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Lenovo Yoga Pro 7 Gen 9 14.5型(AMD) の実機レビュー
CPU | Ryzen AI 9 365 |
---|---|
メモリ | 32GB |
ストレージ | 1TB SSD |
液晶サイズ | 14.5型 16:10 |
液晶種類 | 2880x1800 OLED |
質量 | 約1.54kg |
バッテリー | 73Wh |
価格[税込] | 26万円台~ |
Yoga Pro 7 Gen 9 14.5型(AMD)は、Ryzen AI 9 365を搭載し、CPU性能もGPU性能もNPU性能も高いノートPCです。
ボディも薄型で、質量も約1.54kgと持ち運べる範囲の重さです。
高いパフォーマンスでありつつ、持ち運びやすい薄さと質量を兼ね備えたノートPCが欲しい方におすすめです。
ディスプレイも有機ELを採用し、映像などが綺麗です。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen AI 9 365、32GBメモリ、1TB SSD
セール情報
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目次
お忙しい方は、「Yoga Pro 7 Gen 9 14.5型 の特徴」のみお読みください。
Yoga Pro 7 Gen 9 14.5型の特徴
最強クラスのプロセッサー
Yoga Pro 7 Gen 9 14.5型(AMD)は、Ryzen AI 9 300シリーズの「Ryzen AI 9 365」を搭載したノートPCです。CPU性能、GPU性能、NPU性能がいずれも高いプロセッサーです。
下表の通り、CPU性能は、デフォルトTDPが45WのRyzen 9 8945HSより高いベンチマークスコアで、GPU性能はCore Ultra 7 258Vに近いスコアで、NPUはCore UltraやSnapdradonよりも高い性能です。
独立GPUを搭載していないPCとしては、バランス良く性能の高いノートPCです。
軽いゲームならできますし、動画編集などのクリエイティブワークも可能です。
薄型ボディ
Yoga Pro 7 Gen 9 14.5型(AMD)は、ボディが非常に薄く、スタイリッシュな見た目なので、デザインにもこだわる方に適しています。また、薄いためカバンなどにも入れやすいです。
重さは約1.54kgとなっており、持ち運べる範囲の重さです。
有機ELの広色域ディスプレイ
Yoga Pro 7 Gen 9 14.5型(AMD)は、有機ELの広色域ディスプレイを搭載しています。とても色鮮やかで、黒の表現力も高く、映像や画像が綺麗です。映画などをよく視聴する方におすすめです。
画像や映像を扱うクリエイティブワークをする方にも適していると思います。
ただ、光沢なので、映り込みがあります。非光沢のほうが好きな方はご注意下さい。
Copilot+PC 準拠
Yoga Pro 7 Gen 9 14.5型(AMD)は、Copilot+ PCに準拠したノートPCです。
ただし、こちらで紹介したコクリエイターやイメージクリエイターなどのCopilot+ PCだけで使える機能は、2024年11月下旬のアップデートで提供される予定です。
やや残念な点
上位のRyzen AI 9 HX 370を搭載したPCよりは安いとは言え、価格が26万円台からと高額です。Core i7に、GeForce RTX 4060を搭載したゲーミングノートPCよりも高いです。パフォーマンスだけ求めるなら、このようなゲーミングノートPCのほうがいいでしょう。ただ、ゲーミングノートはボディが厚いことが多く、消費電力も高いです。薄型である点や、省電力である点(バッテリー駆動時間が長い点)に価値を置くなら、本製品のほうがいいと思います。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 画面も綺麗で、スペックも高く快適です。ただし光沢なので映り込みがあります。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 色鮮やかなディスプレイで、スピーカー音も比較的良く、動画鑑賞も快適です。 |
RAW現像 画像編集 |
◎ | 100% DCI-P3の広い色域のディスプレイに、クリエイティブワークも快適に動くCPUを搭載しており、作業が快適です。ただし、光沢ディスプレイなので、映り込みによって、若干色が変わって見えたりします。 |
動画編集 | ○ | FHD動画の編集であれば十分できます。プロ並みの映像編集をするなら、もっと高いスペックのPCがいいです。 |
ゲーム | △~○ | 軽いゲームならできます。重いゲームをする場合、高いグラフィック品質設定でゲームをする場合、高いフレームレートを出したい場合は、ゲーミングノートPCのほうがいいです。 |
ディスプレイのチェック
Yoga Pro 7 Gen 9 14.5型(AMD)のディスプレイは、2880x1800、100% DCI-P3、120Hzの有機ELです。
高精細で、色域も広く、画像や映像が綺麗です。光沢なので艶感がある半面、周りの物が映り込みます。映り込みが苦手な人は適しません。また、フリッカーがあるので、人によっては目が疲れやすいです。
