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2画面で作業効率爆上がりのASUS Zenbook DUO UX8406CAの実機レビュー

CPU | Core Ultra 9 285H |
---|---|
メモリ | 32GB |
ストレージ | 1TB SSD |
画面サイズ | 14型 16:10 ×2 |
画面種類 | 2880x1800 OLED ×2 |
質量 | 本体:約1.35kg 本体+キー:約1.65kg |
バッテリー | 75Wh |
価格[税込] | 35万円台~ |
Zenbook DUO UX8406CAは、2つのディスプレイを搭載した変態ノートPCです。どちらの画面も、同じパネルなので見やすいですです。
2つの画面を使うことで、効率良く作業をすることができます。
また、CPUには、最新のArrow LakeのCore Ultra 9 285Hを搭載しており、やや負荷のかかる作業もストレスなく行うことができます。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。一部部材は量産品と違う可能性があります。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core Ultra 9 285H、32GBメモリ、1TB SSD
目次
お忙しい方は、「Zenbook DUO UX8406CAの特徴」のみお読みください。
Zenbook DUO UX8406CAの特徴
2つのディスプレイを搭載
Zenbook DUO UX8406CAは、14型の2.8K有機ELディスプレイを2つ搭載した変態ノートPCです。
サイズも、パネルの種類も同じ2つのディスプレイを搭載しているので、違うディスプレイに目線を切り替えても、違和感がなくとても見やすいです。

また、横にディスプレイが並んでいると、別のディスプレイに視線を移すときに、目や体勢が疲れてきますが、本製品は縦にディスプレイが並んでいることで、疲れにくいです。なんなら、上のディスプレイに目線を向けているときのほうが、姿勢が良くなって仕事がしやすいです。
キックスタンドは、無段階で角度を調整することができます。思った以上に安定感があり、下側のディスプレイをタッチで操作しても揺れるようなことはありませんでした。


横に2つのディスプレイを並べたスタイルにすることもできます。ウェブページのような縦長のコンテンツを、並べて表示するときはこちらのスタイルが見やすいです。ネットで情報を調べながら、Wordで資料をまとめていく、といった作業を快適に行うことができます。
なお、このスタイルでは、画面の角度を調整することはできません。


ラップトップ形状など自由なスタイルで使える
カフェなどで作業をする場合、デュアルディスプレイで作業をするのは恥ずかしいという方もいるでしょう。本製品は、普通のラップトップPCのスタイルで使用することもできます。

下側のディスプレイの上にBluetoothキーボードを重ねると、ラップトップPCスタイルになります。この時、Bluetoothキーボードはコネクターで本体と接続され、充電も行われます。

Bluetoothキーボードを載せたラップトップPCの形状のまま閉じて、持ち運ぶことができます。

Bluetoothキーボードを使わなくても、仮想キーボードで疑似的なラップトップPCとして使うこともできます。

なお、Bluetoothキーボードなしで閉じると隙間ができますが、ディスプレイ側が割と頑丈に作られているので、加圧しても壊れそうな感じはしません。また、本体だけであれば、約1.35kgと軽くなります。ただし、Bluetoothキーボードがあった方が、デュアルディスプレイのメリットがより発揮されるので、基本的にBluetoothキーボードも一緒に持ち運ぶ方がいいと思います。

高解像度・広色域の有機ELディスプレイ
デュアルディスプレイという、ディスプレイの数に注目が行きがちな機種ですが、それぞれのディスプレイの質の高さも特徴的です。
ディスプレイは2つとも同じもので、画面比16:10、2.8K、120Hzの有機ELディスプレイです。解像度が高いことに加えて、色域も非常に広く、有機ELらしく黒の表現力も高いです。色鮮やかで、非常に美しい表示が可能なので、画像・映像の表示や、編集作業などにも適しています。

