10月モデル

VAIO SX12(2023年6月モデル)の実機レビュー

更新日:
CPU Core i3-1315U
Core i5-1340P
Core i7-1360P
Core i7-1370P
メモリ 8GB ~ 32GB
ストレージ 256GB ~ 2TB SSD
液晶サイズ 12.5型
液晶種類 FHD 非光沢
質量 約899g~950g
バッテリー 最大 約27.5時間(53Wh)
WWAN オプションで5G対応
価格[税込] 17万円台~ ※

※VAIOストアでの価格

持ち歩けるハイクラスのモバイルノートPC

VAIO SX12は、コンパクトで軽いボディで、日常的に持ち歩く方にぴったりの12.5型モバイルノートPCです。

12.5型と小型ではありますが、質感が高く存在感がありますし、処理性能も高く快適に使用することができます。

液晶は、画面比16:9のFHD液晶ですが、色域が広めで、作業がしやすいです。

小型の割にタイピングが比較的しやすいキーボードを搭載し、さらにワイヤレスWAN(5G)を選択することもできます。カラーラインナップ多いので、好みや用途に応じたカラーを選びやすいのもメリットです。

小型のモバイルノートPCの決定版と言えるような機種です。

公式サイトはこちら

 

レビュー機はメーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i7-1370P、32GBメモリ、256GB PCIe SSD

 

目次

お忙しい方は、「VAIO SX12の特徴」のみお読みください。

 

VAIO SX12の特徴

コンパクトで軽い12.5型モバイルノートPC

VAIO SX12は、12.5型で約899g~と、コンパクトで軽いモバイルノートPCです。

モバイルノートPCは13.3~14型の画面サイズが主流です。13型未満のサイズのモバイルノートPCはあまり選択肢がない中、VAIO SX12は貴重な12.5型の小型モバイルノートPCとなっています。

何と言っても、コンパクトなボディなのでカバンへの出し入れがしやすいです。コンパクトなビジネスバックや、女性用のカバンなどでも容易に持ち運ぶことができます。しかも、1kg未満の軽さなので、1日持ち歩くといった用途にも使いやすいです。

12.5型で1kg未満のコンパクト・軽量ボディ

 

VAIOクオリティの高品質

VAIO SX12は、VAIOシリーズの中でもハイエンド機に位置しているだけあって、コンパクトなボディながら、質感が良いです。

天板には立体成型カーボンを採用し、パームレスト部はフラットアルミパームレストとなっています。堅牢性が高く、高級感があります。

質感の高いボディ

 

VAIOらしいこだわりは、リフトヒンジなどにも感じます。キーボード面に傾斜が付くので、タイピングがしやすくなります。

リフトヒンジ

 

また、リフトヒンジ部分が下方に出っ張るので、この出っ張った部分に指をかけることができ、片手でも安定して持つことができます。立ちながら作業しなければならないときに便利です。

リフトヒンジ部に指をかけて持ちやすい

 

液晶面はフラットになり、さらに「Fn+2」を押すことで、画面の向きを反対にすることができます。対面する相手に画面を見せやすくなっています。

フラットになる液晶面

 

モバイルノートPCとしては高めの処理性能

VAIO SX12では、PBP(プロセッサー・ベース・パワー)が28WのCore i5-1340Pや、Core i7-1360Pが搭載可能です。また、「勝色特別仕様」や、「ALL BLACK EDITION」のプレミアムエディションでは、Core i7-1370Pを選択することもできます。

今回は、選択できるCPUの中で最上位となるCore i7-1370P搭載モデルをチェックしましたが、ベンチマークでは下のグラフのような結果になりました。一世代前のCore i5-12450Hの代表的なスコアを超える数値が出ており、モバイルノートPCとしては高い処理性能を備えていることが分かります。

また、グラフィックスに関しても、CPU内蔵グラフィックスとしては高めの性能を備えていました。

外出先でも快適に動作しますし、RAW現像やFHD動画のライトな編集などの用途にも使える性能です。

なお、VAIO SX12では、Core i3-1315U(PBP:15W)も選択することができます。こちらは、そこまで高い処理性能は期待できませんし、このCPUの場合、ワイヤレスWAN(5G)も選択できません。

