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レノボ Yoga Slim 760 Carbon(14)の実機レビュー

更新日:
CPU Ryzen 5 5600U
Ryzen 7 5800U
メモリ 8GB / 16GB LPDDR4X
ストレージ 512GB PCIe SSD
液晶サイズ 14インチ
液晶種類 2.8K 有機EL 90Hz 光沢 ※1
質量 約1.1kg
バッテリー 約14.0時間 ※2
価格[税別] 14万円台~

※1 量販店モデルはタッチ対応
※2 量販店モデルは約11.6時間

有機EL搭載で約1.1kgと軽いノートPC

Yoga Slim 760 Carbon(14)は、有機EL搭載と、約1.1kgという軽さが特徴的なノートPCです。

有機ELであるため、色域が広く、黒の表現力も高く、画像を美しく表示することができます。

しかも、画面比が16:10なので、ウェブページや文書ファイルなども見やすくなっています。

画像や映像を綺麗に表示できるノートPCを持ち歩きたい方におすすめです。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は、次の構成でレビューしています。

レビュー機の構成

Ryzen 7 5800U、16GBメモリ、512GB PCIe SSD

 

目次

お忙しい方は、「Yoga Slim 760 Carbon(14)の特徴」のみお読みください。

 

Yoga Slim 760 Carbon(14)の特徴

2.8Kの有機ELディスプレイを搭載

Yoga Slim 760 Carbon(14)の際立った特徴の1つは、2.8Kの有機ELディスプレイを搭載している点です。画面の表示がとても綺麗ですし、狭額縁ベゼルなので、コンテンツへの没入感が高いです。

画面比16:10の有機ELディスプレイ

 

搭載するディスプレイには、以下のような特徴があります。

 

色域の広い有機ELディスプレイ

有機ELなので、一般的な液晶とは画面の美しさが違います。コントラスト比が、1,000,000:1と高く、画像にメリハリがあります。また、100% DCI-P3となっており色域(色の表現できる幅)も広いです。

このように、写真や動画の色鮮やかな表示が可能なので、エンターテイメントを楽しむためのノートPCとしておすすめです(ただし、有機ELなので、画面の焼き付きには注意が必要です)。

DIC-P3 100%クラスの広色域

 

画面比16:10で、解像度も高め

画面比は最近流行りの16:10で、解像度も2880x1800と高めです。写真などを精細に表示できるだけでなく、ウェブページなどの表示できる情報量が多くなります。

下の画像は、スケーリングを100%にしたときの画面ですが、ウェブページの閲覧だと下の方まで表示されるので、縦長のページでも少ないスクロールで見ることができます。また、2つのウィンドウを並べて作業する、といった使い方もしやすいです。

実際に使用するときは、100%だと文字が小さすぎると思うので、125%や150%くらいに拡大して使うことになると思いますが、文字が少し小さめでも、高精細なので割と見やすいです。

ウェブ閲覧やウィンドウを並べての作業がしやすい

 

量販店モデルはタッチ対応

今回チェックしているYoga Slim 760 Carbon(14)は、タッチ対応のディスプレイを搭載していました。ウェブ閲覧時のスクロールや、動画の再生・停止操作などを指で行うこともできます。

スマホやタブレットに慣れた方には使いやすいと思います。

なお、直販モデルはタッチ操作に対応しておらず、量販店モデルのみがタッチ操作対応となっています。タッチ操作対応ディスプレイを希望する場合は、購入時にチェックするようにしてください。

タッチ対応(量販店モデル)

 

リフレッシュレートは90Hz

Yoga Slim 760 Carbon(14)のディスプレイは、リフレッシュレートが90Hzとなっています。1秒間に最大90回画面を書き換えることができ、一般的なリフレッシュレート60Hzのディスプレイよりも、マウスカーソルや、画面スクロール時の動きが少し滑らかになります。また、軽めのゲームであれば、画質を落として、60 fps以上のフレームレートを出すことで、映像が滑らかに見えるかもしれません。

 

軽くてスリムなボディ

Yoga Slim 760 Carbon(14)は、質量が約1.1kgと軽く、ボディの厚みも約14.9mmとスリムです。そのため、扱いやすく、容易に外に持ち出すこともできます。

