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デル Inspiron 16 (5620) の実機レビュー

更新日:
CPU Core i5-1235U
Core i7-1255U
メモリ 8GB / 16GB
ストレージ 最大 1TB PCIe SSD
液晶サイズ 16インチ 16:10
液晶種類 FHD+ 広視野角 非光沢
質量 約1.87kg
バッテリー 54Wh
価格[税込] 9万円台~
第12世代Core搭載の16型ノートPC

Inspiron 16 (5620)は、見やすく作業がしやすい画面比16:10の16型液晶と、最新の第12世代Coreが特徴となっているホームノートPCです。

CPUは、28Wではなく15Wで、しかもCore i7ではなくCore i5ですが、思った以上にパフォーマンスが高く、一般用途には十二分の性能でした。また、キーボードも比較的打ちやすいので、仕事用としても使いやすいです。

全体的なバランスがよく、価格も高くないので、多くのユーザーにおすすめできるホームノートPCだと思います。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i5-1235U、8GBメモリ (8GB x1)、256GB PCIe SSD

※一部のベンチマークは、メモリを16GB (8GB x2)にして実行しています

 

 

目次

お忙しい方は、「Inspiron 16 (5620)の特徴」のみお読みください。

 

Inspiron 16 (5620)の特徴

作業しやすい画面比16:10の16型ディスプレイ搭載

Inspiron 16 (5620)は、画面比16:10の16型ディスプレイを搭載した、新サイズのInspironシリーズノートPCです。

これまでホームノートPCとして標準的だった、画面比16:9の15.6型液晶(解像度:1920x1080)と比べると、解像度が1920x1200と、縦方向に少し長くなっています。縦方向の表示領域が増えたことで、WebブラウザやWordファイルのような、縦スクロールして使うアプリが使いやすくなりました。また、サイズも16型と大きめなので、文字も見やすいです。

液晶の色域(表現できる色の幅)は、sRGBカバー率61.9%と狭めで、クリエイティブな作業向きではありませんが、映り込みやフリッカーが抑えられており、一般用途には見やすく、作業しやすい液晶だと思います。

16:10の16型ディスプレイを搭載

 

第12世代Core Uシリーズだけど高いパフォーマンス

Inspiron 16 (5620)のもう一つの大きな特徴は、インテルの第12世代Coreプロセッサーを搭載していることです。

Inspiron 16 (5620)で選択できるのは、Core i5-1235UまたはCore i7-1255Uという「Uシリーズ」の第12世代Coreプロセッサーです。

ただし、「Pシリーズ」の第12世代Coreプロセッサーと比較すると、PBP(Processor Base Power)が低く、Pコア数も少なくなっています。

そのため、実際の処理性能はそこまで期待できないのかと思うかもしれませんが、ベンチマークテストでは、下のグラフのようにCore i5-1235Uでも、1世代前のCore i7-1195G7を超える高めのスコアが出ていました。

このレベルの処理性能であれば、一般用途だけでなく、少し負荷のかかる作業でも快適にこなせると思います。

CINEBENCH R23(マルチコア)
Core i7-1260P 9032
Core i5-1235U 7589
Core i7-1195G7 6594
CINEBENCH R23(シングルコア)
Core i7-1260P 1802
Core i5-1235U 1675
Core i7-1195G7 1634

 

16GBメモリ デュアルチャネル構成がおすすめ

Inspiron 16 (5620)には、8GBメモリと16GBメモリを搭載したモデルがあります。

今回は、メモリ8GBのモデルをチェックしましたが、8GB x1のシングルチャネル動作となるため、メモリ帯域が狭く、メモリスピードも遅くなります。一番影響があるのが、CPU内蔵グラフィックスがIntel UHDグラフィックスとなり、グラフィックス性能が低くなることです(下図のグラフィックスのスコアを参照)。

メモリ8GB シングルチャネル時

 

メモリが8GBの場合、2つあるメモリスロットの片方が空きスロットになっているため、メモリを増設し、16GB(8GB x2)のデュアルチャネル構成にしてみました。

2基のメモリスロット

 

