟機種のThinkBook 15で試したところ、Premiere Proで動画の書き出しに大分時間がかかっていました。 |
ゲーム | △ | 外部グラフィックスを搭載していないため、ゲーム向きではありません。 |
ディスプレイのチェック
ThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル)のディスプレイのチェックです。
今回は、「100% sRGB」のディスプレイの特性を記載します。まず、パネルは「AUO B140HAN06.8」でした。最大輝度は、当サイトの計測では366cd/m2とやや高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
ThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル)のキーボードは、IdeaPadシリーズと同じものを採用しています。割としっかりとした打鍵はありますが、1つの枠に、2つのキーが入っている部分があり、見た目が悪いです。打ちやすさは普通かなと思います。
キーボードバックライトは搭載されています。
パフォーマンスのチェック
ThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル)は、Lenovo Vantageのソフトからパフォーマンスを変えることができます。
今回、Core i3-1115G4を搭載していますが、デフォルト時と、エクストリーム・パフォーマンス時の設定は、次のようになっています。
CPU
一般ユーザーにちょうどいい第11世代インテルCoreプロセッサーを搭載しています。ベンチマークスコアは下図の通りで、Core i3-1115G4にしては高いパフォーマンスが出ていました。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
メモリは、オンボードメモリとスロットのメモリを搭載出来ます。今回、シングルチャネルの8GBメモリなので、Memory Writeの速度が遅くなっています。
グラフィックス
今回は、グラフィックス性能の低いCore i3-1115G4であることや、メモリがシングルチャネルであることから、スコアは伸びませんでした。しかし、1世代前のComet LakeのCore i5-10210Uよりは高いグラフィックス スコアでした。なお、デフォルトの状態でのみ計測しています。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe SSDの他に、2.5インチハードディスクも選択することが出来ます。今回は、128GB PCIe SSDのみ搭載しています。速度は下図の通りで、十分な速さですが、PCIe SSDとしてはそこまで速くもなかったです。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
フルサイズのSDカードスロットを搭載しています。カード挿入後の画像は次の通り、カードが半分くらい出たままです。アクセス速度は普通です。
その他のベンチマーク
他の機種で計測した数値ではありますが、実際のソフトの処理時間、ゲームのフレームレートなどについては、下のリンク先をご覧ください。機種によってスコアにバラつきはありますが、傾向は分かると思います。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
Thunderbolt 4、Power Delivery、DisplayPort出力のいずれにも対応しています。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
18W cheero充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | ○ | ○ | ○ |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルであると警告が表示されますが充電可能
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4Kで表示は出来ていますが、色の形式がYCbCr420となっていました。
質量のチェック
ThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル)の質量のチェックです。
メーカー仕様値では、約1.4kgとなっていますが、当サイトの計測値はそれよりもやや重い1.488kgでした。今回、ハードディスクのカバーとダミーハードディスクを搭載しているのでやや重くなっているのだと思います。質量 | |
PC本体 | 1.488kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 335g |
バッテリー駆動時間のチェック
ThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル)のバッテリー駆動時間のチェックです。
45Whバッテリーを搭載しています。バッテリー駆動時間は下の通りで、比較的長めの駆動時間です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 未掲載 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 9時間8分 |
(3) 動画再生時 | ― |
(4) PCMark 8 Work | ― |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
パーツの温度のチェック
ここでは、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時の温度のみを掲載します。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
デフォルトの状態で計測しています。通常、時間が経つとCPU電力が下がるのですが、今回、CPU電力が約25Wと高めを維持しており、その影響でCPU温度も80℃前後とやや高めでした。その代わりCore i3にしては処理が高速でした。Core i5やCore i7を搭載しても、高めのパフォーマンスが出せるのではないかと思います。
静音性のチェック
ThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル)の静音性のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。エンコード時は普通の騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
キーボードの左側が熱くなりますが、それほど不快感はありません。なお、室内の温度によっても変わってきますのでご了承下さい。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
エンコード時の消費電力が、意外と高いです。今回、Core i3ですが、25W前後の高めのCPU電力を維持しており下がることが無かったので、消費電力も高めでした。
外観のチェック
ThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル)の外観のチェックです。
シルバーのカラーであるため、指紋や汚れなどが目立ちにくいです。
天板は、上下で色が微妙に異なるツートンカラーとなっています。
ウェブカメラは、物理的に隠すことができます。最近はオンライン会議をする機会も増えており、設定を間違えてカメラ映像が流れているのではないかと心配になる方もいるのではないかと思いますが、物理的に隠すことができれば安心です。
指紋認証装置は電源ボタンと一体型です。ワンプッシュするだけで、スリープ解除とログインが一度に行えるため便利です。
スピーカーは側面と底面の斜めになっている部分に配置されています。音質は普通で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
高さは17.9mmとなっており、比較的薄いです。
側面のインターフェースはご覧の通りです。USB-Cはもちろん、HDMI、SDカードスロット、LANなどのポートが搭載されています。ポート類は豊富なのでビジネス用途でも安心です。
ヒンジは180度開くので、向かい側に座っている人に画面を見せるときなどに便利です。
底面はシンプルなデザインです。
底面カバーはネジを外して、オープナーなどを使って隙間の爪を外すと、取ることができます。
メモリの1つはオンボードで、もう1つはスロットに挿してあります。今回は、オンボードのみなので、スロットは空いています。
M.2 SSDは換装できそうです。今回はType 2240のSSDが搭載されていましたが、Type 2280へも換装できそうです。
2.5インチストレージも搭載できます。
ACアダプターは65Wの容量です。電源ケーブルが太いです。
まとめ
以上が、ThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル)のレビューです。
「100% sRGB」のディスプレイを選択しながら、比較的安く購入できる点が特徴の製品です。Core i3で構わなければ、6万円台で購入することができます。
また、14インチの小さくて軽めのボディーに、SSDとHDDの両方を搭載できる点もメリットです。
LANやSDカードスロットなどを搭載し、インターフェースも充実しています。
同社からは似た製品として、ThinkPad E14 Gen 2(インテル第11世代)も販売されています。上に書いたようにメリット・デメリットがあるので、こちらも合わせて検討してみるといいと思います。
写真を綺麗に表示できる
ThinkBook 14 Gen 2 (第11世代インテル)
特徴
- 「100% sRGB」のディスプレイ
- 高速SSD + 大容量HDDの構成が可能
- 安い14型ノートとしては、比較的軽い
こんなあなたに
- 画像を綺麗に表示したい方
- 見やすい画面で作業をしたい方
- 動画ファイルなど大容量ファイルも保存する方
- 価格5万円台[税込]~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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人気の高いThinkPadシリーズの中でも、最も購入しやすい価格帯の14型ノートPC。打ちやすいキーボードを搭載し、sRGB 100%クラスのディスプレイも選択可能。
第11世代Coreプロセッサーに、8GB以上のメモリ、SSDを搭載し、一般ユーザーには十分な性能のノートPC。6万円台(税別)から購入することができ、インテル第11世代Coreプロセッサーを搭載したノートPCの中では、かなり高いコスパ。
レノボのパソコンの一覧ページです。売れ筋のThinkPadや、コストパフォーマンスの高いideapadなど掲載し、おすすめのPCも書き込んでいます。
約15年間にわたり、年間100機種以上、パソコンを細かくチェックしている筆者がおすすめするノートパソコン。