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Lenovo IdeaPad Slim 5x Gen 9 の実機レビュー
CPU | Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
---|---|
メモリ | 16GB / 32GB |
ストレージ | 512GB / 1TB SSD |
画面サイズ | 14インチ 16:10 |
画面種類 | 1920×1200 IPS 非光沢 |
質量 | 約1.48kg |
バッテリー | 57Wh |
価格 | 12万円台~ |
Lenovo IdeaPad 5x 2-in1 Gen 9は、話題のCopilot+ PCが12万円で購入することができる製品です。
Snapdragon X Plusを搭載しているため、バッテリー駆動時間が長い点もメリットです。
ARM64でネイティブ動作しないソフトは重くなるというデメリットがありますが、MS Officeとブラウザーはネイティブ動作するので、これらのソフトを主に使う方であれば、問題ないでしょう。
※レビュー機は、メーカーからの貸出機です。
目次
お忙しい方は、「Lenovo IdeaPad Slim 5x Gen 9の特徴」のみお読みください。
製品の特徴
バッテリー駆動時間がかなり長い
Lenovo IdeaPad Slim 5x Gen 9は、省電力のSnapdragon X Plusに、それほど高くない解像度で非タッチパネルの消費電力の低い液晶を搭載し、バッテリー駆動時間が長いPCです。
下表は、レノボの最新PCのバッテリー駆動時間を比較したものです。異なるプロセッサーの機種を選んでいます。アイドル時のバッテリー駆動時間は、インテル系のプロセッサーを搭載した機種が長いですが、負荷をかけたときのバッテリー駆動時間は、本製品のほうが長いです。
[本製品] IdeaPad Slim 5x Gen 9 |
IdeaPad Pro 5i Gen 9 |
Yoga Slim 7i Aura Edition Gen 9 |
Yoga Pro 7 Gen 9 |
|
Snapdragon X Plus |
Core Ultra 7 155H |
Core Ultra 7 258V |
Ryzen AI 9 365 |
|
(1) JEITA3.0 (アイドル時) |
約 16.7 時間 | 約24.9時間 | 約22.3時間 | 約13.8時間 |
(2) JEITA3.0 (動画再生時) |
約 13.9 時間 | 約10.4時間 | 約13.7時間 | 約11.5時間 |
(3) 動画編集ソフト でプレビュー再生 |
13時間14分 | 7時間54分 | 9時間38分 | 4時間58分 |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
MS Officeソフト中心で使うならGood
Snapdragon X Plusは、X Eliteと比べると性能が落ちますし、ARM64でネイティブ動作しないソフトは、エミュレーションにより動作するのでさらに遅くなります。
そのため、Snapdragon X Plus搭載ノートPCが適しているかどうかは、どんなソフトを使うかによります。ARM64でネイティブ動作するソフトの代表格は、Microsoft Officeやブラウザーで、このあたりを中心使うなら、Snapdragon X Plusでも十分ストレスなく使えるでしょう。
ネイティブ動作せず、しかもちょっと負荷のかかるソフトを使うのであれば、あまりおすすめはしません。
Copilot+ PCだけの機能が使える
本製品は、Copilot+ PCだけが使える機能を利用することができます。
例えば、簡単に描いた絵からイラストを生成する機能や、キーワードからイラストを生成する機能、リアルタイム翻訳機能などが使えます。なお、Copilot+ PCで何ができるかは下のリンク先をご覧下さい。
Copilot+ PCとしては安い
Lenovo IdeaPad Slim 5x Gen 9は、価格が「129,800円~」となっており、Copilot+ PCとしては安いノートPCです。Copilot+ PCの機能を試してみたい方にいいでしょう。
ただし、価格だけで言えば、先日レビューした「Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9」のCopilot+ PCのほうが「119,790円~」と安いです。
また、Copilot+ PCでなくても良ければ、IdeaPad Slim 3i Gen 9 14型やIdeaPad Slim 5 Light Gen 8(AMD)などのほうが安いです。AIに特化したNPUが無くても構わなければ、こちらも検討してみて下さい。
ディスプレイのチェック
ディスプレイは見やすいです。
100% sRGBと広めの色域で、16:10の最近主流の画面比です。解像度は1920x1200と標準的です。
視野角も広いです。
非光沢なので映り込みも低減されています。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Lenovo IdeaPad Slim 5x Gen 9のキーボードは、普通の打ちやすさです。
