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HP ENVY x360 13-ay (AMD) の実機レビュー
【PR】【貸出機材提供:株式会社日本HP】
CPU | Ryzen 5 5600U Ryzen 7 5800U |
---|---|
メモリ | 8G / 16GB |
ストレージ | 256GB ~ 1TB PCIe SSD |
液晶サイズ | 13.3インチ |
液晶種類 | FHD IPS 光沢 |
質量 | 約1.25kg |
バッテリー | 最大 約15時間(51Wh) |
価格[税込] | 9万円台~ |
HP ENVY x360 13は、アルミニウムを採用し、デザインが素敵な2 in 1 PCです。
さらにAMD Ryzen 5000 (U)シリーズプロセッサーを搭載しており、処理性能がしっかり高いことも特徴です。
ディスプレイの色域も比較的広く、アクティブペンにも対応し、クリエイティブワークにも使えるでしょう。
質量はそこまで軽くはないものの、ボディはコンパクトで、バッテリー駆動時間も長く、モバイルノートPCとして十分使えます。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 7 5800U、16GBメモリ、1TB PCIe SSD
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目次
お忙しい方は、「ENVY x360 13の特徴」のみお読みください。
HP ENVY x360 13の特徴
高級感あるボディ
HP ENVY x360 13は、アルミニウムを採用した高級感のあるボディが特徴の2 in 1 PCです。強度が高く、傷も付きにくく、そして美しいボディです。
Ryzen 5000シリーズ搭載で高い処理性能
今回、Ryzen 7 5800Uを搭載したモデルをテストしていますが、モバイル向けプロセッサーの中では、かなり高いマルチコア性能でした。インテルのCore i7-1165G7の約2倍のベンチマークスコアです。インテルCPUの中では、上位モデルのCore i7-1195G7よりも約1.4倍も高いスコアです。CPUに負荷のかかる処理を行う場合は、非常に速いでしょう。
ただ、シングルコア性能については、インテルのプロセッサーのほうが優れており、どの処理もRyzen 7 5800Uのほうが優れているというわけではありません。
sRGBカバー率は約100%で見やすい
HP ENVY x360 13のディスプレイは、色域が比較的広いため、画像などが綺麗に表示されます。例えば、ディスプレイのせいで、ショッピングサイトの洋服の画像が実際よりもくすんで見えたりなど、そういったことがありません。ただ、光沢液晶なので、周囲の物が映り込みます。大学やカフェなどで使用していると、自分の顔が後ろの人に見えてしまうことがあるかもしれません。
変形できる2 in 1 PC
HP ENVY x360 13 は、タブレットにも変形できる2 in 1 PCです。用途に応じて以下のように形状を変えることができます。オンライン授業を聞きながら、手元にノートを広げて使うようなときは、図の右上や右下のスタイルで使うと便利ですし、ペン入力するときは、左下のタブレット形状にすると便利です。
アクティブペンも使える(別売り)
HP ENVY x360 13は、アクティブペンも使用できます。ただし、ペンは別途購入する必要があります。
HPから、いくつかペンが販売されていますが、「HP MPP アクティブペン」なら4096段階の筆圧検知および傾き検知に対応しています。マグネットも内蔵しており、液晶の端に吸着させることも可能です。電池式ではなく充電式で、USB-Cケーブルで充電できます。
WindowsのPCとしては描きやすいですが、斜めの線を描いたときに波打つ現象(ジッタ―)は発生します。また、好みの問題でもありますが、iPad ProのApple Pencilのようにペン先の感触が固く、滑りやすいのが気になりました。
なお、Microsoft Pen プロトコルの方式を採用したペンであれば、基本的には他のペンも使用できます。試しにBAMBOO Ink PlusとSurfaceペンを使ってみましたが、問題なくスケッチできました。柔らかいタッチが良ければ、HP MPP アクティブペンではなく、Surfaceペンなどを購入するのも良いでしょう。
質量は軽くないが・・・
最近は、1kgを切るようなモバイルノートが増え、HP ENVY x360 13の質量は、決して軽い方ではありません。ただ、十分、持ち運びできる軽さだとは思います。
やや残念なポイント
やや残念なポイントとしては、HDMIポートがありません。また、USB-CポートはThunderboltに対応していません。EnterキーやBackspaceキーが本体の端にないのも、嫌がる方はいると思います。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 十分なスペックで、画面も見やすいため快適に作業できます。ただし、光沢液晶なので、角度によっては、照明などが映り込み見づらいときがあります。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | ディスプレイの表示が綺麗で、スピーカー音も比較的いいので、動画鑑賞は快適です。 |
RAW現像 画像編集 |
◎ | 処理性能の高いCPUに、sRGBカバー率 100%の色域のディスプレイを搭載しており、RAW現像や画像編集もできるでしょう。ただ、Adobeのソフトは、Ryzenプロセッサーで処理するとやや遅いです。Adobeソフトを使うならインテルプロセッサーのほうが無難だと思います。 |
