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MSI Summit E16 Flip A11Uの実機レビュー
CPU | Core i7-1195G7 |
---|---|
GPU | RTX 3050 Laptop |
メモリ | 16GB / 32GB |
ストレージ | NVMe SSD |
液晶サイズ | 16インチ |
液晶種類 | WQXGA 光沢 120Hz |
質量 | 約2.1kg |
バッテリー | 82Wh |
価格[税込] | 21万円台~ |
MSI Summit E16 Flip A11Uは、コンバーチブル型の2-in-1 PCですが、16型と画面が大きく、さらに外部グラフィックスにRTX 3050を搭載した構成が特徴的な機種です。
さらに、画面比16:10の作業がしやすい液晶は、DCI-P3相当と色域も広いですし、アクティブペンも使用できます。クリエイター向けのノートPCとしてもおすすめです。
スペックだけでなく、デザイン性も高い、上質なノートPCに仕上がっています。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-1195G7、16GBメモリ、GeForce RTX 3050、512GB NVMe SSD
目次
お忙しい方は、「MSI Summit E16 Flip A11Uの特徴」のみお読みください。
MSI Summit E16 Flip A11Uの特徴
外部グラフィックを搭載した大画面の2-in-1 PC
Summit E16 Flip A11Uは、16型の大画面と、外部グラフィクスを搭載した、珍しい構成の2-in-1 PCです。
しかも、この大きめの画面に外部GPUを搭載した構成でありながら、質量は約2.1kgと重くはなく、ボディの厚みも約16.9mmと薄いです。歩きでの移動が主ならやや重たいかもしれませんが、車での移動が主なら、十分外へ持ち出せる範囲の重さです。宅内や社内だけでなく、外に持ち出して、大きめの画面と高めのスペック構成により、快適に作業することも可能です。
また、USB-CポートがPower Deliveryに対応しているのも、外へ持ち出す方にはメリットです。大きい付属のACアダプターではなく、より小型で軽い充電器を携帯することが出来ます。
コンバーチブル型なので、使用する場所や用途に合わせて、下の画像のように自在に変形することもできます。一般的なクラムシェル型のノートPCよりも、より幅広く使用することができるでしょう。
RTX 3050の最大グラフィックスパワーは40W
MSI Summit E16 Flip A11Uは、外部グラフィックスにGeForce RTX 3050 Laptopを搭載しています。
同じGeForce RTX 3050であっても、モデルによって性能がやや異なりますが、MSI Summit E16 Flip A11Uの搭載するRTX 3050の最大グラフィックスパワー40Wとなっていました。
GeForce RTX 3050 Laptopの仕様からすると、最大グラフィックスパワー40Wというのは、低めの設定です。ただ、薄型ボディの2-in-1 PCで、下の画像のように排気口も目立たないように配置されており、放熱性能がそこまで高くない構造を考えると妥当な設定値だと思います。
3DMark Time Spyの結果のグラフを確認してみると、ゲーミングノートPCレベルではエントリークラスとなりますが、それでもGTX 1650Tiを超えるスコアが出ています。CPU内蔵グラフィックスの一般的なノートPCと比べると、かなり高いグラフィックス性能となります。
:レビュー機で計測したスコア
括弧()内は最大グラフィックスパワー
ライトなゲームもできる性能ですが、最もおすすめなのは、動画編集用途です。動画の書き出しにかかる時間が、一般的な外部グラフィックスを搭載しない機種よりも、かなり短い時間ですみます。4K動画の書き出しも、実用的な時間でこなすことができていました。
Core i7-1195G7を搭載
Summit E16 Flip A11Uは、CPUにCore i7-1195G7を搭載しています。これは、Tiger Lake UP3のラインナップの中で最上位のプロセッサーとなります。
既存のTiger LakeのCore i7プロセッサーと比較しても、ターボ―ブースト時の周波数が少しアップするといったレベルで、基本的な仕様にはそれほど差がありませんが、放熱を抑えることができる省電力タイプのCPUとしては、高めの処理性能が期待できます。ただし、HシリーズCoreほどの処理性能ではありません。
Summit E16 Flip A11Uのような、扱いやすさを重視するクリエイター向けノートPCにちょうどいいプロセッサーだと思います。
Core i7-1195G7 | Core i7-1185G7 | Core i7-1165G7 | |
製造プロセス | 10nm SuperFin | ||
コア / スレッド数 | 4 / 8 | ||
cTDP-up周波数 | 2.9 GHz | 3.0 GHz | 2.8 GHz |
cTDP-down周波数 | 1.3 GHz | 1.2 GHz | 1.2 GHz |
ターボブースト時 | 5.0 GHz | 4.8 GHz | 4.7 GHz |
キャッシュ | 12MB | ||
