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パナソニック レッツノート FV(FV1)の実機レビュー
CPU | Core i7-1185G7 Core i7-1165G7 Core i5-1145G7 Core i5-1135G7 |
---|---|
メモリ | 8GB / 16GB / 32GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 14.0型(3:2) |
液晶種類 | QHD QHD タッチ |
質量 | 約999g~ |
バッテリー | 最大 約22時間 |
WWAN | 4G / 5G |
価格[税込] | 27万円台~ |
レッツノート FVは、ビジネスパーソンに人気の高いレッツノートシリーズの新機種で、大きめの14型液晶を搭載したモバイルノートPCです。
旧機種と比べると、光学ドライブが非搭載となったものの、その分、約999gからと軽くなりました。
アスペクト比3:2のQHD液晶、スリム化されたボディ、バックライト付きキーボード、5G対応モデルの登場など、時代にあった変化を遂げています。
価格は高いものの、ビジネスを戦い抜くための「投資」と考えられる方におすすめの機種です。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i5-1135G7、8GBメモリ、256GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「レッツノート FVの特徴」のみお読みください。
レッツノート FVの特徴
時代に合わせて変化した14型のレッツノート
レッツノート FVは、レッツノート LVシリーズの後継機種となる、14型のモバイルノートPCです。
レッツノート LVシリーズは2018年に登場してから、フルモデルチェンジすることなく、光学ドライブも搭載した軽い14型ノートPCとして、ビジネスシーンで重宝されている機種です。そんなレッツノート LVシリーズを、時代に合わせてフルモデルチェンジしたのが、このレッツノート FVとなります。
レッツノート FVの特徴となるレッツノートLVシリーズから変化した部分を、以下にご紹介します。
約999gからと軽量化されたボディ
レッツノート FVの質量は「約999g~」となっており、14型モバイルノートPCとしては非常に軽いです。当サイトの実測値では、バッテリーパック(S)搭載時だと915.8gとさらに軽く、同サイズのPCとしてはトップクラスの軽さでした。
バッテリー駆動時間とのバランスがいいバッテリーパック(L)を搭載しても、約1.134kgからと十分軽いです。これまで以上に持ち運びがしやすくなっています。
光学ドライブは非搭載だけど、その他のインターフェイスは充実
レッツノート FVは、光学ドライブを搭載していません。レッツノートファンは残念に思うかもしれませんが、今の時代の光学ドライブの使用頻度を考えると仕方がないでしょう。
光学ドライブこそ搭載していないものの、下の画像のようにインターフェイスは、数も種類も充実しています。特に、軽い14型モバイルPCでありながら、LANポートやVGAを備えている機種はとても珍しいです。また、フルサイズのSDカードリーダーもあり、デジカメなどからの写真や動画を取り込みやすいのもポイントです。
アスペクト比3:2のQHD液晶搭載
レッツノート FVは、アスペクト比3:2のQHD液晶を搭載しています。一般的なアスペクト比16:9の液晶や、最近増えているアスペクト比16:10の液晶よりも、縦方向の表示領域が広いのが特徴です。Officeなどのビジネスソフトや、ウェブ閲覧など、縦方向にスクロールするアプリの使い勝手が良くなります。また、解像度は2160x1440と、通常のFHD液晶よりも 少し高めなので、文字が少し小さくてもよければ、より多くの情報を一度に表示でき、作業効率もアップします。
さらに、当サイト計測でsRGBカバー率99.1%と色域も広めなので、ちょっとした画像編集や、動画の編集にも使用できます。
見た目がスマートに
下の画像のとおり、見た目も大きく変化しています。レッツノート LVシリーズは、光学ドライブまで備えており、堅牢性も高いため、分厚くて、やや無骨なデザインでも仕方がないかなという感じでした。
レッツノート FVでは、ボディが薄くなっただけでなく、狭額縁液晶を採用して、かなりスッキリとしたデザインになりました。天板にも凹凸がなくなっています。もちろん、高い堅牢性はそのまま維持しながら、見た目もよくなり、持ち運びもしやすく、使いやすい機種になっています。
操作性がアップ
上の比較画像でも見ることができますが、レッツノート特有のホイールパッドのサイズも変化しています。旧型のレッツノート LVでは、ホイールパッドの直径が43mmだったのに対して、レッツノート FVでは直径64mmとなり、面積が約2.2倍に大きくなっています。カーソル操作や、ジェスチャー機能が使いやすくなりました。