約14.9mmとスリムなボディ

 

下表では、代表的な14型軽量ノートPCをピックアップしていますが、これらと比較しても遜色のない軽さです。宅内だけでなく、外に持ち出して使用したい方にもおすすめです。

代表的な14型軽量ノートPCの質量比較
製品名 質量
NEC LAVIE Direct NEXTREME Carbon 約870g~
dynabook RZシリーズ 約940g~
VAIO Z 約958g~
マウス DAIV 4P 約985g
VAIO SX14 約999g~
ASUS ExpertBook B9 約1.005kg
パナソニック レッツノート FV 約1.034kg~
レノボ Yoga Slim 760 Carbon(14) 約1.1kg
レノボ ThinkPad X1 Carbon Gen 10 約1.12kg~

 

なお、付属のACアダプターも軽くてコンパクトなサイズなので、一緒に持ち運びしやすいです。

ACアダプターもコンパクト

 

すっきりとしたデザインと質感の高いボディ

Yoga Slim 760 Carbon(14)は、全体的にすっきりとしたデザインで、スマートなイメージです。

例えば、ディスプレイを閉じた状態でも、開いた状態でも排気口は隠れるようになっています。また、底面も吸気口などがなく、フラットになっています(両サイドに見えるスリットの部分から吸気していると思います)。それでも、CPUのパフォーマンスはちゃんと出ていて、なおかつCPU温度も心配のない範囲に収まっていました。

天板にはカーボンファイバー、ボトム部分にはマグネシウムーアルミニウム合金を使用しており、質感、堅牢性がともに高いです。

ちょっと見た目がよくて、質の高いノートPCを使用したい方に適しています。

排気口
底面

 

やや残念な部分

Yoga Slim 760 Carbon(14)のインターフェイスは、USB-Cのみです。左側面の2つのUSB-Cポートは、Power Delivery、DisplayPortに対応しており、本機への給電や、映像出力が可能ではありますが、HDMIやフルサイズのUSBポートがないのはやや残念です。

ポート類はUSB-Cのみ

 

ポート類の少なさをカバーするために、Lenovo USB-C 3-in-1 ハブが付属しています。このハブを使用すると、VGA、HDMI、フルサイズのUSBを使用することができます。ただし、頻繁に持ち運ぶ場合は、このハブも一緒に持ち運ぶのが少し面倒です。また、紛失してしまう可能性もあります。

USB-Cハブが付属

 

また、Yoga Slim 760 Carbon(14)では、顔認証を使用できますが、指紋認証は使用できません。徐々に外でのマスク着用に関する基準も変化しつつありますが、全面解除には至っていない今は、持ち出しやすい軽さのYoga Slim 760 Carbon(14)では、指紋認証も使用できれば、外でも使いやすかったかなと思います。

もう1点は、メモリがオンボードで換装・増設ができない点もやや残念です。Ryzen 7搭載モデルでは16Gメモリを搭載していますが、Ryzen 5搭載モデルでは8GBメモリとなるため、複数のアプリを同時に起動したり、軽く動画編集などをしたい場合などは、メモリ容量が不足するかもしれません。用途によっては、16GBメモリを搭載したモデルを購入しておいた方がいいと思います。

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
画面比16:10の有機ELディスプレイを搭載し、スペックも十分です。この用途に快適に使用できると思います。
オンライン会議 ウェブカメラ、マイク、スピーカーを備えており、普通にオンライン会議に参加できます。
動画鑑賞 当サイト計測でDCI-P3カバー率100%と広色域の有機ELを搭載し、ワンランク上の色鮮やかな表示が可能です。スピーカー音も比較的よく、動画鑑賞に最適です。
RAW現像
画像編集
液晶は、Adobe RGBカバー率98.9%と非常に色域が広いです。ただし、この用途に使用するのであれば、16GBメモリを搭載したモデルの方がおすすめです。なお、Ryzenプロセッサーなので、使用するソフトや、作業内容によっては、インテル搭載機よりも処理に少し時間がかかることがあります。
動画編集 色鮮やかな表示ができるディスプレイを備えています。FHD/30pのそこまで長くない動画であれば、なんとか編集できるでしょう。ただし、動画編集を行う場合は、16GBメモリを搭載したモデルの方がおすすめです。なお、本格的な動画の編集がメインであれば、外部グラフィックスを搭載した機種の方がいいと思います。
ゲーム 外部グラフィックスを搭載していないため、ゲーム向きではありません。ただし、軽めのゲームであれば、グラフィック品質設定を落とすことで、60fps以上(最高90fps)でプレイできるものもあります。