ペンにも対応
Zenbook DUO UX8406CAには、ASUS Pen 2.0が付属しており、ペンを使った手書きメモや、スケッチなどが可能です。画像編集時のレタッチにも便利です。
ペンは、最大4,096段階の筆圧感知レベルに対応しており、USB-Cで充電することができます。
高い性能のCore Ultra 9 285Hを搭載
Zenbook DUO UX8406CAは、最新のArrow Lake世代のインテルCore Ultra 9 285Hを搭載しており、CPU性能も、GPU性能も高く、多くの用途に対応できます。
従来モデルに搭載されていたCore Ultra 9 185Hと比較すると、全体的に1~2割性能が上昇しています。
た、従来モデルには無かったNPUを搭載しています。最大13TOPSとなっており、AI性能はあまり高くありませんが、全く無いよりは使い道があるかもしれません。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 2画面で快適に作業できます。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 有機ELなので、綺麗な映像です。スピーカー音もまずまずです。 |
RAW現像 画像編集 |
◎ | ディスプレイの色域が広く、CPU性能も高めで、ペンも対応しているので、作業しやすいです。 |
動画編集 | △~○ | FHD動画の簡易的な動画編集なら十分できます。4K動画の編集やアニメーションを多用する編集などは、独立GPUを搭載した機種のほうがいいでしょう。 |
ゲーム | △~○ | 原神、崩壊スタレ、ドラクエシリーズなどの軽いゲームならできます。ただし、モンハンワイルズなどの重めのゲームは難しいです。 |
ディスプレイのチェック
Zenbook DUO UX8406CAのディスプレイは、前述の通り、2画面あり使いやすいです。
詳細は、以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域・輝度
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
色域は広いです。当サイトの計測ではDCI-P3カバー率は100%でした。最大輝度は、当サイトの計測では350cd/m2とやや高めです。

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色もほぼ補正されておらず、自然な発色であることが分かります。

視野角は広いです。

光沢液晶であるため、画面への映り込みがあります。ギラつきはあまり感じません。

フリッカー(ちらつき)はあります。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Zenbook DUO UX8406CAのキーボードは、普通の打ちやすさです。
実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18.5mm、キーストロークは約1.5mmです。「半角/全角」キーや「Backspace」キーが大きいのは良かったです。ただ、「\」だけ極端に小さいのが残念です。

※画像をクリックすると拡大できます

側面には充電のためのUSB-Cと、Bluetoothスイッチがあります。

キーボードバックライトも搭載しています。

下図のように仮想キーボードを表示させることもできます。



パフォーマンスのチェック
Zenbook DUO UX8406CAのパフォーマンスは高いです。
今回は、デフォルトの「スタンダードモード」と、最も高い性能が出る「フルスピードモード」でベンチマークを計測します。

CPU
今回、Core Ultra 9 285Hを搭載しており、マルチコア性能もシングルコア性能も高いです。
ただ、デフォルトTDPが45WのCPUですが、そこまでのCPU電力は出ていなかったので、Core Ultra 9 285Hにしては低めのスコアです。また、「スタンダードモード」だとマルチコア性能が極端に落ちるので、重い負荷がかかる作業をしているときは、「フルスピードモード」にするといいと思います。

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
~ CPU性能の評価 ~

なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリは、LPDDR5X-7467を搭載しており、メモリのベンチマークスコアは高めです。ただし、Core Ultra 7 258Vに統合されているLPDDR5X-8533よりは低いスコアです。
~ メモリ性能の評価 ~