動画編集 | △~○ | FHD動画の編集なら出来ると思いますが、PCへの負荷は高めです。また、4K動画の編集をするなら、外部GPUを搭載した製品がいいと思います。 |
ゲーム | △ | 内蔵グラフィックスの性能が比較的高いので、軽めのゲームならできるでしょう。ただし、少し重いゲームだと高いフレームレートは出ませんし、ディスプレイも高リフレッシュレートに対応しているわけではありません。ゲームをするなら、ゲーム向けのノートPCがおすすめです。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイのチェックです。
視野角が広く、色域も広く比較的見やすいディスプレイです。ただし、光沢液晶である点は、好みが分かれると思います。最大輝度は、当サイトの計測では417cd/m2とやや高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
HP ENVY x360 13キーボードのチェックです。
「enter」キーの右隣に「home」や「pg up」などのボタンがある点が、気になる方もいると思いますが、enterキーは十分な大きさがあるので、実際にタイピングしてみても特にenterキーをタイプミスすることはありませんでした。backspaceキーがやや小さいため、たまに隣のキーと押し間違えることがありますが、指が慣れればそれも無くなると思います。
メーカー仕様表では、キーピッチ : 約19.0×19.0mm、キーストローク : 約1.3mmとなっています。キーストロークが浅いものの、しっかりとした打鍵感はあります。キートップはほぼフラットで、打ちやすいとは言いませんが、普通に打てるキーボードだと思います。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
本製品は、下図のようにモードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「最適」と「パフォーマンス」で計測したベンチマークスコアを掲載します。
CPU
Ryzen 5000シリーズプロセッサーを搭載しており、高い処理性能です。今回、Ryzen 5 4500Uを搭載していますが、Core i7-10710Uとほぼ同じスコアです。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
メモリはDDR4-3200のデュアルチャネルです。実測ではそこまで速くはありませんでした。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア
グラフィックス
CPU内蔵のグラフィックスとしては、比較的高い性能です。ただし、ゲームをしたり動画編集をするなら、外部グラフィックスを搭載した製品をおすすめします。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
今回、1TB SSDを搭載していますが、シーケンシャルリードが3500MB/sを超えており、高速でした。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
micro SDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は普通です。
クリエイターソフトの処理時間
以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。
LightroomとRyzenプロセッサーはあまり相性が良くないので、書き出しは遅いです。ただ、画像を1枚ずつ、明るさを変えたり、彩度を変えたりする処理自体は、遅くは感じないので、ストレスなく使えるのではないかと思います。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
ニューラルフィルター処理は結構時間がかかっていますが、こういった特殊な処理をしなければ、普通に使えると思います。こういった処理をするなら、外部GPUを搭載したモデルがいいでしょう。
処理時間 | |
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) | 約7秒 |
ニューラルフィルター(スーパーズーム(x2)) | 約2分31秒 |
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) | 約4分44秒 |
スーパー解像度 | 約19秒 |
Adobe Premiere Proも、Ryzenプロセッサーとの相性はあまり良くなく、そこまで速くありません。ただ、FHD動画のかんたんな編集であれば、出来ないこともありません。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
CPUのみで実行するx265エンコードは、モバイル向けプロセッサーとしては高速です。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cポートの動作テストは次の通りです。
Thunderbolot 3には対応していませんが、Power Deliveryおよび映像出力には対応しています。当サイトのテストでは、45W以上のPD充電器は使用できました。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | 〇 | 〇 | 〇 |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | × | × | |
PD充電器 ※1 |
65W ZHOULX充電器 | 〇 | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | 〇 | ― | ― | |