 

ディスプレイのチェック

Yoga Slim 760 Carbon(14)のディスプレイのチェックです。

パネルは、「LEN8A98」でした。

画面比16:10で、解像度が2880x1800と高めの有機ELディスプレイを搭載しています。色域がとても広いので、色鮮やかな画面でネット閲覧や動画視聴などができます。ただし、光沢液晶なので、映り込みがあります。また、フリッカーも発生していたので、このあたりが気になる方もいるでしょう。最大輝度は、当サイトの計測では382cd/m2とやや高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

当サイトの計測での計測結果は、以下の通りです。色域はとても広いです。

  カバー率
sRGBカバー率 100%
DCI-P3カバー率 100%
Adobe RGBカバー率 98.9%
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色もほぼ揃って1:1の直線となっており、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

光沢液晶なので、画面への映り込みがあります。ギラつきは感じませんでした。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)の有無の確認結果です。どの輝度設定にしても、フリッカー(ちらつき)が発生しています。約365Hzと周波数も低めなので、使う人によっては目が疲れやすく感じるなど、影響があるかもしれません。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Yoga Slim 760 Carbon(14)のキーボードのチェックです。

実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mm、キーストロークは約1.6mmです。

標準的なキー配置で、文字入力に使用する主要なキーのサイズもほぼ揃っています。ただし、「Backspace」キーや、「Enter」キーのサイズが少し小さいので、使用する人によってはやや押しにくく感じるかもしれません。全体的には、普通の打ちやすさのキーボードだと思います。

タッチパッドの操作性や、クリックボタンの押しやすさも普通です。

キーボード全体図
※クリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

バックライトも付いているので、薄暗い場所でもタイピングしやすいです。

バックライト付き

 

パフォーマンスのチェック

Yoga Slim 760 Carbon(14)のパフォーマンスのチェックです。

Yoga Slim 760 Carbon(14)では、Lenovo Vantageの「電源およびパフォーマンス」で、動作モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「インテリジェント・クーリング」と、高いパフォーマンスが出る「エクストリーム・パフォーマンス」で計測したベンチマークスコアを確認します。

電源およびパフォーマンス

 

CPU

Yoga Slim 760 Carbon(14)は、Ryzen 5 5600U、もしくは、Ryzen 7 5800Uを搭載しています。

ベンチマークの結果は以下のとおりです。

今回チェックしているのは、Ryzen 7 5800U搭載モデルですが、マルチコアではしっかり高めのスコアが出ていました。シングルコアのスコアはそれほど高くはありませんが、一般的な用途には十分快適に使用できると思います。

なお、動作モードを「エクストリーム・パフォーマンス」に変更することで、パフォーマンスが大きく向上しています。高い処理性能を必要とする作業の場合は、「エクストリーム・パフォーマンス」モードを使用するといいでしょう。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen 7 5800U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-12900H 19223
Core i9-12900HK 17767
Core i7-12700H 16389
Ryzen 7 6800H 13999
Ryzen 9 5900HX 13382
Core i9-11900H 13266
Ryzen 7 5800H 12604
Apple M1 Max/Pro
10コアCPU
12359
Core i7-11800H 11893
Core i7-1280P 11801
Ryzen 7 5825U 10040
Ryzen 7 5800U 9429
8945 [エクストリーム・パフォーマンス]
7687 [インテリジェント・クーリング]
Ryzen 5 5600H 9255
Core i7-1260P 9032
Core i5-11400H 8514
Ryzen 5 5600U 8491
Ryzen 7 5700U 8445
Core i5-1240P 8409
Core i7-1255U 8300
Ryzen 5 5625U 8107
Core i5-1235U 7589
Core i7-1195G7 6594
Ryzen 5 5500U 6250
Core i7-1185G7 6229
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-12900H 1920
Core i9-12900HK 1918
Core i7-12700H 1823
Core i7-1260P 1802
Core i7-1255U 1776
Core i5-1235U 1675
Core i7-1280P 1664
Core i7-1195G7 1634
Core i9-11900H 1570
Apple M1 Max/Pro
10コアCPU
1531
Ryzen 7 6800H 1522
Core i7-1185G7 1517
Core i7-11800H 1511
Core i5-1240P 1483
Ryzen 9 5900HX 1463
Ryzen 7 5825U 1460
Core i7-1165G7 1447
Core i5-11400H 1442
Ryzen 7 5800H 1435
Ryzen 7 5800U 1429
1399 [エクストリーム・パフォーマンス]
1322 [インテリジェント・クーリング]
Ryzen 5 5625U 1383
Ryzen 5 5600U 1369
Ryzen 5 5600H 1354
Core i5-1135G7 1294
Ryzen 7 5700U 1264
Ryzen 5 5500U 1185
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。

