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ASUS Zenbook S 16 UM5606WAの実機レビュー

更新日:
CPU Ryzen AI 9 HX 370
メモリ 32GB LPDDR5x
ストレージ 1TB PCIe SSD
画面サイズ 16インチ 16::10
画面種類 2,880×1,800 OLED 光沢
質量 約1.5kg
バッテリー 78Wh(最大15時間)
価格[税込] 31万円台
Ryzen AI 9 HX 370搭載の超薄型PC

Zenbook S 16 UM5606WAは、最新のRyzen AI 9 HX 370プロセッサーを搭載した次世代AI PCです。

Ryzen AI 9 HX 370は、最大50 TOPSのNPUを内蔵し、AI性能が高いだけでなく、CPUやGPU性能も高いです。

また、ボディが非常に薄く、16型の大画面ディスプレイを搭載している割には、約1.5kgと軽いのも魅力です。

デザインの質感も高いので、人目の付く場所で使いたくなる一台です。

公式サイト(購入ページ)はこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。一部部材は量産品と違う可能性があります。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Ryzen AI 9 HX 370、32GBメモリ、1TB SSD

 

目次

お忙しい方は、「ASUS Zenbook S 16 UM5606WAの特徴」のみお読みください。

 

製品の特徴

最新プロセッサー「Ryzen AI 300シリーズ」搭載

Zenbook S 16 UM5606WAは、プロセッサーにAMDの最新のRyzen AI 300シリーズを搭載する次世代のAI PCです。

Ryzen AI 300シリーズの簡単な仕様は、下表の通りです。Zen 5 + Zen 5cのハイブリット構成と、NPUを内蔵することによる高いAI性能が大きな特徴となっています。

なお、これらのプロセッサーのうち本機器が搭載するのは、「Ryzen AI 9 HX 370」です。

Ryzen AI 300シリーズ
  Ryzen AI 9 HX 375 Ryzen AI 9 HX 370 Ryzen AI 9 365
コア / スレッド数 12 / 24 10 / 20
アーキテクチャ Zen 5 ×4 Zen 5 ×4
Zen 5c ×8 Zen 5c ×6
最大クロック 5.1GHz 5.0GHz
ベースクロック 2GHz
L2 / L3キャッシュ 12MB / 24MB 10MB / 24MB
デフォルトTDP 28W
cTDP 15-54W
グラフィックス・モデル Radeon 890M Radeon 880M
GPUコア数 16 12
NPUパフォーマンス 最大 55 TOPS 最大 50 TOPS
Total Processor Performance 最大 85 TOPS 最大 80 TOPS 最大 73 TOPS

 

以下に、「Ryzen AI 9 HX 370」のベンチマーク結果などを掲載します。

 

NPU性能

NPU性能を、幾つかのプロセッサーと比較すると、下のグラフのようになります。

最大50 TOPSというのは、Snapdragon X Elite X1E-78-100を超えており、現時点で登場しているノートPC向けプロセッサーのNPUとしてはトップクラスの性能となります。

なお、Snapdragon X Eliteを搭載したPCは、簡単な絵からイラスト生成を行う「コクリエイター」、キーワードを入力すると画像を生成してくれる「イメージクリエイター」といったCopilot+ PCの機能が使えました。しかし、本機器は、記事執筆時点ではまだ使用することができません。Copilot+ PCの機能は、後日提供されるWindows Updateで使えるようになるそうです。

NPUの性能
Ryzen AI 9 HX 370 50 TOPS
Snapdragon X Elite X1E-78-100 45 TOPS
Apple M3 18 TOPS
Core Ultra 7 155H 11 TOPS

 

CPU性能

次に、CPU性能を測る「CINEBENCH 2024」の結果です。

マルチコアでは、Core Ultra 7 155Hの代表的なスコアを超えていましたが、Snapdragon X Elite X1E-78-100を搭載する「Copilot+ PC」に準拠した機種で計測した数値よりも低かったです。

ただし、本機器では低めのCPU電力で動作していたので、もっと高いCPU電力で推移するPCであれば、もっと高いベンチマークスコアが出ます。また、Snapdragon X Elite X1E-78-100だと、ソフトがネイティブ動作しないと、エミュレーションで動作するため、性能が落ちます。一方、本機器はそんなことがありません。

