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VAIO SX14(2021年モデル)の実機レビュー
CPU | Core i7-1195G7 Core i5-1155G7 Core i3-1115G4 Celeron 6305 |
---|---|
メモリ | 最大32GB (オンボード) |
ストレージ | 最大 2TB PCIe SSD |
液晶サイズ | 14.0型 |
液晶種類 | FHD 非光沢 FHD タッチ 光沢 UHD(4K) 非光沢 |
質量 | 約999~1139g |
バッテリー | 最大 約30時間(53Wh) |
LTE | オプションで対応 |
価格[税込] | 13万円台~ ※ |
※VAIOストアでの価格
999gと軽く、処理性能もかなり高い
VAIO SX14は、999g~と軽い本格モバイルノートPCです。LTEに対応し、バッテリー駆動時間も長く、堅牢性も高く、モバイルノートとして優秀です。
さらに、Core i7-1195G7を搭載すれば、HシリーズCoreプロセッサーを搭載したVAIO Zよりも高いベンチマークスコアが出ます。
画面も14型と十分な大きさですし、タイピングもしやすく、メイン兼モバイルノートとしても使いやすい製品です。
SDカードスロットとVGAポートは廃止されてしまいましたが、Thunderbolt 4ポートが2つ搭載され、ドックなどが使いやすくなりました。
レビュー機は当サイトの購入品です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-1195G7、16GBメモリ、512GB PCIe SSD、FHD液晶
目次
お忙しい方は、「VAIO SX14の特徴」のみお読みください。
VAIO SX14の特徴
14型の大きめ液晶でも、999g~と軽い
VAIO SX14の大きな特徴は、モバイルノートPCとしては大きめの14型液晶を搭載しながら、999g~と軽い点でしょう。メインPCとしても使える画面の大きさでありながら、モバイルPCとしても使うことが出来ます。
下表には、質量が非常に軽い14型モバイルノートをまとめてみました。この中で、ThinkPad X1 CarbonやT14s Gen 2は、他の機種よりも若干重くなります。また、VAIO Zやレッツノートの5G/LTEモデルは価格がやや高めです。VAIO SX14は、LTE対応ノートPCとしてはコスパが高く、多くのユーザーにとって、現実的な選択肢なのではないかと思います。
製品名 | 質量 | LTE | |
VAIO Z | 約958g~ | 対応 | |
---|---|---|---|
マウス DAIV 4P | 約985g | 非対応 | |
ASUS ZenBook 14 Ultralight | 約995g | 非対応 | |
VAIO SX14 | 約999g~ | 対応 | |
パナソニック レッツノート LV | 約999g~ | 対応 | |
ASUS ExpertBook B9 | 約1.005kg | 非対応 | |
ThinkPad X1 Carbon | 約1.13kg~ | 対応 | |
ThinkPad T14s Gen 2 | 約1.28kg~ | 対応 |
VAIO Zよりスコアが高いCore i7-1195G7
VAIO SX14はいくつかCPUを選択できますが、他のモバイルノートではあまり選択することができない「Core i7-1195G7」のプロセッサーを選択できます。TDP28WクラスのTiger Lake-Uとしては、最上位のプロセッサーになります。
今回試した限りでは、マルチコア性能はRyzen 7 5800Uにはおよばなかったものの、VAIO Zに搭載されていたCore i7-11375Hよりも高いベンチマークスコアが出ていました。さらに、シングルコア性能は、Ryzen 7 5800Uなどよりもかなり高かったです。
現状、モバイルノートPCは、性能が高いものでも、Core i7-1165G7が使われることがほとんどなので、VAIO SX14は、かなり性能の高いモバイルノートと言えます。
VAIOオリジナルSIMならLTE通信が安定/高速
VAIO SX14は、LTEモジュールをオプションで選択することができます。なお、今回からnano SIMに変わっています。
さらにVAIOは、「VAIOオリジナル LTEデータ通信SIM」のSIMカードも提供しており、VAIOのノートパソコンでの動作テストが取られているため、安心して使うことが出来ます。筆者も旧VAIO SX14で2年ほど使いましたが、トラブルなどなく安定して使えていました。
今回の新モデルについても、数日使っただけですが、特にトラブルなく使えていました。VAIOのSIMはユーザーが少ないのか、昼間のような混雑する時間帯でも、速度低下が少なく使えていました。
また、LTEに何かトラブルがあったときに、SIMカード(MVNO側)が原因なのか、PC本体側が原因なのかを切り分けてから連絡する必要がなく、VAIOのみに連絡を入れればいいので楽です。