CINEBENCH R23 ~ マルチコアスコア ~
Core i7-1370P 10957 [本機器で計測]
Core i5-12450H 10260
Core i7-1360P 9720
Core i5-1340P 9688
Core i7-1260P 8677 [旧モデルのVAIO SX12で計測]
 :本製品で選択できるプロセッサー(この他、Core i3-1315Uも選択可能)
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ゆとりのあるメモリ構成がおすすめ

VAIO SX12のメモリはオンボードなので、購入後にメモリの換装を行い、メモリ容量を増やすということができません。そのため、メモリはゆとりのある容量を選んでおくことをおすすめします。

なお、VAIO SX12の通常モデルでは、以下のようなCPUとメモリーの組み合わせを選択することができます。せっかくハイエンドなモバイルノートPCを購入するのであれば、赤枠で囲っている16GBメモリのモデルがおすすめです。

高パフォーマンスを求める方や、予算に余裕がある方は、32GBメモリのモデルや、「勝色特別仕様」、「ALL BLACK EDITION」を選ぶといいです。

選択できる構成

 

色域広めのFHD液晶

最近は、モバイルノートPCでも作業性を重視して、画面比16:10のディスプレイを採用している機種が増えていますが、VAIO SX12のディスプレイは従来通り画面比16:9の液晶を搭載しています。ただ16:10にすると液晶の横幅が狭くなり、それに伴ってボディの横幅も狭くなります。すると、キーを狭くする必要が出てくるので、12.5型のノートPCの場合、FHD液晶でいいと思います。

画面比16:9のFHD液晶

 

ワイヤレスWAN(5G)が選択できる

VAIO SX12では、ワイヤレスWAN(5G)を選択することができます。

ワイヤレスWAN(5G)対応であれば、契約済みのSIMを挿入することで、電波が届く場所であればどこでも簡単にインターネットに接続することができます。

対応しているSIMカードのサイズは、nanoSIMです。

SIMカードスロット

 

一世代前のVAIO SX12では、ワイヤレスWAN(5G)を選択するのに定価で約50,000円ほどかかり、高かったですが、VAIO SX12の新モデルでは、+20,000円でワイヤレスWAN(5G)を追加することができます(8月1日まではさらに10% OFFになるので、+18,000円で追加できます)。5G対応を選択できる他機種と比べても安いです。

この価格であれば、外でネットやメール、クラウドストレージを使うことが多い方でなくても、とりあえずワイヤレスWAN(5G)対応を選択しておくといいと思います。

ワイヤレスWAN(5G)の選択画面

 

なお、VAIO SX12の購入時に、VAIOオリジナル4G LTEデータ通信SIMを一緒に購入することもできます。こちらは、購入時に代金を払えば、その他の契約や解約の手続きは必要ない、プリペイドタイプのSIMです。一般的なMVNOの提供するSIMと異なり、利用者が限定的なためか、昼間の時間帯も速度が出やすいです。ワイヤレスWAN(5G)と一緒に選択してもいいと思います。ただし、こちらは4G LTEとなっており、5Gには非対応なので、5Gのような速度は出ません。

VAIOオリジナルSIMの選択画面

 

しっかりフルサイズのキーボード

VAIO SX12は、小型のモバイルノートPCですが、下図のような横キーピッチ約19mmのフルサイズキーボードを搭載しています。文字入力に使用するキーでサイズが小さいキーがなく、「Enter」キーのサイズも大きめです。

手の大きな方だと、パームレストから手がはみ出るかもしれませんが、小型のモバイルノートPCの中ではタイピングしやすいキーボードです。

キーボード

 

選べるボディカラー

VAIO SX12は、ボディカラーが豊富です。通常モデルでは、下の画像のように、ファインブラック、ファインレッド、ブライトシルバー、アーバンブロンズ、ローズゴールド、ファインホワイトの6色から選ぶことができます。性別、年齢、使用する環境を問わず、自分の好みの色を選びやすいです。ここまでボディカラーの選択肢が広いのは、VAIOシリーズぐらいしか見たことがありません。