シングルコアに関しては、Core Ultra 7 155Hや、Snapdragon X Elite X1E-78-100の代表的な数値を超えていました。Ryzenプロセッサーはシングルコア性能がやや低い、というイメージは過去のものになったようです。

CINEBENCH 2024(マルチコア)
Snapdragon X Elite X1E-78-100 1104
Ryzen AI 9 HX 370 882
Core Ultra 7 155H 825
Apple M3 617
CINEBENCH 2024(シングルコア)
Apple M3 141
Ryzen AI 9 HX 370 110
Snapdragon X Elite X1E-78-100 107
Core Ultra 7 155H 103

 

グラフィックス性能

グラフィックス性能を測るベンチマークテストの結果は、下のグラフのようになりました。

3DMark Wild Life Extremeでは、比較している4つのプロセッサーの中では一番低いスコアになりました。ただし、ベンチマークソフトの種類によっては、Core Ultra 7 155Hの代表的なスコアを超えることもあり、CPU内蔵グラフィックとしては十分高めの性能を備えています。

3DMark Wild Life Extreme
Apple M3 48.4 fps
Core Ultra 7 155H 38.6 fps
Snapdragon X Elite X1E-78-100 37.95 fps
Ryzen AI 9 HX 370 32.98 fps

 

剛性が高くかっこいいボディ

Zenbook S 16 UM5606WAは、デザイン性、剛性、耐久性にも優れています。

今回は、スカンジナビアンホワイトのボディですが、シンプルなデザインと、清潔感のある見た目で、かっこいいです。

天板には、ASUSが開発した、セラミック x アルミニウムのセラルミナム素材を使用しており、軽くて、堅牢性や剛性も高いです。また、手触りがよく、上質な仕上がりとなっています。

さらに、キーボード上部には、小さな穴が設けられています。これは、CNC加工された3,522個の冷却ベントで、機能美を感じます。また、このように放熱孔をキーボード上部に設けることで、背面や側面に排気口がなく、スッキリとしたデザインです。

天板には新素材のセラルミナムを採用
CNC加工された冷却ベント

 

非常に薄くて軽い

Zenbook S 16 UM5606WAは、ボディの厚みが約11.9~12.9mmしかなく、非常に薄いです。また、16型ノートPCでありながら、質量が約1.5kgしかありません。スリムで軽いノートPCなので、少し大きめのビジネスバッグなどを用意することで、容易に持ち運びすることができます。

外出先でも、少し高めの性能と、大きな画面で快適に作業を行うことができるでしょう。

11.9~12.9mmのスリムボディ
16型ディスプレイを搭載している割には軽量

 

2.8Kの有機ELディスプレイを搭載

Zenbook S 16 UM5606WAは、2.8K(2880x1800ドット)の有機ELディスプレイを搭載しており、ディスプレイの品質もいいです。

当サイト計測で、DCI-P3カバー率100%と色域が広く、有機ELらしくメリハリのある表示が可能なので、画像や映像が非常に美しいです。また、高い解像度なので、ディスプレイを100%スケールの表示にすることで、1画面に多くの情報を表示することができます。ペイン(枠)の多いクリエイター向けソフトの使用を含め、多くの作業を効率よく行うことができるでしょう。

ただし、光沢ディスプレイなので、使用する場所によっては、光りや物の映り込みがやや気になるかもしれません。

また、肉眼ではわかりませんが、ちらつき(フリッカー)もあります。

2.8Kの有機ELディスプレイを搭載

 

Wi-Fi 7対応

Zenbook S 16 UM5606WAの無線LAN規格は、最新のWi-Fi 7(IEEE 802.11be)に対応しています。

理論値では、Wi-Fi 6E(IEEE 802.11ax)が9.6Gbpsなのに対して、Wi-Fi 7は36Gbpsと約3.7倍も最高通信速度がアップしています。

もちろん、回線速度も関係していますし、実際の使用でここまで高速化することはないと思いますが、通信速度や接続安定性の向上は期待できます。

Wi-Fi 7対応ルーターの販売も始まっているので、最新の通信環境を活用することができるのはメリットです。

 

78Whの大容量バッテリーを搭載

Zenbook S 16 UM5606WAは、78Whのバッテリーを搭載しています。外部GPUを搭載しないノートPCとしては、かなり大きい容量です。

そのため、2.8Kの高解像度ディスプレイと、ノートPCとしては性能が高めのプロセッサーを搭載していても、YouTubeの再生ぐらいの軽い負荷であれば、14時間を超えるバッテリー駆動が可能でした。また、動画編集のような少し負荷がかかる状態でも、バッテリー駆動で6時間44分使用することができました。