VAIO Zで対応している「5G」に、VAIO SX14が対応していないのは残念です。ただ、多くの方は、外出先で、数百Mbpsもの速度が必要なケースは少ないと思いますし、一般的に5Gモジュールを搭載すると、プラス50,000円と高価です。一部の方を除けば、LTEでも十分かなと思います。今後を見据えて、5G対応のノートPCのほうが良ければ、別のノートPCのほうがいいでしょう。
バッテリー容量が53Whへ大幅アップ
2021年モデルのVAIO SX14は、またバッテリー容量がアップしました。
最初のVAIO SX14は35Wh、1つ前のモデルで42.9Whへ上がりましたが、今回の新モデルでは53Whとさらに大きくバッテリー容量が増えました。他の平均的なモバイルノートPCよりも多いバッテリー容量です。今回のレビュー機では、消費電力の高いCore i7-1195G7を搭載していますが、それでも実用的なバッテリー駆動時間に収まっていました(詳細はこちら)。
指紋および顔認証の両方に対応
VAIO SX14は、指紋認証と顔認証の両方に対応しています。
顔認証のほうが着席するだけでログインできるので便利ではありますが、コロナ禍ではマスクを着用している機会も多いため、指紋認証にも対応していると便利です。この両方に対応しているVAIO SX14は使いやすいと思います。
さらに、指紋認証装置は電源ボタンと一体化されており、シャットダウン状態で電源ボタンを押すと、電源投入とサインインを一括で行うことができます。
また、人感センサーも搭載しており、離席時には自動でロックすることも可能です。さらに、着席時は自動でウェイクします。顔認証を設定しておけば、着席時にサインインまで済ませることが可能です。
タッチパネル&ペン対応液晶も登場
VAIO SX14の液晶は、タッチパネルおよびペンに対応したパネルも選択できるようになりました。180度開くようになった液晶を利用し、お客様にサインを求めるような営業マンに適していると思います。ただし、光沢パネルになるため、周囲の物が映り込みます。一般的なユーザーは、非タッチパネルのフルHD液晶でいいと思います。
特別感のある2つのカラー
VAIO SX14の基本のカラーラインナップは、下の4つです。ファインブラックのカラーが無難ですが、指紋などが目立ちにくいボディがよければ、他の3つのカラーがいいと思います。なお、アーバンブロンズも割と人気が高いようです。
さらに、ロゴなどもブラックで統一した「ALL BLACK EDITION」、深い藍色の「勝色特別仕様」もあります。この2つのカラーは特別感があり、地位の高い方や、こだわりの1台を持ちたい方におすすめです。
ノイズキャンセリング機能を搭載
VAIO SX14は、マイク入力とスピーカー出力について、AIノイズキャンセリング機能が搭載されました。
さらに、プライベートモードという機能をオンにすれば、カメラの画角(左右45度)外の音を除去できます(下の動画を参照)。実際に試してみましたが、周囲にいる人の話し声が割と聞こえませんでした。小さい子供の面倒を見つつオンライン会議をしなければならないときなど、同じ部屋に家族がいて使用するときに便利だと思います。
純正のACアダプターが軽量化
一般的なノートPCの純正のACアダプターは、質量が重く、あまり持ち運びには適さず、別途USB-C充電器を購入し、携帯する方が多いと思います。
VAIO SX14に同梱されているACアダプターは、非常に小型化され、質量も約164gと軽く、持ち運びに便利です。カスタマイズ画面で予備のACアダプターを購入することもできるので、外出用にもう1台購入しておくのもよいかもしれません。
SDカードとVGAは無くなったがTB4を搭載
個人的にやや残念だったのが、SDカードスロットが無くなった点です、ミラーレス一眼で撮影した画像や動画を、SDカードを使って直接取り込むことが出来ません。別途SDカードリーダーなどが必要です。処理性能の高さと色域が広めのディスプレイの特性を活かして、RAW現像や簡易的な動画編集を行おうと思っていた方には残念に感じるのではないかと思います。
また、VGAも無くなっています。こちらは、個人的には使わないポートなので、無くなってもかまわないと思いますが、会社などでVGAにしか対応していない古いプロジェクターや、VGAやDVIにしか対応していない古い外部モニターをお使いの方はご注意下さい。
ただし、Thunderbolt 4が2つ搭載されました。こちらは嬉しい仕様変更です。
画面比は16:9
画面のアスペクト比は、16:9です。最近の高価格帯のモバイルノートは16:10や3:2のアスペクト比であることが多く、文書作成などはこれらのアスペクト比のほうが見やすいので、やや残念です。
各用途の快適度
VAIO SX14の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 液晶が見やすいですし、タイピングもしやすいので、快適に操作できるでしょう。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 液晶が見やすく処理性能も高いです。4K液晶にすれば、高精細の映像を楽しめます。スピーカー音は普通です。 |