Operating Range | 12W~28W | ||
グラフィックス | Intel Iris Xe | ||
グラフィックス 最大動的周波数 |
1.4 GHz | 1.35 GHz | 1.3 GHz |
グラフィックス 実行ユニット |
96 |
画面比16:10の広色域16インチ液晶を搭載
Summit E16 Flip A11Uは、クリエイティブな用途にも適した液晶を搭載しています。
まず、解像度が2560x1600と、FHD液晶よりも高く、より精細な表示が可能です。色域もDCI-P3相当と広いです。当サイトの計測では、sRGBカバー率100%、DCI-P3カバー率99.7%でした。ウェブコンテンツの作成や、画像・動画編集といった、クリエイティブワークに適しています。
また、アスペクト比16:10となっており、一般的なアスペクト比16:9の液晶よりも縦方向の表示面積が少し広いです。そのため、作業パネルなどが複数あるようなクリエイター向けソフトも使いやすいです。
さらに、120Hz駆動で、1秒間に120回画面を書き換えることができ、滑らかな表示が可能となっています。ゲームをプレイする場合には、軽めのゲームであれば60 fps以上のフレームレートで、快適にプレイできます。
アクティブペンを使用可能
Summit E16 Flip A11Uでは、アクティブペンを使用することができ、MSI Penが付属しています。
MSI Penの性能は、4,096段階の筆圧感知と、傾き検知が可能となっています。USB-C充電に対応しており、1回の充電で最大65時間の連続使用が可能です。
手書きメモなどだけでなく、16型の大きめの画面を活用して、スケッチや本格的なドローイングにも使用できます。なお、ゆっくり直線を引くと、ジッター(波打ち)が発生しますが、それ以外は比較的描きやすいと思います。
一部変則的な配置のキーボード
Summit E16 Flip A11Uは、テンキー付きキーボードを搭載していますが、一部少しだけ変則的な配置となっています。
まず、一般的な4列テンキーではなく、演算記号が上に配置された3列テンキーです。また、大きめの矢印キーにより押し出されるような形で、右「shift」キーのサイズが小さく、さらに「enter」キーの真下ではなくなっています。
キーボード自体は普通の打ちやすさですが、数字を入力する機会が多い場合や、右「shift」キーを頻繁に使用される方は、最初のうちやや打ちにくく感じるかもしれません。
プロフェッショナルな雰囲気のボディ
Summit E16 Flip A11Uは、MSIのビジネスノートという位置付けだけあって、デザインがよく、プロフェッショナルなカッコよさがあります。
ボディカラーは、インクブラックです。深い黒で、重厚感があります。ディスプレイやタッチパッドのエッジ部分はブロンズのような輝きがあり、アクセントになっています。
上質なボディなので、外で作業をする時も、自信をもって使うことができます。
各用途の快適度
Summit E16 Flip A11Uの各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 十分なスペックでサクサク動くでしょう。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 色鮮やかな表示ができるディスプレイを備えており、スピーカー音も比較的いいです。快適に動画鑑賞を楽しめます。 |
オンライン会議 | ◎ | 低ノイズカメラ、4つのマイクを備えており、一般的なノートPCよりも快適にオンライン会議に参加できます。 |
RAW現像 画像編集 |
◎ | 高めの性能Core i7-1195G7と外部グラフィックスを搭載し、液晶の色域も広いので、RAW現像や画像編集に適しています。ただし、光沢液晶である点は、やや気になる方もいると思います。 |
動画編集 | ○ ~ ◎ |
RTX 3050を搭載し、液晶の色域もDCI-P3相当と広いです。プロの映像クリエイターにはやや物足りなさがあるかもしれませんが、YouTube用の動画制作くらいなら十分なスペックです。 |
ゲーム | ○ | GeForce RTX 3050に、120Hz液晶を搭載しています。ゲームのグラフィック品質を調整すれば、多くのゲームをライトに楽しめます。 |
ディスプレイのチェック
Summit E16 Flip A11Uのディスプレイの詳細なチェックです。
搭載されていたパネルは「B160QAN02 P」でした。
WQXGA(2,560x1,600)の120Hz駆動液晶です。色域も広く、クリエイター向けソフトの使用に適しています。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。なお、最大輝度は、当サイトの計測では429cd/m2と高いです。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
色域は広いです。当サイトの計測結果は、下表のとおりです。
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 99.7% |
Adobe RGBカバー率 | 88.4% |
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Summit E16 Flip A11Uのキーボードのチェックです。
