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ZenBook 13 UX331UNの実機レビュー

更新日:2018年1月6日

GeForce GTX MX150を搭載したモバイルPC

ZenBook 13 UX331UNは、外部グラフィックスを搭載しながら、モバイルパソコンとしても優秀な製品です。

外部グラフィックスには、GeForce MX150を搭載しています。モバイルPCに外部グラフィックスが搭載されるのは非常に珍しく、GPU支援対応アプリを使用する方や、ライトにゲームをしたい方などに適していると思います。

このようなグラフィックスを搭載したPCは大抵重く2kgはあるケースがほとんどですが、ZenBook 13 UX331UNは約1.14kgと非常に軽いです。しかも、バッテリー容量も50Whと比較的多めで、普通のモバイルパソコンとしても優れています。

外部グラフィックスを搭載しつつ持ち運べるPCが欲しい方は、有力な候補になるのではないかと思います。

ボディカラーには「ロイヤルブルー」と「グレーメタル」があり、今回はロイヤルブルーの実機でレビューします。

CPU 第8世代CPU
Core i5-8250U
GPU GeForce MX150
メモリ 8GB
ストレージ 256GB SSD
液晶サイズ 13.3型ワイド
液晶種類 FHD 広視野角 非光沢
質量 約1.14kg
バッテリー 約14.4時間
サイズ 310[幅]x216[奥行]
x13.9[高さ]mm
LTE 非対応
価格 129,384円(税抜)

 

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は次の構成でレビューをしています。

  • Core i5-8250U、8GBメモリ、256GB SATA SSD、GeForce MX150

目次

お忙しい方は、「1」の特徴のみお読みください。

ZenBook 13 UX331UNの特徴

GeForce MX150を搭載しながら、モバイルPCとしても優秀

ZenBook 13 UX331UNは、モバイルパソコンでありながら、GeForce MX150の外部グラフィックスを搭載している点が大きな特徴です。

GPU支援を利用できるアプリケーションを利用する場合や、ちょっとした息抜きにPCゲームをライトにしたい場合などに役立つことでしょう。また、グラフィック処理に使われるメモリが、メインメモリではなくMX150のメモリになるため、メインメモリの消費を抑えることができるというメリットも生まれます。


GeForce MX150を搭載

GeForce MX150を搭載した製品は他にもありますが、その多くは15.6型クラスのノートパソコンで、一般向けノートとしてはハイエンドな位置づけで販売されています。

13.3型のモバイルパソコンに、GeForce MX150が搭載されるのは非常に稀(まれ)で、しかもモバイルパソコンとしての特性も優秀です。質量は約1.14kgと十分軽量で、バッテリー容量は50Whもあります。筆者の感覚で申し訳ないですが、一般的なモバイルパソコンは、質量が1.2kg台、バッテリー容量は40Wh台であることが多いため、ZenBook 13 UX331UNの質量とバッテリー駆動時間は比較的優れていると思います。

綺麗な天板

ZenBook 13 UX331UNは、「ロイヤルブルー」と「グレーメタル」のカラーが用意されていますが、ロイヤルブルーの天板のデザインはとても特徴的です。

スピン加工という円状の模様が中心部から広がっておりメタリック感がありつつも、その上にガラスのような透明な素材が被せられており光沢感があって、非常に綺麗です。今まで見たこともないような外観で、惹きつけられるデザインです。

ただし、光沢感があるため、指紋が目立ちます。外で使う場合、頻繁に拭き取らないと逆に汚く見えてしまうでしょう。




綺麗な天板

狭額ベゼル搭載でコンパクト

ZenBook 13 UX331UNは、狭額ベゼルを搭載することで、ボディサイズがコンパクトになっています。

ただし、元祖狭額ベゼルのXPS 13と比較すると、ZenBook 13 UX331UNはやや大きいサイズになっています。あらためてXPS 13の凄さを感じます。



狭額ベゼル搭載だが、XPS 13よりはサイズが大きい

指紋認証搭載

ZenBook 13 UX331UNは、指紋認証装置も搭載されています。

外出先でパスワードを使ってログインすると、他の人に覗き見られる可能性もありますが、指紋認証であればそのような心配がありません。また素早くログインすることも可能です。