カラーラインナップ

 

さらに、これらの通常モデル以外に、今回チェックしている濃い紺色の「勝色特別仕様」や、ブラックで統一した「ALL BLACK EDITION」といったプレミアムモデルも選択できます。

 

LANやThunderbolt 4ポートを搭載

VAIO SX12では、LANポートや、Thunderbolt 4ポートを搭載しており、インターフェイスは比較的揃っています。

ただし、SDカードリーダーはありません。外出先でネットに上げるための写真編集をするような方にとっては、少し残念な部分です。

LANやThunderbolt 4ポートを搭載

 

各用途の快適度

VAIO SX12の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
十分な処理性能で、快適に作業ができます。
動画鑑賞 色域広めの液晶を搭載しており、色鮮やかな表示で動画を見ることができます。スピーカー音は普通ですが、快適に動画視聴できるでしょう。
オンライン会議 カメラ、マイク、スピーカーを搭載し、ノイズキャンセリングやカメラの機能も充実しており、オンライン会議が快適です(ただし、ノイズキャンセリングやカメラの機能はアプリ側で対応していることも多いので必須ではありません)。スピーカーの音質は普通です。
RAW現像
画像編集
当サイト計測でsRGBカバー率98.4%と色域が広めなので、ウェブ掲載用の画像編集などに使用できます。Core i5-1340P、16GBメモリ以上の構成であれば、外出先でのライトな画像編集にも対応できる性能だと思います。
動画編集 △~○ 外部グラフィックスを搭載していないため、動画編集向きではありませんが、高めのスペック構成であれば、簡単なFHD動画の編集にそこまでストレスなく使用できると思います。
ゲーム 外部グラフィックスを搭載していないため、ゲーム向きの製品ではありません。

 

ディスプレイのチェック

VAIO SX12のディスプレイのチェックです。

VAIO SX12は、画面比16:9、FHD解像度の12.5型液晶を搭載しています。非光沢で、フリッカーも発生しておらず、見やすいです。色域が広めで、色鮮やかな表示ができ、質のいい液晶だと思います。

最大輝度は、当サイトの計測では361cd/m2とやや高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

広めの色域です。当サイトの計測ではsRGBカバー率は98.4%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、各色ほぼ揃って1:1に近い直線になっており自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢なので、映り込みが低減されています。ギラつきもほとんど感じません。

画面への映り込み

輝度を下げても、PWM調光によるフリッカー(ちらつき)は発生していませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

VAIO SX12のキーボードのチェックです。

キーピッチは横:約19mm、縦:約18.5mm、キーストロークは約1.5mmでした。12.5型のコンパクトなボディですが、端のぎりぎりまでキーを配置することで、フルサイズのキーを実現しています。また、キートップが適度に湾曲しており、指当たりがいいです。

主要なキーのサイズがそろっていますし、「Enter」キーも押しやすい大きさです。「半角/全角」キーはややスリムですが、全体的なサイズを考えると仕方がないと思います。キー配置も標準的で、小型のモバイルノートPCとしてはタイピングしやすいキーボードです。

タッチパッドの操作性は普通です。クリックボタンは独立タイプなので、押しやすいです。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しています。点灯のタイミングや、点灯の長さを設定することができます。

キーボードバックライト
キーボードバックライトの設定

 

パフォーマンスのチェック

VAIO SX12のパフォーマンスのチェックです。

VAIO SX12は、VAIO独自の「VAIO TruePerformance」という機能により、プロセッサーの性能を引き出すことができます。「VAIOの設定」アプリの「CPUとファン」の部分で、「パフォーマンス優先」を選択すると、最大パフォーマンスで使用することができます。

ここでは、デフォルトの「標準」モードと、高いパフォーマンスが出る「パフォーマンス優先」で計測した結果を掲載します。

動作モードの設定

 

