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HP OMEN by HP 15(15-ce000)の実機レビュー
Max-Q、120Hz、G-SYNCの3つに対応
本製品は、Max-Q Designの15.6型ゲーミングノートPCです。GeForce GTX 1060の専用グラフィックスを搭載しながら、高さ28.5mmと薄いボディを実現しています。
液晶は、120Hz駆動およびG-SYNC対応で、滑らかで、ティアリングやカク付きも低減された見やすい液晶です。
この豪華機能で、179,800円(税抜)~という価格です。他社PCなら20万円は超えていると思います。
※レビュー機はメーカーからの貸出機です
目次
1 HP OMEN by HP 15 の基本スペック | 2 特徴 - Max-Q Designの120Hz+G-SYNC対応 |
3 ゲームベンチマーク | 4 液晶ディスプレイのチェック |
5 キーボードおよびタッチパッドのチェック | 6 パフォーマンスのチェック |
7 質量のチェック | 8 バッテリー駆動時間のチェック |
9 静音性のチェック | 10 パーツの温度のチェック |
11 表面温度のチェック | 12 消費電力のチェック |
13 外観のチェック | 14 まとめ |
HP OMEN by HP 15の基本スペック
HP OMEN by HP 15の基本スペックをチェックします。公式サイトにはOMEN by HP 15-ce000シリーズと書かれているケースもあります。特徴的な部分は赤字にしています。※2017年9月12日時点の情報です。時期が経つと選択できるパーツは異なる可能性があります。詳細はメーカーサイトでお確かめ下さい。
CPU HシリーズのCore i7-7700HQです。 |
グラフィックカード NVIDIA GeForce GTX 1060(6GB)with Max-Q Design グラフィックスです。 |
液晶ディスプレイ 15.6型ワイド、120Hz駆動、G-SYNC対応、フルHD、非光沢、IPS液晶です。 |
メモリ DDR4のメモリを16GB搭載しています。 |
M.2 SSD PCIe接続の256GB M.2 SSDを搭載しています。 |
2.5インチ ストレージ 1TB HDDを搭載しています。 |
光学ドライブ 光学ドライブは非搭載です。 |
その他 質量は約2.63kg、薄さは28.5mmです。バッテリー駆動時間は約5時間です。 |
特徴 - Max-Q Designの120Hz+G-SYNC対応ゲーミングノート
Max-Q Design採用で薄型ボディ
Max-Q Designとは、簡単に言えば、「超高性能なグラフィックスを積んでいるのに、超薄いノートPC」のことです。グラフィックスは効率を無視してフル稼働するのではなく、電圧効率を考えながら動作します。そのため、発熱が抑えられ、高性能グラフィックスを搭載しつつも、ボディを薄くすることができます。
本製品も、下図のように薄いボディとなっており、手でつかみやすく、カバンに入れてもかさばりにくいです。
薄型のボディ
Max-Q Designは、メディアの記事を読むと、ノートPC自体の設計を指す場合と、グラフィックスのみの設計を指す場合があり、やや曖昧な印象を受けます。Max-Q Designの詳細については、下のページを参考にしてください。
「Max-Q Design」は何故薄型ボディにGeForce GTX 1080が搭載できるのか
マイナビニュースのMax-Qデザインについて解説した記事です。薄型ゲーミングノートPC向けのデザインプラットフォーム「Max-Q Design」について書かれています。
OMEN by HP 15で実際にゲームをしたとき、発熱と消費電力は、他社の同スペックのゲーミングノートPCよりも抑えられているように感じました。ただし、(おそらく)Max-Q Designの影響で、GPUに高い負荷がかかっているときのゲームフレームレートは他のPCよりもわずかに低めでした。ただ、極端にフレームレートが下がっているわけでもないため、実用上はそこまで問題はないと思います。
温度や、消費電力、フレームレートの詳細は「パーツの温度のチェック」や「消費電力のチェック」、「ゲームベンチマーク」をご覧ください。
NVIDIAの考えるMax-Q Designの最終的な目標は、”高性能なのに、持ち運びにも便利なPC"であると思っています。HP OMEN by HP 15は、薄型で持ちやすいのですが、質量が約2.63kg(メーカー公表値)とそこまで軽くありません。2kg台前半に抑えられていれば、良かったと感じました。
120Hz + G-SYNC対応で見やすい画面