メモリを16GBのデュアルチャネル構成にすると、メモリ帯域が広くなり、CPU内蔵グラフィックスも本来のIntel Iris Xeとして動作します。その結果、ベンチマークのグラフィックスのスコアも大きくアップしていました。

メモリ16GB デュアルチャネル時

 

一般的なWebブラウジングや、Officeソフトの使用などであれば、8GBメモリでもかもしれませんが、処理性能および容量の面で、できればデュアルチャネル構成の16GBメモリがおすすめです。

なお、今回行ったように、8GBメモリ搭載モデルを購入し、後から自己責任で8GBメモリを増設することもできますが、Core i5、Core i7のどちらのモデルでも、16GBメモリの構成を選択でき、価格もそれほど高くないので、購入時に16GBメモリを搭載しているモデルを選択することをおすすめします。ただ、Core i5の即納モデルはほぼ8GBメモリしかないのが残念です。

 

テンキーがない分ゆとりのあるサイズのキーボード

Inspiron 16 (5620)は、テンキーはありませんが、その分ゆとりのあるサイズのキーボードを搭載しており、タイピングがしやすいです。

下の比較画像を見ると分かるように、従来モデルのInspiron 15では、テンキーがある分、「enter」キーや、「backspace」キーといった頻繁に使用するキーのサイズが小さくなっていました。一方、Inspiron 16 (5620)では、「enter」キー、「backspace」キー、「shift」キーのサイズが大きくなっており、ブラインドタッチでも押し間違えることが少ないです。また、テンキーがない分、手をホームポジションに置いたときに、画面が体の正面にくるので、作業がしやすいです。

なお、経理などで、Excelなどに数字を入力する機会が多いという方は、外付けのテンキーを用意するといいでしょう。ノートPCに付属しているテンキーよりも、外付けのテンキーのほうが打ちやすいです。

15.6型のInspiron 15(enterやbackspaceキーなどが小さい)
Inspiron 16 (5620)(小さいキーがない)

 

指紋認証リーダー付きを選択可能

Inspiron 16 (5620)では、指紋認証リーダー付きの電源ボタンを搭載したモデルがあります。指紋認証リーダーを備えていれば、Windowsへのログインやスリープ解除を指紋認証で行うことができ、便利です。この製品では、IRカメラを搭載しておらず、顔認証には対応していないので、簡単にログインできる機能を使用したい場合は、指紋認証リーダーを搭載しておくといいです。

なお、確認したところでは、即納モデルでは、指紋認証リーダー付き電源ボタンを搭載しており、外すことはできません。一方、即納モデル以外では、指紋認証リーダーなしがデフォルトとなっており、必要な場合はカスタマイズ時に「電源ボタン 指紋認証リーダー付き」を選択する必要があります。

指紋認証リーダーはオプションの場合も

 

選べる2つのボディカラー

Inspiron 16 (5620)では、ぺブルグリーンと、プラチナシルバーという2色からボディカラーを選ぶことができます。

下の画像で、左がぺブルグリーン、右がプラチナシルバーとなります(プラチナシルバーは、サイズ違いの兄弟機種Inspiron 14 5420)。

プラチナシルバーの方が一般的なカラーだと思いますが、ぺブルグリーンも落ち着きがあるいい色です。仕事に使うような場合でも、どちらのカラーでも違和感なく使用できると思います。

左:ぺブルグリーン 右:プラチナシルバー

 

14型の兄弟機種との比較

デルでは、Inspiron 16 (5620)とほぼ同じスペック構成で、少し小さい14型サイズの兄弟機種Inspiron 14(5420)も発売されています。

この2機種の液晶サイズを比較すると、下の画像のようになります。

Inspiron 16とInspiron 14の液晶サイズ比較

 

Inspiron 14 (5420)は、サイズが一回り小さく、質量も軽いため、移動や収納時に扱いやすいです。やや文字などが小さくても構わず、室内で移動して使うことが多い方や、たまに外に持ち出すこともできる機種がいい方は、Inspiron 14 (5420)を選ぶといいです。同じ構成にしても、価格が少し安いのも嬉しい部分です。

Inspiron 16 (5620)は、画面が大きいので、文字が見やすいです。最近小さな文字が見えにくくなってきた方や、外に持ち出すことがない方などは、Inspiron 16 (5620)の方がより快適に使えると思います。

