Core i5-1135G7のベンチマーク

更新日:2020年10月27日

 

今回は、開発コードネーム「Tiger Lake」ことインテル第11世代Coreプロセッサーの「Core i5-1135G7」のベンチマークスコアを掲載します。

なお、Tiger Lakeは、TDP(熱設計電力)をメーカー側で調整できるため、ベンチマークスコアは1つの目安としてご覧いただけたらと思います。

 

Core i5-1135G7の仕様

Core i5-1135G7は、10nm製造プロセスを改良した「10nm SuperFin」を採用したインテル第11世代Coreプロセッサーの1つで、この中ではスタンダードな性能となります。Core i7と比べると、キャッシュ容量やグラフィックスの実行ユニット数などが劣りますが、Intel Iris Xeのグラフィックスを搭載しており、Core i7にも劣らない十分高い性能です。CPUクロックも劣るものの、製品の熱設計等によって動作周波数は変わってくるので、Core i7よりも高い動作周波数で推移するものもあると思います。

メモリはDDR4-3200/LPDDR4x-4267に対応し、将来的にはLPDDR5-5400まで対応予定です。また、PCI Express 4.0、Wi-Fi 6、Thunderbolt 4に対応している点も特徴です。

インテル第11世代Coreプロセッサー(Tiger Lake)の仕様比較
  Core i7-1185G7 Core i7-1165G7 Core i5-1135G7 Core i3-1115G4
製造プロセス 10nm SuperFin
コア / スレッド数 4 / 8 2 / 4
cTDP-up周波数 3.0 GHz 2.8 GHz 2.4 GHz 3.0 GHz
cTDP-down周波数 1.2 GHz 1.2 GHz 900 MHz 1.7 GHz
ターボブースト時 4.8 GHz 4.7 GHz 4.2 GHz 4.1 GHz
キャッシュ 12MB 8MB 6MB
Operating Range 12W~28W
グラフィックス Intel Iris Xe Intel UHD
グラフィックス
最大動的周波数
1.35 GHz 1.3 GHz 1.3 GHz 1.25 GHz
グラフィックス
実行ユニット
96 80 48
※インテル第11世代プロセッサーには、Operating Rangeが12~28WのUP3と、7~15WのUP4がありますが、ここではUP3のプロセッサーのみを掲載。

 

ただし、今回の検証機のグラフィックスの詳細を確認したところ、グラフィックスの実行ユニットは、80ではなく96でした。こういったケースもあるのか、GPU-Zの表示がおかしいのかは分かりません。後日、他のCore i5-1135G7を搭載したノートPCでも確認してみたいと思います。

GPU-Z

 

Tiger Lakeについての詳細については、以下のようなメディアサイトをご覧ください。

 

ベンチマークの計測に利用したノートPC

今回は、以下のノートPCで検証を行いました。

検証機:XPS 13 2-in-1

 

DELL独自のサーマル管理によるCPU電力の違い

DELLは独自のサーマル管理で熱設定を変更できます。デフォルトの「最適化」ではPL1が25Wでしたが、「超高 パフォーマンス」にすると51Wでした。なお、cTDP-downは12W、cTDP-upは15Wでした。

DELL独自のサーマル管理によるCPU電力違い
Dell Power Mangerのサーマル管理
「最適化」時のHWiNFOで確認した情報
  最適化
(デフォルト)
低音 静音 超高
パフォーマンス
PL1 25W 17W 17W 51W
PL2 51W
cTDP-down 12W
cTDP-up 15W
各熱設定のPL1、PL2等

 

CPU電力の推移

次に、Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけ、CPU電力の推移を確認します。サーマル管理をデフォルトの「最適化」にしたときと「超高パフォーマンス」にしたときのCPU電力の推移は次のようになります。

サーマル管理を「最適化」にした場合、一瞬だけPL2の約51Wになった後は、約28Wで推移し、処理開始から約80秒後からは徐々に電力が下がっていき、最終的には15Wになっていました。

