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VAIO Z(2021年モデル)の実機レビュー

更新日:2021年2月18日
CPU Core i5-11300H
Core i7-11370H
Core i7-11375H
メモリ 最大32GB
ストレージ 最大2TB PCIe Gen4 SSD
液晶サイズ 14インチ
液晶種類 FHD 非光沢
4K DCI-P3 100% HDR
質量 958g~
バッテリー 53Wh
WWAN 5G対応
価格[税込] 27万円台~ ※

※VAIOストアの価格

1kgを切るノートPCとしては異次元のパフォーマンス

VAIO Z(2021年モデル)は、1kgを切る軽いモバイルノートPCです。

1kgを切るノートPCは最近は珍しくありませんが、特徴的なのは、ゲーミングノートに採用されるような高い性能のHシリーズCoreプロセッサーを搭載している点です。気軽に持ち運べるノートPCで、画像編集ソフトなどの負荷の高い処理をサクサク動かすことができます。

また、フルカーボンボディ、デュアルファンを搭載し、4K DCI-P3のディスプレイや、6GB/sを超えるPCIe SSD、5Gモジュールが選択できることなど、特徴の多い製品です。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i7-11375H、32GBメモリ、256GB PCIe SSD

 

目次

お忙しい方は、「VAIO Zの特徴」のみお読みください。

 

VAIO Z(2021年モデル)の特徴

HシリーズCoreプロセッサー搭載で1kg以下

VAIO Zと言えば、高い性能のCPUおよびグラフィックスを搭載し、へビーユーザーに非常に人気のあったモバイルノートです。最近は、モデルチェンジをしていませんでしたが、今回、約5年ぶりにフルモデルチェンジしました。

従来の伝統を受け継ぎ、HシリーズのCoreプロセッサーを搭載しつつ1kgを切るという、両立が難しい性能と携帯のしやすさを高い次元で実現した製品となっています。

CPU性能を見てみると、一般的なモバイルノートPCに搭載されているCore i7-1165G7と比較して、約1.35倍のベンチマークスコアが出ています(当サイト調べ)。CPUに負荷のかかるクリエイター向けソフトが快適に動くことでしょう。

HシリーズのCoreプロセッサーを搭載
CINEBENCH R23
Core i7-11375H 6391
Core i7-1165G7
(UP3)
4720
1kgを切る軽さ

 

フルカーボンで軽量化と高い剛性を実現

VAIO Zは、ボディの全てにカーボンを採用しています。カーボンは加工が難しいため、フルカーボンの機種は非常に珍しいです。カーボンを採用することで、高い剛性、軽くて美しいボディを実現しています。

90cmからの6方向落下試験、150kgf加圧試験、ペンはさみ試験、角衝撃試験などを行うMIL-STD-810Hをクリアし、カーボンを採用することで堅牢性も高いです。

フルカーボン

 

デュアルファンで冷却

TDPが35Wと高いHシリーズのCoreプロセッサーを搭載しているため、発熱が気になるところですが、VAIO Zはデュアルファンを搭載しており、発熱も問題ありません。CPU使用率が100%になる負荷をかけても、40W以上の高いCPU電力を保ちつつ、CPU温度も80℃台で抑えられています。

デュアルファンを搭載

 

4K、DCI-P3 99.8%ディスプレイを選択可能

VAIO Z(2021年モデル)は、4K、DCI-P3カバー率99.8%のディスプレイを選択することもできます。高い解像度、広い色域で、画像や映像を編集するクリエイターでも満足できるディスプレイです。

4K、DCI-P3 99.8%ディスプレイを選択可能

 

大容量&省電力技術で長いバッテリー駆動時間

CPU性能が高いとバッテリー駆動時間が短くなることが一般的ですが、VAIO Z(2021年モデル)は、53Whのバッテリー容量を搭載し、さらに省電力液晶を搭載することで、バッテリー駆動時間も比較的長いです。

特に、FHD液晶は、表示内容に応じて画面の駆動周波数を変えるDRRS/DMRRSに対応しており、より長くバッテリーで駆動することができます。

ただし、CPU性能が高い分、動画編集などの負荷の高い作業をすると、容赦なくバッテリーが減っていくので、その点は気を付けましょう。

長いバッテリー駆動時間

 