Inspiron 16 (5620)とInspiron 14 (5420)との比較
  [本機種]
Inspiron 16
(5620)
[兄弟機種]
Inspiron 14
(5420)
画像
CPU Core i5-1235U
Core i7-1255U
メモリ 8GB / 16GB
ストレージ 最大1TB SSD
液晶 16型 FHD+ 14型 FHD+
質量 約1.87kg 約1.54kg / 1.55kg
価格[税込] 9万円台~ 8万円台~
代表的な構成での価格比較
  [本機種]
Inspiron 16
(5620)
[兄弟機種]
Inspiron 14
(5420)
CPU Core i5-1235U
メモリ 16GB
ストレージ 512GB SSD
その他 指紋認証センサー あり
価格[税込] 106,223円 97,093円

 

この他にも、Inspiron 16 (5620)や、Inspiron 14 (5420)と同じボディに、Ryzenプロセッサーを搭載し、7万円台から購入できる、Inspiron 16 (5625)や、Inspiron 14 (5425)という兄弟機種もあります。インテルCPUにこだわらず、コスパの高い機種が欲しい方は、こちらも検討してみるといいと思います。

 

各用途の快適度

Inspiron 16 (5620) の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
画面比16:10の16型液晶なので、Webページの閲覧や、Officeソフトでの作業がしやすいです。
動画鑑賞 液晶の色域が狭いため、やや色鮮やかさに欠けるものの、スピーカー音はまずまずで、快適に動画視聴できます。
オンライン会議 カメラ、マイク、スピーカーを備えており、AIによるノイズキャンセリング機能も搭載し、普通にオンライン会議が出来ます。
RAW現像
画像編集
色域が狭いので、画像編集への適性は低いです。ただし、メモリを16GBにし、外部ディスプレイに接続して使うのであれば、画像編集用途にも使用できると思います。
動画編集 △~○ メモリを16GBにすれば、FHD動画の簡単な編集には対応できそうです。ただ、動画編集がメインであれば、GeForce ○○といった外部グラフィックスを搭載した製品の方がおすすめです。
ゲーム こちらも外部グラフィックスを搭載した製品の方がおすすめです。ただし、ドラクエXなどの軽いゲームであれば、出来ないこともありません。その場合、メモリは16GBのデュアルチャネルメモリを搭載したモデルがいいです。

 

ディスプレイのチェック

Inspiron 16 (5620)のディスプレイのチェックです。

16型と大きめの、画面比16:10の液晶を搭載しています。一般的なFHD液晶よりも縦方向の表示面積が少し広いので、作業がしやすいです。色域は狭いですが、映り込みも抑えられており、フリッカーも発生していないので、一般用途にちょうどいい、見やすい液晶だと思います。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。なお、最大輝度は、当サイトの計測では237d/m2と普通です。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は狭いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は61.9%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、明部ではわずかに赤が強めに発色しています。ただ、一般的なユーザーはそれほど気にはならないでしょう。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いので見やすいです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶なので、画面への映り込みは抑えられています。ギラつきもほぼなく、見やすいです。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)の有無の確認結果です。どの輝度にしても、フリッカーはありませんでした。ちらつきで目が疲れることもありません。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Inspiron 16 (5620)のキーボードとタッチパッドのチェックです。

実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mm、キーストロークは約1.5mmでした。標準的なサイズで、キーの配置も比較的普通だと思います。テンキーはありませんが、その分ゆとりがあり、「enter」キーや、「半角/全角」キーなど、よく使うキーのサイズが大きいので、押し間違えることが少なく、ブラインドタッチがしやすいです。ただ、電源ボタンが右上に配置されているため、「delete」キーが「backspace」キーの真上ではなくなっているので、そこは慣れが必要です。

タッチパッドの使いやすさも普通です。ただし、クリックボタンがやや固めで、押すときに力が必要なので、外付けのマウスを使用した方が使いやすいです。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しているので、薄暗い場所でもタイピングがしやすいです。


バックライト

 