サーマル管理を「超高パフォーマンス」にした場合、一瞬だけPL2の約51Wになった後は、35W前後で推移し、処理開始から約120秒後からは急激に電力が落ち、その後は上がったり下がったりを繰り返していました。

Prime95で負荷をかけたときのCPU電力の推移
サーマル管理:最適化
サーマル管理:超高パフォーマンス
※Small FFTs (tests L1/L2/L3 caches, maximum power/heat/CPU strss)を実行時

 

 

Core i5-1135G7のベンチマークスコア

以下、各種ベンチマークソフトを使ったスコアを掲載します。今回は、サーマル管理を「最適化」にしたときと「超高パフォーマンス」にしたときとで計測しています。

上位のCore i7-1165G7や、1世代前のCore i5-1035G4、ライバルとなるRyzen 5 4500Uとスコアを比較しながら、スコアを確認していきたいと思います。Core i7-1165G7については、XPS 13 2-in-1と兄弟機種のXPS 13のスコアを掲載しています。

CINEBENCH R20

まずは、レンダリングを行ってスコアを出す定番ベンチマークソフト、CINEBENCH R20の結果を掲載します。マルチコアのスコアを確認すると、今回の検証機については、XPS 13で確認したCore i7-1165G7よりも高いスコアが出ていました。また、Ryzen 5 4500Uと同等以上のスコアでした。従来のCore i5-1035G4と比較すると、約50%向上していました。

シングルコアのスコアについては、Core i7-1165G7ほどではなかったものの、非常に高いスコアでした。

CINEBENCH R20
XPS 13 2-in-1のスコア
他CPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 4900HS 4250
Ryzen 7 4800H 3944
Core i9-10980HK 3860
Core i7-10875H 3557
Core i9-10885H 3516
Ryzen 5 4600H 3260
Ryzen 7 Pro 4750U 3197
Core i7-10750H 2965
Ryzen 7 4700U 2908
Ryzen 5 Pro 4650U 2424
Core i5-1135G7
[XPS 13 2-in-1]
2321 [PL1:51W]
2102 [PL1:25W]
Core i7-10710U 2211
Ryzen 5 4500U 2180
Core i5-10300H 2113
Core i7-1165G7
[XPS 13]
2102 [PL1:28W]
1975 [PL1:25W]
Ryzen 3 4300U 1637
Core i7-1065G7 1484
Core i5-1035G4 1464
Core i3-1005G1 948
Pentium Gold 5405U 516
Celeron N4100 459
Core m3-8100Y 434
Celeron 4205U 304
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i7-1165G7
[XPS 13]
574 [PL1:28W]
571 [PL1:25W]
Core i5-1135G7
[XPS 13 2-in-1]
519 [PL1:25W]
518 [PL1:51W]
Core i9-10885H 514
Ryzen 9 4900HS 488
Core i7-10750H 478
Ryzen 7 Pro 4750U 467
Ryzen 7 4700U 465
Ryzen 7 4800H 457
Ryzen 5 4600H 452
Ryzen 5 4500U 448
Core i7-10710U 447
Core i7-1065G7 446
Core i5-1035G4 433
Ryzen 3 4300U 430
Ryzen 7 3700U 366
 :Core i5-1135G7のスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア

 

PassMark Performance Test 10.0

続いて、圧縮、暗号化、物理シミュレーションなどを含む数学的計算を行うPassMark Performance Test 10.0のスコアを掲載します。Core i5-1135G7は上位のCore i7-1165G7とほぼ同じスコアで、Ryzen 5 4500Uより高いスコアでした。

