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レノボ ThinkPad X220の実機レビュー
作業の快適さならこれ
ThinkPad X220は、12.5型と小さいサイズの割には、作業が快適に行えるモバイルノートパソコンです。
打ちやすいキーボード、視野角の広いIPS液晶(※)、高いパフォーマンス、優れた静音性、マウス操作しやすいトラックポイント等がその理由です。
小型のモバイルノートPCは、操作性が犠牲になっているパソコンが多い中、ThinkPad X220の高い操作性は貴重な存在でしょう。
欠点は、4セルバッテリで約1.4kg、6セルバッテリで約1.5kgとモバイルノートにしては重量がやや重いことです。各バッテリでの駆動時間は後述します。
それでは、実際にThinkPad X220を使ってみた上でのメリット・デメリットを記述していきます。
※IPS液晶はオプションです。
目次
1 ThinkPad X220 の基本スペック | 2 ここがすごい - 作業が快適に行える |
3 ここがすごい - 視野角の広いIPS液晶を選択可能 | 4 ここがすごい - 打ちやすいキーボード |
5 ここがすごい - 頑丈ボディ&防滴仕様 | 6 ここがすごい - キーボードを照らすライト |
7 ここがすごい - ピークシフト | 8 総合ベンチマーク |
9 動画のエンコード時間のチェック | 10 PCの起動・シャットダウン時間のチェック |
11 バッテリ駆動時間のチェック | 12 重量のチェック |
13 本体の厚さのチェック | 14 静音性のチェック |
15 パーツの温度のチェック | 16 表面温度のチェック |
17 消費電力のチェック | 18 外観をチェック |
19 パーツの選び方 | 20 購入後の注意点 |
21 まとめ | |
番外編(順次公開) | |
X220をSSDへ換装してみる | ThinkPad X220のHDDモデルとSSDモデルの比較 |
X220とX201sとの比較 | X220とレッツノート S10との比較 |
ThinkPad X220 の基本スペック
本機の基本スペックを紹介します。※2011年5月5日現在の情報です。BTOパソコンという特性上、時期が経つと選択できるパーツは異なります。
CPU 第2世代インテルCPUのCore i3からCore i7までを選択可能です。最大でCore i7-2620Mを搭載可能です。本機は、Core i7-2620Mです。 |
グラフィックカード インテルHDグラフィックス3000です。独立グラフィックスは搭載できません。 |
液晶ディスプレイ 12.5型の非光沢液晶です。解像度は1366x768です。IPS液晶を選択可能です。本機はIPS液晶です。尚、パネルはLP125WH2-SLB1(LG製)でした。 |
メモリ PC3-10600のメモリを搭載可能です。本機は8GBです。中身は、サムスン製M471B5273CH0-CH9でした。 |
ハードディスク 5400rpmまたは7200rpmのHDDを搭載可能です。本機は7200rpmの320GBです。中身はHITACHI HTS723232A7A364でした。 |
SSD 128GBまたは160GBのSSDを搭載可能です。HDDとの両搭載はできません。尚、7mmの厚さのSSDでなければ換装できません。 ※160GBのSSDを搭載したときの各種テスト結果も掲載しました。 |
光学ドライブ 内蔵型光学ドライブは搭載できません。CDやDVDを使用する場合、外付けポータブルDVD等が必要となります。 |
ここがすごい - 作業が快適に行える
ThinkPad X220の最大の特徴は、12.5型という小ささの割には、作業が快適に行える点です。
その理由は、キーボード・液晶などの入出力インターフェースが良く、パフォーマンスや静音性も高いためです。詳細は次の見出し以降に説明します。
ここがすごい - 視野角の広いIPS液晶を選択可能
ThinkPad X220は、高価なIPS液晶を選択することができます。実際に確認してみましたが視野角は抜群に良いです。また、ギラツキもそれほど感じませんでした。
ThinkPadシリーズの液晶はやや青色が強い傾向にありますが、このIPS液晶については、色温度が低く赤色が強い傾向にありました。色再現性は悪くなるもののテキストは見やすく眼に優しいと感じました。自宅で使用している液晶ディスプレイの色温度は低めに設定してあるので、個人的にはちょうど良いです。色全体が赤っぽいとか、黄色っぽいとか、暖色寄りに感じる方もいるかもしれませんが、慣れればテキストなどは読みやすいと思います(部屋の蛍光灯の種類等の環境にもよります)。
「デジカメで撮影した写真をよく確認する」といった方のように、画像をよくチェックする人には向いていない液晶かもしれません。しかし、「Office作業やWeb閲覧などが主な使用用途である」といったようにテキストをよく読む人には良い液晶であると思います。
もし、この赤っぽい画面が嫌な場合は、「コントロールパネル」>「色の管理」>「詳細設定」>「ディスプレイの調整」から、赤と緑のバーを少し下げると良いでしょう。
正面の画像。色温度が低めになっており、目が疲れにくいように感じます。
斜めから確認した画像。視野角は非常に良いです。
さらに斜めから確認した画像。ここまで斜めから見ても画面を認識できます。
ここがすごい - 打ちやすいキーボード
12.5型という小さいサイズでありながら、キーボードは非常に打ちやすいです。
小型のモバイルノートPCは、16~18mmくらいのキーピッチが多いですが、Thinkpad X220は実測で縦19mm、横19mmと十分に広いキーピッチです。キーが湾曲しており指のフィット感も良好です。
また、「Esc」や「Delete」、「Ctrl」などの良く使うキーが、他よりも大きくなっています。通常はFnと同時に押さなくてはならないことが多い「Home」や「End」、「PgUp」、「PgDn」のキーも独立しています。ボリュームボタンや、消音ボタンが独立しているのも便利です。