CPU

VAIO SX12の通常モデルでは、Core i3-1315U、Core i5-1340P、Core i7-1360Pを選択することができます。また、ALL BLACK EDITIONや、勝色特別仕様では、Core i7-1370Pか、Core i7-1360Pが搭載されています。なお、Core i3-1315UはPBP:15W、それ以外のCPUはPBP:28Wとなります。

今回は、Core i7-1370P搭載モデルをチェックしており、ベンチマークスコアは下のとおりです。

「標準」モードでは、CPU電力が15W前後で安定しており、それほど高いスコアではありません。「パフォーマンス優先」モードにすると、CPU電力は約40Wから徐々に下がっていき、22W前後で安定して動作していました。Core i7-1370PのPBPである28Wは維持していませんが、Core i7-1360Pの代表的なスコアを超える数値が出ており、高いパフォーマンスを引き出すことができています。

一般的な作業であれば、「標準」モードでも十分な処理性能ですが、負荷が高めの作業をするときには、「パフォーマンス優先」モードで使用するといいです。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i7-1370P
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-13980HX 28398
Core i9-13950HX 27983
Core i9-13900HX 23754
Core i9-12950HX 21617
Core i9-12900H 19223
Core i7-13700H 17622
Core i7-13620H 15109
Core i7-12700H 14546
Ryzen 7 6800H 13999
Core i7-1370P 10957 [パフォーマンス優先]
8081 [標準]
Ryzen 7 6800U 10830
Ryzen 5 6600H 10470
Core i5-12450H 10260
Ryzen 7 7735U 10122
Ryzen 7 5825U 10040
Core i7-1360P 9720
Core i5-1340P 9688
Core i7-1260P 9032
Core i5-1240P 8409
Core i5-1335U 8404
Ryzen 5 7530U 8403
Core i7-1255U 8300
Ryzen 5 5625U 8107
Core i7-1355U 7729
Core i5-1235U 7589
Core i7-1250U 7435
Core i5-1230U 6273
Core i3-1215U 4969
Ryzen 3 7320U 4887
Core i7-1165G7 4720
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-13950HX 2097
Core i9-13980HX 2061
Core i9-13900HX 2011
Core i9-12950HX 1981
Core i9-12900H 1920
Core i7-13700H 1898
Core i7-1370P 1886 [パフォーマンス優先]
1799 [標準]
Core i7-1360P 1826
Core i7-12700H 1823
Core i7-1355U 1811
Core i7-1260P 1802
Core i7-1255U 1776
Core i5-1340P 1722
Core i7-13620H 1718
Core i5-1335U 1685
Core i5-1235U 1675
Core i5-1240P 1666
Core i5-12450H 1663
Core i3-1215U 1592
Core i5-1230U 1532
Ryzen 7 6800H 1522
Ryzen 7 6800U 1504
Core i7-1250U 1495
Ryzen 7 7735U 1476
Ryzen 5 6600H 1476
Ryzen 7 5825U 1460
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 5 7530U 1439
Ryzen 5 5625U 1383
Ryzen 3 7320U 1115
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。

 

メモリ

メモリはLPDDR4Xを搭載しています。今回レビューしたモデルは、LPDDR4X-4266のメモリを搭載しており、帯域幅は広かったです。なお、他のモデルの場合は、LPDDR4X-4266ではないかもしれません。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
32GB(デュアルチャネル)
他のメモリとの比較(帯域)
LPDDR5-6000
デュアルチャネル
64.52GB/s
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
LPDDR5-5200
デュアルチャネル
58.49GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
55.6GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR5-4800
デュアルチャネル
51.68GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア

 