PassMark Performance Test 10.0(CPU MARK)
XPS 13 2-in-1のスコア
他CPUとの比較(CPU MARK)
Ryzen 9 4900HS 20343
Ryzen 7 4800H 19080
Ryzen 7 Pro 4750U 16988
Ryzen 7 4700U 14231
Core i7-10750H 12866
Core i7-1165G7
[XPS 13]
12552 [PL1:28W]
12230 [PL1:25W]
Core i5-1135G7
[XPS 13 2-in-1]
12148 [PL1:51W]
12134 [PL1:25W]
Ryzen 5 4500U 11515
Core i7-1065G7 10483
Core i7-10710U 10115
Core i5-1035G4 9484
Ryzen 3 4300U 8004
Ryzen 7 3700U 7431
Core i7-10510U 7235
Ryzen 5 3500U 7179
Core i5-10210U 6514
Core i3-10110U 4213
Ryzen 3 3200U 4166
 :Core i5-1135G7のスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア

 

Geekbench 5

続いて、拡張現実や機械学習などの最先端の処理を取り入れているクロスプラットフォームのベンチマークソフト、Geekbench 5のスコアを掲載します。こちらもPassmarkと同様の結果でした。

Geekbench 5
XPS 13 2-in-1のスコア
他CPUとの比較(Multi-Core)
Ryzen 9 4900HS 8129
Core i7-10875H 7447
Ryzen 7 Pro 4750U 6272
Core i7-10750H 6030
Core i7-9750H 5784
Ryzen 7 4700U 5696
Core i7-10710U 5602
Core i7-1165G7
[XPS 13]
5491 [PL1:25W]
5366 [PL1:28W]
Core i5-1135G7
[XPS 13 2-in-1]
5334 [PL1:51W]
5318 [PL1:25W]
Ryzen 5 4500U 4662
Core i7-1065G7 4019
Core i5-1035G4 3980
Core i5-10210U 3821
Core i5-8265U 3546
Ryzen 3 4300U 3411
 :Core i5-1135G7のスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア

 

リアル作業の快適性の指標となるベンチマーク

上で掲載したベンチマークは、CPUの性能を最大限引き出したときのテストで、CPUの優劣を見るのに最適でした。ただし、日常的に、レンダリングのような大きな負荷のかかる処理を行っているユーザーはあまり多くありません。そこで、次では、一般的なユーザーが利用することの多い作業を処理を実行し、快適度を数値化するベンチマークソフトのスコアを掲載します。

なお、メモリやストレージの速度などによってもスコアが変わってくるため、目安としてご覧いただければと思います。

 

PCMark 10

PCMark 10は、Webページ閲覧、動画視聴といった日常的な操作の快適性の指標となる「Essentials」、文書作成、表計算の使用といった仕事の快適性の指標となる「Productivity」、画像編集、3D CG制作、動画編集といったクリエイティブ作業の快適性の指標となる「Digital Content Creation」の3つについて数値化するベンチマークソフトです。

「Essentials」について、Core i5-1135G7は、Core i7-1165G7ほどではないにしろ高いスコアでした。日常的な操作はとても快適でしょう。「Productivity」については、Ryzen 5 4500Uよりはスコアが低かったものの、Core i5-1035G4よりは約30%もスコアが向上していました。「Digital Content Creation」については、Ryzen 5 4500Uと同等程度のスコアでした。

PCMark 10
XPS 13 2-in-1のスコア
Essentials(アプリ起動、ブラウザ、動画視聴など日常操作の快適性)
Core i7-1165G7
[XPS 13]
10102 [PL1:28W]
10067 [PL1:25W]
Core i5-1135G7
[XPS 13 2-in-1]
9579 [PL1:51W]
9516 [PL1:25W]
Ryzen 7 4700U 9229
Ryzen 5 4500U 8924
Core i7-1065G7 8725
Core i5-1035G4 8156
Productivity(文書作成、表計算などの仕事の快適性)
Ryzen 7 4700U 7775
Core i7-1165G7
[XPS 13]
6890 [PL1:28W]
6786 [PL1:25W]
Ryzen 5 4500U 6553
Core i5-1135G7
[XPS 13 2-in-1]
6336 [PL1:25W]
6320 [PL1:51W]
Core i7-1065G7 5500
Core i5-1035G4 5219
Digital Content Creation(画像・動画編集などのクリエイティブ作業の快適性)
Ryzen 7 4700U 5269
Core i7-1165G7
[XPS 13]
4718 [PL1:28W]
4473 [PL1:25W]
Core i5-1135G7
[XPS 13 2-in-1]
4480 [PL1:51W]
4208 [PL1:25W]
Ryzen 5 4500U 4390
Core i7-1065G7 3727
Core i5-1035G4 3415
 :Core i5-1135G7のスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア
※サーマル管理は「最適化」で実行