持ち出した先で電源が確保できない場合でも、一般的なモバイルノートPCと同等かそれ以上の時間、作業をすることができると思います。

78Whの大容量バッテリーを搭載

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
十分な処理性能と、2.8Kの16型ディスプレイで、快適に作業できます。
動画鑑賞 高精細・広色域の有機ELディスプレイを搭載し、美しい表示で映像を楽しむことができます。合計6つのスピーカーを搭載しており、サウンドも良く、動画鑑賞も快適です。
RAW現像
画像編集
100% DCI-P3の有機ELを搭載しています。RAW現像の速度も思った以上に速かったです。画像編集系の作業も快適に行うことができます。
動画編集 △~○ FHD動画の一般的な編集作業であれば、問題なく行うことができます。ただし、凝った編集や4K動画を編集する場合は、GeForce RTXシリーズを搭載したPCがいいと思います。
ゲーム △~○ 軽いゲームなら画質を落とすことで、プレイが可能なものもあると思います。ただし、ゲームメインであれば、外部GPUを搭載するゲーミングノートPCの方がおすすめです。

 

ディスプレイのチェック

Zenbook S 16 UM5606WAのディスプレイのチェックです。

2,880×1,800ドットの有機ELディスプレイを搭載しています。高解像度、広色域で、有機ELらしいメリハリのある、非常に美しい表示が印象的です。16型と大きめのサイズなので、ディスプレイの「拡大/縮小」を調整して、1画面を広く使って効率よく作業を行うこともできます。なお、(デフォルトの)HDRをオフにした状態の最大輝度は、386cd/m2とやや高めでした。その他については、以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

当サイト計測による色域の広さは、下表の通りです。非常に広い色域です。

  カバー率
sRGBカバー率 100%
DCI-P3カバー率 100%
Adobe RGBカバー率 94.3%
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色もほぼ1:1の直線になっており、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角も広いです。ギラつきも感じません。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

光沢ディスプレイなので、画面への映り込みがあります。なお、タッチパネルには対応していません。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)があります。人によっては眼が疲れやすく感じるかもしれません。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

Windowsの輝度設定を100%にしつつ、MyASUSアプリのOLEDフリッカーフリーディミングという機能を使用して輝度を下げると、フリッカーを抑えることができますが、完全に無くなるわけではありません。

OLED フリッカーフリーディミング

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Zenbook S 16 UM5606WAのキーボードのチェックです。

実測で、キーピッチは、横:約19mm、縦:約18mm、キーストロークは約1.1mmでした。やや浅めのキーストロークです。キートップはほぼフラットな感じです。

文字入力に使用する主要なキーのサイズはほぼ揃っていますし、「半角/全角」キーや、「Backspace」キーや、「Enter」キーのサイズも大きめで押しやすいです。ただし、「半角/全角」キーや、「\」キーはスリムなキーなので、押し間違えることがあります。総合的には、普通の打ちやすさのキーボードだと思います。Windows Copilotキーも備えており、AIアシスタント機能のCopilotをワンタッチで呼び出すことができます。

タッチパッドは大きめのサイズで使いやすいです。タッチパッドが大きいので、タイピングのときに手のひらが当たってマウスカーソルが意図せず動くのではないかと思いましたが、そんなことはありませんでした。ただ、ローテーブルに置いて、ソファーに座って操作するなど、少し前かがみになってタイピングする場合、手のひらに力が加わりやすいので、意図せずタッチパッドをクリックしてしまうかもしれません。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

タッチパッドの左右と上部にはファンクションが割り当てられており、音量調整、動画の早送りと巻き戻し、明るさの調整などを行うことができます。

キーボードバックライト

 

キーボードはイルミネートキーボードです。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

Zenbook S 16 UM5606WAのパフォーマンスをチェックします。

本機器では、MyASUSアプリで動作モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「スタンダードモード」と、最も高いパフォーマンスが出る「フルスピードモード」で計測した結果を掲載します。

MyASUSの設定画面

 

CPU

プロセッサーには、Ryzen AI 300シリーズのRyzen AI 9 HX 370を搭載しています。最新のAIプロセッサーです。簡単な仕様については、冒頭の特徴部分に記している通りです。