 

メモリ

メモリはLPDDR4X-4266ですが、帯域は思ったほど広くありません。また、オンボードメモリなので換装はできません。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
16GB(8GBx2)メモリ
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
28.36GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

グラフィックスは、Ryzen内蔵グラフィックスです。

今回は、Ryzen 7 5800Uで、ベンチマークスコアは以下のとおりでした。

GeForce MX330と同程度のスコアが出ていました。一般用途だけでなく、軽めの作業であれば画像や動画の編集なども対応できるレベルだと思います。

なお、「エクストリーム・パフォーマンス」モードにすると、グラフィックス性能も少しアップするようです。ライトなクリエイティブ作業を行うときは、「エクストリーム・パフォーマンス」モードで使用するといいと思います。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Ryzen 7 5800U
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425
Core i7-1195G7
メモリLPDDR4X-4266
22853
Core i7-1280P
メモリDDR4-3200
21606
Core i7-1260P
メモリDDR5-4800
20478
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
18718
Ryzen 7 5800U
メモリLPDDR4X-4266
17035 [エクストリーム・パフォーマンス]
16000 [インテリジェント・クーリング]
GeForce MX330 16714
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
16093
Ryzen 7 5800U
メモリDDR4-3200
15531
Core i5-1155G7
メモリDDR4-3200
14917
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
14368
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Core i5-1235U
メモリDDR4-3200
13877
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Ryzen 5 5500U
メモリDDR4-3200
12154
Core i3-1115G4
メモリDDR4-3200
11487
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しており、高速です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
512GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
 PCIe Gen3 SSD 3500
3412
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間や、ベンチマークのスコアです。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

Lightroomの書き出しは、そこまで速くありません。パラメータを変更すると、若干タイムラグがあって画像に反映するときもありますが、概ね快適に使えると思います。

Core i9-11900H
16GBメモリ
44秒
Core i7-12700H
16GBメモリ
46秒
Core i9-11980HK
64GBメモリ
46秒
Core i7-1280P
16GBメモリ
47秒
Core i7-11800H
16GBメモリ
53秒
Core i7-1260P
16GBメモリ
56秒
Apple M1 Max
10CPU/32GPU
56秒 (MacBook Pro 16)
Apple M1 Pro
10CPU/16GPU
56秒 (MacBook Pro 14)
Ryzen 7 6800H
16GBメモリ
57秒
Apple M1
16GBメモリ
66秒 (MacBook Pro 13)
Core i7-1195G7
16GBメモリ
66秒
Core i5-1240P
8GBメモリ
72秒
Core i7-11370H
16GBメモリ
72秒
Core i7-1185G7
16GBメモリ
74秒
Ryzen 9 5900HX
32GBメモリ
76秒
Ryzen 7 5800U
16GBメモリ
82秒
Core i7-1165G7
16GBメモリ
89秒
Ryzen 7 5800H
16GBメモリ
93秒
Ryzen 7 5800U
16GBメモリ
95秒
Ryzen 7 5700U
16GBメモリ
100秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
Adobe Photoshop CCによる各種処理時間

