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デル Inspiron 15 (5515) の実機レビュー
CPU | Ryzen 5 5500U Ryzen 7 5700U |
---|---|
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | 最大 512GB PCIe SSD |
液晶サイズ | 15.6インチ |
液晶種類 | FHD 広視野角 非光沢 |
質量 | 1.643kg |
バッテリー | 54Wh |
価格[税込] | 7万円台~ |
Inspiron 15 (5515)は、最新のRyzen 5000プロセッサーを搭載しながら、約7万円で購入できるノートパソコンです。セール時期なら6万円台になることもあります。
Thunderbolt非対応、狭い色域などコストをカットしている部分もありますが、一般ユーザーは気にならないでしょう。その分価格は非常に安く、コストパフォーマンスが高いです。
CPU温度や、ボディの表面温度、騒音値なども問題ありません。
多くの一般ユーザーにおすすめできるノートPCです。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 7 5700U、16GBメモリ、512GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「Inspiron 15 (5515) の特徴」のみお読みください。
Inspiron 15 (5515) の特徴
最新のRyzen 5000 プロセッサーを搭載
Inspiron 15 (5515)は、最新のRyzen 5000シリーズを搭載しており、従来のRyzen 4000シリーズと比べると、スレッド数が2倍になったことで、マルチコア性能が大きく向上しています。
ただし、本製品に搭載できるプロセッサーは、Zen 3アーキテクチャではなくZen 2です。Zen 3の場合は、さらなる性能の向上が見込まれますがまだ搭載機種は無く、本製品も、今後、Zen 3のプロセッサーを搭載できるようになるのかは不明です。
Ryzen 5000シリーズ搭載PCの中ではかなり安い
Inspiron 15 (5515)は、Ryzen 5000シリーズを搭載したプロセッサーの中では、かなり安い機種です。
例えば、Ryzen 5 5500U、8GBメモリ、256GB SSDという一般的ユーザーにちょうどいい構成で、6万円台から購入することが出来ます。
従来機種は非常に売れ筋のモデルであったため、この新モデルも売れ筋となることでしょう。
メモリスロットは2つ
Inspiron 15 5000(5515)のメモリスロットは2つあり、デュアルチャネル(メモリの2枚挿し)にすることが可能です。シングルチャネル(メモリの1枚挿し)だとグラフィック性能が落ちるため、ゲームなどをしようと思っている方は、ぜひともデュアルチャネルにしたいところです。
ただし、最上位のモデルを除き、標準で搭載されているメモリは1枚(8GB)のみです。ゲームなどをしたい場合、最上位のモデルを買うか、自己責任となりますが自分でメモリを換装しましょう。
(自己責任で)デュアルストレージにすることが可能
Inspiron 15 (5515)は、搭載されているSSDの他に、右側に空スロットが1つあります。
ただし、右側の空スロットは30mmのSSDしか搭載することが出来ません。30mmのSSDはあまり流通しておらず、購入できても金額が高いケースが多いです。
そこで、もし2台のSSDを搭載したい場合は、元々接続されているSSDを右側のスロットに接続し、80mmなどのSSDを左側のスロットに新たに接続するといいでしょう。左側のスロットは30~80mmのいずれのSSDも接続可能です。
今回、このSSDの増設を試してみましたが、問題なく起動し、ストレージも2つ認識されていました。なお、SAMSUNG 970 EVOのNVMe SSDは認識しましたが、WD BLUEのSATA SSDは認識しませんでした。SATA SSDは認識しない可能性があります。また、もし標準搭載されているSSDが30mmではなかった場合、この方法は使えませんのでご容赦下さい。
なお、右側のSSDを留めるミリネジは付属していません。太さ2mm、高さ3mmくらいのM2ミリネジを別途ご用意下さい。
指紋認証装置はオプション
Inspiron 15 (5515)は、電源ボタンと一体化した指紋認証装置をオプションで搭載することが可能です。スリープ時に、軽く電源ボタンに触れるだけで、スリープ解除とログインが行えます。このとき、電源ボタンを押し込む必要はなく、軽くタッチするだけで大丈夫なので便利です。
backspaceなどは小さいまま
Inspiron 15 (5515)は、backspaceなどの一部のキーが小さくなっています。同じ時期に発売されたInspiron 14シリーズは、ここが改善されて、backspace、\マーク、enterなどのキーが大きくなり、タイピングしやすくなったので、Inspiron 15 (5515)だけ改善されていないのは残念です。ただし、Inspiron 15 (5515)はテンキーを搭載しているというメリットはあります。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 十分なスペックで、快適に動きます。 |
---|---|---|
オンライン会議 | ○ | カメラもスピーカーも普通の性能ですが、問題なくオンライン会議はできます。 |
動画鑑賞 | ○ | ディスプレイの色鮮やかさには欠けますが、スペックは十分で問題なく動画視聴できます。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | ディスプレイの色域が狭いので、RAW現像や画像編集向きではありません。 |