グラフィックス

3DMarkのスコアは次の通りです。メモリの帯域が広いので、CPU内蔵グラフィックスとしては、高いスコアでした。FHD動画のライトな編集ぐらいであれば、そこそこ快適に使用できると思います。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Core i7-1370P
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX550 35717
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
30319
Ryzen 7 7735U
メモリLPDDR5-6400
28714
Core i7-1370P
メモリLPDDR4X-4266
23490 [パフォーマンス優先]
20141 [標準]
Core i7-1260P
メモリLPDDR5-5200
23149
Core i7-1360P
メモリLPDDR5-4800
21897
Core i7-1260P
メモリDDR5-4800
20478
Core i5-1340P
メモリLPDDR5-4800
17774
Ryzen 7 5800U
メモリLPDDR4X-4266
17020
Core i5-1240P
メモリLPDDR5-4800
16524
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
16093
Ryzen 5 5625U
メモリDDR4-3200
15826
Ryzen 7 5825U
メモリDDR4-3200
15728
Core i5-1235U
メモリDDR4-3200
13877
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Ryzen 5 5500U
メモリDDR4-3200
12154
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、アクセス速度は比較的速いです。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
256GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
6429
PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

VAIO SX12に、SDカードスロットは搭載されておりません。

 

クリエイターソフトの処理時間

VAIO SX12で計測した各クリエイターソフトの処理時間を掲載します。ここでは、「パフォーマンス優先」モードで計測しました。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

モバイルノートPCですが、RAW現像の速度は比較的速いです。外出先での作業に適しています。

Core i9-13950HX
RTX 4090 (175W)
29秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-12900HX
RTX 3080 Ti (175W)
32秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-13950HX 37秒
Core i9-13980HX 40秒
Core i9-12900HX 47秒
Core i7-12800HX
RTX 3070 Ti (150W)
52秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H
RTX 3060 (130W)
53秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i5-12500H
RTX 3060 (140W)
58秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H 60秒
Core i7-1280P 64秒
Core i5-12500H 69秒
Core i7-1370P 76秒
Core i7-1260P 81秒
Ryzen 7 6800U 89秒
Core i7-1360P 91秒
Core i5-1340P 92秒
Core i7-1255U 112秒
Ryzen 5 7530U 115秒
Ryzen 7 5825U 117秒
Ryzen 5 5625U 120秒
Core i7-1355U 124秒
Core i5-1235U 131秒
Ryzen 5 7530U 142秒
※2022年6月より、GPUを使用した書き出しも出来るようになったので、この機能が使えるPCは、機能をONにしたときの書き出し時間も掲載しています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

FHD動画の書き出しも短時間で行えます。外出先で、「FHD動画のライトな編集作業を行う」といった用途に適していると思います。

FHD動画の書き出し
Core i7-1185G7
GTX 1650 Max-Q
2分10秒
Core i7-1185G7
MX450
2分28秒
Core i5-1340P
Intel Iris Xe
2分44秒
Core i7-1360P
Intel Iris Xe
2分50秒
Core i7-1355U
Intel Iris Xe
2分53秒
Core i7-1370P
Intel Iris Xe
2分57秒
Core i7-1280P
Intel Iris Xe
3分00秒
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
3分05秒
Core i5-1235U
Intel Iris Xe
3分24秒
Core i7-1185G7
Intel Iris Xe
3分33秒
Core i7-1260P
Intel Iris Xe
3分38秒
Core i5-1240P
Intel Iris Xe
4分01秒
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
4分06秒
Ryzen 5 7530U
Radeon Graphics
4分31秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
4分41秒
Ryzen 7 5825U
Radeon Graphics
4分42秒
Ryzen 5 5625U
Radeon Graphics
4分48秒
Ryzen 5 7530U
Radeon Graphics
5分00秒
Ryzen 7 4700U
Radeon Graphics
5分05秒
※ FHD/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

VAIO SX12は、USB Type-Cポートを2つ備えています。動作チェックの結果は下表の通りです。Thunderbolt 4、USB4、USB3.1、Power Delivery、DisplayPort1.4に対応しており、今回試した機器は全て使用できました。なお、PD充電器での給電に関しては、18W / 30Wのような低出力のものでも充電できてはいましたが、「65W以上が推奨」と表示されます。電源OFF時に充電するだけであれば、出力が低い小型のPD充電器でもいいかもしれませんが、給電しながら使用する場合は、65W以上のPD充電器を使うのが無難だと思います。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
61W RAVPower GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower GaN充電器 ○ ※3
18W cheero充電器 ○ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 警告が表示