AIを使ったニューラルフィルター処理では一部時間がかかりました。これらの処理を頻繁に行うのであれば、GeForce RTX 30シリーズのグラフィックスを搭載した機種の方がいいです。一方、このような処理をしないのであれば、Photoshopも普通に使えます。

  処理時間
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) 約3秒
ニューラルフィルター(スーパーズーム(x2)) 約1分57秒
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) 約3分15秒
スーパー解像度 約18秒
※ 6000x4000のRAWデータを編集
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

そこまで速い書き出し時間ではありませんが、FHD/10分の動画であれば、実用的な時間で書き出しができていました。ただし、長い動画を作成する場合や、4K動画を編集する場合などは、外部グラフィックスを搭載したノートPCがいいと思います。

FHD動画の書き出し
Core i7-1185G7
GTX 1650 Max-Q
2分10秒
Core i7-1185G7
MX450
2分28秒
Core i7-1185G7
Intel Iris Xe
3分33秒
Core i7-1260P
Intel Iris Xe
3分38秒
Core i5-1240P
Intel Iris Xe
4分1秒
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
4分6秒
Core i5-1145G7
Intel Iris Xe
4分40秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
4分41秒
Ryzen 7 4700U
Radeon Graphics
5分5秒
Ryzen 7 5800U
Radeon Graphics
5分30秒
Ryzen 5 4500U
Radeon Graphics
5分57秒
Core i7-1160G7
Intel Iris Xe
6分14秒
Ryzen 3 4300U
Radeon Graphics
6分44秒
Core i7-1065G7
Intel Iris Plus
7分41秒
Core i7-10510U
Intel UHD
16分54秒
※ FHD/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートの動作チェックです。下表のような結果となりました。

USB-Cポートは、Power Delivery、DisplayPortに対応しています。

USB-Cアダプターによる本機器への給電に関しては、今回試したUSB-Cアダプターは全て使用できましたが、出力が小さいと低速充電ケーブルの警告が表示されます。USB-Cアダプターを使用する場合は、45W以上の出力があるものがいいと思います。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック × ×
PD充電器
※1
90W RAVPower GaN充電器
61W RAVPower GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower GaN充電器 ○ ※3
18W cheero充電器 ○ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速充電ケーブルとの警告が表示

 

質量のチェック

Yoga Slim 760 Carbon(14)の質量は、メーカーの仕様値では「約1.1kg」となっています。当サイトによる計測値でも、仕様値とほぼ同じ質量でした。

14型ノートPCとしては軽く、持ち運びもしやすい質量です。ACアダプターも軽いです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.085kg
ACアダプター+電源ケーブル 174g

 

バッテリー駆動時間のチェック

Yoga Slim 760 Carbon(14)のバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は、61Whでした。14型のノートPCとしては、大きめの容量です。

バッテリー容量

 

バッテリー駆動時間は下の通りです。バッテリー容量が大きいので、連続動画再生時間は長かったです。

なお、メーカー公表値では、タッチ対応ディスプレイの量販店モデルは約11.6時間、タッチ非対応ディスプレイの直販モデルは約14.0時間となっていました。そのため、同じ使い方であれば、タッチ非対応の直販モデルの方がバッテリー駆動時間は長くなると思います。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 約11.6時間(約14.0時間)
(2) PCMark 10 Modern Office
(3) 動画再生時 14時間25分
※画面輝度は約120cd/m2
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラには、電子的なプライバシーシャッターが付いています。また、IRカメラを搭載しており、Windows Helloの顔認証を使用することができます。

Webカメラ
電子式プライバシーシャッターのON・OFF

 

Webカメラは、HD 720pカメラです。割りと露出が高い画像でした。フルサイズにすると細部には粗がありますが、ノートPCのWebカメラとしては普通の性能だと思います。

本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

1万円以上する外付けのLogicool StreamCam C980のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※撮影方法は上と同じ

 

スピーカー

スピーカーは、キーボード面の左右に、ツイーター x2、ウーファー x2の2ウェイ4スピーカーを搭載しています。音質はよく、ノートPC基準で10点満点で6~7点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

