デル XPS 13 (9305) の実機レビュー

更新日:2021年3月25日
CPU Core i7-1165G7
Core i5-1135G7
メモリ 8GB / 16GB
ストレージ PCIe SSD
液晶サイズ 13.3インチ
液晶種類 FHD / UHD タッチ
質量 非タッチ:約1.16kg~
タッチ:約1.23kg~
バッテリー 52Wh
価格[税込] 9万円台~
あのXPS 13が新CPUで9万円台~

 XPS 13 (9305)は、上位モデルのXPS 13(9310)の廉価版とも言える製品で、高級ブランド「XPS」が9万円台から購入できてしまいます。

削り出しのアルミと、カーボンファイバーを採用し、質感が高く高級感のある見た目で、剛性も高く頑丈です。

スペック面でも最新のインテルCPUを搭載し、液晶の色域も比較的広く、十分な性能でしょう。

外でも自信をもって使えるデザインと、実用的なスペックを備えたモバイルノートPCが欲しい方に適した機種です。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i5-1135G7、8GBメモリ、256GB PCIe SSD、FHD液晶

 

目次

お忙しい方は、「XPS 13 (9305) の特徴」のみお読みください。

 

XPS 13 (9305) の特徴

あのXPS 13が9万円台!

XPS 13といえば、20万円近くする高級機種ですが、XPS 13 9305はCPUは新世代であるものの、旧モデルに近いボディを採用することで、価格を抑えた機種となります。

最も安いモデルだと、Core i5-1135G7、8GBメモリ、256GB SSDという定番構成で、9万円台(税込)という安さです。XPS 13のデザインに惚れ込んでいたけれど、高くて買えなかったという方に、非常におすすめの製品です。

あのXPS 13が、最新CPUを搭載して9万円台 

 

コンパクトでカバンにも入れやすい

XPS 13 (9305)は、元祖狭額縁のモバイルノートPCで、コンパクトなボディも特徴となっています。

下の表では、メジャーな13インチクラスモバイルノートPCと、質量・サイズの比較を行っています。各社がしのぎを削る13インチサイズの他機種と比べても、XPS 13 (9305)は特に横幅が狭く、奥行も非常に短く、コンパクトなボディであることがわかります。ただし、質量は他機種ほど軽くはありません。

そこまで軽さにはこだわらないけど、コンパクトで持ち運びがしやすく、質感も高い機種を、リーズナブルな価格で入手したい方におすすめの機種です。HDMIポートなどがない点が欠点になるかもしれませんが、大学生用のPCとしてもピッタリだと思います。

13インチクラスのモバイルノートの質量・サイズ比較
  質量 奥行 高さ
XPS 13(9305)[本機器] 約1160g~ 302 199 15.8
富士通 LIFEBOOK CHシリーズ 約988g~ 307 207 15.8
富士通 LIFEBOOK WU2/E3 約736g~ 307 197 15.5
dynabook GZ/HP 約888g~ 306 210 17.9
NEC LAVIE Direct PM 約842g~ 307.2 216 16.9
※ サイズの単位はmm

 

剛性が高く高級感のあるボディ

上でも少し触れましたが、XPS 13 (9305)の質感が高く、高級感のあるボディも特徴的です。見た目がいいだけでなく、剛性が高く、耐久性にも優れています。

これらの特徴は、2つのアルミ塊から削り出されているボディと、航空宇宙産業で使用される素材をヒントにしたカーボンファイバーをパームレスト部の素材として採用していることなどによるものです。

日常的に持ち運ぶモバイルノートPCとして不安なく使用することができますし、所有する満足感も感じることができると思います。

ねじれに強く剛性が高い天板
パームレスト部分にはカーボンファイバーを採用

 

4K液晶搭載モデルも

XPS 13 (9305)では、高解像度の4K UHD液晶を搭載したモデルも選択できます。4K液晶は、タッチ対応となります。

高精細の写真や、4K動画などを表示したい場合は、4K液晶搭載モデルを選択するといいでしょう。ただし、質量が約1.23kgからともう少し重くなりますし、バッテリー駆動時間も短くなると思われます。また、4K動画の本格的な編集作業に使用するには、スペックが物足りないです。