また、キーボードには、レッツノートとしては初めてバックライトを搭載するようになりました。薄暗い場所などでも、キーの視認性がよくなり、タイピングがしやすいです。なお、カタログモデルでは、バックライト付きキーボードを搭載している機種とそうでない機種があるので、注意が必要です。
5G対応モデルが登場
レッツノート FVでは、これまでの4G LTE対応に加えて、最新の5Gに対応したモデルも選択できるようになりました。
5G対応エリアはこれからも広がっていくと思われるので、外出先でも高速でのネット接続を利用したい方は、5G対応モデルを選択するといいでしょう。
なお、5Gに対応しているのは、カスタマイズモデルの中でも、プレミアムエディションの5G対応モデルのみとなります。
高めの冷却性能
第11世代Coreを搭載した機種には、冷却性能があまり高くなく、本来の処理性能を引き出せないこともあります。その点で、レッツノート FVは、CPUのパフォーマンスも、同等他機種よりも高かったですし、高負荷時でもCPU温度がほぼ80℃以下に抑えられていました。高めの冷却性能を備えており、ビジネスシーンにおいて、高負荷作業でも安心してこなすことができます。
レッツノート FVでは、コンパクトなボディでありながら2つのファンと、温まった空気を効率よく排出できるような、排気口を備えています。液晶を開けたときに背面を覆うような構造ですが、排気口がキーボード面の上部にも設けられているので、液晶面が排気の妨げになることもなさそうです。ただし、排気熱が液晶に当たって、液晶を傷めないかは気になります。
簡単に脱着できるバッテリー
レッツノート FVは、最近の機種としては珍しく、バッテリーを簡単に脱着することができます。
そのため、バッテリーがヘタってきても、自分で交換することができます。また、予備のバッテリーを準備すれば、外出先で長時間使用することも可能です。
なお、バッテリーにはバッテリーパック(S)と、バッテリーパック(L)があります。購入するモデル、もしくは、カスタマイズによって、搭載するバッテリーが異なるので、購入時にはよくご確認ください。
性能を維持するためのメンテナンスもしやすい
レッツノート FVは、メンテナンスがしやすい、珍しい構造となっています。
底面には、画像のようなダストカバーが設けられています。ファンによる冷却の妨げとなる、ホコリなどのごみを簡単に掃除できます。「活用ガイド」を見ると、1か月に1度程度の清掃がすすめられています。なお、「掃除には洗剤やエアダスターなどの清掃用スプレーは使用しないでください」とあるので、ご注意ください。
裏蓋を全部開けずに、このようなメンテナンスができるのは、嬉しいです。きちんとメンテナンスすることで、長く、安心して使うことができそうです。
カスタマイズモデルとカタログモデルの比較
レッツノート FVには、カタログモデルと、カスタマイズモデルがあります。
下表では、それぞれのモデルの構成を簡単に比較しています。
カタログモデルは、限定された構成となり、バッテリーパック(L)を搭載しているのは、4G対応の上位モデルのみとなっています。一方、カスタマイズモデルは、vPro対応のCPUを搭載し、WWANの有無や、好みのバッテリーを選択することができます。このような違いがあるので、目的とした作業に適したモデルを選ぶようにしてください。
プレミアムエディション | PE以外 | |||
FV1STCQP | FV1SSDQP | FV1SRCQP | FV1RRBQP | |
CPU | Core i7-1185G7 | Core i5-1145G7 | ||
メモリ | 32GB | 16GB | ||
ストレージ | 256GB / 512GB / 1TB / 2TB SSD | |||
キーボード | バックライト搭載 | |||
WWAN | 5G | 4G選択可 | ||
バッテリー | L : 約20時間 S : 10.5時間 |
L : 約20時間 | L : 約20時間 S : 10.5時間 |
L : 約21時間 S : 11時間 |
質量 | L : 約1.154kg S : 約1.054kg |
L : 約1.229kg | L : 約1.134kg S : 約1.034kg |
|
ソフト | MS Office Home & Business 2019 選択可 |
FV1GFNQR | FV1FDMQR | FV1FDSQR | FV1FDWQR | |
CPU | Core i7-1165G7 | Core i5-1135G7 | ||
メモリ | 16GB | 8GB | ||
ストレージ | 512GB SSD | 256GB SSD | ||
キーボード | バックライト搭載 | バックライトなし | ||
WWAN | 4G | 非対応 | ||