ベンチマークの結果は以下の通りです。

マルチコアおよびシングルコアとも、Core Ultra 7 155Hを超えるスコアが出ており、スリムタイプのノートPCとしては、高めの処理性能を備えています。

ただし、Ryzen AI 9 HX 370は、デフォルトTDP:28W、cTDP:15-54Wのプロセッサーですが、今回のチェックにおいては、18W~33W前後ぐらいで動作しており、CPU電力はそれほど高くありませんでした。

現在、Ryzen AI 9 HX 370を搭載したASUSの他のノートPCもテストしていますが、そちらは60WのCPU電力で動作し、CINEBENCH R23のマルチコアのスコアも、約1.5倍も高いスコアが出ていました。本機器は、Ryzen AI 9 HX 370としてはやや低めのパフォーマンスです。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen AI 9 HX 370
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 7945HX 33229
Core i9-14900HX 29314
Core i7-14700HX 21893
Core i7-13700HX 18283
Ryzen 7 7840HS 17922
Core i7-13700H 17622
Ryzen 7 8845HS 16387
Core i7-13620H 15935
Core i5-13500H 15302
Ryzen AI 9 HX 370 22572
15245 [フルスピードモード]
13438 [スタンダードモード]
Core Ultra 7 155H 14073
Ryzen 7 7735HS 14068
Ryzen 7 8840HS 13668
Ryzen 7 8840U 12575
Core Ultra 5 125H 12239
Ryzen 7 7735U 10122
Core i7-1360P 9720
Core Ultra 5 125U 9553
Ryzen 5 8540U 9378
Core 5 120U 9317
Core i5-1335U 8249
Core i7-1165G7 4720
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-14900HX 2196
Core i7-14700HX 2113
Ryzen 9 7945HX 1951
Ryzen AI 9 HX 370 2043
1925 [フルスピードモード]
1921 [スタンダードモード]
Core i7-13700H 1898
Core 5 120U 1879
Core i7-13700HX 1868
Core i7-1360P 1826
Core Ultra 7 155H 1810
Core i7-13620H 1806
Core i5-13500H 1785
Ryzen 7 7840HS 1764
Ryzen 7 8840U 1763
Core i5-1335U 1723
Core Ultra 5 125H 1712
Ryzen 5 8540U 1701
Ryzen 7 8840HS 1686
Ryzen 7 8845HS 1682
Core Ultra 5 125U 1581
Ryzen 7 7735HS 1538
Ryzen 7 7735U 1476
Core i7-1165G7 1447
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

CINEBENCH 2024
Ryzen AI 9 HX 370
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-14900HX 1748
Core i9-13900HX 1512
Core i7-14700HX 1313
Snapdragon X Elite X1E-78-100 1104
Ryzen 9 8945HS 919
Ryzen 7 8845HS 919
Ryzen AI 9 HX 370 1149
882 [フルスピードモード]
797 [スタンダードモード]
Core i7-13700H 855
Core Ultra 7 155H 825
Ryzen 7 8840HS 785
Core i5-13500H 778
Core Ultra 5 125H 669
Core i7-1360P 664
Ryzen 7 8840U 618
Core i5-1340P 599
Core Ultra 5 125U 572
Core 5 120U 558
Ryzen 5 8540U 500
Ryzen 5 7530U 477
Core i5-1335U 435
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-14900HX 128
Core i7-14700HX 126
Core i9-13900HX 119
Core i7-13700H 114
Ryzen AI 9 HX 370 114
111 [スタンダードモード]
110 [フルスピードモード]
Core 5 120U 110
Core i5-1335U 109
Snapdragon X Elite X1E-78-100 107
Ryzen 9 8945HS 106
Core i5-13500H 105
Ryzen 7 8840U 104
Core Ultra 7 155H 103
Ryzen 7 8845HS 101
Core Ultra 5 125H 101
Ryzen 5 8540U 100
Core i7-1360P 99
Core i5-1340P 99
Ryzen 7 8840HS 98
Core Ultra 5 125U 94
Ryzen 5 7530U 84

 

なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。

 

メモリ

メモリはLPDDR5x-7500で、仕様からするとメモリ帯域は広いです。

 