指紋認証搭載

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイのチェックです。

液晶型番は「AUO_ B133HAN04_9」でした。

最大輝度は、当サイトによる計測で、287cd/m2でした。普通の輝度です。

視野角は良好です。


視野角(斜めから見たときの見やすさ)

 

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。若干寒色系であることが分かりますが、比較的自然な発色だと思います。


 

色域は広めです。


ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

 

画素形状は下図の通りです。ギラつきは感じません。


画素の拡大図

 

メーカーサイトを見ると「ノングレア」と書かれていますが、実物はハーフグレアに近く、やや映り込みがあります。ただし、気になるほどではなく、むしろ発色が良く見やすいです。


画面への映り込み

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

キーストロークは、メーカー仕様表を確認すると、約1.35mmと書かれてあります。キーピッチは書かれていないので実測すると、横:約19mm、縦:18mmでした。十分な数値だと思います。

ノートパソコンにしては、打ち出しの反発は弱めですが、底付きの衝撃は軽減されていて、比較的押しやすいキーだと思います。

気になるのは、「backspace」の上に電源ボタンがある点です。通常、この位置には「delete」キーが配置されることが多いため、「delete」キーをブラインドタッチできる人は間違って押してしまいそうになるでしょう。「delete」キーはホームポジションから遠いので、「delete」のみブランドタッチをしない方もいると思いますが、そういった方はそれほど気にしなくても大丈夫です。


キーボード全体図


キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しています。


キーボードバックライト

 

タッチパッドは面積が広く、ジェスチャー操作がしやすいです。クリックボタンは、普通の力で押せます。


タッチパッド

パフォーマンスのチェック

ZenBook 13 UX331UNのパフォーマンスのチェックです。

CPU

第8世代インテルCoreプロセッサーを搭載しており高性能です。


CPUの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません

グラフィックス

エントリー向けではあるものの、外部グラフィックスの「GeForce MX150」を搭載しています。モバイルパソコンで外部グラフィックスを搭載しているのは非常に珍しいです。CPU内蔵グラフィックの「Intel UHD グラフィックス 620」と比べると、約4倍もの性能差があります。



グラフィックスの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは選択できません

ストレージ

ストレージは、SATA SSDです。PCIe-NVMe SSDより速度は劣りますが十分な性能でしょう。ただ、高スペックな点が特徴のPCなので、PCIe-NVMe SSDでもよかったかなという気もします。


ストレージの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません

ZenBook 13 UX331UNで計測したベンチマーク

以下、実機で計測したベンチマークスコアを掲載します。

短時間で終わるベンチマークは高いスコアですが、長時間負荷のかかるエンコードがCore i5-8250Uにしては長めです。第8世代インテルCoreプロセッサーを搭載したモバイルPCに多いですが、放熱性がやや良くないのかもしれません。

CINEBENCH R15
(CPU性能の評価)

Core i5-8250U
PassMark Performance Test 9.0 CPU MARK
(CPU性能の評価)

Core i5-8250U
3DMark
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)


Core i5-8250U、GeForce MX150
TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
  Core i5-8250U
x265でエンコード (※1) 32分17秒
NVENCでエンコード (※2)
QSVでエンコード (※3) 3分29秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
CrystalDiskMark
(ストレージの評価)

256GB SSD(HFS256G39TND-N210A)

ゲームベンチマーク

ゲームベンチマークのチェックです。

各ゲームベンチマークのスコアは下表の通りです。フルHD(1920x1080)の解像度では、60fpsを超えるのは難しいです。HD(1280x720)の解像度でグラフィック品質を低~中程度まで落とせば、快適にプレイできるゲームが多くなってくると思います。