HP OMEN by HP 15は、120Hz駆動やG-SYNCに対応したゲーミングノートPCです。
120Hz駆動とは、1秒間にフレームを120回描画して映像を流すことです。通常の液晶は60Hzのリフレッシュ―レートであるため、120Hz駆動の液晶は、2倍ものフレームを描画することができ、とても滑らかな映像を出力することが可能です。
G-SYNCとは、GPU側の可変フレームレートに合わせて、ディスプレイ側のリフレッシュレートも動的に変更する技術で、ティアリングやカク付き(スタッター)を抑えることが可能です。ティアリングとは横に線が入り上下の映像が少しズレる現象で、カク付きとは、映像フレームの表示が遅れ、カク付いてみえる現象です。
デスクトップPC用の液晶モニターは、144Hzや240Hzなどの高リフレッシュレートに対応した製品をよく見かけますが、ノートPCで、高リフレッシュレートに対応した製品は少ないです。しかも、その中で、HP OMEN by HP 15は筆者が知る限り、最も安価な製品です。
120Hz駆動 + G-SYNC を有効にしてゲームをしてみましたが、通常のゲーミングノートPCに比べて、ヌルヌルした映像で、ティアリングも感じず、ゲームにより没頭できます。
1秒間に120フレームを描画するには、グラフィック側で120 fps 以上のフレームレートが出ることが好ましいですが、本製品は、120 fps出ないゲームが多くあります。ただし、120 fpsは出なくても、ゲームのグラフィック品質設定を"高め"にしても、80 fps前後のフレームレートなら出ます。1秒間に80フレーム程度を描画する映像を見ることはできるため、普通のゲーミングノートPCよりは滑らかに感じられることでしょう。
120Hz + G-SYNC対応で見やすい映像
ダブルストレージ
OMEN by HP 15は、M.2 SSDと2.5インチ HDDのダブルストレージ構成になっています。
しかも、M.2 SSDは、SSDの中でも高速なPCIe-NVMe 接続となっています。
M.2 SSDの容量は、256GBです。この容量だと、5、6個ゲームをインストールすると、容量がいっぱいになる可能性があるため、2.5インチ HDDは、自分でSSDに交換してもいいと思います。2.5インチ HDDにはOSが入っていないため、ただ取り換えればいいだけなので簡単です。底面カバーもそれほど苦労なく開けることができます。
ダブルストレージ構成が可能
ゲームベンチマーク
HP OMEN by HP 15のゲームベンチマークスコアを下表に掲載します。
参考までに、同じCPU&グラフィックスを搭載した他社のゲーミングノートPCのスコアも掲載しています。また、G-SYNCをオンにするとフレームレートが下がるケースがあるため、G-SYNCはオフにして計測しています。
本製品と、他社ノートPCと比べると、グラフィック品質設定を"低め"にしたときや、軽いゲームを実行したときは、ほぼ同じフレームレートでしたが、グラフィック品質設定を"最高"に設定したときや、重いゲームを実行したときは、本製品のフレームレートのほうがやや低めのように感じられました。おそらくMax-Q Design対応グラフィックスの影響だと思います。
また、本製品は120Hz駆動の液晶を搭載していますが、"低め"のグラフィック品質設定で、やっと120 fpsが出るか出ないかといったスコアでした。"低め"のグラフィック品質設定だと画質が悪くなるため、120Hzで描画できても、映像としてはイマイチです。
ただし、120Hzは出ないものの、80 fps程度なら、"高め"のグラフィック品質設定でも出るゲームが多いです。1秒間に80フレームくらいの描画なら、他のゲーミングノートPCよりも滑らかに感じると思います。また"高め"のグラフィック品質設定であれば、十分綺麗な画質です。この辺りが落としどころの設定だと思います。
ゲーム一覧 | HP OMEN by HP 15 |
他社 ゲーミングノートPC |
|||
重さの目安 | ゲームタイトル | グラフィック 品質設定 |
Core i7-7700HQ GeForce GTX 1060(6GB) |
Core i7-7700HQ GeForce GTX 1060(6GB) |
|
重いゲーム | ゴーストリコン ワイルドランズ | 低 | 91 fps | 97 fps | |
高 | 57 fps | 63 fps | |||
ウルトラ | 33 fps | 36 fps | |||
中程度の 重さのゲーム |
FF 14 紅蓮のリベレーター | 標準品質 ★ | 14496 (非常に快適) 106 fps | 13570 (非常に快適) 101 fps | |