グラフィックス

グラフィックスは、Ryzen AI 9 HX 370の内蔵グラフィックス「Radeon 890M」です。

ベンチマークの結果は以下の通りです。Core Ultra 7 155Hが内蔵する「Intel Arc GPU」の代表的なスコアとほぼ同じ数値が出ていました。CPU内蔵グラフィックスとしては高い性能を備えています。

軽いゲームや、FHD動画の編集なども行えるレベルです。

なお、動作モードを変更しても、ベンチマークスコアに大きな差はありませんでした。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Ryzen AI 9 HX 370(Radeon 890M)
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce RTX 3050 52196
GeForce RTX 2050 48410
GeForce GTX 1650 45149
Ryzen AI 9 HX 370
Radeon 890M(LPDDR5X)
36189 [スタンダードモード]
34984 [フルスピードモード]
Core Ultra 7 155H
Intel Arc(LPDDR5)
35888
Ryzen 7 8840HS
Radeon 780M(LPDDR5X)
35847
GeForce MX550 35717
Ryzen 7 8840U
Radeon 780M(LPDDR5X)
35397
Core Ultra 5 125H
Intel Arc(LPDDR5X)
35271
Ryzen 7 8845HS
Radeon 780M(LPDDR5X)
35241
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 7735U
Radeon 680M(LPDDR5)
28714
Core i7-1360P
Intel Iris Xe(LPDDR5)
21897
Core Ultra 5 125U
Intel Graphics(DDR5)
21525
Ryzen 5 8540U
Radeon 740M(DDR5)
20053
Core 5 120U
Intel Graphics(LPDDR5X)
18333
Core i5-1340P
Intel Iris Xe(LPDDR5)
17774
Ryzen 7 7730U
Radeon Graphcis(LPDDR4X)
17524
Core i5-1335U
Intel Iris Xe(DDR4)
16835
Ryzen 5 7530U
Radeon Graphcis(LPDDR4X)
16389
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※グラフィックス名の横の括弧は、メモリの仕様

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、高速です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
1TB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7300
5069
 PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

フルサイズのSDカードリーダーを備えており、速度も高速でした。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

クリエイターソフトの処理時間

各クリエイターソフトの処理時間を下に掲載します。ここでは、「フルスピードモード」で計測を行っています。

Adobe Lightroom ClassicによるRAW現像時間

RAW現像の速度は速かったです。HシリーズCoreプロセッサーのCore i7-13620Hよりも速い書き出し速度でした。一度に100枚以上のRAW現像を行うような本格的な用途にも十分対応することができそうです。

Core i9-13900H
RTX 4090 (150W)
38秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-13900HX
RTX 4080 (175W)
39秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-14700HX 47秒
Ryzen AI 9 HX 370 57秒
Core i7-13700H
RTX 4060 (140W)
63秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-13620H 65秒
Core i7-13700H 68秒
Core Ultra 7 155H 72秒
Ryzen 7 8845HS 77秒
Core i5-13450HX 78秒
Ryzen 7 8840HS 81秒
Core i5-13500H 80秒
Ryzen 7 8840U 87秒
Core i7-1360P 88秒
Ryzen 5 8540U 102秒
Core Ultra 5 125U 103秒
Core 5 120U 106秒
Ryzen 7 7730U 115秒
Core i5-1335U 128秒
※2022年6月より、GPUを使用した書き出しも出来るようになったので、この機能が使えるPCは、機能をONにしたときの書き出し時間も掲載しています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Photoshopによる各種処理時間

ニューラルフィルターの「スーパーズーム」では、RTX 3050搭載機とほぼ同じ時間で処理を行うことができていました。GPUを使う処理は速いようです。

CPUで処理する「JPEGのノイズを削除」の処理も比較的速かったです。Photoshopでのフィルターを使った処理もある程度快適に行えると思います。

ニューラルフィルター(スーパーズーム(x2))
Ryzen 7 8845HS
RTX 4060(115W)
55秒
Core i7-13620H
RTX 4060 (140W)
56秒
Core i7-13620H
RTX 4050 (140W)
57秒
Core i7-13620H
RTX 3050(95W)
58秒
Ryzen AI 9 HX 370
Radeon 890M
1分00秒
Ryzen 7 8845HS
Radeon 780M
1分18秒
Ryzen 7 8840U
Radeon 780M
1分19秒
Snapdragon X Elite X1E-78-100 2分21秒
Core Ultra 7 155H
Intel Arc
4分06秒
Core Ultra 5 125U
Intel Graphics
5分34秒
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除)
Snapdragon X Elite X1E-78-100 1分40秒
Core i7-13620H 1分48秒
Core i5-13450HX 2分06秒
Ryzen AI 9 HX 370 2分17秒
Core i5-13500H 2分35秒
Core Ultra 7 155H 3分13秒
Ryzen 7 8845HS 3分27秒
Core Ultra 5 125U 4分31秒
Ryzen 7 8840U 4分44秒
※ 6000x4000のRAWデータを編集
Adobe Premiere Proによる書き出し時間