 

WebXPRT 3

WebXPRT 3は、HTML5およびJavaScriptを使って、オンラインで、画像補正、AIを使用した画像の整理、株式ポートフォリオの計算・表示、文書の暗号化とOCR、セールデータのグラフ作成、オンラインホームワークといった処理をブラウザ上で実行します。PCへの負荷は軽めになります。

Core i5-1135G7のスコアは、Core i7-1165G7のスコアよりは下回りましたが、Ryzen 5 4500UおよびRyzen 7 4700Uよりも高いスコアとなっていました。

WebXPRT 3
XPS 13 2-in-1のスコア
他のCPUとの比較
Core i7-1165G7
[XPS 13]
266 [PL1:28W]
265 [PL1:25W]
Core i5-1135G7
[XPS 13 2-in-1]
246 [PL1:51W]
242 [PL1:25W]
Ryzen 7 4700U 212
Core i7-1065G7 205
Ryzen 5 4500U 202
Core i5-1035G4 195
 :Core i5-1135G7のスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア
※Chromeブラウザで実行

 

グラフィックス関連のベンチマークスコア

次はグラフィックス関連のベンチマークスコアを掲載します。

3DMark Night Raid

今回、Core i5-1135G7の3DMark Night RaidのGraphics scoreは非常に高い数値で、GeForce MX330を超えるスコアが出ていました。従来のCore i5-1035G4と比較すると2倍もスコアが向上していました。Ryzen 5 4500UはもとよりRyzen 7 4700Uよりも高いスコアです。

なお、今回、XPS 13で計測したCore i7-1165G7のスコアはそこまで高くありませんが、他の機種で計測したCore i7-1165G7のスコアは、Core i5-1135G7と同じくらいのスコアが出ていました。

3DMark Night Raid
XPS 13 2-in-1のスコア
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1050 25325
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7
)
[XPS 13 2-in-1]
18718 [PL1:25W]
18528 [PL1:51W]
GeForce MX330 16714
AMD Radeon
(Ryzen 9 4900HS)
16322
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
[XPS 13]
15642 [PL1:28W]
14483 [PL1:25W]
GeForce MX250 15406
AMD Radeon
(Ryzen 7 Pro 4750U)
14302
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
13861
AMD Radeon
(Ryzen 5 4500U)
11999
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
11084
Radeon Vega 8
(Ryzen 5 3500U)
10014
AMD Radeon
(Ryzen 3 4300U)
9800
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
9188
Intel UHD
(Core i5-10210U)
5800
Intel UHD 620
(Core i5-8265U)
5274
 :Core i5-1135G7のスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア

 

各ゲームのフレームレート

いくつかゲームのフレームレートも計測してみました。

なお、ドラクエXとFF14以外は、トレーニングモード等で動かしているときのフレームレートをMSIアフターバーナーで計測しています。まったく同じ状況で再現できるわけではありませんし、シーンが変わればフレームレートは変わってきます。また外部グラフィックスと違って、CPU内蔵グラフィックスは、時間が経つとフレームレートが下がりやすい傾向があるので、1つの参考値としてご覧ください。

 

総合的に見て、従来のCore i5-1035G4と比較すると、20~100%もフレームレートが伸びていました。Ryzen 7 4700Uと比較した場合は、ゲームによって優劣が変わってきていました。

