GeForce GTX 1660Ti のベンチマーク

更新日:2019年3月1日

NVIDIAから発表された最新GPUである、「GeForce GTX 1660Ti」が、2019年2月22日より発売となりました。ここでは、ZOTAC製の「GAMING GeForce GTX 1660 Ti 6GB GDDR6 」のグラフィックカードを用いて、ゲームのベンチマーク(フレームレート)などを計測した結果を掲載します。

目次

GeForce GTX 1660Tiのスコア結果【概要】

GeForce GTX 1660Ti の性能は GTX 1070に近い

お忙しい方のために、GeForce GTX 1660Tiの3DMark Time Spy(Graphics score)のベンチマークスコア結果を先に掲載します。

ベンチマークや設定内容にもよりますが、GeForce GTX 1660Tiは、従来モデルのGTX 1060 6GBと比較した場合、およそ1.5倍ほどスコアが上昇しています。また、GeForce GTX 1070のスコアに近く、NVIDIA公式ページにおいても『GTX 1070に匹敵』と記載されているので、GeForce GTX 1660Tiの性能は、GTX 1070とほぼ同等と考えていいでしょう。

価格も、4万円前後(2月28日現在)で購入できるので、ミドルクラスでグラフィックカードの買い替えを考えている方は、この「GeForce GTX 1660Ti」はベストな選択だと思います。今後ミドルクラスという位置づけでは、GTX 1660Tiが主流になってくると思われます。

3DMark Time Spy - Graphics score
RTX 2080Ti 12388
RTX 2080 10602
GTX 1080Ti 8958
RTX 2070 8605
RTX 2060 7302
GTX 1080 6957
GTX 1070Ti 6794
GTX 1660Ti 6064
GTX 1070 5824
GTX 1660 5402
GTX 1060 6GB 4119
GTX 1060 3GB 3678
GTX 1050Ti 2173
GTX 1050 1787
※当サイトの計測値

 

GeForce GTX 1660Ti の仕様

ミドルクラス界の新星 GeForce GTX 1660Tiとは?

GeForce GTX 1660Tiの仕様を掲載します。下記の表は性能順で並べています。

新世代GPUであるRTXシリーズが次々と発売されている中、なぜ今、GTXシリーズの新ミドルクラスを発売したのか?という疑問が多いところ。

GTX 1660Tiは、GTXシリーズと言いつつも、GPUアーキテクチャを見ると、RTXシリーズと同じ「Turing」世代となっています。ただし、RTコアとTensorコアがないので、RTXシリーズ独自の映像技術である、リアルタイムレイトレーシングとDLSSには対応していないというのが、GTX 1660Tiの特徴です。

つまり、「RTXシリーズのようなリアルタイムレイトレーシングとDLSSは機能はいらないから、安価で高性能なミドルクラスのグラフィックカードが欲しい」という声に答えたのが、本製品なのだと思います。

スペックでは、GTX 1070と比較すると、メモリ容量が少なくなっていますが、GDDR6なので速度は速いです。また、定格クロックはほとんど差がないものの、ブーストクロックはやや上がっており、TDPも低いです。

グラフィックカードの仕様の比較
  GeForce
GTX 1660Ti
GeForce
GTX 1070
GeForce
GTX 1060(6GB)
コードネーム TU116 GP104 GP106
GPUアーキテクチャ Turing Pascal
CUDAコア 1536基 1920基 1280基
RTコア
Tensorコア
定格クロック 1500 MHz 1506 MHz 1506 MHz
ブーストクロック 1770 MHz 1683 MHz 1708 MHz
メモリタイプ GDDR6 GDDR5
メモリ容量 6GB 8GB 6GB
TDP 120W 150W 120W
※RTコア・・・レイトレーシングに最適なコア
※Tensorコア・・・AIで用いられるディープラーニングに最適なコア

 

テスト環境

テストに使用したグラフィックカード

今回使用したグラフィックカードはZOTAC製の「GAMING GeForce GTX 1660 Ti 6GB GDDR6 」です。デュアルファン仕様のコンパクトモデルとなっており、グラフィックカードの全長は約173.4mm、高さは約35.3mmと、小柄です。また、「FireStorm」というソフトを使えば、オーバークロックやファンコントロールも可能となっています。


「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1660 Ti 6GB GDDR6」製品情報

 

グラフィックカードの正面と背面です。デュアルファンの外装はプラスチック製、背面はむき出しです。

 