FHD動画の書き出し速度は速かったです。FHD動画のカットやテロップ入れなど、簡単な編集であれば、ある程度快適に行えます。

FHD動画の書き出し
Core i7-13620H
GeForce RTX 3050
1分48秒
Core i7-12650H
GeForce MX550
2分01秒
Ryzen AI 9 HX 370
Radeon 890M
2分19秒
Core Ultra 7 155H
Intel Arc
2分29秒
Ryzen 7 8845HS
Radeon 780M
2分34秒
Ryzen 7 8840HS
Radeon 780M
2分34秒
Core i7-1360P
Intel Iris Xe
2分49秒
Ryzen 7 8840U
Radeon 780M
2分58秒
Ryzen 5 8540U
Radeon 740M
3分01秒
Core 5 120U
Intel Graphics
3分02秒
Core i5-1340P
Intel Iris Xe
3分03秒
Core Ultra 5 125U
Intel Graphics
3分15秒
Core i5-1335U
Intel Iris Xe
3分17秒
Ryzen 7 7735U
Radeon 680M
3分51秒
Ryzen 5 7530U
Radeon Graphics
4分31秒
※ FHD/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
DaVinci Resolve Studio 19 Betaによる書き出し時間

DaVinci Resolve Studio 19 Betaによる書き出し時間です。こちらはCore Ultra 7 155Hよりも遅かったです

Apple M3
8CPU/10GPU
6分07秒 (MacBook Air)
Core Ultra 7 155H
Intel Arc
6分07秒
Ryzen AI 9 HX 370
Radeon 890M
7分04秒
Snapdragon X Elite X1E-78-100 8分43秒
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「明るさ(カーブ)の変更」+「彩度の変更」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、MP4、H.264、2160p 4K Ultra HD、29.97 fpsで書き出したときの時間
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるx265エンコード時間
ソフトウェアエンコード

CPUのみで実行するx265エンコードですが、Core i7-13620H搭載機よりも速かったです。

Ryzen 9 7945HX 3分48秒
Core i9-14900HX 4分22秒
Core i7-14700HX 5分35秒
Core i7-13700H 6分39秒
Ryzen 7 8845HS 7分03秒
Ryzen AI 9 HX 370 7分27秒
Core i7-13620H 7分56秒
Core Ultra 7 155H 8分32秒
Core Ultra 5 125H 8分56秒
Ryzen 7 8840U 10分57秒
Ryzen 7 7735U 11分43秒
Core i5-1340P 12分03秒
Core i7-1360P 12分03秒
Core 5 120U 12分08秒
Ryzen 5 8540U 13分10秒
Core i5-1335U 13分31秒
ハードウェアエンコード

ハードウェアエンコードも比較的速いです。

Core Ultra 7 155H 37秒 (Intel Media SDK Hardware)
Ryzen 7 8845HS 38秒 (AMD Media SDK)
Core Ultra 5 125U 42秒 (Intel Media SDK Hardware)
Ryzen AI 9 HX 370 45秒 (AMD Media SDK)
Ryzen 7 8840U 49秒 (AMD Media SDK)
Ryzen 5 8540U 50秒 (AMD Media SDK)
Ryzen 7 7730U 55秒 (AMD Media SDK)
Core i7-1360P 1分27秒 (Intel Media SDK Hardware)
Core 5 120U 1分42秒 (Intel Media SDK Hardware)
Core i5-1335U 1分52秒 (Intel Media SDK Hardware)
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

本機器では、USB4 Type-C(映像出力、本機への給電をサポート)を2ポート備えています。

ただ、今回、貸出機だったためか、奥側のUSB4ポートだけ、Thunderbolt3ドックが使えませんでした。手前側は問題なく使用することができました。

なお、本機への給電に関しては、45W出力のPD充電器でも充電できましたが、「低速ケーブル」の警告が表示されます。付属のACアダプターが65Wのものなので、PD充電器を使用する場合は、65W以上の出力があるものを選ぶといいと思います。