一般的な用途であれば、フルHD液晶モデルがおすすめです。当サイト計測では、sRGBカバー率99.5%と色域も広かったです。見やすく、多目的に使用できる液晶でした。

 

デュアルファンでの冷却

XPS 13 (9305)は、薄型・コンパクトなボディですが、下の画像のようなデュアルファン構成となっています。サイズが小型ではありますが、シングルファンの場合よりも冷却性の面では有利でしょう。

ただし、排気口が隠れるように配置されていることもあり、動作モードによっては、高負荷時のCPU・GPUの温度がやや高めでした。通常のモバイルノートPCとしては問題ないですが、(こういった使い方をする人は少ないと思いますが)動画のエンコードなど負荷の高い作業を主な目的とする方は、ご注意ください。

小型のデュアルファン

 

インターフェイスはUSB-Cのみ

XPS 13 (9305)は、主なインターフェイスがUSB-CとSDカードスロットのみとなっています。

通常サイズのUSB機器を接続したい場合には、アダプターか、ドック類が必要になります。USBメモリなども含めて、PCに何かを接続して使用することが多い方は、ご注意ください。

 なお、Power Deliveryは、すべてのポートが対応しています。左右どちらの側面のポートにACアダプターを挿しても使えるので便利です。

インターフェイスの種類が少ない

 

上位モデルXPS 13 (9310)との比較

XPS 13には、本機器に加えて、上位モデルとなるXPS 13 (9310)があります。

ここではこの2機種の比較を行います。

名前は非常に似ていますが、中身は異なり、棲み分けがなされています。本機器 XPS 13 (9305)が、標準的なスペックの機種であるのに対して、上位モデルのXPS 13 (9310)は、ハイスペックの高級機種という感じです。価格にもかなり差があります。

以下の部分で、さらに違いを説明していますが、一般ユーザーであれば、本機器 XPS 13 (9305)でも快適に使用でき、十分だと思います。

上位モデルXPS 13 (9310)との比較
  [上位モデル]
XPS 13 (9310)
[本機器]
XPS 13 (9305)
CPU Core i7-1185G7 Core i7-1165G7
Core i5-1135G7
ストレージ 最大 1TB PCIe SSD 最大 512GB PCIe SSD
メモリ 16GB / 32GB 8GB / 16GB
ディスプレイ FHD+ / UHD+ FHD / UHD
バッテリー容量 52Wh 52Wh
質量 約1.2kg~ 約1.16kg
ボディカラー プラチナシルバー
フロスト
プラチナシルバー
価格[税込] 16万円台~ 9万円台~
※ 2021年3月23日現在の価格です

 

画面のアスペクト比

本機器 XPS 13 (9305)が、アスペクト比16:9の一般的な13.3型の液晶を搭載しているのに対して、上位モデル XPS 13 (9310)は、アスペクト比16:10の13.4型の液晶を搭載しています。下の画像からも分かるように、上位モデルは、縦方向の表示面積が少し広くなっているため、Officeソフトの使用や、ウェブ閲覧などがよりしやすいです。

画面のアスペクト比の違い

 

キーボード

本機器 XPS 13 (9305)のキーボードは、「Enter」キーの周辺のキーや、「全角/半角」キーなどが、他のキーよりもサイズが小さくなっており、やや窮屈な感じがします。

一方、上位モデル XPS 13 (9310)では、サイズが小さくなっているキーがほとんどないので、ブラインドタッチでも押し間違えることが少なく、タイピングがしやすいです。

キーボードの違い

 

サイズ

ボディサイズは、上位モデル XPS 13 (9310)の方が、わずかですがコンパクトです。ただ、使用感が大幅に異なることはないと思います。

なお、質量は、上位モデル XPS 13 (9310)が約1.2kgからなのに対して、本機器 XPS 13 (9305)の方が約1.16kgからと少し軽いです。

  [上位モデル]
XPS 13 (9310)
[本機器]
XPS 13 (9305)
サイズ[mm] [幅] 295.7
[奥行] 198.7
[高さ] 14.8
[幅] 302
[奥行] 199
[高さ] 15.8
サイズの比較