パフォーマンスのチェック

続いて、パフォーマンスのチェックを行います。

Inspiron 16 (5620)では、下図のようにサーマルモードを変更することが出来ます。ここでは、デフォルトの「最適化」と、最も高いパフォーマンスが出る「超高パフォーマンス」のモードで、CPUおよびグラフィックスのベンチマークスコアを確認します。


サーマルモード

 

CPU

Inspiron 16 (5620)は、Core i7-1255UもしくはCore i5-1235Uを搭載しています。これは、インテルの最新第12世代Coreの中では、PBP(Processor Base Power)が15Wと低く抑えられた、軽量薄型ノートPC向けのプロセッサーです。第12世代Coreの特徴である、Pコア(高性能コア)と、Eコア(高効率コア)を搭載していますが、Pコア:2コア、Eコア:8コアとなっており、一般ノート向けのPシリーズCoreプロセッサーよりも、Pコア数が少ないです。

今回は、Core i5-1235Uを搭載しており、ベンチマークでは以下のような結果となりました。Core i5-1235Uでも、1世代前のCore i7-1195G7と同等以上のスコアが出ており、高めの処理性能を備えていることが分かります。

なお、「最適化」モードでも一般用途に十分快適に使える高めの処理性能ですが、動作モードを「超高パフォーマンス」にすると、さらに高いスコアが出ており、パフォーマンスがアップしています。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i5-1235U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-12900H 19223
Core i9-12900HK 17767
Core i7-12700H 16389
Ryzen 7 6800H 13999
Ryzen 9 5900HX 13382
Core i9-11900H 13266
Ryzen 7 5800H 12604
Apple M1 Max/Pro
10コアCPU
12359
Core i7-11800H 11893
Core i7-1280P 11801
Ryzen 7 5825U 10040
Ryzen 7 5800U 9429
Ryzen 5 5600H 9255
Core i7-1260P 9032
Core i5-11400H 8514
Ryzen 5 5600U 8491
Ryzen 7 5700U 8445
Core i5-1240P 8409
Core i7-1255U 8300
Ryzen 5 5625U 8107
Core i5-1235U 7589 [超高パフォーマンス]
6487 [最適化]
Core i7-1195G7 6594
Ryzen 5 5500U 6250
Core i7-1185G7 6229
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-12900H 1920
Core i9-12900HK 1918
Core i7-12700H 1823
Core i7-1260P 1802
Core i7-1255U 1776
Core i5-1235U 1675 [超高パフォーマンス]
1590 [最適化]
Core i7-1280P 1664
Core i7-1195G7 1634
Core i9-11900H 1570
Apple M1 Max/Pro
10コアCPU
1531
Ryzen 7 6800H 1522
Core i7-1185G7 1517
Core i7-11800H 1511
Core i5-1240P 1483
Ryzen 9 5900HX 1463
Ryzen 7 5825U 1460
Core i7-1165G7 1447
Core i5-11400H 1442
Ryzen 7 5800H 1435
Ryzen 7 5800U 1429
Ryzen 5 5625U 1383
Ryzen 5 5600U 1369
Ryzen 5 5600H 1354
Core i5-1135G7 1294
Ryzen 7 5700U 1264
Ryzen 5 5500U 1185
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

メモリ

メモリは、DDR4-3200です。8GBメモリのモデルはシングルチャネル、16GBメモリのモデルはデュアルチャネルとなっています。

メーカー仕様に「シングルチャネルメモリ構成のPCでは、インテル Iris Xeグラフィックスはデフォルトでインテル UHDグラフィックスになります」とある通り、シングルチャネルだと帯域が狭くなります。

今回は、8GBのシングルチャネル構成なので、メモリ帯域が狭く、速度は遅くなります。できれば、メモリはデュアルチャネル構成の方がおすすめです。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
8GB(8GBx1)メモリ
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
DDR4-3200
シングルチャネル
15.39GB/s
12.28GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

Inspiron 16 (5620)のグラフィックスは、CPU内蔵グラフィックスです。

今回はメモリがシングルチャネルなので、ベンチマークのスコアはかなり低かったです。なお、メモリを増設してデュアルチャネルにすると、インテル Iris Xeグラフィックスとなり、スコアがアップしました。