高速通信できる5Gに対応

VAIO Z(2021年モデル)は、5Gに対応したWWANモジュールを選択することが可能です。

現段階では、国内で5Gを使えるエリアは限定的ですが、今年はエリアがどんどん拡大していく予定です。今、モバイルノートを買うなら、今後を見据えて、4G LTEモデルではなく、VAIO Zのような5Gモデルを購入するのもいいと思います。

5G対応

 

SSDは最大6,000MB/s以上の速さ

VAIO Z(2021年モデル)のストレージは、シーケンシャルリードで6GB/sを超えるPCIe Gen4のSSD
を搭載しています。従来の多くのモバイルノートPCに搭載されているPCIe Gen3のSSDは、約2~3.5GB/sの速度なので、本製品の速さが分かるかと思います。

CrystalDiskMark
PCIe Gen4対応のSSD

 

キーストロークが改善 & 180度開くヒンジ

現VAIOユーザーは、キーボードのキーストロークが浅いと感じているかもしれませんが、VAIO Z(2021年モデル)はキーストロークが1.5mmと深くなり、より安定してタイピングできるようになりました。しっかりとした打鍵感のキーボードが好きな方には嬉しく感じることでしょう。

また、ディスプレイは片手で開けられ、さらに180度開くことができ、細かいところまで便利になっています。

キーストロークが深くなった
180度開くディスプレイ

 

やや残念なポイント

やや残念なポイントとしては、インターフェースがやや少ないかなと思います。VAIOのパソコンは、インターフェースが充実している機種が多いので、特にそう感じます。ただし、USB-Cポートは2つあり、しかも左右にあるので使いやすいです。最近は、USB-Cのみでほとんどの周辺機器が使えるので、そこまで困ることは少ないかなとは思います。

また、欲を言えば、16:10や3:2のディスプレイだと、なお良かったかなと思います。

インターフェースはVAIOパソコンにしてはやや少なめ

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
十分なスペックで、ディスプレイも見やすく、タイピングもしやすく作業しやすいと思います。
動画鑑賞 鮮やかな発色の液晶で動画も見やすいです。スピーカー音は普通です。
RAW現像
画像編集
広い色域の4Kディスプレイを選択でき、CPU性能も高いため、快適に作業ができるでしょう。
動画編集 △~○ FHD動画の家庭用もしくはYouTube用の編集くらいなら出来ます。ただし、4K動画や本格的な編集をするなら、外部グラフィックスを搭載した製品がおすすめです。
ゲーム 外部グラフィックスを搭載していないため、ゲーム向きではありません。ただし、今回CPU性能が高いこともあり、内蔵グラフィックスとしては高めのフレームレートが出ていました。軽いゲームなら出来るものもあります。

 

ディスプレイのチェック

VAIO Zのディスプレイは、FHDと4Kがあります。今回は、4Kディスプレイについてチェックします。

パネルは、「BOE NE140QUM-N62」でした。メーカー仕様表ではDCI-P3 100%の色域となっています。最大輝度は、当サイトの計測では433cd/m2と高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

当サイトで計測した色域は次の通りです。

sRGBカバー率 99.8%
DCI-P3カバー率 96.3%
Adobe RGBカバー率 87.2%
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色も比較的揃っており、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

画素形状です。ギラつきはややありますが、そこまで酷くはありません。

画面拡大

非光沢液晶であるため、画面への映り込みは低減されています。

画面への映り込み

フリッカー(ちらつき)は確認できませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

VAIO Zのキーボードは打ちやすいと思います。しっかりとした打鍵感があり、強めにタイピングする方に適していると思います。一方で、軽めのタッチで打つ方は、押し始めの反発が少し強いと感じるかもしれません。

実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18.5mmです。キーストロークは約1.5mmです。キートップは湾曲しており、指にフィットします。主要なキーは全て同じサイズで、Enterキーや半角/全角キー、Backspaceキーなどよく使うキーは大きくなっています。矢印キーも逆T字になっており押しやすいです。

今回は隠し刻印キーボードとなっており、刻印がほとんど見えず、デザイン性が高いです。普通の刻印のキーボードも、もちろんあります。

タッチパッドは、従来モデルよりも広くなっており操作しやすくなっています。クリックボタンも軽めの力で押すことが出来ます。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

ヒンジを開くと、ボディの後方が持ち上がり、さらにテーブルとパームレストの段差が少ないため、タイピングしやすくなっています。

キーボードバックライト

 

従来の隠し刻印キーボードはバックライトを搭載していませんでしたが、VAIO Zではキーボードバックライトが搭載されるようになりました。暗所での作業も安心です。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