「インテリジェント・クーリング」モードでは、CPU電力は約20W、CPU温度は65℃前後と低めで安定して動作しています。

「エクストリーム・パフォーマンス」モードでは、CPU電力が約25W、CPU温度が約76℃まで上がっていますが、こちらも心配なく使用できる温度です。

どちらのモードでも、CPU温度はしっかり抑えられています。動画の書き出しなど重めの作業をする場合は、「エクストリーム・パフォーマンス」モードで使用するといいと思います。

  • インテリジェント・クーリング
  • エクストリーム・ パフォーマンス
CPU電力&CPU温度
CPU電力&CPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。負荷のかかる作業をすると騒音値が上がりますが、そこまでうるさくはありません。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。

負荷が高くなければ、温度を気にすることなく快適に使えます。高い負荷のかかる作業を行うと、キーボード部分の温度が上がっていますが、パームレスト部にはほとんど温度変化がありません。タイピング時でも不快感はありません。

底面も温度がやや上がります。他のモバイルノートに比べると温度の上昇は抑えられていますが、膝の上に載せて作業をすると、それなりに熱さは感じます。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

モバイル用のプロセッサーを搭載しており、低めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています
※TAP-TST8は、従来使っていたTAP-TST7よりも、消費電力が低めに計測される傾向があります。他のPCと消費電力を比較するときは、ご注意ください。

 

外観のチェック

Yoga Slim 760 Carbon(14)の外観のチェックです。

画面比16:10の有機ELディスプレイは、ベゼル幅が狭く、画面占有率が91%と高く、画面に目が奪われます。ボディは、質感、堅牢性ともに高いです。

カラーは、クラウドグレーです。

 

天板には、「YOGA」と、「Lenovo」のロゴが小さく入っています。なお、「YOGA」のロゴは、フラットではなく、切れ込みが入っています。

 

閉じた状態です。厚みは約14.9mmとスリムです。

 

インターフェイスは、USB-C x3と限定的です。左側面にある2つのUSB-Cポートは、DisplayPort、Power Deliveryに対応しています。

なお、ポート類の種類の少なさをカバーするため、下の画像のようなLenovo USB-C 3-in-1 ハブ(USB-C to VGA / HDMI / USB-A)が付属しています。

 

ディスプレイは180度開き、フラットになります。

 

底面です。底面はフラットで、左右サイドに吸気口のようなスリットが設けられています。

 

ACアダプターは65Wです。コンパクトなので、持ち運びもしやすいです。

 

まとめ

以上が、Yoga Slim 760 Carbon(14)のレビューです。

14型の有機ELディスプレイを搭載し、約1.1kgと質量が軽い、という2点が大きな特徴となっています。

14型の有機ELディスプレイは、当サイト計測で、DCI-P3カバー率100%、Adobe RGBカバー率98.9%と非常に色域が広かったです。コントラスト比も高く、メリハリがあり、色鮮やかな表示ができるので、写真や動画などのエンターテイメントを楽しむビューワーとしても優秀です。クリエイターが作例を紹介したり、プロモーション用の画像や動画を表示する用途にも使えると思います。また、ライトな処理であれば、画像やFHD動画の編集などにも対応できるスペックを備えていました。

質量が約1.1kgと軽く、スリムなボディなので、このワンランク上の表示ができるディスプレイを搭載した機種を、容易に持ち運ぶこともできます。さらに、ボディの質感もよく、堅牢性も高いです。ACアダプターも軽くてコンパクトでした。

なお、気になる部分としては、インターフェイスがUSB-Cポートのみであることや、指紋認証に対応していないことなどが挙げられます。また、ディスプレイは綺麗ですが、光沢仕様で、フリッカー(ちらつき)も発生しています。ここは好みが分かれる部分です。

このあたりが気にならなければ、色彩豊かな表示ができる、扱いやすいノートPCとして、パーソナル用途だけでなく、ビジネス用途にも使いやすい機種だと思います。

 

有機EL搭載で約1.1kgと軽いノートPC

Yoga Slim 760 Carbon(14)

特徴

  • 画面比16:10の2.8K有機ELディスプレイ搭載
  • 約1.1kgと軽い
  • 大容量バッテリーを搭載

こんなあなたに

  • 外でも使える品質高めのノートPCが欲しい方
  • 色鮮やかな画面でエンターテイメントを楽しみたい方
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