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レノボ Yoga 650 (AMD)の実機レビュー
CPU | Ryzen 7 5700U Ryzen 7 4700U Ryzen 5 5500U Ryzen 5 4500U |
---|---|
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 13.3インチ |
液晶種類 | FHD 広視野角 |
質量 | 約1.32kg |
バッテリー | 最大 約19.8時間 |
価格[税込] | 8万円台~ |
Yoga 650は、Ryzen 4000/5000シリーズを搭載した2 in 1モバイルPCです。
60Whの大容量バッテリーを搭載しており、外出先でのライトなクリエイティブ作業や、ストリーミングなどにも使用できると思います。
天板はファブリック素材でカバーされており、外見も特徴的です。手になじむので、日常的に持ち歩いての使用に適しています。
液晶の色域も広めで、ペンも使用でき、モバイルPCとしてなかなか使いやすい機種だと思います。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 5 4500U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「Yoga 650の特徴」のみお読みください。
Yoga 650 の特徴
ファブリック素材で包まれた天板
Yoga 650は、下の画像のように、天板がファブリック素材で覆われた、一風変わった作りです。また、エッジ部分には丸みがあります。布生地なので、触ってみると温かみがあり、手になじむため持ち運びがしやすいです。汚れたときのクリーニング方法が気になるところですが、天板部分なので、汚すことはそこまでないでしょう。
デジタルペンも使用できる
Yoga 650は、デジタルペンを使用できます。手書きメモや、スケッチをとることができ、2 in 1 PCとしての使用の幅が広がります。ペンは最初から付属しているので、すぐに使い始めることが出来ます。
大容量バッテリー搭載
Yoga 650は、60Whのバッテリーを搭載しています。これは、同サイズのコンバーチブル型モバイルPCの中でもトップクラスの大容量です。
この大容量バッテリーのおかげで、最大約19.8時間のバッテリー駆動が可能です。外出先で1日使用する場合でも、十分な駆動時間です。
なお、同時に発表された他のYogaシリーズは急速充電に対応していますが、Yoga 650のみ急速充電には非対応です。
広めの色域の液晶を搭載
Yoga 650の色域は、「100% sRGB」となっており広めです。ウェブコンテンツ作成作業や、ストリーミング動画の視聴などに適しています。なお、画面占有比は88%と高く、スッキリとして、見た目もいいです。
コンバーチブル型の2 in 1 PCで、8万円台~
Yoga 650は、コンバーチブル型の2 in 1 PCで、ディスプレイの色域も広く、ペンも付属していながら、価格は8万円台(税込)からと非常に安いです。しかも、Ryzen 3ではなく、Ryzen 5でこの価格です。
サイズの割にやや重め
Yoga 650の質量は、約1.32kgからとなっています。同サイズのコンバーチブル型モバイルPCと比較すると、やや重めの質量です。
システム手帳のような感覚でいつでも持ち歩くなど、できるだけ軽量な方がよければ、他機種も検討してみるといいでしょう。
インターフェイスはUSBのみ
Yoga 650は、インターフェイスとして、USB-A x2、USB-C x2を備えています。
左側のUSB-Cポートは、フルファンクション(Power Delivery、DisplayPort 1.4対応)、右側のUSB-Cポートは、DisplayPort対応ですがPower Deliveryには非対応となっています。また、どのUSB-CポートもThunderboltには対応していません。
ライバル機種の紹介
Yoga 650と同じように、Ryzenプロセッサーを搭載したコンバーチブル型2 in 1 PCの「HP ENVY x360 13」と比較してみます。
HP ENVY x360 13は、Ryzen 4000Uシリーズ搭載、100% sRGBの広色域、ペンの使用も可能な点など、Yoga 650と非常に似た機種です。HP ENVY x360 13の方が、よりコンパクトで、質量も軽いです。ただ、バッテリーはYoga 650の方が大容量です。
一方、Yoga 650は、同等構成にした場合に、HP ENVY x360 13よりも1~2万円ほど安く、しかもペンも付属しており、コストパフォーマンスは非常に高いです。
ディスプレイのチェック
Yoga 650のディスプレイのチェックです。パネルは、「AUO B133HAN05.F」でした。
色域が比較的広く見やすい液晶だと思います。最大輝度は、当サイトの計測では364cd/m2と高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Yoga 650のキーボードは、他のIdeaPadシリーズと同様に普通の打ちやすさです。
1つのフレームに2つのキーが入っている箇所もあり、見た目は悪いです。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
Yoga 650のパフォーマンスのチェックです。
CPU
Ryzen 4000シリーズのプロセッサーを搭載しており、一般ユーザーには十分な性能です。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しこちらも十分な速度です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
クリエイターソフトの処理時間
以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。
今回、メモリが8GBであったため、書き出し時間は速くありませんでした。16GBメモリのモデルであれば、もっと速く終わります。なお、現像処理自体は、比較的快適でした。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