30W RAVPower充電器 | × | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | 〇 | 〇 | ― |
※2Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
本製品はHDMIポートはありません。外部モニターに接続する場合は、USB-Cポートを使用して下さい。
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトには「約1.25kg」とあり普通です。当サイトの計測値は下表の通りです。モバイルノートPCとしては軽くありませんが、カバンへ入れて持ち運んでも、それほど苦にならない質量です。
質量 | |
PC本体 | 1.262kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 293g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は51Whです。
バッテリー駆動時間は下の通り長めです。
バッテリー駆動時間 | |
(1) MobileMark 2018 | 最大 15時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 14時間45分 |
(3) 動画再生時 | ― |
(4) PCMark 8 Work | 10時間49分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
1時間で約70%充電できました。比較的速いと思います。
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラも、もちろん搭載されています。また、カメラ機能のオン/オフを切り替えるプライバシースイッチも搭載されています。
解像度は1280x720(約92万画素)で、広角気味のレンズです。ノートパソコンに搭載されるWebカメラとしては、一般的な性能かと思います。
スピーカー
スピーカーは、両側面の斜めになった部分に、Audio by Bang & Olufsenのスピーカーが搭載されています。音質も比較的良く、ノートPC基準で10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
CPU温度はやや高めですが、問題ない範囲だと思います。
- 最適時
- パフォーマンスモード時
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。高い負荷がかかっても、やや低めの騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
高い負荷をかけると、全体的に暖かくなりますが、それほど気にはなりません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
モバイル向けのプロセッサーなので、消費電力はそこまで高くはありません。
外観のチェック
ENVY x360 13の外観の画像を見ていきます。
アルミニウム素材のボディで、高級感があります。ナイトフォールブラックというカラーで、ややブラウンが混じったような色になっています。
天板にはHPのロゴが入っていますが、素敵なデザインなので、邪魔には感じません。
薄いボディです。排気口は背面にあります。背面側に物をくっつけないように注意しましょう。
指紋認証装置も搭載されています。
HP ENVY x360 13のインターフェースはご覧の通り少なめです。フルサイズのUSBポートは下に押し下げて挿すタイプですが、PC本体を床から浮かせることなく接続できます。
液晶は360度回転するため、下図のように相手側に画面を見せることももちろん可能です。
底面はネジなどが少なく綺麗です。
底面カバーを外すには、正面側にある2つのネジをT5トルクスドライバーで外す必要があります。さらに、背面側のゴム足の下に3つネジがあるので、それも取る必要があります。また、爪がやや固いので外しにくいです。
下の画像は、旧モデル(13-ay0000)の内部の画像です。ただ、現行モデルもほぼ変わらないと思います。メモリはオンボードですので増設や換装はできません。
ACアダプターは65Wです。角が丸くなっているので持ちやすいですが、電源ケーブルは太いです。
まとめ
HP ENVY x360 13は、アルミニウム素材を採用し高級感のある見た目で、10万円台で買えるコンバーチブル型PCです。
コンパクトボディでありながら、AMD Ryzen 5000 (U)シリーズの高い処理性能を備えている点や、この安さでsRGBカバー率100%のディスプレイを搭載しているのも特徴です。
4096段階、傾き検知のペンにも対応しており、イラストも描きやすいです。
1台のPCを、メイン兼モバイルPCとして使用し、なおかつ、ペン入力もしたい、しかも処理性能も妥協したくない、という欲張りな願いを満たしてくれる機種だと思います。
ただし、質量はそれほど軽くはありません。と言ってもそれほど重いわけではなく、十分持ち運びできる質量だと思います。
HDMIポートが無い点はご注意下さい。またEnterキーとBackspaceキーが端にないので、ここも問題ないか確認しておくといいでしょう。
当サイト向け特別クーポンで安く購入可能
当サイト向けの特別クーポンを利用することで、日本HPパソコンを、通常よりも安く購入することが可能です(132,000円以上の製品が対象)。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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