オンライン会議 | ○ | ノイズキャンセリング機能を搭載し、オンライン会議にも適していると思います。スピーカーの音質は普通です。ウェブカメラは、やや暗い映りです。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | 今回、FHD液晶を試しましたが、sRGBカバー率が約100%あり、ウェブ向けコンテンツの画像の編集に適しているでしょう。ただし、Adobe RGBをカバーするほどの色域はないため、DTP用途には向いていません。 |
動画編集 | △~○ | Core i7-1195G7のプロセッサーなら、CPU性能もグラフィック性能も高めなので、FHD画質の簡易的な動画編集ならできると思います。一方、Celeronのプロセッサーを搭載した場合、動画編集は難しいでしょう。 |
ゲーム | △ | Core i7-1195G7やCore i5-1155G7あたりのプロセッサーを搭載すれば、軽めのゲームならグラフィック品質設定を下げることでプレイできるでしょう。ただ、基本的にゲーム目的で作られたPCではないため、長時間ゲームをするのはあまりおすすめはしません。 |
ディスプレイのチェック
VAIO SX14のディスプレイは、フルHD、フルHDタッチパネル、4Kの3つ選択肢があります。今回は、フルHD液晶を搭載しており、この特性について掲載します。
搭載されていたパネルは、従来モデルと変わらず「シャープ LQ140M1JW43」でした。色域が比較的広く、視野角も広く見やすいです。最大輝度は、当サイトの計測では364cd/m2と比較的高かったです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
VAIO SX14のキーボードは、個人的には打ちやすいと思います。
実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18.5mmです。キートップはわずかに湾曲しています。キーストロークが約1.5mmと深くはありませんが、比較的しっかりとしたクリック感があります。小さくなっているアルファベットキーがなく、Enterキーも非常に大きく、タイプミスしにくいです。矢印キーも、左右の矢印キーの上に何もキーがないので、探しやすいです。
下の画像は、オプションで「かな文字なし」のキーを選択しています。シンプルな見た目でかっこいいです。
「静寂キーボード」となっており、やや打鍵音が小さくなっています。ただ、他の機種と大きく違うわけではないので、過度な期待はしないように。
タッチパッドは従来モデルより大きくなっており、操作しやすくなっています。クリックボタンも独立しており、軽い力で押すことができます。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
VAIO SX14のパフォーマンスのチェックです。
VAIO SX14は、従来からVAIO TruePerformanceにより、プロセッサーの性能を十分引き出すような設定になっています。下図の画面で、「パフォーマンス優先」にすることにより、VAIO TruePerformanceをオンにすることが出来ます。なお、デフォルトでオンになっているので、そのまま使うといいでしょう。
CPU
VAIO TruePerformanceをオンにしたとき(デフォルト状態)のCINEBENCH R23のスコアを掲載します。Core i7-1195G7であれば、一般的なノートパソコンによく搭載されるCore i7-1165G7の約1.4倍のマルチコアスコアが出ています。
さらにシングルコア性能が高く、Ryzen 7 5800Uの約1.2倍のベンチマークスコアが出ています。
多くの処理が快適でしょう。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリはLPDDR4Xを搭載しています。Core i7-1195G7の場合、LPDDR4X-4266のメモリを搭載していました。非常に速い速度です。なお、VAIO SX12で確認した限りでは、Celeron 6305の場合はLPDDR4X-3733で、やや速度が劣りました。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア
グラフィックス
メモリが高速なので、3DMarkのGraphicsスコアも、CPU内蔵グラフィックスとしては非常に高かったです。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
FF14のベンチマークについても、56 fps出ており、60fpsには届かないものの、割と高めのフレームレートが出ていました。フォートナイト、Apex、VALORANTについても、グラフィック品質設定を低めにすれば、60fps以上が出ていました。こういった軽めのゲームなら、グラフィック品質設定次第で、割と快適にゲームが出来ます。
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
|
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---|---|---|
1920x1080 | 標準(ノート) | 7826 / 56 fps |
ストレージ
ストレージには、PCIe Gen4 SSDまたは、PCIe Gen3 SSDを選択できます。今回は、より速いPCIe Gen4 SSDを搭載しており、ご覧のように非常に速い速度が出ていました。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