比較的重い機能を実行したときの処理時間を下に掲載します。新機能のニューラルフィルターはやや時間がかかっていましたが、それ以外はそこまで遅くは感じません。これ以外の軽いフィルターであれば、ほとんど待たされることなく(1秒程度で)処理が完了します。
処理時間 | |
ニューラルフィルター | 約4秒 |
コンテンツに応じた塗りつぶし | 約7秒 |
被写体を選択 | 約5秒 |
スマートシャープ | 約1.5秒 |
従来、Ryzen 4000シリーズは、4K動画の書き出しがかなり遅く、下のテストだと1時間以上もかかっていました。しかし、今回テストしたところ、ソフトもしくはドライバー側で改善されたようで、妥当な時間に改善されていました。ただし、4K/30fps、10分の動画の書き出しに20分以上もかかっているため、4K動画の編集はあまりおすすめしません。
FHD動画の編集であれば、書き出し時間も待てる程度で、カット編集やエフェクトを追加しても、それほど重くは感じませんでした。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートの動作確認結果です。
Thunderboltは非対応、Power Delivery、DisplayPort出力は対応しています。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
18W cheero充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | ○ | ○ | ○ |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※2 低速の充電ケーブルであるという警告が表示されるが充電は可能
HDMIの動作チェック
HDMIポートは搭載されていません。
バッテリー駆動時間のチェック
Yoga 650のバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は約60Whとかなり大きい容量です。バッテリー駆動時間は下の通りで、長い駆動時間です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約19.8時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 16時間39分 |
(3) 動画再生時 | 12時間50分 |
(4) PCMark 8 Work | ― |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は大きく変わります。
静音性のチェック
Yoga 650の動作音(静音性)のチェック結果です。
Filmoraで動画をプレビューしたときのような、中程度の負荷のとき、騒音値がやや高めかなと思いました。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
ここでは、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時の温度のみを掲載します。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
最初のブースト期間を除くと、70℃台で推移しており、問題ないかと思います。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
キーボード面は普通の温度です。裏面は一部熱くなっているところがあるので、膝の上に置いて作業をするときは、火傷に気を付けましょう。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
モバイル向けプロセッサーであるため、低めの消費電力です。
外観のチェック
Yoga 650の外観のチェックです。
ボディはブルー系のカラーです。
天板はファブリック素材で覆われており、見た目が良く、移動するときに持ちやすいです。
スピーカーはキーボードの左右にあります。音質は、ノートPC基準で10点満点で採点すると5~6点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
ウェブカメラは1280x720の解像度で、画質は普通です。なお、顔認証には対応していません。ウェブカメラには、プライバシーシャッターを備えています。
パームレスト部の右側に指紋センサーを備えており、指紋認証でのWindowsログインができます。
ボディは17mmと薄型です。
側面のインターフェースは、USB-C、USB-A、 オーディオ端子、電源ボタンのみです。なお、無線規格は、Wi-Fi 6に対応しています。
ヒンジが360度回転する2 in 1 PCであるため、下図のような形状や、タブレットの形状で使うことができます。
底面の画像です。
ACアダプターは45Wです。サイズは大きめで、電源ケーブルも太いです。
まとめ
Yoga 650は、Ryzen 4000Uシリーズを搭載した13型の2 in 1モバイルPCです。コンバーチブル型なので、場所や用途に合わせて変形して使用でき、幅広く使用することができます。
天板にはファブリック素材を採用しており、温かみがあり、手になじむデザインなので、いつも持ち運びするモバイルPCとして、愛着がわきそうです。
さらに、大容量バッテリー、広色域の液晶、デジタルペンを使用可能という特徴もあります。モビリティも高めで、ライトなクリエイティブ作業にも使用できます。
価格も8万円台からと安いです。ライバル機種であり、人気のHP ENVY x360-ayよりも、1~2万円も安く売っているため、コストパフォーマンスは非常に高いと思います。
モバイルノートとして使うにはちょっと重いですが、主に自宅で使用してたまに持ち出す方や、車での移動が多い方などは、この重さ(約1.32kg)でもそれほど気にはならないでしょう。
天板がファブリック素材の2 in 1 PC
Yoga 650 (AMD)
特徴
- Ryzen 4000/5000の高い処理性能
- 60Whの大容量バッテリー
- ファブリック素材を使用したデザイン
- ペン付属
こんなあなたに
- 他とは少し異なるデザインのPCがいい
- ペンを使いたい方
- 価格8万円台[税込]~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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