高品質 ★ | 12448 (非常に快適) 87 fps | 12225 (非常に快適) 87 fps | |||
最高品質 | 9893 (非常に快適) 67 fps | 10348 (非常に快適) 71 fps | |||
フォーオナー | 低 | 136 fps | 146 fps | ||
高 | 86 fps | 98 fps | |||
超高 | 62 fps | 71 fps | |||
STEEP | 最低 | 100 fps | 102 fps | ||
高 | 71 fps | 78 fps | |||
超高 | 50 fps | 56 fps | |||
ライズオブトゥームレイダー | 最低品質 | 127 fps | 119 fps | ||
中品質 | 83 fps | 88 fps | |||
最高品質 | 62 fps | 68 fps | |||
ファークライ プライマル | 低い | 94 fps | 93 fps | ||
高い | 70 fps | 74 fps | |||
最高 | 53 fps | 57 fps | |||
軽めのゲーム | ドラゴンズドグマオンライン |
最高品質 | 10418 (とても快適) | 9408 (とても快適) | |
PSO2 EP4 | 描画:6 | 28419 (快適) | 20288 (快適) | ||
モンハン F 第三弾(大討伐) | ― | 20988 | 23651 | ||
ドラゴンクエストX | 最高品質 | 16525 (すごく快適) | 15922 (すごく快適) | ||
★ノートPCの場合は「標準品質(ノートPC)」と「高品質(ノートPC)」の設定にしています。 ※フレームレート(fps)の掲載値は、平均値です。最小値や最大値ではありません ※CPUやメモリなどの環境によってスコアが変わる点はご了承ください。 ※ドラゴンズドグマオンラインは、約5800スコアで平均60fps(当サイト調べ) ※バイオハザード6は、約9000スコアで平均60fps(当サイト調べ) ※モンスターハンターフロンティア 第三弾(大討伐)は、約6000スコアで平均60fps(当サイト調べ) ※ドラゴンクエストXは、約5500スコアで平均60fps(当サイト調べ) |
GPU-Zで確認したGeForce GTX 1060(6GB)の情報は次の通りです。
グラフィックカードのスペック
その他のゲームのフレームレートについては、下のページを参考にしてください。他のPCで計測した結果ではありますが、鉄拳7、バイオハザード7、オーバーウォッチなどのフレームレートについても掲載しています。
液晶ディスプレイのチェック
HP OMEN by HP 15の液晶ディスプレイのチェックです。
まず、視野角は広いです。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、青色と緑色がやや強調されていることが分かりますが、強調具合はわずかですので、ほぼ気になりません。自然な発色だと思います。
色域はノートパソコンの割には広いです。
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
非光沢液晶ですので、画面への映り込みは低減されています。
画面への映り込み
画面の拡大図です。若干ギラつきを感じる点が残念です。ただ、気にならない方がほとんどだとは思います。
画面拡大
キーボードおよびタッチパッドのチェック
HP OMEN by HP 15のキーボードとタッチパッドのチェックです。
キーボードは、キーピッチが約18.7mm x 18.7mm、キーストロークが約1.5mm(メーカー仕様表より)となっており、標準的な数値です。キートップはほぼフラットですが、押すときに適度な抵抗感があり、底付きの衝撃も軽減されており、比較的打ちやすいキーボードだと思います。
26キー ロールオーバーアンチゴースト機能を搭載し、素早く同時にキー入力しても、正確に認識されます。また、ゲーム中に使う「WASD」キーのみ赤くなっており、かなり分かりやすいです。
キーボード全体図
キーの拡大図1
キーの拡大図2
キーの拡大図3
キーの拡大図4
バックライトキーボードも搭載しています。Fn+F4キーを1回押すと、すべてのキーが点灯します。もう一度同じボタンを押すと、WASDキーのみが点灯し、それ以外のキーは消灯します。
キーボードバックライト(1段階目)
キーボードバックライト(2段階目)
タッチパッドは広めです。指の動かしやすさは普通です。クリックボタンは独立しており、また軽い力で押せるため、非常に押しやすいです。
タッチパッド
パフォーマンスのチェック
HP OMEN by HP 15のパフォーマンスのチェックです。