VAIO SX14に、SDカードスロットは搭載されておりません。
クリエイターソフトの処理時間
以下、クリエイター向けソフトの処理時間を掲載します。
今回、Core i7-1195G7を搭載していますが、TDP28WクラスのCoreプロセッサーとしては、非常に速かったです。色域も広めでRAW現像用途にも使えると思います。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
外部グラフィックスを搭載していないので、AIを使ったニューラルフィルターやスーパー解像度の処理はやや遅いものもありますが、一般的なフィルター処理であれば十分速く、Photoshopも比較的快適に動くと思います。
処理時間 | |
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) | 約3秒 |
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) | 約3分2秒 |
ニューラルフィルター(スタイルの適用) | 約7秒 |
スーパー解像度 | 約25秒 |
コンテンツに応じた塗りつぶし | 約5秒 |
被写体を選択 | 約3秒 |
CPU性能が高めであったことに加え、メモリ速度が速くグラフィック性能も高めであったため、動画の書き出し速度も割と速かったです。FHDくらいの解像度の動画であれば、比較的ストレスなく編集作業ができると思います。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
CPUのみで実行するx265エンコードですが、マルチコアが得意なRyzen 5000シリーズに近い時間でエンコード出来ていました。非常に速いです。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB-Cは2つありますが、Thunderbolt、映像出力、Power Deliveryに対応しており、以下の機器はすべて使用できました。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― | |
18W cheero充電器 | ○ | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、8ビット、RGB、60Hzで出力できていました。
質量のチェック
VAIO SX14の質量のチェックです。
メーカーサイトには「約999~1139g」と記載されています。今回、LTEモジュールを搭載しているため、やや重くなっていますが、それでも1.1kgは切っています。14型のモバイルノートとしては軽いでしょう。
質量 | |
PC本体 | 1.078kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 164g |
バッテリー駆動時間のチェック
VAIO SX14のバッテリー容量は、53Whで、モバイルノートとしては比較的大きめの容量です。
バッテリー駆動時間は下の通りです。搭載する液晶によってバッテリー駆動時間が変わってきます。
フルHD > フルHDタッチ > 4Kの順で、バッテリー駆動時間が長くなっています。
フルHD液晶であれば、比較的長めのバッテリー駆動時間だと思います。
4K液晶 | フルHDタッチ液晶 | フルHD液晶 | |
(1) JEITA2.0 | 約17時間 | 約22時間 | 約28~30時間 |
(2)動画連続再生 | 約8.3時間 | 約13.6時間 | 約14.5~15.5時間 |
(3) PCMark 10 Modern Office | ー | ー | 9時間36分 |
(4) PCMark 8 Work | ー | ー | 3時間8分 |
(1) メーカー公表値
(2) メーカー公表値。1920x1080動画再生時
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
バッテリー充電時間は、メーカーサイトには約3時間と書かれています。当サイトで計測した1時間での充電量はご覧の通りです。普通の充電速度かと思います。
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラにはシャッターが搭載されており、使わないときは物理的に隠すことが可能です。また、オプションでWindows Helloによる顔認証に対応させることもできます。
Webカメラは、HDカメラとFHDカメラがあります。今回はFHDカメラを搭載していますが、暗い映りで、画像も粗いです。ノートパソコンに搭載されるWebカメラとしては、一般的な性能かと思います。
スピーカー
スピーカーは、底面の正面側に配置しています。従来モデルより最大音量や音質は改善されていますが、音がテーブルに反射するので、ややこもったような音質です。さらに、タイピングしていると、ちょうどスピーカーが腕でふさがれるので、さらにこもったような音になります。ノートPC基準で10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