ゲームベンチマーク(1920x1080)
ゲーム一覧 ASUS ZenBook 13
UX331UN
重さの目安 ゲームタイトル グラフィック
品質設定
1920x1080 1280x720
重いゲーム ゴーストリコン ワイルドランズ 27 fps 40 fps
未実施 23 fps
ウルトラ 未実施 未実施
中程度の
重さのゲーム
FF14 紅蓮のリベレーター 標準品質 ★ 5816 / 40 fps 8140 / 61 fps
高品質 ★ 4158 / 27 fps 6321 / 45 fps
最高品質 2652 / 17 fps 5023 / 34 fps
フォーオナー 41 fps 61 fps
22 fps 37 fps
超高 未実施 未実施
STEEP 最低 29 fps 43 fps
未実施 27 fps
超高 未実施 17 fps
ライズオブトゥームレイダー 最低品質 36 fps 54 fps
中品質 25 fps 42 fps
最高品質 未実施 26 fps
ファークライ プライマル 低い 27 fps 42 fps
高い 未実施 38 fps
最高 未実施 19 fps
軽めのゲーム ドラゴンズドグマオンライン
標準 3946 (快適) 4560 (快適)
最高品質 3705 (快適) 4415 (快適)
ファンタシースターオンライン2 EP4 描画:3 9223 (快適) 10220 (快適)
描画:6 3166 (標準) 5591 (快適)
モンスターハンターF 第三弾(大討伐) 4943 9730
ドラゴンクエストX 最高品質 8273 (とても快適) 10128 (すごく快適)
★「標準品質(ノートPC)」と「高品質(ノートPC)」の設定にしています。
※フレームレート(fps)の掲載値は、平均値です。最小値や最大値ではありません
※CPUやメモリなどの環境によってスコアが変わる点はご了承ください。
※ドラゴンズドグマオンラインは、約5800スコアで平均60fps(当サイト調べ)
※ファンタシースターオンライン2 EPISODE4は、約4500スコアで平均60fps(当サイト調べ)
※モンスターハンターフロンティア 第三弾(大討伐)は、約6000スコアで平均60fps(当サイト調べ)
※ドラゴンクエストXは、約5500スコアで平均60fps(当サイト調べ)

 

なお、GeForce MX150を搭載した「m-Book K」と比べた場合、20%前後はスコアが低かったです原因は、ベースクロックおよびブーストクロックが、m-Book Kよりも低いためです。モバイルパソコンで使用するため、低めにしているのだと思います。


GeForce MX150のグラフィックカードのスペック

カードリーダー/ライターのチェック

内蔵カードリーダー/ライターのチェックです。

SDカード挿入後の出っ張りがややあります。そのため、SDカードを挿入したままカバンに入れると、押されて飛び出る可能性もややあります。


SDカードスロットの位置

 

速度は遅いです。


SDカードのベンチマーク(UHS-Ⅰのカードで測定)

USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト

USB Type-Cポートを利用して、他の充電器やドックで充電などができるかを試しました。

当サイトで試した限りでは、ThinkPad USB Type-C ドックでLANの拡張のみできましたが、いずれの機器も充電や外部ディスプレイの拡張はできませんでした。

メーカー仕様表にも、Power Deliveryや、ディスプレイ出力、Thunderbolt対応などとは書かれていないため、これらには対応していないと思います。

USB Type-C/Thunderbolt充電器/ドックとの互換性
  充電できるか? 外部ディスプレイ、
LANの拡張
ThinkPad USB Type-C ドック NG LANのみOK
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック NG NG
Helper 充電器(60W) NG
ZHOULX 充電器(65W) NG

質量のチェック

ZenBook 13 UX331UNの質量のチェックです。

メーカー仕様表では約1.14kgとなっており、当サイトでの計測値もピッタリ1.14kgでした。一般的なモバイルPCと比べて、やや軽量だと思います。

ACアダプターも191gと軽量です。


質量の計測結果

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は50Whで、やや多めの容量です。

当サイトで計測したバッテリー駆動時間は、下の表の通りです。他のモバイルノートPCと比較して、"普通~やや長め"の駆動時間です。

バッテリー駆動時間
  Core i5-8250U
PCMark 8 Home テスト ※1 5時間03分
PCMark 8 Work テスト ※2 6時間28分
動画再生時 ※3 8時間46分
FF 14 紅蓮ベンチをループ再生 ※4 1時間36分
※画面輝度を約120cd/m2に調整して計測
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行

※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※4 解像度は1920x1080、グラフィック品質は標準に設定。バッテリーブーストの設定で最大30fpsに制限