バッテリー | L : 約21時間 | S : 11時間 | S : 11.5時間 | |
質量 | 約1.139kg | 約0.999kg | ||
ソフト | MS Office Home & Business 2019 | なし |
パナソニックのWonderlink SIMを同時に購入可能
レッツノート FVのカスタマイズモデルでは、LTE対応を選択するときに、パナソニックのWonderlink LTE SIMを同時に購入することができます。
その場合、SIMカードがPCに装着された状態で発送され、届いたらすぐにネットに接続できます。LTEの接続でトラブルが発生した時も、まとめてサポートを受けることができます。設定や、トラブル対応など、格安SIMでは不安な方でも、安心して使えるので、おすすめです。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 十分なスペックで、快適に動きます。3:2の液晶で、WebやOffice作業向きの解像度です。 |
---|---|---|
オンライン会議 | ○ | 問題なくオンライン会議が出来ます。1080pウェブカメラを搭載し解像度が高いですが、Zoomなどを経由すると大分画質が落ちるので、720pとそこまで違いはありません。マイクは周囲の雑音をカットするAIノイズ除去機能が搭載されています。スピーカー音は、音楽を聴くとイマイチですが、人の声だけなら他のノートPCと同じような聴きやすさです。 |
動画鑑賞 | ○ | 画面比が3:2なので動画向きではありませんが、映像は綺麗です。スピーカー音は、音楽が流れると、音が甲高く、頭が痛くなるような音質です。ただ、人の声だけのときは聴きやすいです。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | 液晶はsRGBカバー率99.1%と比較的色域が広いです。CPUの性能も高めに出ているので、RAW現像や画像編集にも使えるでしょう。なお、もしRAW現像などを行うのであれば、メモリは16GB以上にしましょう。 |
動画編集 | △~○ | 簡易的な動画編集ならできますが、外部グラフィックスを搭載していないため、本格的な動画編集は難しいです。 |
ゲーム | △ | 外部グラフィックスを搭載していないため、ゲーム向きではありません。軽めのゲームであれば、グラフィック品質などを下げることで出来るものもあります。 |
ディスプレイのチェック
レッツノート FVのディスプレイのチェックです。パネルは、「G140JAN01 01H1B3161CUZZ」でした。なお、別のパネルが搭載される可能性があります。
アスペクト比3:2のQHD液晶です。縦方向の表示領域が広く、色域も広めで、フリッカーも発生しておらず、作業がしやすい液晶です。最大輝度は、当サイトの計測では411cd/m2と高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
レッツノート FVのキーボードのチェックです。
実測で、キーピッチは横:19mm、縦:19mm、キーストロークは約2mmです。「全角/半角」キーはやや小さめですが、その他のキーサイズは普通です。また、キーの配置も標準的で、キートップはほぼフラットです。総じて、キーボードの打ちやすさは普通です。キーストロークが約2mmと深めですが、キーを押したときのストンと落ちるような感覚が少なく、キーが底をつくまで反発力を感じます。
なお、今回チェックしたモデルでは、バックライトは非搭載でしたが、バックライトを搭載したモデルもあります。
レッツノート特有の丸い形状のホイールパッドは、指を丸に沿って回転させると、画面のスクロールをさせることができます。またホイールパッドはサイズアップしており、複数の指を使ったジェスチャー機能がやや使いやすくなりました。ただ、それでもほかのノートPCと比べると、タッチパッドの面積は狭く感じます。
パフォーマンスのチェック
レッツノート FVのパフォーマンスのチェックです。
今回、Core i5-1135G7を搭載していますが、HWiNFOで確認したPL1は、次のようになっています。PL1が28Wなので、Tiger Lakeの性能を十分に発揮できる設定となっているようです。
CPU
レッツノート FVでは、第11世代Coreプロセッサーを搭載しています。カスタマイズモデルでは、vPro対応プロセッサーも選択できます。
今回チェックしたのは、Core i5-1135G7搭載モデルですが、PL1が28Wと高いため、マルチコア、シングルコアのどちらとも他機種で計測したスコアより高めに出ています。ビジネス用途において、快適に使用できる処理性能です。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
メモリは、HWiNFOの情報を見る限りではLPDDR4X-4266のデュアルチャネルです。オンボードメモリなので換装はできません。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア
グラフィックス
メモリがLPDDR4X-4266の割りに速度が伸びなかったため、グラフィックスのベンチマークスコアも思ったほどではありませんでした。それでも、GeForce MX250と同程度のスコアは出ているので、ちょっとした動画の編集などにも対応できると思います。モバイルノートPCとしては十分だと思います。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe Gen4 SSDを搭載しており、非常に高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
フルサイズのSDカードスロットを搭載しており、アクセス速度も速いです。
その他のベンチマーク
他の機種で計測した数値ではありますが、実際のソフトの処理時間、フォートナイトやApexなどのゲームのフレームレートなどについては、下のリンク先をご覧ください。機種によってスコアにバラつきはありますが、傾向は分かると思います。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートを利用して、純正以外の充電器やドックが使えるかを試しました。
USB-Cポートを2つ備えており、どちらもThunderbolt 4、Power Delivery、DisplayPortに対応しています。
Thunderboltドックや、USB-Cドックを含めて、今回試した機器は全て使用できましたが、本体への給電に関しては、出力が90W未満だと、警告が表示されました。付属のACアダプターが84.8Wなので、これ以下の出力の充電器は警告が表示されるのだと思います。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ ※3 | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ ※3 | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
90W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
65W ThinkPad ACアダプター | ○ ※3 | ― | ― | |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ ※3 | ― | ― | |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ ※3 | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | ○ ※3 | ― | ― | |
18W cheero充電器 | ○ ※3 | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | ○ | ○ | ○ |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルであるとの警告が表示
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、RGBでの表示が出来ています。
質量のチェック
レッツノート FVの質量のチェックです。
メーカーサイトでは、バッテリーパック(S)装着時「約0.999kg」、バッテリーパック(L)装着時「1.099kg」とあります。当サイトの計測値は下表の通りです。14型ノートPCとしては、とても軽いです。
バッテリーS | バッテリーL | |
PC本体 | 916g | 1081g |
ACアダプター+電源ケーブル | 282g |
バッテリー駆動時間のチェック
レッツノート FVのバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリーパックには、2つのサイズがあります。バッテリーパック(S)の容量は30Wh、バッテリーパック(L)の容量は56Whでした。
バッテリー駆動時間は下の通りです。どちらのバッテリーパックを使用するかで、バッテリー駆動時間が大きく変わります。軽さにこだわるのでなければ、外出先でもしっかり使用できるバッテリーパック(L)がおすすめです。
バッテリーパック(S) 30Wh |
バッテリーパック(L) 56Wh |
|
(1) JEITA2.0 | 最大約11.5時間 | 最大約22時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 5時間16分 | 9時間58分 |
(3) 動画再生時 | ー | ー |