色域変換ができるので、sRGB環境で作業をしたい方などは変更してもいいでしょう。
その他の特性については、以下のタブをご覧下さい。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
色域は広いです。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 99% |
Adobe RGBカバー率 | 93% |
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Yoga Pro 7 Gen 9 14.5型(AMD)のキーボードはやや打ちやすいと思われます。
キートップが割と湾曲しているのがいい点で、キーを押しやすいです。また、よく使う「半角/全角」キーがやや大きくなっている点もメリットです。
実測値で、キーピッチは横:約19mm強、縦:約18.5mm、キーストロークは約1.5mmでした。いずれも十分な数値です。
ただし、「\」と「Backspace」キーはやや小さいです。
タッチパッドも大きくて使いやすいですが、クリック音がやや大きいです。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
Yoga Pro 7 Gen 9 14.5型(AMD)のパフォーマンスをチェックします。
本製品は、電源モードを変更することができ、デフォルトの「適応パワー・モード」と、最も高いパフォーマンスが出る「パフォーマンス」で、各種ベンチマークを計測します。
CPU
CPUには、Ryzen AI 9 365を搭載しています。
デフォルトTDPが28Wクラスのプロセッサーとしては、かなり高い性能です。
~ CPU性能の評価 ~
グラフィックス
CPU内蔵のグラフィックス「Radeon 880M」のチェックです。
CPU内蔵グラフィックスとしては、非常に高い性能です。GeForce RTX 1650に近いベンチマークスコアが出ています。
~ グラフィックス性能の評価 ~
※グラフィックス名の横の括弧は、メモリの仕様
NPU
NPU性能は最大 50 TOPSと高いです。ただし、GeForce RTX 4050 Laptopと比較すると、AI処理性能はまだ低いです。NPUに対応しているアプリもまだ少ないですし、本格的なAI処理を行うなら、独立GPUを搭載したノートPCのほうがおすすめです。
~ NPU性能の評価 ~
ストレージ
ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、アクセス速度は比較的速いです。
~ ストレージ性能の評価 ~
SDカードスロット
SDカードスロットは、搭載されていません。
その他のベンチマーク
Ryzen AI 9 365のその他のベンチマークスコアについては、こちらのリンク先をご覧ください。この機種で計測したゲームの平均フレームレートや、クリエイターソフトの処理時間などを掲載しています。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
Yoga Pro 7 Gen 9 14.5型(AMD)のType-Cポートは2つありますが、そのうちの1つはUSB4対応です。USB4の動作チェック結果は以下の通りです。PD充電器は100W以上であれば警告表示もなく使うことができました。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | 〇 ※3 | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | 〇 ※3 | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
140W アドテック PD3.1充電器 | ○ | ― | ― |
100W Anker PowerPort III | ○ | ― | ― | |
65W Lenovo GaN充電器 | 〇 ※3 | ― | ― | |
45W Lenovoウルトラポータブル | × | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | 〇 ※3 | ○ | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルであるとの警告が表示されるものの充電は可能
HDMIの動作チェック
HDMIで、4Kモニターへ接続したときの詳細は下図の通りです。4K/60Hz/YCbCr444で表示することができました。なお、海外の仕様を見るとHDMI2.1となっています。
質量のチェック
Yoga Pro 7 Gen 9 14.5型(AMD)の質量は、仕様では約 1.54kgとなっています。実測値もほぼ同じです。14.5型ノートPCとしては普通の重さです。そこまで軽いわけではありません。ACアダプターは100Wで、重さは370gでした。それほど軽くはありません。
質量 | |
PC本体 | 1.536kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 370g |
バッテリー駆動時間のチェック
Yoga Pro 7 Gen 9 14.5型(AMD)のバッテリー容量は73Whと大きいです。