前述の通り、VAIO ZはCPUに、HシリーズのCoreプロセッサーを搭載し高い性能です。

今回、最も性能の高いCore i7-11375Hを搭載しており、HWiNFOの情報は次のようになっていました。

HWiNFO

 

CPU

前述の通り、VAIO ZのCPUは、HシリーズのCoreプロセッサーを搭載しており、モバイルノートPCとしては非常に高い性能です。今回搭載しているCore i7-11375Hのベンチマークスコアは次の通りです。特にシングルコアのスコアが非常に高いです。

ただし、他社のゲーミングノートPCに搭載されていたCore i7-11370H(Core i7-11375Hよりもターボ時のクロックが低いCPU)よりスコアが低かったです。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i7-11375H
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 5900HX 13380
Core i7-10875H 10369
Core i7-10870H 9592
Core i7-11370H 7123
Core i7-10750H 6839
Ryzen 7 4700U 6499
Core i7-11375H 6391
Core i7-1185G7 6229
Ryzen 5 4500U 4764
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
Core i3-1115G4 3149
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i7-11375H 1618
Core i7-11370H 1519
Core i7-1185G7 1517
Ryzen 9 5900HX 1463
Core i7-1165G7 1447
Core i7-10875H 1306
Core i5-1135G7 1294
Core i7-10750H 1277
Core i3-1115G4 1217
Ryzen 7 4700U 1214
Core i7-10870H 1176
Ryzen 5 4500U 1142
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

次に、Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPUの電力およびクロックの推移を確認します。35W以上の高いCPU電力で推移しています。CPU温度はやや高めですが、徐々に下がって70~80℃台で落ち着いているので大丈夫でしょう。ダブルファンの効果は出ていると思います。

  • CPU電力
  • CPUクロック
  • CPU温度
Prime95で負荷をかけたときのCPU電力
※Small FFTs (tests L1/L2/L3 caches, maximum power/heat/CPU strss)を実行
Prime95で負荷をかけたときのCPUクロック
※Small FFTs (tests L1/L2/L3 caches, maximum power/heat/CPU strss)を実行
Prime95で負荷をかけたときのCPU温度
※Small FFTs (tests L1/L2/L3 caches, maximum power/heat/CPU strss)を実行

 

メモリ

メモリは、LPDDR4X-4266のオンボードで、速度は速いです。

Passmark Performance Test 10.0 - MEMORY MARK
~ メモリ性能の評価 ~
32GBメモリ

 

グラフィックス

メモリの速度が速いこともあり、グラフィックス性能も、CPU内蔵グラフィックスとしては高いスコアが出ています。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Core i7-11375H
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425
Core i7-11375H
メモリLPDDR4X-4266
21631
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
18718
GeForce MX330 16714
Ryzen 9 4900HS 16322
GeForce MX250 15406
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Ryzen 7 4700U 13861
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Ryzen 5 4500U 12126
Core i3-1115G4
メモリDDR4-3200
11487
Core i7-1065G7 11084
Ryzen 3 4300U 9800
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

GPU-Zで確認したグラフィックスの情報は次の通りです。

本製品のグラフィックカードのスペック

 

ストレージ

ストレージは、PCIe Gen4の高速SSDを搭載しています。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
256GB PCIe Gen4 SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
6428
PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

現像時間は速いです。1枚だけの現像ならすぐ終わります。現像自体も快適です。

Core i9-10980HK
32GBメモリ
68秒
Core i7-10875H
16GBメモリ
70秒
Core i9-9980HK
16GBメモリ
77秒 (MacBook Pro 16)
Core i7-11375H
32GBメモリ
80秒
Core i7-10750H
16GBメモリ
80秒
Apple M1 (Rosetta 2)
16GBメモリ
80秒 (MacBook Pro 13 M1)
Ryzen 9 4900HS
16GBメモリ
87秒
Core i7-1165G7
16GBメモリ
89秒
Ryzen 7 4700U
16GBメモリ
91秒
Ryzen 5 4500U
32GBメモリ
91秒
Ryzen 7 4800H
16GBメモリ
94秒
Core i7-10710U
16GBメモリ
96秒
Core i7-10510U
16GBメモリ
109秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
Adobe Photoshop CCによる各種処理時間

比較的重い機能を実行したときの処理時間を下に掲載します。新機能のニューラルフィルターはやや時間がかかっていましたが、それ以外はそこまで遅くは感じません。快適に動くでしょう。