 

付属のACアダプター

本機器 XPS 13 (9305)に付属するACアダプターは、65Wでサイズもやや大きめです。一方、上位モデル XPS 13 (9310)には、45WのACアダプターが付属しており、サイズが小さいので持ち運びはしやすいです。コンセント側のケーブルは、どちらも太いです。

ただし、両機種ともPower Deliveryに対応しているので、他の小型の充電器を使用することが可能です。

ACアダプターの違い

 

残念な点

XPS 13 (9305)の残念な点として、指紋認証センサーは搭載していますが、IRカメラは非搭載なので、顔認証でのWindowsへのログインが出来ないことが挙げられます。手洗いや消毒で手が荒れていると、指紋認証が認識しにくいこともありますので、顔認証にも対応しているとよかったです。また、ウェブカメラに物理シャッタ―がついていればいいなとも感じます。

その他に、LTEに非対応なこと、同サイズのモバイルノートPCとしてはそこまで質量が軽くないこと、インターフェースの種類が少ないことなども、使い方によっては残念に感じるかもしれません。

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
十分なスペックで、快適に動きます。
オンライン会議 Webカメラは1280x720の普通のカメラです。スピーカー音は比較的いいと思います。マイクも搭載しています。特にオンライン会議に特化した機能はありませんが、問題なく使用できるでしょう。
動画鑑賞 ディスプレイの表示が綺麗で、スピーカー音も悪くないので、動画鑑賞は快適です。
RAW現像
画像編集
CPU性能は高くありませんが、色域がsRGBカバー率 99.5%と広いので、RAW現像や画像編集にも使えるでしょう。
動画編集 簡易的な動画編集ならできますが、外部グラフィックスを搭載していないため、本格的な動画編集は難しいです。
ゲーム 外部グラフィックスを搭載していないため、ゲーム向きではありません。ただし、LPDDR4X-4266のデュアルチャネルメモリを搭載し、CPU内蔵グラフィックスの中ではパフォーマンスが出る方です。軽いゲームなら、グラフィック品質などを下げることで出来るものもあります。

 

ディスプレイのチェック

XPS 13 (9305)のディスプレイのチェックです。

今回搭載しているのはFHD液晶で、パネルは、「AUO5B2D」でした。

メーカーサイトでは100% sRGBと紹介されおり、当サイトの計測でもsRGBカバー率99.5%と広めの色域でした。最大輝度は、当サイトの計測では365cd/m2とやや高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は99.5%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、赤と緑がわずかに強く発色していますが、気にならないレベルです。自然な発色での表示が可能です。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶なので、画面への映り込みが抑えられています。ギラつきは、ほとんど感じません。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)の有無の確認結果です。輝度をいくつにしても、フリッカーは検出されませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

XPS 13 (9305)のキーボードのチェックです。

実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18mmです。キーストロークは約1.3mmと、やや浅めです。キーの押しやすさは普通ですが、縦のキーピッチが少し狭いですし、エンターキーの周りにはサイズが小さいキーが配置されているので、少し窮屈に感じました。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しています。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

XPS 13 (9305)のパフォーマンスのチェックです。

本製品は、「Dell Power Manager」のサーマル管理で、動作モードを変更することができます。今回は、サーマル管理で「最適化」モードと、「超高パフォーマンス」モードを選択した時のベンチマークを計測します。

Dell Power Managerのサーマル管理

 

CPU

XPS 13 (9305)のCPUは、Core i5-1135G7またはCore i7-1165G7です。

今回はCore i5-1135G7を搭載していますが、シングルコア、マルチコアのどちらでも、比較的高めのスコアが出ていました。

「最適化」モードと、「超高パフォーマンス」モードとで、処理性能には大きな差はないようです。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i5-1135G7
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 5900HX 13380
Core i7-10875H 10369
Core i7-10870H 10139
Core i7-11370H 7123
Core i7-10750H 6839
Ryzen 7 4700U 6499
Core i7-1185G7 6229
Ryzen 5 4500U 4764
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4675 [超高パフォーマンス]
4592 [最適化]
4424
Core i3-1115G4 3149
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i7-11370H 1519
Core i7-1185G7 1517
Ryzen 9 5900HX 1463
Core i7-1165G7 1447
Core i5-1135G7 1356 [超高パフォーマンス]
1351 [最適化]
1294
Core i7-10875H 1306
Core i7-10750H 1277
Core i7-10870H 1245
Core i3-1115G4 1217
Ryzen 7 4700U 1214
Core i7-10870H 1176
Ryzen 5 4500U 1142
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