映像出力端子はDisplayPort x 3 (v1.4) 、 HDMI 2.0b x 1 となっています。USB Type-Cはありません。

補助電源には8ピンコネクタを1本使用します。

 

コンパクト設計なので、小柄で軽量です。

 

GPU-Zの結果は、次のようになっています。

 

テストに使用したPCとグラフィックカード装着

使用したPCはサイコムの「G-Master Spear Z370」です。品質と信頼性の高いゲーミングPCです。
「サイコム G-Master Spear Z370」 の実機レビュー
「サイコム G-Master Spear Z370」 の製品ページ

 

ケースはCoolerMaster製のミドルタワーケース「CM690III」を使用しています。

 

グラフィックカードを取り付けた「CM690III」のケース内部の画像を下に掲載します。グラフィックカード自体が省スペースモデルなので、右の2.5インチシャドウベイが干渉することはありません。

重量も重くないので、自重で傾くことはありません。

 

電源を入れるとLEDが点灯するなどのギミックはありません。

 

ゲームベンチマークスコア

GeForce GTX 1660Tiのゲームのベンチマークスコアを掲載します。

重い部類のゲーム

重い部類のゲームでは、1920x1080の解像度の場合、ゴーストリコン ワイルドランズ以外はいずれも60 fpsを超える高いベンチマークスコアです。フルHD/60Hzの液晶でプレイするなら、ほとんどのゲームが、最高のグラフィック設定でプレイできると思います。フルHD/高リフレッシュレートの液晶でプレイするなら、もう少し上位のビデオカードがいいと思います。

重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
1920x1080 軽量品質 11832 / 118 fps
標準品質 8998 / 90 fps
高品質 6814 / 68 fps
2560x1440 軽量品質 8226 / 82 fps
標準品質 6040 / 60 fps
高品質 4834 / 48 fps
3840×2160 軽量品質 4474 / 44 fps
標準品質 3142 / 31 fps
高品質 2638 / 26 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、高品質)
RTX 2080Ti 120 fps
RTX 2080 109 fps
GTX 1080Ti 102 fps
RTX 2070 94 fps
GTX 1080 82 fps
RTX 2060 79 fps
GTX 1070Ti 77 fps
GTX 1070 69 fps
GTX 1660Ti 68 fps
GTX 1660 60 fps
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
1920x1080 最低 137 fps
94 fps
最高 78 fps
2560x1440 最低 100 fps
63 fps
最高 51 fps
3840×2160 最低 53 fps
34 fps
最高 26 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高)
RTX 2080Ti 120 fps
RTX 2080 113 fps
GTX 1080Ti 109 fps
RTX 2070 95 fps
GTX 1080 86 fps
RTX 2060 85 fps
GTX 1070Ti 80 fps
GTX 1660Ti 78 fps
GTX 1070 70 fps
GTX 1660 68 fps
重い部類のゲーム
ゴーストリコン ワイルドランズ
1920x1080 135 fps
90 fps
ウルトラ 51 fps
2560x1440 101 fps
66 fps
ウルトラ 39 fps
3840×2160 58 fps
36 fps
ウルトラ 23 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、ウルトラ)
RTX 2080Ti 87 fps
RTX 2080 77 fps
GTX 1080Ti 72 fps
RTX 2070 66 fps
GTX 1080 61 fps
RTX 2060 58 fps
GTX 1070Ti 56 fps
GTX 1070 52 fps
GTX 1660Ti
51 fps
GTX 1660 45 fps
重い部類のゲーム
モンスターハンター ワールド
1920x1080 130 fps
83 fps
最高 60 fps
2560x1440 118 fps
53 fps
最高 38 fps
3840×2160 74 fps
33 fps
最高 20 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、ウルトラ)
RTX 2080Ti 115 fps
RTX 2080 100 fps
GTX 1080Ti 90 fps
RTX 2070 82 fps
GTX 1080 70 fps
RTX 2060 69 fps
GTX 1070Ti 69 fps
GTX 1660Ti 60 fps
GTX 1070 60 fps
GTX 1660 53 fps

 

中程度の重さのゲーム

中程度の重さのゲームでは、2560x1440の解像度でも、60 fpsを超えるゲームが多いです。WQHD/60Hzの液晶にちょうどいいのではないかと思います。フルHD/高リフレッシュレートの液晶でも、やや高めのグラフィック設定でプレイできると思います。