  処理時間
ニューラルフィルター 約7秒
コンテンツに応じた塗りつぶし 約5秒
被写体を選択 約3秒
スマートシャープ 約1秒
※ 6000x4000のRAWデータを編集
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

FHD動画であれば書き出し時間はとても速いです。また、FHD動画を簡単に編集してみましたが、Premiere Proしか重いアプリを動かしてなければ、特にストレスなく作業できました。

4K動画はやや待たされますが、待てない時間でもありません。

4K動画の書き出し
Core i9-10980HK
RTX 2080 Super Max-Q
4分18秒
Core i7-10750H
GeForce RTX 2060
4分51秒
Core i5-10300H
GeForce GTX 1650Ti
5分18秒
Core i7-10750H
GeForce GTX 1650
6分34秒
Core i9-9980HK
Radeon Pro 5500M 8GB
8分15秒 (MacBook Pro 16)
Core i5-10300H
GeForce GTX 1650
8分21秒
Apple M1 (Rosetta 2) 11分3秒 (MacBook Pro 13 M1)
Core i7-11375H
Intel Iris Xe
12分27秒
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
14分12秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
20分00秒
Core i7-1160G7
Intel Iris Xe
21分19秒
Core i7-1065G7
Intel Iris Plus
27分23秒
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
FHD動画の書き出し
Core i7-11375H
Intel Iris Xe
3分28秒
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
4分6秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
4分41秒
Ryzen 7 4700U
Radeon Graphics
5分5秒
Ryzen 5 4500U
Radeon Graphics
5分57秒
Core i7-1160G7
Intel Iris Xe
6分14秒
Ryzen 3 4300U
Radeon Graphics
6分44秒
Core i7-1065G7
Intel Iris Plus
7分41秒
Core i5-1035G4
Intel Iris Plus
7分43秒
Core i7-10510U
Intel UHD
16分54秒
※FHD/30p動画(約10分)に対して、上と同様にして書き出したときの時間
DaVinci Resolve Studio 17 Betaによる書き出し時間

Davinci Resolveについても、Core i7-1165G7より大分速いです。

Core i7-10870H
GeForce RTX 2060
4分54秒
Core i7-10875H
GeForce GTX 1650Ti
6分53秒
Core i9-9980HK
Radeon Pro 5500M 8G
7分11秒 (MacBook Pro 16)
Apple M1 8分27秒 (MacBook Pro 13 M1)
Core i7-11375H 13分38秒
Core i7-1165G7 17分35秒
Ryzen 7 4700U 33分05秒
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「明るさ(カーブ)の変更」+「彩度の変更」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、MP4、H.264、2160p 4K Ultra HD、29.97 fpsで書き出したときの時間
※ MacBook以外(Windowsノート)は、エンコーダーに、QSV、NVIDIA、AMD等を選択
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるx265エンコード時間

こちらも、モバイルノートPCとしては高速です。ただし、Core i7-10750Hよりは時間がかかっていました。

Core i7-10875H 10分44秒
Ryzen 9 4900HS 10分55秒
Ryzen 5 4600H 13分10秒
Core i7-10750H 13分29秒
Ryzen 7 4700U 15分44秒
Core i7-11375H 16分01秒
Core i7-10710U 19分05秒
Ryzen 5 4500U 19分49秒
Core i7-1165G7 24分17秒
Ryzen 3 4300U 25分22秒
Core i5-1135G7 26分03秒
Core i7-1160G7 27分45秒
Core i7-10510U 28分32秒
Core i3-10110U 42分20秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ゲームベンチマーク&フレームレート