Apex Legends
  PL1:25W PL1:51W
1920x1080 低設定 46 fps 50 fps

ApexでのCore i7-1165G7のスコアは、Ryzen 5やRyzen 7よりも高いスコアが出ていました。ただし、最も低いグラフィック設定でも、平均フレームレートが60 fpsを超えることはなく、Apexをやるなら、GeForce GTX 1650などの外部グラフィックスを搭載したPCのほうが無難だと思います。

他のグラフィックスとの比較(1920×1080、低設定)
GeForce GTX 1650 118 fps
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
[XPS 13]
53 fps [PL1:28W]
48 fps [PL1:25W]
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)

[XPS 13 2-in-1]
50 fps [PL1:51W]
46 fps [PL1:25W]
GeForce MX330 42 fps
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
40 fps
AMD Radeon
(Ryzen 5 4500U)
34 fps
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
28 fps
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
25 fps
※トレーニングモードで計測
VALORANT
  PL1:25W PL1:51W
1920x1080 低設定 94 fps 98 fps
高設定 56 fps 58 fps

高設定でも60fpsに近いフレームレートが出ていました。低設定なら100fpsに近いフレームレートが出ており快適にゲームができると思います。

他のグラフィックスとの比較(1920×1080、高設定
GeForce GTX 1650 143 fps
GeForce MX330 95 fps
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
[XPS 13]
72 fps [PL1:28W]
69 fps [PL1:25W]
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)

[XPS 13 2-in-1]
58 fps [PL1:51W]
56 fps [PL1:25W]
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
76 fps
AMD Radeon
(Ryzen 5 4500U)
68 fps
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
45 fps
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
41 fps
※バトルラボ 最大300fpsで計測
フォートナイト
  PL1:25W PL1:51W
1920x1080 低設定 67 fps 71 fps
中設定 42 fps 50 fps
高設定 26 fps 27 fps

低設定なら60fpsを超えています。ただし、フォートナイトの「低設定」は画質がかなり落ちるため、中設定辺りでゲームをしたいところですが、そうすると60fpsを結構下回ります。フォートナイトをするなら、スコアの高かったRyzen 7 4700Uや、外部グラフィックスを搭載したノートPCや、外部グラフィックスを搭載したノートPCがおすすめです。

他のグラフィックスとの比較(1920×1080、中設定
GeForce GTX 1650 163 fps
GeForce MX330 85 fps
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
74 fps
AMD Radeon
(Ryzen 5 4500U)
64 fps
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)

[XPS 13 2-in-1]
50 fps [PL1:51W]
42 fps [PL1:25W]
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
[XPS 13]
49 fps [PL1:28W]
44 fps [PL1:25W]
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
39 fps
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
36 fps
※バトルラボで計測
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
  PL1:25W PL1:51W
1920x1080 非常に低い 30 fps 31 fps
22 fps 28 fps

グラフィック設定を最も低くしても、30 fpsしか出ず、カクつくことも多いので、PUBGをするにはちょっと厳しいかなと思います。

他のグラフィックスとの比較(1920×1080、非常に低い)
GeForce GTX 1650 137 fps
GeForce MX330 57 fps
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
40 fps
AMD Radeon
(Ryzen 5 4500U)
38 fps
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)

[XPS 13 2-in-1]
31 fps [PL1:51W]
30 fps [PL1:25W]
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
[XPS 13]
28 fps [PL1:28W]
27 fps [PL1:25W]
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
23 fps
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
22 fps
※トレーニングモードで計測
ドラゴンクエストX
  PL1:25W PL1:51W
1920x1080 最高品質 11102 10992

ドラクエXは高いスコアが出ており、「すごく快適」の評価でした。快適にゲームができるでしょう。

他のグラフィックスとの比較(解像度:1920×1080、最高品質)
GeForce GTX 1650 19246
GeForce MX330 12947
GeForce MX250 11900
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
[XPS 13]
11714 [PL1:28W]
11191 [PL1:25W]
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)