動画編集 | △ | 簡易的な動画編集ならできます。ただし、頻繁に動画編集したり、4K動画をするなら、もう少しスペックの高いノートPCのほうがいいと思います。また、色域が狭いので色調整する方には適しません。 |
ゲーム | △ | グラフィック品質などを下げることで、VALORANT、フォートナイトなどの軽いゲームなら出来ます。ただし、サイバーパンク2077、FF15 などの重いゲームは難しいです。こちらのページに、Ryzen 7 5700Uでいくつかゲームのフレームレートを計測した結果も掲載しているのでご覧ください。 |
ディスプレイのチェック
Inspiron 15 (5515)のディスプレイのチェックです。パネルは、「CNC9J 156HCA」でした。
視野角は広いものの、色域は狭く、普通のディスプレイです。最大輝度は、当サイトの計測では255cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Inspiron 15 (5515)のキーボードのチェックです。
実測で、キーピッチは横:19mm弱、縦:18mmです。キーストロークは約1.4mmとなっており、標準的な数値です。底付きの衝撃は少ないものの、キートップがほぼフラットなのが気になります。また、backspaceなどの一部のキーが小さく、enterも大きくありません。総じて普通の打ち心地だと思います。
タッチパッドの操作性は普通です。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
Inspiron 15 (5515)のパフォーマンスのチェックです。
CPU
Inspiron 15 (5515)は、AMDの最新モバイル向けプロセッサー、Ryzen 5000 Uシリーズを搭載しています。シングルコア性能はそれほど高くありませんが、マルチコア性能は非常に高く、従来モデルの約1.2倍ものスコアが出ていました。一般的なソフトなら快適に動く性能です。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
メモリは、DDR4-3200を搭載しており、普通の速さです。なお、シングルチャネル(メモリが8GBの1枚のモデル)は、メモリ速度がこの約半分しか出ないためご注意下さい。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア
グラフィックス
グラフィックスの性能は、CPU内蔵のグラフィックスとしては比較的高いです。なお、メモリがシングルチャネルだと、「グラフィックスのスコア」の部分は、8000程度にまで下がると思われます。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しています。最大で3597MB/sの速度が出ており、PCIe Gen 3の中でも速いSSDです。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
フルサイズのSDカードスロットを搭載していますが、アクセス速度は遅いです。また、挿入後のSDカードは出っ張ります。
その他のベンチマーク
その他のベンチマーク、Adobe LightroomやPremiere Proの書き出し時間、フォートナイトやApexなどのフレームレートなどについては、下のリンク先をご覧ください。他の機種で計測したスコアではありますが、大きくは変わらないので参考になると思います。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートは、Thunderbolt 3には対応していませんが、PowerDeliveryとDisplayPort出力には対応しています。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― | |
18W cheero充電器 | ○ | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | ○ | ○ | ○ |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4Kで表示は出来ていますが、リフレッシュレートは最大で30Hzでした。1920x1080にすれば60Hzで動作可能です。
質量のチェック
Inspiron 15 (5515)の質量のチェックです。
メーカーサイトには「約1.643kg」とあり普通です。当サイトの計測値は下表の通りでほぼ同じ質量です。15インチクラスのノートPCにしては、比較的軽いと思います。
質量 | |
PC本体 | 1.662kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 329g |
バッテリー駆動時間のチェック
Inspiron 15 (5515)のバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリーは54Whで、多めの容量です。
バッテリー駆動時間は下の通りで、比較的長いです。(負荷にもよりますが)第11世代Coreプロセッサーと比べると、バッテリー駆動時間は長めだと思います。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | ー |
(2) PCMark 10 Modern Office | 12時間28分 |
(3) 動画再生時 | ー |
(4) PCMark 8 Work | 9時間39分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