特徴の部分でも書きましたが、画像や動画のライトな編集や、軽くゲームもしたいというような場合は、16GBメモリのデュアルチャネル構成になっているモデルを選ぶか、自己責任でメモリを増設してデュアルチャネルにするといいと思います。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Core i5-1235U(シングルチャネルメモリ)
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425
Core i7-1195G7
メモリLPDDR4X-4266
22853
Core i7-1280P
メモリDDR4-3200
21606
Core i7-1260P
メモリDDR5-4800
20478
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
18718
Ryzen 7 5800U
メモリLPDDR4X-4266
17020
GeForce MX330 16714
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
16093
Ryzen 7 5800U
メモリDDR4-3200
15531
Core i5-1155G7
メモリDDR4-3200
14917
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
14368
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Core i5-1235U
メモリDDR4-3200
※デュアルチャネル
13877
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Ryzen 5 5500U
メモリDDR4-3200
12154
Core i3-1115G4
メモリDDR4-3200
11487
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
Core i5-1235U
メモリDDR4-3200
※シングルチャネル
8997 [最適化]
8970 [超高パフォーマンス]
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen3 SSDを搭載しており、高速です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
256GB PCIe-NVMe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
 PCIe Gen3 SSD 3500
3421
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

フルサイズのSDカードスロットを搭載していますが、アクセス速度は遅いです。挿入時、SDカードの出っ張りがあります。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

その他のベンチマーク

Core i7-1255Uのその他のベンチマークスコアについては、こちらのリンク先をご覧ください。

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。

今回は、メモリが8GBのシングルチャネル構成でしたが、メモリを16GBのデュアルチャネル構成にしての計測も行いました。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

シングルチャネルメモリでは、RAW現像に長い時間がかかりましたが、メモリをデュアルチャネルにすると、Core i7-1165G7よりも速く書き出すことができました。RAW現像に使用する場合は、メモリを16GBのデュアルチャネル構成にすることをおすすめします。
また、ディスプレイの色域が狭いので、この用途に使用するのであれば、色域が広めの外部モニターに接続した方がいいです。

Core i7-12700H
16GBメモリ
46秒
Core i7-1280P
16GBメモリ
47秒
Core i7-11800H
16GBメモリ
53秒
Core i7-1260P
16GBメモリ
56秒
Apple M1 Max
10CPU/32GPU
56秒 (MacBook Pro 16)
Apple M1 Pro
10CPU/16GPU
56秒 (MacBook Pro 14)
Apple M1
16GBメモリ
66秒 (MacBook Pro 13)
Core i7-1195G7
16GBメモリ
66秒
Core i5-1240P
8GBメモリ
72秒
Core i7-1185G7
16GBメモリ
74秒
Ryzen 9 5900HX
32GBメモリ
76秒
Core i7-1255U
16GBメモリ
82秒
Core i5-1235U
16GBメモリ
※デュアルチャネル
84秒
Core i7-1165G7
16GBメモリ
89秒
Ryzen 7 5800H
16GBメモリ
93秒
Ryzen 7 5700U
16GBメモリ
100秒
Core i5-1235U
8GBメモリ
※シングルチャネル
129秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

メモリがシングルチャネルの場合、グラフィックス性能が低くなるため、FHDの書き出しにも非常に時間がかかりました。メモリを16GBのデュアルチャネル構成にすると、FHD動画の書き出しを実用的な時間で行うことができました。

FHD動画の書き出し
Core i7-1185G7
GTX 1650 Max-Q
2分10秒
Core i7-1185G7
MX450
2分28秒
Core i7-1185G7
Intel Iris Xe
3分33秒
Core i7-1260P
Intel Iris Xe
3分38秒
Core i5-1240P
Intel Iris Xe
4分1秒
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
4分6秒
Core i5-1145G7
Intel Iris Xe
4分40秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
4分41秒
Ryzen 7 4700U
Radeon Graphics
5分5秒
Core i7-1255U
Intel Iris Xe
5分25秒
Core i5-1235U
Intel Iris Xe
5分30秒
Ryzen 5 4500U
Radeon Graphics
5分57秒
Core i7-1160G7
Intel Iris Xe
6分14秒
Ryzen 3 4300U
Radeon Graphics
6分44秒
Core i7-1065G7
Intel Iris Plus
7分41秒
Core i5-1235U
Intel UHD
12分15秒
Core i7-10510U
Intel UHD
16分54秒
※ FHD/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるx265エンコード時間