[XPS 13 2-in-1]
11102 [PL1:25W]
10992 [PL1:51W]
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
9462
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
7968
AMD Radeon
(Ryzen 5 4500U)
7695
AMD Radeon
(Ryzen 3 4300U)
6777
Intel UHD
(Core i7-10710U)
5984
Intel UHD
(Core i5-1035G4)
5820
※約5500で60fps
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
  PL1:25W PL1:51W
1920x1080 標準(ノート) 47 fps 49 fps

FF14について、Core i5-1135G7のスコアは、Ryzen 5 4500Uのスコアと比較すると、非常に高い数値が出ていました。従来のCore i5-1035G4と比較すると、約2倍のスコアでした。

他のグラフィックスとの比較(1920×1080、標準(ノート))
GeForce GTX 1650 115 fps
GeForce MX330 61 fps
GeForce MX250 60 fps
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)

[XPS 13 2-in-1]
49 fps [PL1:51W]
47 fps [PL1:25W]
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
[XPS 13]
49 fps [PL1:28W]
46 fps [PL1:25W]
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
30 fps
AMD Radeon
(Ryzen 5 4500U)
29 fps
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
25 fps
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
25 fps
[以上のゲームのベンチマークスコアおよびフレームレートについて]
※表示しているのは平均フレームレートです
 :Core i5-1135G7のスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア

 

TMPGEnc 7によるハードウェアエンコード

プロセッサー内蔵GPUによるハードウェアエンコードは、今回計測したプロセッサーの中では、どれよりも高速でした。

TMPGEnc 7によるエンコード時間(内蔵GPUによるエンコード)
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)

[XPS 13 2-in-1]
1分05秒 [PL1:51W]
1分07秒 [PL1:25W]
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
[XPS 13]
1分07秒 [PL1:28W]
1分11秒 [PL1:25W]
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
1分12秒
AMD Radeon
(Ryzen 5 4500U)
1分18秒
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
1分41秒
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
1分43秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.264/AVCへ変換したときの時間
 :Core i5-1135G7のスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。PC Mark 10の「Digital Content Creation」の項目でもクリエイティブ作業の快適度は掲載しましたが、PC Mark 10は主にフリーソフトでテストを行っており、実際のクリエイターが使用していないソフトも多いです。

以下は、利用者の多いシェアウェアのAdobeソフトを中心に、クリエイティブ作業時の快適性をテストします。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

Adobe Lightroom Classic CCの現像時間は、メモリ容量によって大きく変わってきます。今回、8GBのメモリ(オンボード)しか搭載していないため、この処理時間については省略いたします。16GBのメモリを搭載したPCを入手したときに、再度計測してみます。

なお、Core i7-1165G7の結果を見ると、Core i5-1135G7も速いのではないかと思われます。

 

Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

Premiere Pro CCの書き出しは速かったです。Ryzen 5 4500Uは4Kの書き出し時間が極端に遅く約2時間もかかっていましたが、Core i5-1135G7は17分~20分で終わりました。ただし、10分の動画に対して17分もかかっており、待つには長い時間です。動画に修正が入って何度も書き出したりしているとストレスです。4K動画を編集するなら、GeForce GTX 1650でもいいので、外部グラフィックスを搭載したPCをおすすめします。

FHDの書き出しについても、Core i5-1135G7はRyzen 7やRyzen 5より速いです。10分の動画に対して4分台の書き出し時間なので、こちらなら待てる範囲の時間かなと思います。

Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間
4K動画の書き出し
Core i7-10750H/16GB
GeForce RTX 2060
4分51秒
Ryzen 5 4600H/32GB
GeForce GTX 1650
5分48秒
Core i7-1165G7/16GB
Intel Iris Xe
[XPS 13]
16分50秒 [PL1:28W]
17分33秒 [PL1:25W]
Core i5-1135G7/8GB
Intel Iris Xe
[XPS 13 2-in-1]
17分38秒 [PL1:51W]
20分00秒 [PL1:25W]
Core i7-1065G7/16GB
Intel Iris Plus
27分23秒
Core i7-1035G4/8GB
Intel Iris Plus
28分05秒
Core i7-10510U/16GB
Intel UHD
49分32秒
Ryzen 7 4700U/16GB
Radeon Graphics
約1時間30分
Ryzen 5 4500U/8GB
Radeon Graphics
約2時間
Ryzen 3 4300U/8GB
Radeon Graphics
約2時間15分
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
 :Core i5-1135G7のスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア
FHD動画の書き出し
Core i7-1165G7/16GB
Intel Iris Xe
[XPS 13]
4分13秒 [PL1:28W]
4分39秒 [PL1:25W]
Core i5-1135G7/8GB
Intel Iris Xe
[XPS 13 2-in-1]
4分41秒 [PL1:51W]
4分44秒 [PL1:25W]
Ryzen 7 4700U/16GB
Radeon Graphics
5分5秒
Ryzen 5 4500U/8GB
Radeon Graphics
5分57秒
Ryzen 3 4300U/8GB
Radeon Graphics
6分44秒
Core i7-1065G7/16GB
Intel Iris Plus
7分41秒
Core i5-1035G4/16GB
Intel Iris Plus
7分43秒
Core i7-10510U/8GB
Intel UHD
16分54秒
※ FHD/30p動画(約10分)に対して、上と同様にして書き出したときの時間
 :Core i5-1135G7のスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア

 

TMPGEnc によるエンコード時間

TMPGEnc Video Mastering Works 7によるエンコード時間は、Ryzen 5 4500Uが非常に速かったです。Core i5-1135G7は、数分間は高いCPUクロックで推移しますが、時間が経つとCPUクロックの落ち幅が大きくなり、Ryzen 5 4500Uよりも遅い結果となっています。

TMPGEnc Video Mastering Works 7によるエンコード時間 (x265)
Ryzen 9 4900HS 10分55秒
Ryzen 5 4600H 13分10秒
Core i7-10750H 13分29秒
Ryzen 7 4700U 15分44秒
Core i7-10710U 19分05秒
Ryzen 5 4500U 19分49秒
Core i7-1165G7
[XPS 13]
25分41秒 [PL1:28W]
27分47秒 [PL1:25W]
Core i5-1135G7
[XPS 13 2-in-1]
26分03秒 [PL1:51W]
26分04秒 [PL1:25W]
Ryzen 3 4300U 25分22秒
Core i5-1035G4 27分31秒
Core i7-1065G7 28分26秒
Core i3-10110U 42分20秒
Core i3-8130U 45分24秒
※XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間(x265のエンコーダーを使用)
 :Core i5-1135G7のスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア

 

まとめ

今回、Core i5-1135G7のベンチマークスコアを計測しました。

従来のCore i5-1035G4と比較すると、Core i5-1135G7は、CPU性能が20~60%、グラフィックス性能が20%から100%も向上しており、かなり性能UPしたのではないかと思います。

上位のCore i7-1165G7と比較すると、Core i5-1135G7は、それほど大きな差はありませんでした。この2つのCPUを選択できるノートPCの場合、価格差が大きければCore i5-1135G7のほうがコストパフォーマンスは高いかなと思います。

Ryzen 5 4500UとCore i5-1135G7は、ほぼ同等もしくはCore i5-1135G7のほうがややスコアが高いケースが多かったです。TMPGEnc によるエンコードのように、高負荷状態が長く続く場合はRyzen 5 4500Uのほうが有利かなと思いますが、Premiere Proの書き出しなど、Ryzen 5 4500Uは極端に遅くなるケースもあり、Core i5-1135G7のほうが扱いやすいかなという気もします。

なお、メーカーおよび機種によって、CPUの熱設計が変わっており、いずれもこのくらいのベンチマークスコアが出るわけではありません。特に今回、検証に使ったXPS 13 2-in-1は、スコアが出やすい機種なので、他の製品ではもう少しベンチマークスコアが落ちることが多いのではないかと思われます。

 

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