奥側のUSB4 Type-Cポート
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック ○※3
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック × ×
PD充電器
※1
100W Anker PowerPort III
65W Lenovo GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル ○ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
(4Kモニター)
手前側のUSB4 Type-Cポート
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック ○※3
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
100W Anker PowerPort III
65W Lenovo GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル ○ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
(4Kモニター)
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速充電ケーブルであるとの警告が表示

 

HDMIの動作チェック

4KモニターへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、YCbCr444で表示することができています。

4Kモニター(BenQ EX3210U)へ接続したときの詳細

 

なお、リフレッシュレートを120Hzにすると、色の形式がYCbCr420となり、間引かれた色での表示になってしまいます。

4Kモニター(BenQ EX3210U)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

Zenbook S 16 UM5606WAの質量のチェックです。

メーカー仕様値では「約1.5kg」となっています。当サイトの計測値は以下の通りで、仕様値とほぼ同じでした。ACアダプターも、小型で軽いです。16インチクラスのノートPCとしては軽く、持ち運びがしやすいです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.518kg
ACアダプター+電源ケーブル 178g

 

バッテリー駆動時間のチェック

Zenbook S 16 UM5606WAのバッテリー駆動時間のチェックです。

78Whの大容量バッテリーを搭載しています。

バッテリー容量

 

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。大容量バッテリーを搭載していることに加えて、省電力コアである「Zen 5c」コアを内蔵するプロセッサーになり、低負荷時の省電力性能が向上しており、バッテリー駆動時間は長めでした。動画再生のような負荷の軽い作業であれば、(2)ぐらいの時間のバッテリー駆動が可能です。また、少し負荷のかかる状態が連続するような場合でも、(3)のように長めの時間バッテリー駆動で使用することができるため、持ち出した先でもしっかり作業を行うことができます。ただし、作業内容や使用する場所の明るさなどによってバッテリー駆動時間は大きく左右されるので、ご了承ください。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA3.0(アイドル時) 約15.0時間
(2) JEITA3.0(動画再生時) 約10.7時間
(3) 動画編集ソフトでプレビュー再生 6時間44分
(1)、(2) メーカー公表値
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

207万画素のウェブカメラを搭載しています。自然な映りの画像でした。拡大して見ると、ややノイズがあるように感じる部分もありますが、ノートPCのウェブカメラとしては普通だと思います。

また、IRカメラを搭載しており、Windows Helloの顔認証にも対応しています。ただし、カメラを物理的に隠すプライバシーシャッターなどはありません。

本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
Webカメラ

 

スピーカー

スピーカーは、1W x4、0.8W x2のスピーカーが配置されています。合計6スピーカーを搭載しているだけあり、音質はよく、ノートPC基準で10点満点で7点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー
スピーカー(内部)

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度などの推移を確認します。

「スタンダードモード」では、CPU電力はデフォルトTDPとほぼ同じ28W前後でしばらく動作しますが、時間が経つと低下し、18W~24Wぐらいの間で変動しながら推移しています。このプロセッサーとしては、やや低めのCPU電力なので、CPU温度もほぼ70℃台に収まっており、問題のない温度です。

「フルスピードモード」では、CPU電力が少し上がり、33W前後で動作しています。10分程経過すると、CPU電力が徐々に低下し、29Wぐらいまで下がっています。CPU温度は、80℃前後を保っており、こちらも問題のない温度です。

どちらのモードでも、CPU温度を心配せずに使用することができるでしょう。少しでもパフォーマンスを高めたい場合は、「フルスピードモード」で使用するといいです。

CPU電力
CPU温度

 

静音性のチェック

Zenbook S 16 UM5606WAの動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。負荷をかけると騒音値は高くなりますが、エンコードのような高い負荷がかかる場合でも、同じような構成の他のノートPCよりも騒音値はやや低めです。

騒音値
アイドル時 低負荷時
[YouTube再生]
中負荷時
[動画編集]
高負荷時
[エンコード]
約20dB 約25dB 約36dB 約37dB
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
【PCの状態】
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