 

HDMIの動作チェック

4KモニターへHDMIで接続したときの詳細はご覧の通りです。

BenQ EX3210Uに接続したときは、4K、8ビット、約60Hzでしたが、色の形式がYCbCr420となり、色情報が間引かれた表示となっていました。一方、CS2740に接続したときは、4K、8ビット、60Hz、RGBで表示できていました。

VAIO SX12のHDMIポートの仕様が、1.4なのか2.0なのかよく分かりませんが、一応、4K/60Hzでは表示できないと思ったほうが無難だと思います。

4Kモニター(BenQ EX3210U)へ接続したときの詳細
4Kモニター(CS2740)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

VAIO SX12の質量はとても軽いです。

メーカー仕様表を確認すると、「約899g~950g」となっています。今回は、5Gモジュールを搭載したモデルですが、932.6gと仕様値に収まっており、1kgを切る軽さです。

ACアダプターの質量も比較的軽いです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 932.6g
ACアダプター+電源ケーブル 226g

 

バッテリー駆動時間のチェック

VAIO SX12のバッテリー容量は約53Whです。

一般的なノートPCの中では大きめの容量ですが、最近の本格的なモバイルノートPCとしては標準的なバッテリー容量だと思います。

バッテリー容量

 

バッテリー駆動時間は下記の通りです。動画再生のような軽い負荷であれば(3)のように長めの時間のバッテリー駆動が可能です。常に少し負荷のかかる作業をする場合は、(4)に近いバッテリー駆動時間になると思います。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 (VAIO調べ) 約25.0~27.5時間
(2) 動画連続再生 (VAIO調べ) 約14.0~16.0時間
(3) 動画連続再生 14時間48分
(4) CPU7%、GPU5%の負荷 5時間18分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) メーカー公表値。1920x1080動画再生時
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき

 

当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りで、普通の充電速度です。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
63%(約33Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラには、約207万画素のFull HDカメラを搭載しています。ノートPCのWebカメラとしては高めの解像度なので、精細な画像でした。色味も自然な感じなので、オンラインミーティングなどにも使いやすいです。

また、プライバシーシャッターが搭載されており、レバーをスライドさせることで、カメラを物理的にOFFにすることが出来ます。

本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
Webカメラとシャッター

 

搭載している人感センサーによる動作の設定も行えます。例えば、離席時のロックや、着席時のウェイクを自動で行うことができます。また、顔認証の設定をしておけば、着席時に顔認証でログインし、すぐに使えるようになるので、便利です。

人感センサーの動作設定画面

 

スピーカー

スピーカーは、底面のフロント側に配置されています。音質は普通です。音質を勝手に評価すると、ノートPC基準で10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。なお、タイピング時などに、スピーカー付近に手が重なると、ややこもったような音になります。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

「標準」モードでは、CPU電力は15W前後で落ち着いています。PBP:28WのCPUとしてはやや低めのCPU電力なので、CPU温度も70℃前後と比較的低めの温度を保っています。

「パフォーマンス優先」モードでは、CPU電力が40W前後から徐々に下がり、22W前後で安定して動作しています。CPU温度は、しばらく94℃前後と高めですが、CPU電力の低下に伴って下がり、最終的には70℃台後半ぐらいで落ち着いているので、問題ない温度だと思います。

  • 標準時
  • パフォーマンス優先時
CPU電力&CPUクロック
CPU温度
CPU電力&CPUクロック
CPU温度

 

静音性のチェック

VAIO SX12の動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。負荷がかかると騒音値が上がりますが、他のノートPCと同等程度の騒音値です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Premiere Proでプレビュー再生(320pの低画質動画)
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。