今回、軽めのゲームを試しましたが、グラフィック品質を落とせば、60fpsを超えるタイトルが多かったです。ライトにならゲームをすることも可能でしょう。

以下のゲームのフレームレートについて
表示しているのは平均フレームレートです
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Apex Legends
1920x1080 低設定 71 fps
高設定 38 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、低設定)
GeForce GTX 1650 118 fps
GeForce MX450 99 fps
Intel Iris Xe
(Core i7-11375H)
71 fps
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
53 fps
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)
50 fps
GeForce MX330 42 fps
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
40 fps
AMD Radeon
(Ryzen 5 4500U)
34 fps
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
28 fps
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
25 fps
※トレーニングモードで計測
VALORANT
1920x1080 低設定 142 fps
高設定 63 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、高設定
GeForce GTX 1650 143 fps
GeForce MX330 95 fps
GeForce MX450 92 fps
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
76 fps
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
72 fps
AMD Radeon
(Ryzen 5 4500U)
68 fps
Intel Iris Xe
(Core i7-11375H)
63 fps
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)
58 fps
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
45 fps
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
41 fps
※バトルラボ 最大300fpsで計測
フォートナイト
1920x1080 低設定 90 fps
中設定 68 fps
高設定 46 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、設定)
GeForce GTX 1650 163 fps
GeForce MX450 143 fps
GeForce MX330 85 fps
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
74 fps
Intel Iris Xe
(Core i7-11375H)
68 fps
AMD Radeon
(Ryzen 5 4500U)
64 fps
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)
50 fps
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
49 fps
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
39 fps
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
36 fps
※バトルラボで計測
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
1920x1080 非常に低い 54 fps
中型 40 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、非常に低い)
GeForce GTX 1650 137 fps
GeForce MX450 99 fps
GeForce MX330 57 fps
Intel Iris Xe
(Core i7-11375H)
54 fps
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
40 fps
AMD Radeon
(Ryzen 5 4500U)
38 fps
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)
31 fps
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
28 fps
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
23 fps
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
22 fps
※トレーニングモードで計測
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
1920x1080 標準(ノート) 7808 / 56 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、標準(ノート))
GeForce GTX 1650 115 fps
GeForce MX450 85 fps
GeForce MX330 61 fps
GeForce MX250 60 fps
Core i7-11375H 56 fps
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)
49 fps
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
49 fps
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
30 fps
AMD Radeon
(Ryzen 5 4500U)
29 fps
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
25 fps
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
25 fps
ドラゴンクエストX
1920x1080 最高品質 13816 (すごく快適)
他のグラフィックスとの比較(解像度:1920×1080、最高品質)
GeForce GTX 1650 19246
GeForce MX450 18714
Intel Iris Xe
(Core i7-11375H)
13816
GeForce MX330 12947
GeForce MX250 11900
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
11714
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)
11102
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
9462
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
7968
AMD Radeon
(Ryzen 5 4500U)
7695
AMD Radeon
(Ryzen 3 4300U)
6777
Intel UHD
(Core i7-10710U)
5984
Intel UHD
(Core i5-1035G4)
5820
※約5500で60fps

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートは、Thunderbolt 4、USB Power Delivery、DisplayPort、5Vアシスト充電に対応しているため、下図のように多くのUSB-C周辺機器が動作します。

5Vアシスト充電に対応しているものの、CPUの処理性能が高く消費電力は高めであるため、できれば65Wくらいの充電器を使うほうがいいと思います。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
61W RAVPower GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower GaN充電器 ○ ※3
18W cheero充電器 ○ ※3
5V充電器
※2
ANKER充電器(5V/2.4A) ○ ※3
AUKEY充電器(5V/2.4A) ○ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
Philips 258B6QUEB/11
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 充電はされるが「65Wを推奨します」という表示が出る

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、8ビット、RGBで出力できていました。

4Kテレビ(ビエラ TH-55CX800)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

VAIO Zの質量のチェックです。

メーカーサイトには「約958g~」とあります。今回は4Kディスプレイを搭載したやや重い構成でしたが、それでも1kgちょっとです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.019kg
ACアダプター+電源ケーブル 163g

 

また、付属のACアダプターが非常に軽いです。これなら、サードパーティー製のACアダプターを買わなくても、外出先へ持ち運べそうです。また、純正のACアダプターなので、これが原因でPCが故障したりすることも少ないでしょう。

ACアダプター

 

バッテリー駆動時間のチェック

VAIO Zのバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は約53Whです。バッテリー駆動時間は下の通りです。負荷が低い場合は長めのバッテリー駆動時間ですが、Hシリーズの消費電力の高いCPUを搭載していることもあり、負荷が高いときは短めの駆動時間になります。

また、4KモデルよりもFHDモデルのほうがバッテリー時間が長くなるので、バッテリー駆動時間を重視する方はFHDモデルがいいと思います。

バッテリー駆動時間
  FHDモデル 4Kモデル
(1) JEITA2.0 約34時間 約17.0時間
(2) PCMark 10 Modern Office 10時間11分
(3) 動画再生時 6時間42分
(4) PCMark 8 Work 2時間42分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業

 