実測で、キーピッチは横:19mm、縦:19mm、キーストロークは約1.5mmです。
一部サイズが小さいキーがあります。例えば、「全角/半角」キーは多用するキーですが、サイズが小さいので、押し間違えやすいです。「右Shift」キーもサイズが小さく、さらに、「Enter」キーの真下ではないので、こちらもミスタイプしやすいです。
テンキーも付いていますが、標準的な4列テンキーではなく、3列テンキーなので演算記号などがやや打ちにくいです。
このように、やや標準的なキーボードとは異なる部分も幾つかありますが、総合してみると、普通の打ちやすさのキーボードだと思います。
タッチパッドも、普通の使いやすさです。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
Summit E16 Flip A11Uのパフォーマンスのチェックです。
Summit E16 Flip A11Uでは、MSI Center PROで動作モードを変更することができます。ここでは、いくつかある動作モードのうち、デフォルトの「バランス」モードと、最も高いパフォーマンスが出る「ハイパフォーマンス」モードでベンチマークなどを計測しました。
CPU
Summit E16 Flip A11Uが搭載するCPUは、Core i7-1195G7です。
Core i7-1195G7は、Tiger Lake UP3の最上位となるプロセッサーです。シングルコアのスコアがとても高いです。また、マルチコアも、HシリーズCoreには及ばないものの、インテルのノート用省電力版のCPUとしては高いスコアが出ています。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
メモリはLPDDR4Xです。オンボードなので、換装はできません。
~メモリ性能の評価 ~
今回、SiSoftware Sandra 2020のソフトでメモリの速度を計測しようとすると、ブルースクリーンになってしまうので、計測はしていません。
グラフィックス
グラフィックスには、GeForce RTX 3050 Laptopを搭載しています。
最大グラフィックスパワーが40Wと抑えられているので、GeFoece RTX 30シリーズとしては低めのグラフィックス性能でした。ただし、従来のエントリークラスGPUのGeForce GTX 1650/1650 Tiよりは高いスコアでした。
なお、動作モードを変えても、グラフィックス性能には大きな差がありませんでした。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー
GPU-Zで確認したGeForce RTX 3050 Laptopの情報は次の通りです。動作モードを変えても、GPUクロック等は変化しませんでした。
ストレージ
今回は、ストレージにPCIe Gen4 SSDを搭載しており、読み込み速度が非常に速いです。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
microSDカードスロットを搭載しており、アクセス速度は非常に速いです。
クリエイターソフトの処理時間
以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
GeForce RTX 3050を搭載していることもあり、AIを使用した重めの処理でも作業にかかる時間は短めです。PhotoShopも快適に使用できます。
処理時間 | |
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) | 約5秒 |
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) | 約1分31秒 |
ニューラルフィルター(スタイルの適用) | 約8秒 |
スーパー解像度 | 約8秒 |
コンテンツに応じた塗りつぶし | 約3秒 |
被写体を選択 | 約3秒 |
FHD動画の書き出しは高速です。4K動画の書き出しにかかる時間も十分実用的な範囲に収まっていると思います。FHD/30fpsの動画なら(他に重いアプリを動かしていなければ)快適に作業できるでしょう。また、4K/30fps動画の編集の場合、HシリーズCoreプロセッサーおよびGeForce RTX 3060クラスのグラフィックスを搭載したモデルのほうがおすすめですが、本製品でも比較的快適に編集作業が行えていました。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ゲームベンチマーク&フレームレート
動作モード
ゲームに付属のベンチマーク機能のスコア、または実際にゲームをプレイしFrapsで計測したフレームレートを掲載します。
ここでは、「ハイパフォーマンス」モードにして計測しています。
eスポーツタイトルのフレームレート
国内で人気の高いeスポーツタイトルの平均フレームレートを掲載します。すべて同じバージョン、同じ状況で計測しているわけではないので、あくまで参考値としてご覧ください。
今回試した全てのタイトルで、最高画質設定でも60 fps以上出ており、eスポーツを楽しむことができます。VALORANTのように、120 fpsを超える高めのフレームレートが出るタイトルであれば、120Hz駆動液晶を活かした、滑らかな映像でのゲームプレイも可能です。