指をホームポジションに置いたまま、マウス操作や画面のスクロールができるトラックポイントも健在です。
キーボード全体図。7列キーボード採用。
「Esc」や「Delete」キーは大きくなっています。ボリュームや「Home」キーなどが独立しています。
左図:好評のトラックポイント。右図:キートップは湾曲して指がフィットする。
タッチパッドは、表面にポツポツした凹凸があり、指が濡れていても比較的動かしやすいです。クリックボタンはタッチパッドと一体型になっています。ややクリック感が堅く、タッチパッド自体が狭いこともあり、あまり操作しやすいとは感じませんでした。
キー操作や、トラックポイント操作中に、タッチパッドに誤って触れてマウスが動くことがあるため、タッチパッドは無効にしたほうがいいと思います。
クリックボタンはタッチパッドと一体型。操作性はイマイチ。
ここがすごい - 頑丈ボディ&防滴仕様
ThinkPadは、落下試験、防塵試験など様々なテストをクリアした頑丈さにおいてはトップレベルのパソコンです。またキーボードが防滴仕様になっており、水をこぼしても壊れにくくなっています。
レノボのホームページに品質テストの様子が掲載されていますので、ご興味があればご覧ください。
第一回 自由落下試験 (外部リンク)
第二回 開閉試験 (外部リンク)
第三回 LCDストレステスト (外部リンク)
第四回 片持ち落下試験 (外部リンク)
第五回 防塵試験 (外部リンク)
ここがすごい - キーボードを照らすライト
ThinPad X220は、キーボードを照らすライトを搭載しています。
東北地方太平洋沖地震があったとき、私は帰宅難民となりホテルに泊まったのですが、そのホテルは停電しており部屋は真っ暗でした。そのとき旧モデルのThinkPad X201sを所持していたのですが、このライトのおかけでキーボードが見えパソコンを操作することができました。WiMAXでネットにつなぎ、地震の状況を確認したり、電車の運転が再開しそうかを確認したりすることができました。このときはライトがあって本当に良かったと感じました。
これは希なケースの使用例ですが、その他のケースでも、キーボードを照らすライトがあると何かと便利です。
キーボードを照らすライト。Fn+PgUpキーを押すことで画面上部のライトをON/OFFできます。
ここがすごい - ピークシフト
ThinkPad X220も、他のThinkPadシリーズと同じくピークシフト機能が搭載されています。
ピークシフトとは、バッテリ駆動と充電を意図的に行い、パソコンの電力を消費する時間帯をずらす機能です。
日中や夕方など、電力不足となりやすい時間帯はバッテリで駆動させ、深夜など電力が余っている時間帯は充電するということを、ACアダプターに接続したまま自動で制御することができます。
X220は、ThinkPadシリーズの中でもバッテリ駆動時間が長いほうなので、"ピークシフト向き"のパソコンと言えます。
ピークシフトの設定方法は、別ページにまとめましたので「ピークシフトの設定方法」をご覧ください。
総合ベンチマーク結果 - 高い処理性能
ThinkPad X220のベンチマークスコアを紹介します。
モバイルノートPCにしては、全体的に高いスコアです。メモリは、4GBの2枚差しのためか、Windowsエクスペリエンスインデックスで7.5ものスコアが出ました。グラフィックスもCPU内蔵にしては高いスコアです。
購入時に160GBのSSDを選択すると、Windowsエクスペリエンスインデックスのプライマリハードディスクは7.8にまで上がります。他のベンチマークソフトのHDDスコアも大幅に上昇します。
Windows エクスペリエンス インデックス
↑【HDDモデル】
↑【SSDモデル】
CrystalMark 2004R3 ベンチ & PassMark Performance Test ベンチ
↑【HDDモデル】
↑【SSDモデル】
※PassMarkのCDのスコアは、レノボ製外付けポータブルDVDを装着したときの値
CrystalDiskMark の結果
↑【SSDモデル】
動画のエンコード時間のチェック - ノートにしては速い
ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5
Core i7-2620M搭載のThinkPad X220について、動画のエンコード時間を計測しパフォーマンスをチェックしました。
エンコードに使用したソフトは、ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5 です。
テストの結果は、(1)が31分39秒、(2)が11分47秒でした。Core i7-2620Mを搭載しているだけあって、x264によるエンコードでも十分速いです。クイック・シンク・ビデオならさらに3分の1程度の時間で完了します。
尚、SSDモデルでもテストしましたが、結果はHDDモデルとほぼ同等でした。エンコード方法 | HDDモデル | HDDモデル |
---|---|---|
x264でエンコード | 31分39秒 | ←ほぼ同じ |
GPGPU(クイック・シンク・ビデオ)でエンコード | 11分47秒 | ←ほぼ同じ |
iPhone 4で視聴可能なMPEG-4 AVC(解像度:1280x720)へ変換
PCの起動・シャットダウン時間のチェック - 普通
PCの電源を入れてから、デスクトップ画面が表示されるまでの起動時間と、シャットダウンボタンを押してからPCが停止するまでのシャットダウン時間を計測しました。結果は次の通りです。速いと言えば速いですが、lenovo enhanced experience 2.0(EE 2.0)の効果はそれほど感じられませんでした。
チェック内容 | HDDモデル | SSDモデル |
---|---|---|
PC起動時間 | 約39秒 | 約26秒 |
PCシャットダウン時間 | 約9秒 | 約8秒 |
次のページでは、4,6,9セルバッテリの駆動時間および重量について計測した結果を掲載します。