VAIO TruePerformanceにより、実行直後は約50W、その後も30W以上のCPU電力を維持して動作しています。そのおかげで、高いパフォーマンスが出ています。CPU温度は94℃まで上昇しているときもありますが、しばらくすると90℃以下の温度で落ち着いています。高すぎないCPU温度で、ギリギリまでCPUの性能を引き出しているような動きをしています。
静音性のチェック
VAIO SX14の動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時でも動作音がやや聞こえます。その他の状態も、動作音はやや高めです。静音性を気にするなら、別のノートPCのほうがいいかもしれません。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
キーボード面の表面温度は低めなので、作業中に不快に感じることはないでしょう。負荷が低ければ、底面もそれほど熱くはなりませんが、膝の上に乗せて作業をするときは、低温火傷に気を付けましょう。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
アイドル時は低めの温度です。エンコード時は、モバイル向けプロセッサーとしては高めの消費電力です。
外観のチェック
VAIO SX14の外観のチェックです。
ボディ素材は、従来と同じく、天板がカーボン、パームレストがアルミニウム、底面および天板の外周がガラス繊維入りの樹脂となっています。
ただし、天板から両サイドに周りこむ部分については、カーボンを立体成形しており、強度が増しています。
また、天板側から見た時の両サイドのつなぎ目も無くなったので、見た目もよくなりました。
高さ13.3~17.9mmと20mmを切っており薄いです。
背面のシルバーの部分については、やや丸みを帯びた形状になりました。
パームレスト部分にはヘアライン加工が施されています。なお、ブラックのカラーだと指紋が目立ちやすいです。
リフトアップヒンジになっており、液晶を開くと、本体の背面側が持ち上がるようになっており、傾斜がついてタイピングしやすくなっています。
側面には、Thunderbolt 4が2つ、HDMI、フルサイズUSBが2つ、有線LANなどがあります。
端子は右側面に集中しており、ケーブルなどを接続すると、マウスを操作するときの邪魔になります。ただ、これはリフトアップヒンジにしたことで、背面に排気口を付けると液晶を痛めるため、左側面に排気口をもっていき、その影響で端子を右側面に持っていったのだと思われます。
ただ、ドックや充電器、ドック付きモニターなどをよく接続するであろうThunderbolt 4ポートの1つが、奥側にあるため、そこまでマウス操作の邪魔になることもないかと思われます。
液晶は180度開きます。対面側の人に画面を見せるときなどに便利です。
VAIO SX14はキーボード側から吸気するので、底面側に通気口はありません。
底面カバーを外すときは、ネジが多いのでやや面倒ですが、爪の引っ掛かりはそれほどありません。
キーボード側の取り外したときの中身はご覧のようになっています。冷却ファンは1つですが、ヒートパイプは2本搭載されており、モバイルノートとしては冷却性は高めだと思います。
M.2 SSDは換装出来そうです。
搭載されていたLTEモジュールはTelit LN960A9です。
ACアダプターは、65Wと大きめですが、小型で軽くて持ち運びしやすいです。
まとめ
以上がVAIO SX14のレビューです。
質量は「999g~」と軽く、LTEにも対応し、バッテリー容量も53Whと多く、ボディにはカーボンなども使い、モバイルノートとして優秀な製品です。
自社でSIMカードを提供しており、VAIOパソコンとの相性は抜群で、安定性が高く、昼間などの速度も速く優秀です。LTEに関してトラブルがあれば、VAIOにのみ連絡をとれば済みます。
さらに、モバイルノートにしては大きめの14型液晶を備え、Core i7-1195G7を搭載すれば、かなり処理性能も高く、タイピングもしやすく、メインPCとしても非常に使いやすい製品です。
メイン兼モバイルとして使いたい方に適したノートPCだと思います。
ただし、個人的には、SDカードスロットが廃止されたのが残念です。画像編集や動画編集をするような方は、SDカードリーダーなどを別途用意する必要があります。
また、最近では16:10などのアスペクト比が流行っていますが、VAIO SX14は16:9となっています。縦の比率が高いディスプレイが好きな方は残念に感じるかもしれません。
999gと軽く、処理性能もかなり高い
VAIO SX14(2021年モデル)
特徴
- 軽くて、LTEにも対応し優秀なモバイルノート
- Core i7-1195G7なら高いパフォーマンス
- 大画面でタイピングもしやすく作業しやすい
こんなあなたに
- メイン兼モバイル用のノートPCが欲しい方
- 頻繁に外出先でインターネット(LTE)接続する方
- 価格13万円台[税込]~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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