エンコードのような高い負荷がかかると、キーボード部の上部を中心に温度が上がりますが、パームレスト部の温度はそれほど変化していません。タイピング時でも不快に感じることはありませんでした。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

CPU電力がそれほど高くないこともあり、消費電力は低めです。

消費電力
アイドル時 低負荷時
[YouTube再生]
中負荷時
[動画編集]
高負荷時
[エンコード]
7W 16W 27W 34W
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

Zenbook S 16 UM5606WAの外観のチェックです。

洗練されたデザインのボディと、美しい表示の有機ELのディスプレイがマッチしており、見た目が非常にいいです。

ボディカラーは、スカンジナビアホワイトです。清潔感のあるライトなイメージで、万人受けする色だと思います。この他に、ズーマニアグレイというボディカラーもあります。

 

天板には、セラミックとアルミニウムを融合した、セラルミナム(ASUSが開発)を使用しています。強度が高く、手触りもいいです。ASUSのロゴを描くラインもかっこいいです。

 

ボディの高さは11.9~12.9mmとなっており、非常に薄いです。

 

インターフェースはご覧の通りです。USB3.2 Gen2 Type-A、USB4x2、HDMI、SDカードリーダーを備えています。

スリムなボディですが、ポート類も揃っています。外出先でも、カメラで撮った写真・動画をSDカード経由で取り込むことができるので、便利です。

 

ディスプレイの開く角度です。フラットにはなりませんが、机の上に置いて使う分には十分な角度です。

 

底面です。

 

裏蓋を開けると、内部はこのようになっています。バッテリーの占める面積が広いです。プロセッサーは、小型のファン2つで冷却しています。

 

ストレージには、Type 2280 M.2 SSDを搭載しており、冷却シートが貼られています。M.2 SSDの交換はできそうです。なお、空きのM.2スロットはないので、SSDの増設はできません。また、オンボードメモリなので、メモリの交換・増設にも対応していません。

 

ACアダプターは65Wです。コンパクトで、ケーブルもかさばりません。持ち運びも想定されているACアダプターのようです。

 

まとめ

以上が、ASUS Zenbook S 16 UM5606WAのレビューです。

AMDの最新プロセッサーである、Ryzen AI 9 HX 370を搭載した、次世代のAI PCです。

最大50 TOPSのNPUを内蔵しており、現時点のノートPC向けプロセッサーとしては最高クラスのAI性能を備えています。ただし、現状では、Ryzen AI 300シリーズのNPUを利用するソフトはほとんど無いため、AI性能を発揮するためには、ソフト側の対応を待つ必要があります。

本機器では、Ryzen AI 9 HX 370をやや低めのCPU電力で動作させていましたが、それでも、一般的なノートPCとしては高めの処理性能と、グラフィックス性能を発揮していました。RAW現像やFHD動画の書き出し速度は、ベンチマークの結果から予測するよりも速く、外出先でのクリエイティブな作業用として実用的なパフォーマンスを発揮していました。

ディスプレイには、2.8Kの有機ELディスプレイを搭載しています。高解像度・広色域で、非常に美しい表示が可能なので、画像・動画を綺麗な表示で見たり、ライトな編集作業を行うのに適しています。

性能や機能だけでなく、デザイン性の高いボディも大きな特徴となっています。シンプルで、無駄のないデザインで、高級感があります。天板には、ASUSの開発したセラルミナムを採用し、堅牢性を高めつつ、触った時の質感もいいです。

また、高さが約11.9~12.9mmと非常に薄いのも特徴的です。さらに、16型ノートでありながら、質量が約1.5kgと軽いので、移動がしやすいです。78Whの大容量バッテリーを搭載していることもあり、大きな画面で、長時間バッテリー駆動状態で作業を行うことができるでしょう。

さらに、無線LANは、最新のWi-Fi 7に対応しています。

人前で作業をすることが多い方など、一つ先を行く、最新のノートPCが欲しい方におすすめの機種です。

 

Ryzen AI 9 HX 370搭載の超薄型PC

ASUS Zenbook S 16 UM5606WA

特徴

  • 最大50 TOPSのNPU内蔵のRyzen AI 9 HX 370を搭載
  • 非常に薄く、16型の割に軽いボディ
  • 2.8K有機ELディスプレイ

こんなあなたに

  • 機能や性能に加えて、デザイン性を重視する方
  • 最新のAI PCを一早く入手したい方
  • 価格31万円台[税込]~
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