CPUのみで実行するx265エンコードは、割と速いです。Core i7-1195G7よりも速かったです。

Core i7-12700H 7分50秒
Core i9-11900H 8分20秒
Ryzen 9 5900HX 8分26秒
Core i7-1280P 10分59秒
Ryzen 7 5825U 11分15秒
Core i7-1260P 12分43秒
Core i7-1255U 13分31秒
Core i5-1240P 14分19秒
Ryzen 7 5800U 14分35秒
Ryzen 7 5700U 15分05秒
Core i5-1235U 15分23秒
Core i7-1195G7 16分14秒
Core i7-1185G7 16分37秒
Core i7-1165G7 24分17秒
Core i5-1135G7 26分03秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートの動作チェックです。

USB-Cポートは、Thunderboltには対応していませんが、DisplayPort、Power Deliveryに対応しています。なお、本機器への給電に関しては、65W未満の出力だと「ワット数が不十分」という警告が表示されたので、PD充電器を使用する場合は、65W以上の出力のものを選ぶといいです。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック × ×
PD充電器
※1
91W RAVPower GaN充電器
65W Lenovo GaN充電器
61W RAVPower GaN充電器 ○ ※3
45W Lenovoウルトラポータブル ○ ※3
30W RAVPower GaN充電器 ○ ※3
18W cheero充電器 ○ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速充電ケーブルであるとの警告が表示

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、8ビット、RGBで表示出来ています。

4Kテレビ(ビエラ TH-55CX800)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーサイトには「最小重量:1.87kg」と記載されています。当サイトで計測した質量は次の通りで、仕様値よりも少し軽かったです。16型のホームノートPCとしては、そこまで重くありません。扱いやすく、室内での移動なども楽にできると思います。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.7901kg
ACアダプター 326g

 

バッテリー駆動時間のチェック

Inspiron 16 (5620)のバッテリー容量は54Whとなっており、やや多めです。

バッテリー容量

 

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。普通の駆動時間です。負荷の高くない一般的な用途であれば、バッテリー駆動である程度の時間使えると思います。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0
(2) PCMark 10 Modern Office 9時間6分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理

 

当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りで、普通です。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
47%(約25Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラには、メカニカル カメラ プライバシー シャッターが付いています。IRカメラは搭載していないので、Windows Helloの顔認証は使用できません。

Webカメラ

 

ウェブカメラには、30fpsで1080pのカメラを搭載しています。一般的なノートPCが搭載する720pのカメラよりも解像度が高いです。ノートパソコンのWebカメラとしては、やや品質質がいい方だと思います。

本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

1万円以上する外付けのLogicool StreamCam C980のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※撮影方法は上と同じ

 

スピーカー

スピーカーは、キーボード面の左右サイドに2W x2のスピーカーを搭載しています。音は比較的よく、ノートPC基準で点数を付けると、10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度など推移を確認します。

「最適化」モードでは、CPU電力が約20Wで落ち着き、そのまま推移しています。その間、CPU温度は約65℃前後と低めをキープしています。

「超高パフォーマンス」では、CPU温度が28W前後までアップしていますが、それでもCPU温度は74℃前後とそれほど高くない温度に収まっています。

パフォーマンス的には、一般用途であれば「最適化」モードでも十分だと思います。また、負荷のかかる作業を行う場合、「超高パフォーマンス」モードにしても、CPU温度を心配することなく使用できると思います。

  • 最適化時
  • 超高パフォーマンス時
CPU電力&CPU温度
CPU電力&CPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。なお、この「静音性」と次の「表面温度」、「消費電力」のチェックは、「最適化」モードで計測しています。

アイドル時はほぼ無音です。エンコードのような負荷のかかる作業をすると、騒音値が上がりますが、それでも同等他機種と比べてもやや低めの騒音値です。それほど動作音を気にせずに使用できると思います。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