バッテリー駆動時のCINEBENCH R23のスコアです。パフォーマンスは下がりますが、十分快適に動作するスコアです。

バッテリー駆動時のCINEBENCH R23(マルチコア)
Core i7-1165G7 6391
5701
 :電源接続時のスコア
 :バッテリー駆動時のスコア

 

当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りで、比較的速いです。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
64%(約33Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

パーツの温度のチェック

CPU温度を掲載します。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

CPU使用率がほぼ100%になる高い負荷のエンコードを実行したときのCPU温度がこちらです。実行後しばらくは90℃を超える高い温度になっていますが、しばらくすると80℃台まで下がるので問題ないかなと思います。また、ここまで高い負荷をかけることはあまりないと思うので、一般的な使用であれば、全く問題ありません。

CPUの温度
x265でエンコード中のCPU温度

 

静音性のチェック

VAIO Zの動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時でもやや動作温度が聞こえます。低めの負荷(動画再生)のときは普通の負荷です。中程度の負荷(Filmoraでの編集動画のプレビュー)や高めの負荷(エンコード)をかけたときは、高めの騒音値になりややうるさいです。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:動画再生時(解像度:720x480で実行)
左から3番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から4番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

キーボード面は、高い負荷をかけてもそれほど熱くならず快適に使えます。底面は、負荷が高いと熱くなりますが、低めの負荷であればそれほどでもありません。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

HシリーズのCoreプロセッサーに、4Kディスプレイを搭載している影響で、モバイルノートPCというカテゴリで見ると、高めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

VAIO Zの外観のチェックです。

フルカーボンのボディで、高級感があります。

 

天板の画像です。

 

スピーカーは正面側にあります。音は、本体を浮かせて聴くとそれほど悪い音ではありませんが、テーブルに置くとこもったような感じになり、さらにタイピングしていると腕でスピーカーを塞いでしまうので、さらに音がこもります。ノートPC基準で、10点満点で採点すると4点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

 

Webカメラは約207万画素と高い解像度です。画質は普通です。カメラは物理的に隠すことも可能です。

顔認証にも対応しています。また、人感センサーも搭載しており、PCの前から離れると自動でロックさせることができます。さらに、PCの前に着席するとスリープを解除し、Windowsへログオンします。

 

電源ボタンと一体型の指紋認証装置も搭載しており、ワンアクションでログインすることが可能です。マスクをしていて顔認証できないときは指紋認証が便利です。さらに、BIOSの起動時認証にも対応しており、電源OFF時に1度電源ボタンを押すと、BIOS起動時認証からWindowsのログオンまでを行ってくれます。

 

ボディは薄いです。

 

側面のポート類は、Thunderbolot 4が2つと、HDMI、オーディオ端子の構成です。

 

液晶は180度開きます。片手で開閉することもできるので便利です。

 

底面です。

 

ボディの内部はご覧のようになっています。ダブルファンで、HシリーズのCoreプロセッサーを冷却します。

メーカー提供画像

 

ACアダプターは、小型ですが65Wと大きめの容量です。

 

まとめ

VAIO Zは、1kgを切る軽量モバイルノートでありながら、高い性能のHシリーズCoreプロセッサーを搭載した唯一無二の製品です。

毎日持ち歩くノートPCで、画像編集や動画編集、Webサイト制作などのような負荷の高い作業もやりたいといった方におすすめの製品です。Microsoft Officeを使った業務などもサクサクできるでしょう。

また、タイピングもしやすくなっています。しっかりとした打鍵感が欲しい方には特におすすめです。ただし、軽い力で押したい方は、従来のVAIO SX14などの方が合うかもしれません。

5Gに対応しているのも嬉しいです。HシリーズのCoreプロセッサーを搭載したノートPCで、5GもしくはLTEに対応している製品はほぼ無いので、かなり貴重です。

インタフェースは少なめですが、Thunderbolt 4対応のUSB-Cが左右に2つあり、最近はUSB-C周辺機器が充実しているので、なんとかなるケースが多いでしょう。

 

1kgを切るノートPCとしては異次元のパフォーマンス

VAIO Z(2021年モデル)

特徴

  • 1kgを切る質量で53Whの大容量バッテリー
  • HシリーズCoreプロセッサー搭載
  • 5G対応
  • 4K DCI-P3 99.8%ディスプレイを選択可能

こんなあなたに

  • 頻繁にPCを携帯する方
  • 高めの負荷がかかる作業もする方
  • 価格27万円台[税込]~
公式サイトはこちら

 

 

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