軽い部類のゲーム
Apex Legends(DX11)
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 97 fps |
高設定 | 66 fps |
軽い部類のゲーム
VALORANT
|
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 211 fps |
高設定 | 141 fps |
軽い部類のゲーム
フォートナイト
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 222 fps |
高設定 | 88 fps | |
最高設定 | 67 fps |
軽い部類のゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
|
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 非常に低い | 98 fps |
中型 | 85 fps | |
ウルトラ | 73 fps |
その他のゲームタイトルのフレームレート
その他のゲームのベンチマークスコアを下の表に掲載します。
重い部類のゲームでも、画質を調整することで60 fps以上のフレームレートで普通にプレイできるタイトルもあります。画質にこだわらなければ、多くのゲームをそこそこ快適にプレイできます。
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 軽量品質 | 70 fps |
標準品質 | 57 fps | |
高品質 | 40 fps |
重い部類のゲーム
ファンタシースターオンライン ニュージェネシス
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 最低 | 26981 / 124 fps |
高 | 11367 / 78 fps | |
ウルトラ | 3707 / 44 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ(DX11)
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 標準(ノート) | 14840 / 106 fps |
高(ノート) | 12486 / 89 fps | |
最高品質 | 10382 / 72 fps |
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 最高品質 | 19130(すごく快適) |
その他のゲーム
上に掲載していない他のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートを利用して、純正以外の充電器やドックが使えるかを試しました。
USB-Cポートは、Thunderbolt、DisplayPort、Power Deliveryに対応しています。今回試したすべての機器が使用できました。ただし、出力が高くないUSB-Cアダプターでは、警告が表示されます。USB-Cアダプターを使用する場合は、65W以上の出力があるものがよさそうです。
USB-Cでの充電が出来るため、外出先での作業にも適したノートPCだと思います。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
90W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
65W ThinkPad ACアダプター | ○ | ― | ― | |
61W RAVPower GaN充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
45W Lenovoウルトラポータブル | △ ※3 | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
18W cheero充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | ○ | ○ | ○ |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 警告が表示されるが、充電は可能
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、8ビットでの表示は出来ていますが、色の形式がYCbCr420でした。HDMIで外部ディスプレイに接続しようと思っていた方はご注意下さい。
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトには「約2.1kg」と記載されています。当サイトで計測した質量は次の通りで、公表値とほぼ同じでした。外部グラフィックスを搭載した、16型の2-in-1 PCとしては、軽めの質量だと思います。ただし、ACアダプターはやや重めです。
質量 | |
PC本体 | 2.116kg |
ACアダプター | 427g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量はメーカー公表値では82Whとなっており、多めの容量です。