バッテリー駆動時のCINEBENCH R23のスコアです。電源接続時とほとんどスコアは変わっていません。
:バッテリー駆動時のスコア
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度、CPUクロックおよびCPU電力の推移を確認します。
CPU電力は最初は28Wと高めのCPU電力で動作していますが徐々に下がり、最終的には15Wで落ち着いています。まだサンプルが少ないですが、他の製品も、大体このくらいのCPU電力で推移しているケースが多いです。
CPUクロックは、最初は最大ブーストクロックの4.4GHzで一瞬動作しますが、すぐに下がりだし、基本クロックよりわずかに高い1.8GHzで推移しています。
CPU温度は最大85℃くらいまで上がっていますが、最終的には60℃台へ下がっているため、温度面は問題ないでしょう。
静音性のチェック
Inspiron 15 (5515)の動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。高い負荷がかかっても、比較的低めの騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
全体的に低めの温度です。パームレスト部分の温度もほとんど変化がないので、作業中に不快に感じることは少ないと思います。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
モバイル向けのプロセッサーなので、低めの消費電力です。
外観のチェック
Inspiron 15 (5515)の外観のチェックです。
今回は、「プラチナシルバー」の本体カラーを購入しました。天板はシルバーですが、キーボード面はグレーのカラーとなっており、少し色が異なります。
天板はシルバーです。指紋などが目立ちにくく、無難に使えるカラーだと思います。
ディスプレイを開くと、キーボードの奥側が持ち上がるようになっており、傾斜が付いてタイピングしやすくなります。その代わり、排気熱が液晶側に当たるので、液晶を痛めそうです。
スピーカーは、2Wx2で底面側にあります。最大音量は大きめで、音質も比較的良いです。ノートPC基準で、10点満点で採点すると6点くらいです(当初5点にしていましたが、再度聴いてみたら、普通のノートよりはいいかなと思い直したので6点に変更しました)。
Webカメラは1280x720の解像度で、画質は普通です。シャッターでWebカメラを隠すこともできます。IRカメラは搭載していません。また、液晶ベゼルはブラックです。
側面のポート類です。主要なポートは揃っています。ただ、USB-CはThunderboltには非対応です。
液晶が開く最大の角度です。180度は開きませんが、テーブルに置いて使う分には問題ありません。
底面はシンプルです。底面側のネジを外すと、背面側が少し浮かんでくるので、底面カバーは外しやすいです。
底面カバーを外したときの写真がこちらです。ヒートパイプは1本ではなく、2本搭載されており、冷却性を高めています。
メモリスロットは2つあり、換装可能です。
搭載されていたM.2 SSDはType 2230の30mmのものでした。
ただし、このSSDを固定している部分は外すことができ、向きを変えたり、装着位置を変えることで、42mm/60mm/80mmのSSDを装着することも可能です。
試しに、このスロットに80mmのNVMe SSDを装着してみましたが、問題なく装着出来ました。ただし、上述したように、認識しないSSDもあったのでご注意下さい。
また、右側にも空のM.2 SSDがあります。
ここに、左側にあったM.2 SSDを抜いて挿してみましたが、問題なくOSはブートできました。
ACアダプターは65Wです。サイズはやや大きめです。
まとめ
以上が、Inspiron 15 (5515)のレビューです。
最新のRyzen 5000プロセッサーを搭載しながら、約7万円(セール時期なら6万円台)から購入できるコストパフォーマンスの高さが魅力のノートPCです。従来モデルが人気だったこともあり、この機種も人気が出ることでしょう。
CPU温度やボディ表面の温度、騒音値など、いずれも問題なく、快適に使えるでしょう。一般的なユーザーに非常におすすめの製品です。
ただ、同時に発売されたInspiron 14シリーズは、enterキーやbackspaceキーのサイズが改善されたのに対し、Inspiron 15 (5515)はテンキーがあるせいでそれらが改善されていません。テンキーを使うなら本製品のほうがいいですが、テンキーをほとんど使わないなら、Inspiron 14 (5415)やInspiron 14 2-in-1 (5410 2n1)も検討してみるといいでしょう。どちらもRyzen 5000シリーズを搭載しています。※このInspiron 14シリーズの2機種はまもなくレビュー予定です。
なお、ディスプレイの色域は広くありません。画像編集などをするのであれば、別の機種をおすすめします。
おすすめの一般家庭向けノートPC
Inspiron 15 (5515)
特徴
- 最新のRyzen 5000 Uシリーズ搭載
- 高いコストパフォーマンス
- (自己責任で)デュアルSSD構成が可能
こんなあなたに
- 一般ユーザー
- コスパの高いノートPCが欲しい
- 価格7万円台[税込]~
関連動画
製品の概要をまとめた動画も作成しました。分解方法(底面カバーの開け方)も解説しています。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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約15年間にわたり、年間100機種以上、パソコンを細かくチェックしている筆者がおすすめするノートパソコン。