最新のLenovo Yogaシリーズのほうが、キートップが湾曲していて、指の収まりがいいですが、極端に小さいキーもなく、普通に打てると思います。
タッチパッドの操作感は普通です。クリックボタンは押しやすいです。
キーボードバックライトも付いており、夜に車の中で作業をするときや、ワンルーム等で、家族や知人が近くで寝ていて作業をするときでも、タイピングしやすいです。
パフォーマンスのチェック
Lenovo IdeaPad Slim 5x Gen 9のパフォーマンスをチェックします。SoCには、ARMベースのSnapdragon X Plus X1P-42-100が搭載されています。
CPU
まずはCPU性能をチェックします。
CINEBENCH 2024
CPU性能を評価するCINEBENCH 2024のスコアは下の通りです。こちらはARM64でネイティブ動作するため、Snapdragon X Plus の本来の性能が分かります。Snapdragon X Eliteほど高いマルチコア性能ではありませんが、最近のSoCとしては標準的な性能はあります。
CINEBENCH R23
次は、CINEBENCH R23のスコアを下に掲載します。こちらはARM64に対応していないので、エミュレーターで動作します。そのため、ARM64で動作しないソフトの参考値となります。スコアはかなり落ちます。特にシングルコア性能が低いです。
グラフィックス
グラフィックス性能については、ARM64でネイティブ動作する3DMark Wild Life Extremeのスコアを確認します。こちらも、低めのスコアです。
ストレージ
ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しています。PCIe Gen4 SSDの割には遅いですが、一般的な作業であれば十分な速度です。
~ ストレージ性能の評価 ~
静音性のチェック
Lenovo IdeaPad Slim 5x Gen 9の動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時~中負荷時まではとても静かです。高負荷時はそれなりの騒音値になります。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [動画の書き出し] |
約20dB | 約20dB | 約22dB | 約42dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時:Premiere Proで、1080pの動画を書き出したとき
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
外観のチェック
Lenovo IdeaPad Slim 5x Gen 9の外観はご覧の通りです。
クラウドグレーのカラーのアルミニウムボディです。指紋なども目立ちにくいです。
ディスプレイの上部には、FHD 1080pのカメラが搭載されています。プライバシーシャッターも付いています。ただし、赤外線(IR)はありません。
指紋認証には対応してます。
天板の「Lenovo」のロゴは小さいです。
高さは16.9mmと、比較的薄いです。
Type-Cポートは、2つありますが、どちらもUSB 3.2 Gen 2となっています。
HDMIは、海外の仕様を見ると、HDMI2.1です。
micro SDカードスロットも搭載されています。
ヒンジは下図の角度まで傾きます。
底面のデザインはシンプルです。
ACアダプターは65Wです。小さいサイズなので持ち運びに便利でしょう。
まとめ
以上が、Lenovo IdeaPad Slim 5x Gen 9のレビューです。
省電力のSnapdragon X Plusに、消費電力が小さい1920x1200ドットの非タッチパネル液晶を搭載しており、バッテリー駆動時間の長い製品です。
ARM64でネイティブ動作しないソフトは、重くなるというデメリットがありますが、ネイティブ動作するソフトは快適に動くでしょう。代表的なソフトがMicrosoft Officeとブラウザーです。主にこの2つのソフトを使うのであれば、割と快適に動きます。長い時間、バッテリー駆動状態で、Officeソフトでの作業をすることができるでしょう。
また、Copilot+ PCだけの機能も使うことができます。価格も安いので、Copilot+ PCを試しに使ってみたい方にもいいでしょう。
ただ、Copilot+ PC機能や、AIを使ったソフトに興味が無ければ、IdeaPad Slim 3i Gen 9 14型やIdeaPad Slim 5 Light Gen 8(AMD)など、もっと安い製品があります。そういった方は、こちらも検討してみて下さい。
話題のCopilot+ PCが12万円台
Lenovo IdeaPad Slim 5x Gen 9
特徴
- 価格が安いCopilot+ PC
- ロングバッテリー
- 100% sRGB液晶
こんなあなたに
- MS Office、ブラウザーを中心に使う方
- Copilot+ PCを気軽に試して見たい方
- 価格12万円台~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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