負荷のかかる作業をすると、キーボード部分の温度は少し上がっていますが、パームレスト部分の温度はほとんど変化していません。快適にタイピングできると思います。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。

モバイル向けのプロセッサーなので、消費電力は低いです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています
※TAP-TST8は、従来使っていたTAP-TST7よりも、消費電力が低めに計測される傾向があります。他のPCと消費電力を比較するときは、ご注意ください。

 

外観のチェック

Inspiron 16 (5620)の外観のチェックです。

16型なので大きめではありますが、狭額縁ベゼルの液晶を搭載し、全体的にすっきりとした印象です。ボディ素材にはアルミニウムを採用しており、質感も比較的いいです。

ボディカラーは、プラチナシルバーとぺブルグリーンの2つのカラーがあります。今回は、ぺブルグリーンです。落ち着きのあるカラーです。

 

天板には、「DELL」のロゴマークが配置されていますが、それほど目立たず、いい感じです。

 

背面には、このようにラバーが配置されています。

 

液晶を開くと、このラバー部分がテーブルに当たるので、テーブルに傷がつきにくいです。なお、液晶を開くと、キーボードの上部が持ち上がるリフトヒンジ構造となっています。

側面のポート類はご覧の通りです。USB3.2 x2、USB-C(Power Delivery、DisplayPort対応)、HDMI、SDカードリーダーを備えています。

 

液晶面の開く角度です。フラットにはなりませんが、テーブルの上に置いて作業をするのには十分な角度だと思います。

 

排気口は、下の画像の位置に配置されています。しっかり放熱できているようですが、排熱が直接液晶画面に当たるのが、少し気になります。

 

閉じた状態です。厚みは15.67~18.3mmと比較的スリムです。

 

底面です。

右上と左上のネジを最後に緩めると、底面カバーが少し浮き上がるので、後はプラスチック製のケースオープナーを使用して外すことができます。

 

内部の画像です。大きめのファンが1つと、2本のヒートパイプで、CPUの冷却を行います。

 

メモリスロットを2つ備えており、メモリの増設・換装が可能です。

 

ストレージには、Type 2230のM.2 SSDを搭載していました。取り付けブラケットを外せば、Type 2280のSSDへの換装もできそうです。なお、空きのM.2スロットはありませんでした。

 

ACアダプターは65Wです。サイズは小さくはありません。

 

まとめ

以上が、Inspiron 16 (5620)のレビューです。

画面比16:10の16型液晶と、最新のインテル第12世代Core搭載が大きな特徴となっている、ホームノートPCです。

この液晶は、一般的なFHD液晶よりも縦方向の表示面積が少し広くなっており、ウェブ閲覧やOfficeソフトの使用がしやすいです。デイリーユースだけでなく、仕事用にも使いやすいと思います。

搭載しているCPUは、第12世代Core (U)です。軽量薄型ノートPC向けのCPUですが、Core i5-1235Uでも、旧世代のCore i7-1195G7を超えるベンチマークスコアが出ており、思った以上に高い処理性能でした。

また、キーボードは、テンキーなしですが、その分ゆとりがあり、「enter」、「backspace」、「半角/全角」キーなど、使用頻度が高いキーのサイズが大きく、比較的打ちやすいです。

気になる部分を挙げるならば、8GBメモリのモデルはシングルチャネルとなり、グラフィックス性能が低くなることです。できれば、16GBメモリを搭載したモデルがいいでしょう。即納モデルの場合、8GBメモリのモデルも多いですが、この場合、自分でメモリを増設してもいいでしょう(ただし、パーツの換装は自己責任でお願いします)。

全体的にバランスがよく、価格も高くないので、ファミリーユースから仕事用まで、多くのユーザーにおすすめできる機種です。

 

第12世代Core + 画面比16:10の16型液晶を搭載したホームノートPC

Inspiron 16 (5620)

特徴

  • 作業がしやすい画面比16:10の16型液晶を搭載
  • 第12世代Core(U)を搭載し、十分高めの処理性能
  • タイピングが比較的しやすい

こんなあなたに

  • 大きめで見やすい画面のホームノートPCが欲しい方
  • 最新の第12世代Core搭載機が欲しい方
  • 価格9万円台[税込]~
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