 

 

 


 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

静音性のチェック

ZenBook 13 UX331UNの動作音(静音性)のチェック結果です。

パソコンの種類によって、負荷を変えていますが、今回は、外部グラフィックスを搭載したモバイルパソコンということで「アイドル時」、「動画編集中のプレビュー時」、「エンコード時」、「FF14ベンチマーク(60fps制限)時」の状態で計測しています。

アイドル時はほぼ無音です。それ以外の騒音値は普通かなと思います。


騒音値の計測結果
計測機器:リオン NL-42K、部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB

【PCの状態】
左から1番目の図:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目の図:PowerDirector の編集画面でエフェクトを追加しプレビュー再生
左から3番目の図:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード時(x265)
左から4番目の図:FF14 紅蓮 ベンチマーク ループ実行(60fps制限)時(標準品質、1920x1080)

パーツの温度のチェック

ZenBook 13 UX331UNの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

普通の温度だと思います。


表面温度のチェック

表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

ゲームをしなければ特に問題ない温度です。ゲーム時はキーボード部分や底面上部の温度がやや高めになります。


消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

アイドル時は低めの消費電力ですが、それ以外は普通です。


外観のチェック

外観のチェックです。

素材は分かりませんが、底面とパームレスト部分については金属系の素材だと思います。液晶ベゼルは樹脂製でしょう。天板は、「ロイヤルブルー」のカラーの場合、金属の上に透明な光沢のある素材を被せたような感じになっています。

なお、この他に「グレーメタル」のカラーも用意されています。

 

クリスタルのような光沢感のある天板です。円状のスピン模様は、「ZenBook」の製品名にあるように「禅」の精神にインスパイアされたそうです。

 

液晶ベゼルのみ樹脂っぽい黒い素材になっています。せっかくいいデザインですが、ここだけ安っぽく見えます。

 

液晶を閉じたときの画像です。

 

harman/kardonのスピーカーを搭載しています。スピーカーが底面にあるためか、ややこもった感じはありますが、比較的良い音だと思います。筆者の感覚で申し訳ないですが、ノートPC基準で点数をつけると、10点満点で6点の音質です(普通が5点で、筆者の独断の評価です)。

 

インターフェースは、フルサイズのUSB3.0が2つ、USB Type-C、HDMI、micro SDカードスロットなどが搭載されています。

USB Type-Cは、前述した通り、PD(Power Delivery)や映像出力、Thunderboltには対応していません。

 

液晶が開く最大の角度です。

 

底面です。

 

底面カバーを開けたときの画像です。

 

CPUとGPU共通の冷却ファンが1つ搭載されています。ヒートパイプは太めですが1本のみです。重いゲームを実行したりなど、CPUとGPUの両方に負荷のかかる作業をすると、排熱が追いつかない可能性があるため、気を付けましょう。

 

メモリはオンボードで交換はできません。

 

M.2 SSDは換装できそうです。

 

バッテリー容量は50Whです。

 

スピーカーです。

 

ACアダプターは小型・軽量です。

まとめ

以上が、ZenBook 13 UX331UNのレビューです。

GeForce MX150の外部グラフィックスを搭載した珍しいモバイルPCです。しかも、比較的軽量で、バッテリー容量もやや多めで、モバイルパソコンとしても優秀です。

価格もそれほど高くなく、外部グラフィックスを搭載したモバイルパソコンが欲しい方は、第一候補に挙がる機種ではないでしょうか?

ただし、GeForce MX150は、通常よりもクロックが落ちているので、一般的なGeForce MX150より20%前後性能が落ちると思っていいです。

今回、「ロイヤルブルー」のカラーを購入してみましたが、透明感がありつつもメタリックな質感で、非常に魅力的なデザインだと思います。ただし、天板は光沢感があるので、指紋は目立ちやすいです。

USB Type-CがPower Deliveryに対応していない点はデメリットです。外部GPUを搭載している関係で、他社のACアダプターを使わせたくないのかもしれませんが、やや残念でした。また、SDカードスロットも、microSDではなくフルサイズのSDカードが挿入できると良かったです。

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