なお、高負荷時のCPU電力とCPU温度は、「パーツの温度のチェック」に掲載しています。

 

メモリ

メモリの速度はご覧の通りで、非常に速いです。なお、オンボードメモリなので換装はできません。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
8GB メモリ
他のメモリとの比較(帯域)
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
最大 約68.2GB/s (34.1GB/s x2)
51GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
最大 約51.2GB/s (25.6GB/s x2)
DDR4-2666
デュアルチャネル
最大 約42.6GB/s (21.3GB/s x2)
DDR4-3200
シングルチャネル
最大 約25.6GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア

 

グラフィックス

今回、LPDDR4X-4266のデュアルチャネル構成で、メモリへのアクセス速度が速いので、グラフィック性能も高いです。3DMark Night Raidについては、エントリークラスの外部グラフィックスであるGeForce MX330を超えるスコアが出ています。

「超高パフォーマンス」モードでは、「最適化」モードよりもグラフィックス性能が大きくアップしました。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Core i5-1135G7
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
19593 [超高パフォーマンス]
15790 [最適化]
18718
GeForce MX330 16714
Ryzen 9 4900HS 16322
GeForce MX250 15406
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Ryzen 7 4700U 13861
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Ryzen 5 4500U 12126
Core i3-1115G4
メモリDDR4-3200
11487
Core i7-1065G7 11084
Ryzen 3 4300U 9800
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しており高速です。ただし、PCIe-NVMe SSDにしてはそこまで速くもありませんでした。なお、容量によっても速度は変わってきます。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
256GB PCIe SSD
(WD SN530)
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
 PCIe Gen3 SSD 3500
2484
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

microSDカードスロットを搭載しており、アクセス速度も非常に速いです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

その他のベンチマーク

他の機種で計測した数値ではありますが、実際のソフトの処理時間、フォートナイトやApexなどのゲームのフレームレートなどについては、下のリンク先をご覧ください。機種によってスコアにバラつきはありますが、傾向は分かると思います。

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートを利用して、純正以外の充電器やドックが使えるかを試しました。

3つのUSB-Cポート全てが、DisplayPort、Power Deliveryに対応しています。また、左側面に配置されている2つのUSB-Cポートは、Thunderbolt 4にも対応しています。

カバンに小型のUSB-C充電器を入れておくと、外出時でも安心感があります。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
61W RAVPower GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower GaN充電器
18W cheero充電器 ×
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
Philips 258B6QUEB/11
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター

 

質量のチェック

XPS 13 (9305)の質量のチェックです。

メーカーサイトには、タッチ非対応モデルは「最小重量 1.16kg」とあります。13.3型のモバイルノートPCとしては、特別軽くはありませんが、無理なく持ち運びができる質量です。当サイトの計測値は下表の通りで、ほぼ仕様値と同じでした。

ACアダプターの重さは、少し重めです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.159kg
ACアダプター+電源ケーブル 315g

 

バッテリー駆動時間のチェック

XPS 13 (9305)のバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は、52Whでした。

バッテリー容量

 

バッテリー駆動時間は下の通りです。第11世代Coreプロセッサー搭載機種としては、やや長めの時間です。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1)メーカー仕様値 最大12時間
(2) PCMark 10 Modern Office 13時間40分
(3) 動画再生時
(4) PCMark 8 Work 4時間17分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業

 

当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。普通の充電速度だと思います。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
61%(約32Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPUの温度およびCPU電力の推移を確認します。