(4) PCMark 8 Work | 1時間56分 | 3時間41分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。充電速度は速いです。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
多少変動があるものの、CPU電力は28~26W前後を軸に高めで推移していますが、CPU温度はほぼ80℃以下に抑えられています。しっかりサーマルコントロールされているので、高負荷作業でも心配せずに使用できると思います。
静音性のチェック
レッツノート FVの動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。高い負荷がかかった場合は普通の騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
全体的に低めの温度です。作業中に不快に感じることはなさそうです。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
高負荷時は少し消費電力も上がりますが、それでもモバイル向けプロセッサーなので低めの消費電力です。
外観のチェック
レッツノート FVの外観のチェックです。
狭額縁液晶を搭載し、モダンなイメージになっていますが、ホイールパッドなど、レッツノートらしさを感じるデザインです。ただ、カメラがある上部のベゼルは厚くなっています。
天板のボンネット構造部分は、従来よりも凹凸が少なくなっています。
閉じた時の画像です。厚さは18.2mmと薄く、カバンにも入れやすいです。
スピーカーは左右のパームレストの端にあります。最大音量は大きいですが、音楽を聴くと、音が甲高く耳障りで、音楽鑑賞向きではありません。ノートPC基準で、10点満点で採点すると3~4点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。ただ、人の声だけなら、普通に聞こえます。
Webカメラは、FHD 1080p、約207万画素と高めの解像度です。ただ、実際に見た映像は若干赤みが強いかなと思います。なお、IRカメラも搭載しており、Windows Helloの顔認証に対応しています。
指紋センサーも搭載しています。
側面のポート類です。USB3.0 x3、USB-C(Thunderbolt 4、Power Delivery、DisplayPortに対応)x2、HDMI、VGA、LANポート、SDカードリーダーと、種類も数も申し分ありません。
液晶は180度までは開きませんが、だいぶ傾けることができるので、床に置いて作業をするときなどでも、見やすい角度にすることが出来ます。
レッツノートはバッテリー部分が出っ張っているものが多いですが、レッツノート FVのバッテリーは出っ張りがありません。大容量のバッテリーパック(L)でも同様です。
またバッテリーは脱着できます。数年後にバッテリーがへたってきたら、簡単に交換できるのも嬉しいです。
ACアダプターは、84.8Wと大きめの容量ですが、容量の割には比較的コンパクトです。
まとめ
以上が、レッツノート FVのレビューです。
旧機種となるレッツノート LVのいいところは残し、さらに時代に合わせて大きく変化させた機種となっています。
まず、光学ドライブを省いた分、約999gからと非常に軽く、ボディの厚みも薄くなり、より持ち運びがしやすくなりました。また、液晶にはアスペクト比3:2のQHD液晶を搭載し、より見やすく、効率よく作業を行えるように変化しています。液晶の色域も比較的広めなので、画像や動画のライトな編集などにも対応できます。
また、第11世代Coreの処理性能をしっかり引き出せる設定・冷却性能になっており、重めの作業でも快適にこなすことができます。その他、操作性の向上、5G対応モデルの登場など、大きく進化しました。
一方、豊富なインターフェイス、脱着可能なバッテリー、ホイールパッド、高い堅牢性など、多くの方に支持されている部分は変化させず、レッツノートらしさもしっかり引き継いでいます。
なお、カタログモデルと、カスタマイズモデルで多少異なる部分があるので、混同しないようにご注意ください。
一般ユーザーにはなかなか手が出ない価格ですが、仕事上欠かせないツール、もしくはビジネスで勝つための投資と考えることが出来る方には、高過ぎることはないと思います。
ビジネスシーンで人気の高いレッツノートの新モデル
レッツノート FV
特徴
- 高い堅牢性はそのままに、約999g~と軽い
- アスペクト比3:2のQHD液晶
- USB-CからVGAまで揃った充実のインターフェイス
こんなあなたに
- 軽くて耐久性の高いビジネス用PCが欲しい方
- 日常業務に加えて、テレワークや出張にも多用する方
- 価格27万円台[税込]~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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