当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。ライトな作業であれば、バッテリー駆動でもそこそこの時間使用することができます。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0測定方法 | 最大約11時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 7時間10分 |
(2) 動画再生時 | ー |
(4) PCMark 10 Gaming | 2時間28分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限
当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。充電速度は速いです。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
「バランス」モードでは、CPU電力は26~29W前後で推移し、CPU温度は概ね80℃以下に抑えられています。
「ハイパフォーマンス」モードでは、CPU電力がアップし、37~43Wと高めをキープしており、高いパフォーマンスが出ます。ただし、CPU温度は90℃台後半まで上がっており、高めの温度です。
基本的には「バランス」モードにしておいた方が安心だと思います。
- バランス時
- ハイパフォーマンス時
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時でも少し音がします。高めの負荷をかけたときは、一般的なノートPCよりも、やや高めの騒音値かなと思います。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
キーボード面の温度は上がり、やや熱く感じますが、パームレスト部分の温度は、それほど熱くなりません。高い負荷をかけるとやや手のひらも暖かく感じますが、耐えられないほどではありません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。
最大グラフィックスパワーも低めに設定されているので、GeForce RTX 30シリーズの外部グラフィックスを搭載しているノートPCとしては、低めの消費電力です。
外観のチェック
Summit E16 Flip A11Uの外観のチェックです。
重厚感のあるインクブラックのボディです。タッチパッドのエッジ部分などがアクセントになっています。
天板です。深いブラックの天板に、MSIエンブレムだけが光を反射し、かっこいいです。
閉じた時の画像です。厚さは16.9mmと、外部グラフィクス搭載PCとしては薄いです。
スピーカーは底面の左右サイドに配置されています。音質も比較的いいです。ノートPC基準で、10点満点で採点すると6点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
Webカメラは約92万画素で、普通の画質です。顔認証カメラも搭載しており、Windows Helloの顔認証を使用できます。ボディの左側面には、WebカメラのON/OFF切り替えスイッチがあります。
パームレスト部には、指紋認証リーダーも搭載しており、指紋認証にも対応しています。
側面のポート類です。USB3.2 x2、USB-C(Thunderbolt、Power Delivery、DisplayPort対応) x2、HDMI、microSDカードリーダーを備えています。
底面です。凹凸が少なく、シンプルな外見です。
ACアダプターは、90W出力のUSB-Cタイプで、サイズはやや大きめです。
まとめ
以上が、MSI Summit E16 Flip A11Uのレビューです。
Core i7-1195G7 + RTX 3050 Laptopという、高めのスペックを備えた、16型のコンバーチブル型2-in-1 PCです。
2-in-1 PCとしては大画面となる16型液晶は、アスペクト比16:10、WQXGA解像度、DCI-P3相当の広色域と特徴的で、クリエイティブワークも含めて、作業がしやすいです。アクティブペンにも対応しています。120Hz駆動なのでゲームも優位に進められます。
このスペック構成と、大きめの画面サイズでありながら、約2.1kgと重くはなく、約16.9mmと薄型のボディなので、持ち運びもしやすいです。画像・動画編集などのクリエイティブな作業にも十分使用できると思います。
さらに、ボディの質感が高く、デザイン性も高いです。ビジネスPCとしても、クリエイター向けPCとしても、快適に使用できる、ワンランク上のPCとしておすすめの機種です。
RTX 3050を搭載した16型の2-in-1 PC
MSI Summit E16 Flip A11U
特徴
- Core i7-1195G7 + RTX 3050の構成
- WQXGA・DCI-P3相当・120Hz駆動の16型液晶搭載
- この構成で約2.1kgと軽めの2-in-1 PC
こんなあなたに
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1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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