バッテリー駆動時間は下表の通りで、普通の長さです。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 約13.8時間 |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 約11.5時間 |
(3) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 4時間58分 |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき。画面輝度は約120cd/m2
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラは、FHD 1080pで、映りはまずまずです。
また、側面にスイッチがあり、これをスライドさせると、ウェブカメラが電子式にOFFになり使えなくなります。IRカメラも搭載しているので、顔認証にも対応しています。
スピーカー
スピーカーは、2W×2 ツイーター、2W×2 ウーファーの構成で、音質はとても良いです。勝手に点数をつけると、ノートPC基準で10点満点で7点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
「適応パワー・モード」の場合、動作安定度時のCPU電力は55W前後です。デフォルトTDPは28Wなので高めのCPU電力です。このときのCPU温度は95℃前後と高めです。
「パフォーマンス」の場合、CPU電力は約60Wまで上がります。このときのCPU温度は98℃前後とかなり高いです。
どちらのモードもCPU温度が高いので、少しでも温度の低い「適応パワー・モード」で使うほうがいいと思います。
静音性のチェック
Yoga Pro 7 Gen 9 14.5型(AMD)の動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時や低負荷時は、ほとんど動作音は聞こえません。高めの負荷をかけると動作音は上がりますが、他のノートPCと比べると低めの騒音値です。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
約20dB | 約20dB | 約28dB | 約38dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
高い負荷をかけるとキーボード面が熱くなってきます。ただ、パームレスト部分の温度はそれほど上がらないので、特に不快感なく使うことができます。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
負荷が低いときはそこまで高い消費電力ではありませんが、エンコード時はやや高めです。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
7W | 14W | 28W | 55W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
Yoga Pro 7 Gen 9 14.5型(AMD)の外観をチェックします。
トップカバー、ボトムカバーともにアルミニウム製で高級感があります。ルナグレーの落ち着いたカラーです。指紋跡なども目立ちません。
天板には「Lenovo」のロゴが入っています。
本体の高さは、約16.6mmと薄型です。
側面のインターフェースはご覧の通りです。
液晶面は約180度開くので、対面の人に画面を見せたりすることができます。
底面はシンプルです。
冷却ファンは2つで、メモリはオンボードです。
ストレージには、Type 2242のM.2 SSDが搭載されていました。
ACアダプターは100Wで、やや大きめです。
まとめ
以上が、Yoga Pro 7 Gen 9 14.5型(AMD)のレビューです。
Ryzen AI 9 365を搭載し、CPU・GPU・NPU性能の高いノートPCです。GeForce RTXシリーズなどの独立GPUを搭載していないノートPCとしては、総合的に見て最強クラスの性能です。
インテル Core Ultraシリーズ2ほど省電力ではないので、バッテリー駆動時間はそれほど長くありませんが、そこまでバッテリー状態で作業をしないのであれば、おすすめです。
ゲーミングノートPCとは違い、薄くてスタイリッシュなボディで、約1.54kgと持ち運べる範囲の軽いさです。
ディスプレイも、有機ELを採用し、画像や映像が綺麗です。ただし、光沢なので、周囲の物が映り込みます。
価格は26万円台からと高めです。薄型ボディや重さにこだわらなければ、GeForce RTX 4060 Laptopを搭載したゲーミングノートPCのほうが安くすみます。ただ、高い性能でかつスタイリッシュなノートPCが欲しいのであれば、本製品のほうがいいでしょう。
CPUもGPUもNPUも全部高性能
Yoga Pro 7 Gen 9 14.5型(AMD)
特徴
- CPU・GPU・NPUが高性能
- 有機ELディスプレイ搭載
- 薄型ボディ
こんなあなたに
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1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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