CPU
HP OMEN by HP 15は、ゲーミングノートでよく採用されるCore i7-7700HQを搭載しています。ゲームだけでなく、動画編集などにも使えることでしょう。
CPUの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
グラフィックス
グラフィックスにはGeForce GTX 1060(6GB)を搭載しています。売れ筋のグラフィックスです。
グラフィックスの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
ストレージ
ストレージは、PCIe-NVMe SSDとHDDを搭載しています。
ストレージの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
HP OMEN by HP 15で計測したベンチマーク
以下、本製品で計測したベンチマーク結果を掲載します。
(CPU性能の評価)
Core i7-7700HQ
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)
Core i7-7700HQ、GeForce GTX 1060(6GB)
(VRが快適に動作するかの評価)
※Target frame rateを超えれていれば快適に動作
Core i7-7700HQ、GeForce GTX 1060(6GB)
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
Core i7-7700HQ GeForce GTX 1060(6GB) |
|
---|---|
x265でエンコード (※1) | 21分45秒 |
NVENCでエンコード (※2) | 1分40秒 |
QSVでエンコード (※3) | ― |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
(ストレージの評価)
256GB M.2 SSD
(SDカードスロットの評価)
UHS-Ⅰ対応カード
質量のチェック
Max-Q DesignのゲーミングノートPCということで、外出先に持ち運んで使いたいと考えている方も多いと思いますので、HP OMEN by HP 15の質量も計測します。
メーカー仕様表には、約2.63kgと書かれています。当サイトで計測したPC本体の質量もほぼ同じで、2.612kgでした。
ACアダプターについては、946gと割と重かったです。
質量 | |
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PC本体 | 2.612kg |
ACアダプター | 946g |
バッテリー駆動時間のチェック
HP OMEN by HP 15のバッテリー駆動時間をチェックします。
メーカー仕様表を確認すると、約5時間と書かれています。他社のPCは、JEITA2.0計測法で計測している場合が多いですが、本製品はMobileMark 2014で計測しています。単純には比較できませんのでご注意下さい。
底面カバーを取り外して確認したところ、バッテリー容量は、70.07Whでした。多めのバッテリー容量だと思います。
バッテリー容量
バッテリー駆動時間は用途によって大きく変わります。当サイトで計測したバッテリー駆動時間は下の通りです。HP OMEN by HP 15は、Optimusに対応しておらず、常に外部グラフィックスが使用されます。そのため、動画再生などでも外部GPUが使用され、消費電力が高くなり、バッテリー駆動時間も、それほど長くありません。
このため、動画再生時のバッテリー駆動時間は、3時間25分と、やや短めでした。
FF 14のベンチマークソフトをループ実行した場合、1時間22分のバッテリー駆動時間でした。ゲームはかなり負荷が高いので、駆動時間も短いです。ちょっとの間なら、バッテリー駆動状態でもゲームができますが、基本的にはACアダプターに接続することを推奨します。
HP OMEN by HP 15 | |
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PCMark 8 Home テスト ※1 | ― |
PCMark 8 Work テスト ※2 | ― |
動画再生時 ※3 | 3時間25分 |
FF 14 紅蓮ベンチをループ再生 ※4 | 1時間22分 |
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※4 解像度は1920x1080、グラフィック品質は標準に設定。バッテリーブーストの設定で最大30fpsに制限。