「最適化」モードでは、最初の150秒ぐらいまで、CPU温度が100℃前後に上がっていますが、その後、グッと温度が下がって、60℃台から80℃台で上下しています。

「超高パフォーマンス」モードでも、似たパターンではありますが、こちらの方が時間が経過した後のCPU電力が「最適化」モードよりもやや低めで推移し、それに伴ってCPU温度も60℃台~70℃台前後で変動しています。

どちらのモードでも、約30WのCPU電力では維持することができず、CPU電力が落ちています(クロックダウンしています)。今回、ダブルファンを搭載していますが、冷却性はそこまで高いとは言えません(悪いわけでもありません)。20W程度のCPU電力で動作するようにしても良かったのかなと思います。

  • 最適化時
  • 超高パフォーマンス時
CPU電力
CPU温度
CPU電力
CPU温度

 

静音性のチェック

XPS 13 (9305)の動作音(静音性)のチェック結果です。

「最適化」モードでの測定です。アイドル時はほぼ無音です。高い負荷がかかっても、低めの騒音値です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

こちらも「最適化」モードで測定しました。エンコードのような高負荷作業を行うと、パームレスト部分の温度もやや上がり、温かく感じます。ただ、カーボンの素材がいいのか、そこまで熱くは感じませんでした。

また、エンコードのような極端に高い負荷ではなく、Filmoraをプレビューしたときのような中程度の負荷の場合は、パームレスト部分はそれほど熱くならないので、問題なく使えると思います。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

Hシリーズではなく、UP3のTiger Lakeであるため、消費電力は低めです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

XPS 13 (9305)の外観のチェックです。

ボディは削り出しのアルミボディです。パームレスト部には、航空宇宙産業に使用される素材を参考にしたカーボンファイバーが採用されています。耐久性が高いだけでなく、高級感もあります。

 

天板は、マットな素材です。メタル感があり高級そうに見えます。

 

スピーカーは側面に配置されています。音質は悪くありません。ノートPC基準で、10点満点で採点すると6点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

 

Webカメラは1280x720の解像度で、画質は普通です。顔認証には対応していません。

 

指紋認証リーダーが電源ボタンに統合されています。

 

側面のポート類です。USB-C x3、microSDカードリーダーという構成で、種類は少ないです。通常のサイズのUSBを挿したい場合などは、変換アダプタ、もしくはドック類を使用する必要があります。

 

液晶が開く最大の角度です。

 

底面です。

 

底面カバーを外したときの画像は次のようになっています。

メモリはオンボードとなっており、交換や増設はできません。

 

今回、搭載されていたM.2 SSDはType 2230でしたが、Type 2280のSSDへも換装できそうです。

 

ACアダプターは、65Wでサイズはやや大きいです。コンセント側のケーブルが太いのがやや残念です。

 

まとめ

以上が、XPS 13 (9305)のレビューです。

なんといっても、あの高級ブランド「XPS 13」が9万円台で購入できるのが大きな魅力です。

今までのモデルは20万円近くしていましたが、今回発売された廉価版のXPS 13 9305は、約半分の価格で購入できてしまいます。

アルミボディとカーボンファイバーを採用し、コンパクトなボディで、見た目は上位モデルのXPS 13 9310とほとんど変わりません。剛性も高いので、安心して持ち運べ、外でも自信をもって使用することができます。

実用的なスペックですし、液晶も色域が広く、鮮やかな表示ができ、見やすいです。

ただし、質量は非常に軽いという訳ではありません。また、インターフェイスの種類も少ないですし、LTEにも対応していません。この辺りが気にならなければ、日常的に持ち運んで使用するモバイルノートPCとして、使いやすく、購入しやすい機種だと思います。

あのXPS 13が9万円台(税込)~

XPS 13 (9305)

特徴

  • 高級感ある見た目でも、9万円台からと安い
  • ボディがコンパクト
  • 100% sRGBクラスの見やすい液晶を搭載

こんなあなたに

  • 外でも堂々と使えるモバイルノートPCが欲しい方
  • XPS 13が高くて諦めていた方
  • 価格9万円台[税込]~
公式サイトはこちら

 

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