エンコードのような高い負荷がかかる場合でも、キーボード面、パームレストのどちらも表面温度は低めです。タイピング時に、不快に感じることはありません。

VAIO SX12は、底面に通気口がないので、ひざ置きで使用しやすいですが、少し負荷がかかると温度が上がる部分があります。リフトヒンジなので上手く置けば、ひざ置きでも温度が上がるに直接肌が触れないようにできるとは思いますが、ひざ置きで使うときは低温火傷には気を付けながら使うといいでしょう。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

モバイル向けのプロセッサーなので消費電力は低めです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

VAIO SX12の外観のチェックです。

天板にカーボン素材を、パームレストには高輝度アルミニウム素材を使用しており、堅牢性が高いですし、全体的な作りがよく、質感も優れています。

今回は、数量限定の「勝色特別仕様」のカラーです。深い藍色で、高級感があります。

 

天板のロゴや、背面部のオーナメントはゴールドカラーで、洗練されたカッコよさを感じます。通常モデルは、シルバーになります。

 

ボディの高さは、15.0~17.9mmとなっており、薄型です。

 

背面のオーナメント(金属部分)は、やや丸みを帯びており、手で持つときなども滑らかです。通常モデルはここはシルバーのカラーですが、勝色仕様はゴールドカラー、ALL BLACK EDITIONはガンメタリックになっています。

 

パームレスト部分は、一枚板のアルミ素材にヘアライン加工が施されており、手触りもいいです。なお、今回チェックしている勝色や、ブラックカラーのような濃い色だと指紋がやや目立ちやすいです。指紋を目立たせたくないなら、ブライトシルバーかファインホワイトがいいと思います。

 

側面のポート類はご覧の通りです。USB3.0 Type-A x2、USB Type-C(Thunderbolt 4、USB4、Power Delivery、DisplayPort対応)x2、HDMI、LANポートを備えています。SDカードスロットはありませんが、それ以外は揃ったポート構成です。

なお、ほとんどのポートが右側面に配置されているので、電源や、HDMIケーブルなどを挿すと、外付けマウスでの操作の邪魔になる可能性があります。宅内使用に多くの周辺機器を使用する場合は、Thunderboltドックなどを用いると、ケーブル1本で接続できていいかもしれません。

 

ヒンジは180度開き、フラットになります。商談などで対面する相手に画面を見せるときなどに便利です。

 

VAIO SX12の底面はフラットです。キーボード側から吸気するので、底面側に通気口はありません。

 

標準のACアダプターは65Wです。普通のサイズです。持ち運びやすいACアダプターが良ければ、オプションで、小型のマスパワー社製65W充電器を選択することができます。

 

まとめ

以上がVAIO SX12のレビューです。

コンパクトで軽いボディが特徴的な12.5型のモバイルノートPCです。持ち運びがしやすいことが大きな特徴ですが、それだけではありません。VAIOのハイエンドモバイルノートPCらしく、質感が優れており、満足度の高い機種になっています。

小型ながら、最大で第13世代Core i7-1370Pを搭載でき、モバイルノートPCとしては高めの処理性能を選択できます。キーボードもタイピングがしやすいですし、比較的安価にワイヤレスWAN(5G)が選択できるのも嬉しいです。

液晶は、色域が広めなので、外出先での写真編集などにも活用できるでしょう。

今回チェックした、濃い藍色の「勝色特別仕様」モデルや、「ALL BLACK EDITION」のようにプレミアムエディションがあり、特別な一台を選ぶことができますし、標準モデルでもカラーラインナップが多く、好みのボディカラーを選べるのもポイントが高いです。

12型クラスの小型のノートPCを持ち歩きたい方には、最も最適なPCだと思います。

 

特別感のあるモバイルノートPC

VAIO SX12(2023年モデル)

特徴

  • 12.5型、1kg未満のコンパクトで軽いボディ
  • 高級感のあるデザインと質感で、ボディカラーも豊富
  • 5G対応を選択で、追加費用も安い

こんなあなたに

  • 持ち運びやすいモバイルノートPCが欲しい方
  • 外でも自信を持てる機種を使いた方
  • 価格17万円台[税込]~
公式サイトはこちら

 

 

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