グラフィックス
CPU内蔵グラフィックスはIntel Arc 140Tで、GeForce GTX 1650に迫るスコアが出ています。軽いゲームや、軽い動画編集もできるスコアです。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
NPU
NPU性能は最大 13 TOPSとそれほど高くありません。
~ NPU性能の評価 ~
ストレージ
ストレージはPCIe Gen 4 SSDを搭載しており、高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
その他のベンチマーク
下のリンク先に、このPCで計測した他のベンチマークスコアを掲載しています。FF14、モンハンワイルズ、原神などのフレームレート、Adobeソフトの処理時間なども掲載しています。
質量のチェック
Zenbook DUO UX8406CAの質量のチェックです。
仕様では、ノートPC本体のみで約1.35kg、Bluetoothキーボードも加えた重さが約1.65kgとなっています。
当サイトで計測した質量は下の通りで、仕様よりもやや重かったです。ACアダプターは軽いです。
質量 | |
ノートPC本体のみ | 1.400kg |
ノートPC本体+Bluetoothキーボード | 1.722kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 179g |
バッテリー駆動時間のチェック
Zenbook DUO UX8406CAのバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は75Whと大きい容量です。
バッテリー駆動時間は下の通りです。1画面で作業をしているときは、まずまずのバッテリー駆動時間です。2画面で作業をしているときはバッテリー駆動時間は短くなります。
バッテリー駆動時間 | ||
![]() |
アイドル時 | 約18.1時間 |
動画再生時 | 約10.0時間 | |
![]() |
アイドル時 | 約10.5時間 |
動画再生時 | 約5.7時間 |
バッテリー駆動時間 | |
![]() |
6時間46分 |
![]() |
4時間45分 |
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。なお、今回テストしたCore Ultra 9 285Hのプロセッサー・ベース・パワー(PBP)は45Wです。
「スタンダードモード」の場合、CPU電力は段階的に下がりますが、最終的には20W前後と低めに推移しています。CPU温度は70℃と安心して使える温度です。
「フルスピードモード」にしても、落ち着いた時のCPU電力は38Wで、PBPの数値まで届いていませんでした。CPU温度は80℃前半と問題ない範囲です。
- スタンダードモード時
- フルスピードモード時


静音性のチェック
Zenbook DUO UX8406CAの動作音(静音性)のチェック結果です。「スタンダードモード」で計測しています。
全体的に、それほどうるさくありません。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
約20dB | 約32dB | 約35dB | 約39dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
今回、キーボードは、Bluetooth接続の外付けタイプなので、表面温度は計測していません。PC本体の温度に左右されず快適にタイピングできます。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
エンコード時はやや高めですが、それ以外は低めの温度です。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
8W | 13W | 20W | 46W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
外観のチェックです。
インクウェルグレーというカラーです。2画面ありますが縦に並んでいるので、デスクスペースはそれほどとりません。

天板には、ASUSのロゴマークの「A」が大きく入っています。

Bluetoothキーボードを挟みこめる分、ボディの厚さはややあります。


スピーカーの音質はやや良いと思います。ノートPC基準で、10点満点で採点すると6点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

約207万画素のカメラを搭載し、映りも良かったです。IRカメラも付いており、顔認証によるログインが可能です。


※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
インターフェースはご覧の通りです。主要なものは揃っています。Thunderbolt4ポートは、PowerDeliveryおよび映像出力に対応しています。


スタンドおよびヒンジは、以下の角度まで開きます。

底面です。

ACアダプターは65Wで、サイズは小さいです。

まとめ
以上が、Zenbook DUO UX8406CAのレビューでした。
何といっても、2つのディスプレイを搭載している点が大きな特徴で、効率良く作業をすることができます。調べ物をしながら、資料を作成するときなど便利です。
2画面を簡単に持ち運べるのも大きいです。出張先のホテルなどで、手軽にデュアルディスプレイで作業をすることができます。
また、CPUも高性能のCore Ultra 9 285Hを搭載しています。マルチコア性能もシングルコア性能も高いので、多くの作業が快適に動作します。グラフィック性能も高いので、軽いゲームや、簡単な動画編集も出来る性能です。
価格は高いので、誰にでもおすすめできる製品ではありませんが、唯一無二の製品なので、予算のある方は検討してみましょう。
2画面で作業効率爆上がり
ASUS Zenbook DUO UX8406CA

特徴
- 2つのディスプレイ
- 高い性能のCore Ultra 9 285Hを搭載
- ペン対応
こんなあなたに
- 2画面で効率良く作業をしたい方
- 外出先でも、2画面で作業をしたい方
- 価格35万円台~

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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