中程度の重さのゲーム
バトルフィールドV
1920x1080 141 fps
96 fps
最高 88 fps
2560x1440 102 fps
72 fps
最高 67 fps
3840×2160 56 fps
40 fps
最高 31 fps
他のグラフィックスとの比較(2560x1440、最高)
RTX 2080Ti 132 fps
RTX 2080 112 fps
GTX 1080Ti 104 fps
RTX 2070 96 fps
GTX 1080 83 fps
RTX 2060 80 fps
GTX 1070Ti 77 fps
GTX 1070 68 fps
GTX 1660Ti 67 fps
GTX 1660 57 fps
中程度の重さのゲーム
ファークライ ニュードーン
1920x1080 低品質 115 fps
高品質 98 fps
最高品質 89 fps
2560x1440 低品質 84 fps
高品質 73 fps
最高品質 68 fps
3840×2160 低品質 44 fps
高品質 38 fps
最高品質 36 fps
他のグラフィックスとの比較(2560x1440、最高品質)
RTX 2080Ti 98 fps
RTX 2080 94 fps
GTX 1080Ti 92 fps
RTX 2070 89 fps
GTX 1080 81 fps
RTX 2060 79 fps
GTX 1070Ti 76 fps
GTX 1660Ti
68 fps
GTX 1070 68 fps
GTX 1660 59 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 紅蓮のリベレーター
1920x1080 標準(デスク) 19712 / 145 fps
高(デスク) 16034 / 110 fps
最高品質 15059 / 101 fps
2560x1440 標準(デスク) 17520 / 122 fps
高(デスク) 11775 / 78 fps
最高品質 10097 / 67 fps
3840×2160 標準(デスク) 11829 / 80 fps
高(デスク) 5801 / 38 fps
最高品質 4869 / 32 fps
他のグラフィックスとの比較(2560x1440、最高品質)
RTX 2080Ti 120 fps
RTX 2080 108 fps
RTX 2070 93 fps
RTX 2060 80 fps
GTX 1660Ti
67 fps
GTX 1660
57 fps

軽い部類のゲーム

軽い部類のゲームでは、先日発売されたばかりのゲーム、「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE | 隻狼」で比較しました。このタイトルは最大フレームレートが60 fpsとなります。2560x1440の解像度でも、60 fpsを超えています。

軽い部類のゲーム
SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE
1920x1080 60 fps(最大)
60 fps(最大)
最高 60 fps(最大)
2560x1440 60 fps(最大)
60 fps(最大)
最高 60 fps(最大)
他のグラフィックスとの比較(2560x1440、最高)
RTX 2060 60 fps
GTX 1070Ti 60 fps
GTX 1660Ti
60 fps
GTX 1660
58 fps

3D Markのスコア

その他の3DMarkのスコアです。

3D Markのスコア
    GeForce
GTX 1070Ti
GeForce
GTX 1660Ti
GeForce
GTX 1070
Time Spy Score 6840 6243 6024
Graphics score 6794 6064 5824
CPU score 7471 7500 7482
Fire Strike Ultra Score 8977 3334 4214
Graphics score 9466 3126 4105
Physics score 18770 18581 18575
Combined score 4137 1928 2151
Fire Strike Extreme Score 8977 6937 7834
Graphics score 9466 7072 8121
Physics score 18770 18648 18493
Combined score 4137 3327 3679
Fire Strike Score 17442 14124 15375
Graphics score 19722 15656 17236
Physics score 18703 18581 18587
Combined score 8862 6747 7433
他のグラフィックスとの比較(Time Spy - Graphics score )
RTX 2080Ti 12388
RTX 2080 10602
GTX 1080Ti 8958
RTX 2070 8605
RTX 2060 7302
GTX 1080 6957
GTX 1070Ti 6794
GTX 1660Ti
6064
GTX 1070 5824
GTX 1660 5402
GTX 1060 6GB 4119

 

GeForce GTX 1660Tiを搭載できるおすすめのPC

現在、GeForce GTX 1660Tiを搭載できる、おすすめのBTOパソコンの紹介です。なお、価格はGeForce GTX 1660Ti搭載時のおおよその価格です。グラフィックス以外のパーツに何を選択するかによって、価格は変わってきます。

ドスパラ GALLERIA XT
CPU ~Core i7-9700KF
GPU GeForce GTX 1660Ti
価格 12万円台(税別)~

高性能グラフィックスが搭載可能で、拡張性が高く、細かなカスタマイズも可能なミドルタワーのゲーミングPC。

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